墓石の修理の方法を詳しくご紹介!長持ちのコツは小まめな手入れ

墓石の修理の方法を詳しくご紹介!長持ちのコツは小まめな手入れ

墓石の修理とは?徹底解説

  • お墓のリフォームは石材店で対応可能。汚れ除去や傾き修正など多様。
  • 修理費用は作業内容によって変動。自分での修理はリスクを伴う。
  • 簡単な修理用具はホームセンターで手に入る。安全に注意。
  • 定期的なお参りと清掃でお墓を保つ。問題は専門店へ相談を。

墓石のひび割れや傾き、しつこいヨゴレなど、自分たちではどうしようもできない困り事ってありますよね?
お墓は家族や先祖が眠る大切な場所です。なるべく負担をかけず、適切な修理をして、末永くお参りできるお墓にしたいものです。

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今あるお墓を片付けることに抵抗感がある方もいるかもしれません。
しかし、大切なのはお墓をきちんと片付け、あとの供養に繋げていくことです。

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この記事の目次

  1. 墓石の修理とは?リフォームとも言う
  2. 修理で直る?お墓の壊れ具合と修理内容
  3. お墓のリフォームを希望する人はこういう人
  4. 業者にお墓の修理を依頼する方法
  5. 自分の手でお墓を修理する方法
  6. 長持ちさせるために!お墓のメンテナンス方法
  7. どこまでが「故障」?お墓は雨や風や日差しにさらされるもの
  8. まとめ
  9. 監修者コメント

墓石の修理とは?リフォームとも言う

墓石の修理とは「リフォーム」とも言います。

いま建っているお墓でさまざまな気になる点、困っている点は、どんなことでも石材店に相談しましょう。

「墓石の表面の汚れがひどい」

「墓石が傾いている」

「墓石の表面が割れたり欠けたりしている」

「雑草がひどくて草抜きが大変」

こうした悩みは挙げたらいとまがありません。

石材店に依頼しますと、お墓のあらゆる悩みごとを解決してくれるでしょう。

修理で直る?お墓の壊れ具合と修理内容

それでは墓石の修理をについて、その内容別にみていきましょう。

墓石の表面の汚れ

墓石の表面にこびりついた汚れにもいくつか種類があります。

  • 水が溜まることでできてしまう水あか

水あかは表面を専用の薬剤で拭き取ることで、ある程度は除去できるでしょう。ただし、石材の表面には目に見えないほどのミクロの穴(細孔)があり、その中に薬剤がしみ込む可能性があるので、あまりおすすめはできません。 

  • 石材の内部から浮き出てしまうサビ

石材はすでにその内部に鉄分を含有しているので、サビが出てくるのは仕方がない側面もあります。サビが出ると表面がうっすらと黄ばんだ感じになるでしょう。

拭き掃除では除去できないので、どうしてもサビを取り除きたい人は、墓石の磨き直しを依頼しましょう。グラインダーと呼ばれる研磨域で表面を磨き落とすことで、多少は除去できます。

ただし、時間が経過するとサビが浮き出てくるのは防ぎようがないでしょう。

お墓が傾いている

お墓の傾きは、地盤の基礎工事をしているかいないかによります。お墓は、その大きさにもよりますが、1トン近くの重量があります。

いまのお墓の地盤はランマー(地盤を絞め固める手持ちの機械のこと。単気筒エンジンの動力で上下に動きます)などで叩いて土を絞め固め、鉄筋コンクリートなどでしっかりと地盤を固めます。

数十年前に工事したお墓ではそこまでの基礎工事はされていないことが多く、長い年月が経つと傾いてしまいます。お墓の傾き直しは、いったん墓石を解体し、地盤をもう一度掘り返して、丁寧に基礎工事をしなければなりません。

それなりの大がかりな工事です。

文字を彫刻してほしい

亡くなった人の納骨は、四十九日や一周忌などの区切りの法要にあわせて行われます。納骨の日までに故人様の戒名などを彫刻しましょう。

彫刻する内容は、戒名、生前の名前、命日、年齢などです。竿石の側面か墓誌に彫刻します。竿石に彫刻する場合は、あらかじめ寺院に”性根抜き”をしてもらわなければなりません。

彫刻工事は、石材を工場に持ち帰る場合と、現場で彫刻する場合と、ふたつのケースがあります。最近はサンドブラストという機械が普及したため、現場での工事が主流です。

彫刻文字の色があせている

彫刻部分に黒や白や朱や金などの色を入れます。この色があせてくると、なんだか墓地全体が古びてくすんでみえるものです。

文字の彫り込まれた部分は、その中に水性塗料を塗りこみます。金の場合は、塗料ではなく、本物の金箔を押すこともあります。

雑草が生える

墓地の雑草は、最も頭を悩ますもののひとつではないでしょうか。

お墓の地盤は固めてはいけないという考え方もあり、清浄な墓域内に除草剤を撒くことに抵抗を持つ人がいるのも事実です。

筆者の個人的な考えでは、お墓掃除こそお墓参りの醍醐味だと考えています。手間ひまかけて大変な労力を要しますが、生えた雑草を引き抜き、汚れていたお墓がきれいになっていくことで、私たちの心も洗われていくような気がするのです。

とはいえ、それでも防草対策を希望する人はたいへん多いです。いくつかその対応策をご紹介します。

盛り土をコンクリートで固める

盛り土、つまり土の表面部分をコンクリートで固めます。こうすると、コンクリートが割れたりしない限り、草は100パーセント生えてこないでしょう。その上に五色石などの玉砂利を敷き詰めるとさらにきれいになります。

ただし、問題がいくつかあります。ひとつは透水性がないために、雨水はすべて墓域の外に流れ出ます。玉砂利を敷いていると、それらも一緒に流されてしまうこともあるでしょう。

もうひとつは、地盤を固めてしまうことの抵抗感です。土を窒息させてしまうことが気になる人は、控えておいた方がいいでしょう。「気になる」ことは避けておくのが賢明です。

”防草マサ”や”ストーンレジン”などの製品を利用する

雑草で頭を悩ます人が多いため、さまざまな商品が出回っています。筆者がおすすめするのが、”防草マサ”と”ストーンレジン”です。

  • 防草マサ

防草マサとは、草が生えにくくする真砂土(まさつち)のことです。固まるタイプと固まらないタイプがあります。固まるタイプは、土のような見栄えですが、表面はがちがちに固まります。

コンクリートと同じで、透水性がないために、草は極めて生えにくいのですが、年月が経つと水こけなどのリスクがあります。表面に玉砂利を敷き詰めるとよいでしょう。

固まらないタイプは、草が生えにくい成分が土砂の中に含まれています。固まるタイプよりは草が生えるリスクがありますが、透水性があるために、水こけなどが生えることはないでしょう。

  • ストーンレジン

ストーンレジンとは、天然石と樹脂をまぜあわせた舗装材です。お墓だけでなく、庭の舗装などにも利用されています。

表面は樹脂によって固められるため、草が生えないのに透水性があるというすぐれものです。ただし、見た目に光沢があり、土や砂利とは違った風合いになるので、事前にサンプルを見せてもらいましょう。

  • 外柵の石がずれている、あるいは外れて傾いている

外柵とは、墓地の四方を囲む石のことです。年月が経つと、この外柵が外側に傾き、隣のお墓を傷つけてしまうと、最悪の場合、弁償問題になりかねません。

最近では、外柵同士の結合部分にステンレスの金具を入れるので、こうした心配はありません。古いお墓で、外柵の傾きが気になる人は、石材店に相談しましょう。

お墓のリフォームを希望する人はこういう人

お墓のリフォームを希望する人は、ご先祖様が守ってきたお墓を大切に維持したいと思われる人たちです。

どうしても古くなってしまって維持が困難な場合は、建て替えもやむを得ないでしょう。しかし、こまめなメンテナンスやリフォームを繰り返すことで、お墓は長持ちしてくれます。

そして何より、建て替えよりも安い費用で済みます。 

業者にお墓の修理を依頼する方法

お墓の修理を依頼するときは、まずは石材店に相談しましょう。そして必ず現地に同行することになります。

予め希望の箇所の写真などを持っていくと、スムーズに話が進むでしょう。

お墓の修理の費用相場

修理の費用は、それぞれの案件でことなります。ここでは一般的な相場を挙げてみます。

  • クリーニング(掃除) 1万円~

クリーニングは、石塔の表面の汚れを除去します。建立からの年月やお墓の大きさによって金額が決まります。

  • 彫刻部分の色入れ直し 5,000円~

文字の彫刻部分に色を入れなおします。水性塗料を用いますが、金箔を入れる場合は費用がさらにかかるでしょう。 

  • 文字彫刻 4万円~

最近はほとんどが現場彫刻ですが、工場に持ち帰る場合は、解体費や据え付け費も上乗せされます。

  • 防草施行 1万円~/㎡

盛り土を防草仕様にしなおす場合は、墓地の面積によって費用が決まります。コンクリート張りが一番安く、防草、ストーンレジンの順で高額になります。

  • お墓の傾き直し 10万円~

傾きの度合いや、地盤の様子で施工内容が大きく変わるため、実際には見積もりしてもらわなければならないでしょう。バールで石碑を持ちあげて底に石材をあてがうだけなら数万円で済むでしょうが、墓石を解体しなければならないようであれば、費用は高額になります。

  • 外柵のズレの直し 7万円~ 

外柵のズレを直すには、一度延べ石(外柵に用いる長い石)を持ちあげ、底面の基礎工事をしなおして、水平を保つように据えなければなりません。墓地の面積によって外柵の長さが異なるため、見積もりをしてもらいましょう。

その時に出てくる残土やコンクリートガラも処分しなければならず、簡単な工程ではありません。また、最近の施工は、接合部の角にステンレスの金具を取り付けて、延べ石同士をつなぎ合わします。

修理を依頼するときの注意点

お墓の修理依頼も、可能であれば2社以上から話を聞きましょう。

お墓の修理の定価はあってないようなものです。石材店によって価格設定が異なります。また、施行の内容やクオリティも業者や職人によってさまざまです。

どのような内容で修理をするのか、そしてどれくらいの費用が掛かるのかを比較して検討することをおすすめします。

自分の手でお墓を修理する方法

自分の手でお墓の修理はできなくはありません。

職人向けの専用の石材カッターやグラインダーなどは扱えないでしょうが、セメントやコーキングボンドなどの扱いに慣れている人は、簡単な修繕は可能でしょう。

次に挙げるものならば、自分の手でも修理できるでしょう。

  • お墓のクリーニング
  • 文字のペイント入れ
  • 花立てなどのぐらつき
  • 防草施工

修理に使う道具まとめ

自分自身の手でお墓の修理にはどのような道具を使うのでしょうか?

  • セメント

セメントはお墓の修理の必須アイテムです。
たとえば、外柵のズレのすきまにセメントを埋め込めば、応急処置にはなるでしょう。花立てなどの部材がぐらつく時もゆっくりとそれを倒し、底面にセメントを塗れば、乾燥すると固定されます。
セメントは基礎工事や、石材の水平を保つためにも用いられます。

  • 水性塗料と筆

水性塗料は、彫刻文字の色入れに用います。白でも、赤でも、黒でも、数百円で販売しています。また、筆も、100円ショップで売っているようなもので構いません。文字が彫り込んである箇所、ゆっくり、丁寧に、上から色を入れていきましょう。

  • スクレーパー

スクレーパーをご存じですか?ホームセンターにも売っているへら状の道具です。
彫刻文字の色入れをしていると、ついつい墓石の表面にもペンキが付着してしまいます。
その時は、このスクレーパーでそぎおとします。
また、お墓の表面にこびりついた水あかなども、これで除去できます。

墓石の修理をする流れ

墓石の修理をする時は、まず必ずお墓に合掌礼拝をしてからかかりましょう。

最近のお墓は本磨き加工で、表面がつるつるに磨き上げられています。ちょっとした衝撃でキズや割れが生じますので、丁寧に扱いましょう。

また、石は固くて重くて、大変危険です。自分の手では無理だと判断したら、必ず中止して、石材店に相談しましょう。

墓石の接着剤について

墓石の接着剤には、主にセメントとシリコン系のコーキングボンドがあります。

  • セメント

昔はセメントを使うのが一般的でした。ただセメントは年数が経つと劣化し、割れが生じるという難点があります。また、衝撃を与えるとすぐに割れが起きるために、接着力は弱いでしょう。

ただし、お墓を解体し修理する恐れがあるところや、水鉢などそのつど動かさなければならない所は、あえてセメントで固定することもあります。

  • コーキングボンド

シリコン系のコーキングボンドは、現在使われている接着剤の中で最も主流のものです。ホームセンターに置いてある「石材用」というものを購入しましょう。専用の「コーキングガン」と両方を買いますが、安いものだと両方で2,000~3,000円程度で帰るでしょう。

長持ちさせるために!お墓のメンテナンス方法

お墓を長持ちさせるには、小まめなお参りとお掃除です。そして、定期的な石材店のメンテナンスです。小まめな掃除と言っても、なにも専門的な道具や技術はいりません。水とタオル。これだけでいいと思います。

お墓は住宅と一緒だと考えてもらえば分かりやすいのではないでしょうか。築100年の住宅でも、家の人がきちんと手入れをしていれば、充分に住めますし、むしろ新しい家にはない趣が出てきます。

それだけではありません。小まめに手入れしているからこその愛着がにじみ出るのです。お墓も同じではないでしょうか。

形を成していれば、手を合わすことができれば、充分立派なお墓です。古い、小さなお墓でも、まずはこまめにお参りをして、掃除をしてあげましょう

やがて出てくる気になるキズや故障。それらが気になったらすぐに石材店に相談することをおすすめします。気になることがあっては、心を込めてお参りができませんから。 

どこまでが「故障」?お墓は雨や風や日差しにさらされるもの

さて、最後に筆者の個人的な考えですが、申し上げておきたいことがあります。

どこからが「故障」なのか、ということです。お墓は、そもそも野外に置きっぱなしのものです。

毎日毎分毎秒、日にさらされ、風に吹かれ、雨に打たれるものなのです。その瞬間その瞬間が風化に向かっていると言っても過言ではありません。

もちろん、完成したばかりのピカピカのお墓は美しく、私たちを感動させてくれるでしょう。しかし、お墓はそもそも風化するものですし、見方によってはそれが味わいとなるのです。

たとえば、鎌倉時代に作られた五輪塔は、いまも現存しています。表面はくすみ、台石の一角は欠け、苔が蒸しているほどです。でもそれは決して「故障」や「汚れ」などとは見られません。

「味わい」や「わび・さび」として、1000年後のこの時代の人たちにも大事にされています。お墓として大切なのは、手を合わせることができるかどうか。

新しい古いよりも、お墓を大切にし続けることが大事なのだと思うのです。あまり神経質になるときりがありません。そもそも汚れるもの。経年劣化は仕方ない。どんなにきれいに掃除しても、とれない汚れもある。

それでもきれいに磨いてあげるのです。人の手が加わることで、古いお墓も味わいが増します。古びて増す美しさ。お墓とは、そもそもそういうものだということを、頭に入れておいてほしいと、思います。 

まとめ

いかがでしたか?

普段なかなか触ることのない墓石。重く、固く、扱いによってはとても危険です。
お墓の修理は無理せず石材店に相談しましょう。

この記事のポイント

  • お墓の汚れやキズで困ったらすぐに石材店に相談するしましょう
  • 汚れの除去、傾き直し、文字彫刻、防草施工など、さまざまなことに対応してくれます
  • そのつど現場を見て、見積もりして費用を出してもらいます
  • 自分たちの手で修理もできますが、大変危険なので無理は禁物です
  • 簡易的な修理道具はホームセンターで入手できます

監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

墓石の修理は、ついつい後回しになりがちですが、近年は地震や台風などによる土砂崩れによる災害が多くなり、墓石の傾きや倒壊が増え、墓石のリフォームを依頼する人が増えています。その中には、すでに倒壊してしまった墓石の修理だけではなく、倒壊を未然に防ぐ意味でも耐震・免振構造にしたり、ジェルパッドを入れるなどのメンテナンスも注目されています。

石材の中に含まれている鉄分が錆び、そこから亀裂が生じたことから倒壊の原因となった墓石もあります。昔は苔の生えた墓石は味があるといわれ、あえて苔を取らずに這わせているようなお墓もありましたが、どうしても石の傷みの進行が早くなりますので、現在は都市部では見かけなくなりました。