四十九日法要、百箇日法要、一周忌法要などについて解説!

時計とカレンダー

法要は、故人をしのび成仏を祈る仏教の儀式です。
仏教では、残された家族が法要を営んで、故人の安らかな成仏を願うことで、浄土に往生すると考えられています。
また、法要は親族が集まって信仰を深める大切な場でもあります。

百か日忌までの法要、年忌法要は、僧侶に読経をしてもらうなどの供養をします。
地域や各家により異なりますが、中でも四十九日忌、一周忌、三回忌は特に重要と考えられています。

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この記事の目次

  1. 法要・法事とは?
  2. 四十九日法要は特に重要!
  3. 法要のスケジュール
  4. 法要の準備
  5. 法要の寺院へのお礼:御布施、御車代、御膳料、御卒塔婆供養料
  6. 法要の服装
  7. 法要のお返し
  8. 法要の当日の流れ
  9. 法要に招く場合の交通費や宿泊費
  10. 監修者コメント

法要・法事とは?

法要法事)は、仏教で死者の冥福を祈り、霊を慰めるために行う儀式です。
ただし、法要は僧侶にお経をあげてもらうまでをさし、法事はその後の飲食なども含めることが多いようです。

法事・法要の違いなど、より詳しく知りたい人は下記記事を参考にしてください。

百箇日忌までの法要の流れ

仏教では人が亡くなって以降の7週間、49日間を中陰(中有)と言います。
死者は冥土に行くと7日ごとに閻魔庁で7回の審判が行われ、49日目の審判で成仏できるかどうかが決まるとされています。
その間、遺族は死者の霊が極楽浄土に行き、成仏できるように供養します。
そのため、死亡した日から7週間の間は、7日ごとに7回、成仏できるように追善供養が行われます。

ただ、現在では、初七日法要以降を省略して、四十九日法要に広く親戚などを呼んで行うことが増えていて、死後7日目の初七日の法要と49日目の四十九日の法要(地方によっては三十五日法要)のみを行うケースが一般的です。
また、初七日法要は多くの場合、葬儀当日の遺骨迎えとあわせて行います。

四十九日法要は重要な節目で、ここで忌明けとなります。
また、納骨は四十九日法要に済ませることが多いようです。

四十九日法要の次が百箇日法要で身内で簡素に行うのが一般的です。
有志による偲ぶ会などが、このタイミングで行われることもあります。

年忌法要 一周忌、三回忌は広く人を呼んで

毎月の故人の死亡した日と同じ日を月命日、月忌(がつき)と呼び、身内で月忌法要を営み供養します。
一方、毎年の故人の死亡した同月同日の命日を祥月命日(しょうつきめいにち)と呼び、年忌法要をします。

百箇日法要以降は、なくなった翌年に行う一周忌、三回忌、七回忌と年忌法要を営みます。一周忌と三回忌は親戚を招いて、規模の大きな法要を営むのが一般的です。
一周忌は亡くなってから1年目の祥月命日に行われる法要です。

その後、年忌法要は一般に三回忌七回忌十三回忌三十三回忌を行います。
七回忌以降の法要は、内輪で営むことが多いです。
年忌法要はすべての年忌法要が行えればいいですが、難しいようなら十三回忌までは行って、三十三回忌または五十回忌をもって弔い上げすることがほとんどです。
地域や家の考え方によっては、三十三回忌より早く弔い上げとする場合もあります。

弔い上げ以降は先祖霊となり、先祖代々の法要としてまとめて営むようになります。

本来「弔い上げ」はありません

法要は、三十三回忌または五十回忌で弔い上げ(弔いきり)とするのが一般的です。
弔い上げとは、死者の年忌が最終的に明けたとして、年忌を打ち切ることです。
宗派や地域によっては、これで故人が完全に成仏できたとして、慶事ととらえることもあります。
しかし、本来弔いにおいてゴールというものはありません。
実際、旧家では、百回忌、二百回忌という法要もあります。

ただ、一般家庭では、五十回忌を超えると、故人を知る人はほとんどおらず、また、ずっと法要を続けていくと営む法要数も増える一方なので、三十三回忌か五十回忌を節目としてのが現状です。
〇回忌でおしまい、〇回忌まで勤めたので完全に成仏できた、というふうに考えるのではなく、亡き人を偲びながら、今生かされている命の尊さを味わう貴重な機会として、また、限られた命をどう生きるかを自らに問い直す機会として、法要を考えるようにしましょう。

四十九日法要は特に重要!

四十九日は、満中陰や尽中陰とも言い、一周忌までのなかで、最も重要な忌明けの法要になります。

四十九日には、遺族が近親者や故人とかかわりのあった友人などを招いて、僧侶に読経をしてもらいます。

四十九日法要のタイミングで、位牌は白木のものから漆塗りの本位牌に代わり、仏壇に納めます。
なお、納骨もこの日に行うケースが多くみられます。

法要のスケジュール

初七日(しょなぬか、しょしちにち)法要

死亡日を含む死後7日目の法要で、遺族、親族、友人などで供養します。
僧侶を呼んで読経をしてもらい、読経、焼香のあと会食となります。

ただし、葬儀当日に、還骨法要(還骨勤行・遺骨迎え)と一緒に行うことが多いです。

二七日(ふたなぬか、にしちにち)法要

死後14日目の法要で、遺族で供養します。
読経を省略することも多いです。

三七日(みなぬか、さんしちにち)法要

死後21日目の法要で、遺族で供養します。
読経を省略することも多いです。

四七日(よなぬか、ししちにち)法要

死後28日目の法要で、遺族で供養します。
読経を省略することも多いです。

五七日(いつなぬか、ごしちにち)法要

死後35日目の法要で、遺族で供養します。

ただし、地域によっては、忌明けとなるので、忌明けの法要を行うこともあります。
その場合は、僧侶を呼んで読経してもらいます。

六七日(むなぬか、ろくしちにち)法要

死後42日目の法要です。
省略されることが多いです。

ニ七日から六七日までの法要は、最近では遺族だけで営むことが多く、読経を省略することも多いです。

四十九日法要 七七日(なななぬか、しちしちにち)法要

死後49日目の法要で、遺族、親族、友人などで忌明けの法要を行います。
僧侶に読経をお願いします。
お墓のある場合は、この日に納骨することが多いです。

百箇日法要

死後100日目の法要で、一般的には身内だけが集まります。
遺族で供養して、読経を省略することも多いです。

一周忌法要(死後満1年目)

2ヵ月ぐらい前から行うこともあります。
亡くなったときにお墓がない場合、この日を目安に建墓、納骨することが多いです。

近親者のほか、故人の友人、知人なども招いて大規模に行い、僧侶に読経してもらいます。
会食席も設けてもてなします。

以後は節目の年の祥月命日に法要を行います。
死後2年目は、三回忌と呼び、その後は亡くなった年を含めて〇回忌と数えます。
十七回忌なら、死後満16年目のことで、数字は一致しないので注意が必要です。

一周忌と三回忌は比較的大規模に行います。

三回忌法要

一周忌の翌年で死後2年目、死亡年を含めて3年目(満2年目)です。
三回忌は一周忌の翌年(2年目)に行います。
間違いやすいので注意しましょう。

亡くなったときお墓がない場合、遅くとも三回忌までに建墓、納骨します。
近親者のほか、故人の友人なども招いて大規模に行い、読経、焼香のあと会食となります。
一般に身内以外の人を招いて行う最後の法事になります。

七回忌法要

死亡年を含めて7年目(満6年目)の法要で、遺族、親族、友人などで供養します。

七回忌以降も、近親者のほか、故人の友人なども招いて大規模に行うのが本来の形ですが、年数が経つにつれて、身内だけで営む形になるのが現実です。

十三回忌法要

死亡年を含めて13年目(満12年目)の法要で、遺族だけで行うことが多いです。

十七回忌法要

死亡年を含めて17年目(満16年目)の法要で、遺族だけで行うことが多いです。

二十三回忌法要

死亡年を含めて23年目(満22年目)の法要で、遺族だけで行うことが多いです。

二十七回忌法要

死亡年を含めて27年目(満26年目)の法要で、遺族だけで行うことが多いです。

三十三回忌法要

死亡年を含めて33年目(満32年目)の法要です。

一般に最後の法要として、弔い上げをします。
一周忌と同程度の法事を営み、三十三回忌を供養の区切りとすることが多いです。

遺族、親族、友人などで供養し、読経してもらいます。

五十回忌

死亡年を含めて50年目(満49年目)の法要です。

百回忌

死亡年を含めて100年目(満99年目)の法要です。

何回忌から身内だけでよい?

一般的に、故人の友人・知人まで招いて法要を行うのは三回忌くらいまでです。
一周忌は葬儀のあとの遺族の様子を知ってもらうためでもあり、近親者や友人、知人を招いて執り行います。

僧侶に読経をしてもらい、参列者が焼香をします。
お墓参りをして供養を行い。お墓参りのあとは会食を開き、僧侶や法要に集まった人たちをもてなします。

七回忌以降は身内だけで行うことがほとんどです。
法要ごとに招く人数を減らしても構いません。

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「法要」と「納骨式」を同じ日にされる人は多いです。

なぜなら「法要」はお寺さん・ご家族が一気に集まるタイミング。納骨式を同じ日におこなえば、後日「納骨式」を設定する負担を減らせます。

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法要の準備

法要をする場合、寺院に対して必要に応じて卒塔婆や会食の手配、御布施の準備をします。
もし、菩提寺がない場合には、僧侶の手配も必要です。

僧侶や主な親族の都合を確認して、命日の当日の法要が難しい場合には、命日より前に法要を開催するのが一般的です。
命日よりも遅れてしまう場合には、僧侶や親族と相談しましょう。

年忌法要では、寺院などで僧侶に読経をしてもらい、その後に、お墓参りをします。
宗派によっては、卒塔婆供養も行います。

法要の終了後には、僧侶と参列者を招いて会食の席(お斎)を設けます。
四十九日法要や一周忌法要、三回忌法要などは、親族や友人・知人を招いて大規模な法要となるため、しっかりと準備が必要なので、遅くとも2ヵ月前から準備を始めるようにしましょう。

①施主の決定(2ヵ月前)

葬儀・告別式の主宰者を喪主というように、法要の主宰者は施主と呼ばれます。
葬儀・告別式で喪主だった人が務めることが多いです。

②日時の決定(2ヵ月前)

年忌法要は、祥月命日に行うのが原則ですが、参列者の都合を考えて土曜日や日曜日に行っても構いません。
ただし、日をずらす場合には必ず命日よりも前にします。
日程や営み方は菩提寺などの僧侶と相談します。

③法要会場の決定・会食の手配(2ヵ月前)

法要会場は、仏壇のある自宅、菩提寺、斎場などです。
法要後は、参列者を会食でもてなすのが常で、法要後の会食のための会場や料理を手配します。
最近では偲ぶ会などとして、ホテルが会場として使われることも多いです。

④招く人の決定(1ヵ月前)

親戚や友人など、招く範囲を決めます。
三回忌までは友人、知人など広く招きますが、その後は内輪で営みます。

⑤案内状を送る(1ヵ月前)

年忌法要は1ヵ月前までに案内状を発送して、出欠の返事をもらいます。
相手にも都合があるので、法要の案内は早めにしておきましょう。
近親者や主人数の場合には電話連絡でも構いません。

法要の案内状のポイント

案内状には、当日の場所や時間と段取り、一般出席者の服装、出欠の有無を知らせるハガキ、案内地図などもつけて送ります。

  • 誰のどんな法要なのかを明記します
  • 日時や場所などは箇条書きにするとわかりやすいでしょう
  • 会食の用意があることを書き添えます
  • 服装についても触れておきます
  • 会場がわかりにくい場合は、地図、電話番号を添えます
  • 家族で参列する場合は、参加人数も書いてもらいます

⑥卒塔婆供養の準備(1ヵ月前)

法要で卒塔婆を立てる場合に、事前に僧侶に依頼します。

⑦引き物の手配(1ヵ月前)

引き物は、参列者の手土産で、お菓子などの消え物が多く使われます。
人数分の返礼品を準備します。
表書きは、粗供養で、水引の下に施主の姓を書きます。
水引は、黒白か双銀の結び切りです。

⑧僧侶への謝礼の用意(1週間前)

法要を行ってくれた僧侶への謝礼は、法要前のあいさつをする際に渡します。

⑨喪服の準備(1週間前)

三回忌までは、施主・遺族は喪服を、その後は地味な平服を着ます。

⑩人数の最終確認(1週間前)

引き物、食事などの数を調整します。

僧侶派遣サービスも検討しよう

僧侶派遣サービスという名前を聞いたことがありますか?
今は、年間130万人もの人が亡くなる多死社会です。
そのなかで、葬儀や法要で僧侶派遣サービスを利用する人が増えていて、特に、菩提寺との関係が薄れている都市部に住む人による利用がじわじわと増えています。
その結果、僧侶派遣サービスを手掛ける会社に登録する僧侶も増えています。

フリーランスの僧侶が増えている

宗派にこだわらず、法事のときだけお経をあげて欲しいという人が増えています。
そのため、修行を積んで資格は持っているものの自分で寺を持たないフリーランスの僧侶に法要を依頼するケースは増えています。

僧侶といっても、さまざまな形態があります。
一般的には僧侶といえば寺院に必ずいると考えがちですが、寺院に所属せず活動している僧侶もいます。
一般的に寺なし葬儀専門と呼ばれる僧侶です。

寺なし、葬儀専門に法要を依頼するメリットは、

  • お布施の負担額が少ない
  • 永続的な付き合いを強要されない

ことです。

一方、デメリットは、寺院墓地を保有する寺院は、自らがつけた仏名でないと受け入れを拒否する場合があるため、寺院墓地に入る場合に仏名をお願いできない、などがあります。

寺なし

寺なしは、地方に本寺院があって、自宅を別院として布教活動を行っています。
会社でいう支店のようなイメージです。
身元の確かな僧侶が多いのが特徴です。

葬儀専門

葬儀専門の僧侶は、布教活動などはせずに、お葬式を専門に行っており、格安で読経をしてくれる場合もあります。

僧侶派遣サービスのメリット

僧侶派遣サービスのメリットは主に次の2つです。

  • インターネットを通じて手軽に申し込める
  • 料金が心づけなどを含めて定額制でわかりやすい

寺院墓地に入る選択をしていない場合などは、比較的費用をかけずに弔事を営めます。

僧侶派遣サービスの魅力

都市部で生活をしている人のなかには、菩提寺との関係が薄くなったり、途切れてしまっている人も多くいます。
法要を頼める菩提寺がない、もしくはわからない場合には、僧侶派遣サービスを利用して、希望に合う僧侶を選択するとよいでしょう。

僧侶派遣サービスの利用者は次のような点に魅力を感じているようです。
(みんれびのお坊さん便の利用者のアンケートより)

  • 希望の宗派の僧侶を呼んでもらえる
  • 墓地に近い僧侶を手配してもらえる
  • 必要以上に気を使わないでいい
  • 一度きりでもいい
  • 自分で手配しなくてもいい
  • お布施にすべての費用が含まれていて安心
  • こちらの都合に合わせてくれる

僧侶派遣サービス増加の背景

僧侶派遣サービスが広がってきた背景には、利用者側と寺院側それぞれの事情があります。

利用者側の事情

核家族化が進み、葬儀の形態も一般葬から家族葬へと移行する中で、都市部に住む人たちを中心に菩提寺に頼ることが減っています。
そのなかで、寺とのつながりのない人は、どこに法要を頼めばよいか分からないという悩みがあります。
また、料金に関しても不明瞭で、葬儀や法要の際に「お布施の額はお気持ちで」と言われ、戸惑うということもあります。
このような寺離れと不透明な料金という問題が僧侶派遣サービス増加の背景となっています。

寺院側の事情

寺院側にも事情があります。
それは、檀家の高齢化や少子化によって、寺院経営が厳しくなっていることです。
そのため、収入確保のために、僧侶派遣サービスに登録するという動きが見られます。
また、僧侶派遣サービスにより寺院との接点が生まれますので、信者を増やすきっかけになると考える寺院もあるようです。
そのような事情を受けて、みんれびのお坊さん便の登録僧侶は、2015年で約400人、2016年の8月には約500人に増えています。

仏教団体からの批判

仏教界からは、僧侶派遣サービスは、宗教行為を商品化するものと批判されています。
2015年12月にアマゾンジャパンのサイトでお坊さん便の取り扱いを開始すると、主要宗派が加盟する全日本仏教界は、お布施は見返りを求めない修行の1つで、定額表示は宗教のビジネス化であるとして販売中止をアマゾンに要請しました。
(ただし、アマゾンは2016年8月現在販売中)

利便性の高い葬儀・法要を望む人たちが今後増えていくのは確実で、時代に即した葬儀や法要のあり方について、今後も議論は続いていくことでしょう。

法要の日程について

最近の法要には、2つの傾向があります。

  • 命日が平日の場合には縁者が集まりやすい休日に前倒しして営む
  • 年が経つにつれて複数の法要をあわせて営む併修が増えている

これらは、都合を優先したもので、本来の営み方ではありませんが、現代ではやむを得ない場合もあるでしょう。
とは言え、日程や営み方については、必ず事前に僧侶に相談しましょう。
法要の日をずらしたり、複数の法要を一度に営むのはできれば避けたいものです。

法要の前倒し 法要は繰り下げてはいけない

一周忌、三回忌などの法要は、本来は祥月命日に営むものです。
しかし、最近では、周囲の人を招く都合から、週末に執り行うことが増えています。
ただし、人が集まりやすい休日などに行う場合には必ず繰り上げるものとされます。

これは、法要の意義は追善供養であるという考えに基づくしきたりです。
浄土真宗以外の宗派では、亡き人の徳に、法要という善行を追加して、来世で良い世界に行ってもらうことを願います。
地蔵菩薩発心因縁十王経という経典には、閻魔王など十人の王が、初七日から三回忌まで計十回にわたり、来世の行く先を裁くと裁判を行うと書かれています。
その裁判の前に、追善供養を行えば、判決は先送りになり、地獄に落ちることはないとされます。

法要を命日に対してどのくらいまでなら前倒ししてもよいという規定はありません。
都合がつかない場合は1ヵ月以上前に行う場合もあります。
四十九日の前に、五七日(三十五日)忌を忌明け法要とする場合もあります。
お寺に相談して、都合の良い日程を組むようにしましょう。

なお、浄土真宗では、このような裁判は関係なく、往生できるという考えから、法要は亡き人を縁にして仏法に触れる機会ととらえて、繰り下げても問題はないとされています。

併修(合斎) 法要を合わせて行っても構わない

同じ年に2つ以上の法要がある場合は、一緒に行うこともできます。
例えば、1年のうちに父の一周忌と祖父の十七回忌が続くといったケースでは、それらを合わせて行っても構いません。
これを、併修または合斎と言います。

ただし、三回忌まではそれぞれの法要を独立して営みましょう。
また、施主や遺族は三回忌までは正式な喪服を着用することになっています。

併修の日程は、死亡してから日の浅いほうの人の命日にあわせるのが原則ですが、最近では、参加者の都合を優先して決めるケースも増えています。

お布施の額は、1人分の法要より少し加算する程度とされます。
わからない場合は、率直にお寺に尋ねてみても失礼にはあたりません。

友引の日に法要をしても構わない

友引の日に法要をしてもまったく問題はありません。
ただし、親戚に日取りを気にする人がいるなら避けて考えたほうがよいかもしれません。

法要会場について

法要を盛大に行いたい場合

友人や知人も呼ぶなら、ホールやホテルなど広いスペースのある場所がよいでしょう。
ただし、ホテルでは焼香や読経ができない施設もあるため、確認が必要です。

法要を寺院で営む場合

花やお菓子、果物などの供物は施主が用意しますが、寺院で用意してあることもあります。
その場合、御供物料としてお布施とは別に代金を支払います。

法要を自宅で営む場合

参列者用に回し焼香ができる香炉を用意しましょう。
僧侶は車で迎えに行くか、来てもらう場合は御車代を用意します。

法要を斎場で営む場合

故人の位牌、写真、御布施、供物は必ず持っていきましょう。
線香やろうそくは事前に準備されている場合もあるので確認します。


斎場について詳しく知りたい人は、「斎場の定義がわかる!種類や利用メリットの紹介」の記事を参考にしてください。

法要の寺院へのお礼:御布施、御車代、御膳料、御卒塔婆供養料

金額は地域や寺院によって異なりますので、あくまで目安です。

御布施

読経への御礼です。
回忌や規模にかかわらず、読経をしてもらう場合、目安は3万~5万円です。
3万円の上は5万円で、4万円は包みません。
表書きは、御布施御経料御礼などです。

御席料

控え室などを借りる場合、5千円程度をお布施とは別に法要前に渡します。

御車代

僧侶に自宅や墓地まで出向いてもらった場合は、送迎車の有無にかかわらず渡します。
5千~1万円が目安です。
白い封筒で、表書きは、御車代です。

御膳料

法要後の会食を僧侶が欠席する場合に渡します。
会食を用意しない場合は5千~1万円程度です。
僧侶1人ずつに包みます。
白い封筒で、表書きは、御膳料です。

御卒塔婆供養料

卒塔婆供養をする場合に包みます。
1本につき3千円が目安で、寺院に確認します。
白い封筒で、表書きは、御卒塔婆供養料です。
水引は不要です。

御花料、御供物料

花、供物を寺院に用意してもらったら、御花料御供物料を包みます。

お布施以外にかかる費用

花、供物、線香の用意のほか、斎場を借りた場合には、斎場使用料も必要になります。
その他、法要後の会食(4千円~)と引き出物(3千円~)が一般的にかかる諸費用です。

法要の服装

お葬式と違い、法要は喪服が良いのかなど迷うところです。
家や地域の風習、回忌により変わるので、親族間で確認しましょう。

何回忌まで喪服を着るべきか

施主側は、三回忌くらいまでは喪服を着用し、次第に平服にすることが多いです。

施主(遺族)側は、三回忌までは正式な喪服を着用します。
それ以降の法要では地味な平服で構いません。
ただし、施主側が参列者よりくだけた服装にならないように注意しましょう。

施主側が平服の場合は、案内状に「平服でお越しください」と一言書き添える心配りも重要です。
平服でよい場合には、参列者には早めに案内をしましょう。

肌の露出が多い服装や、毛皮・革製品のものは避けたほうが無難です。

身内だけの場合でもできれば喪服を

仏事ですので、三回忌までは身内だけの場合でも基本的には喪服です。
ただ、身内のみで施主が平服でよいと判断すれば、地味な服でよいでしょう。

夏でもクールビズはNG

三回忌法要までは、僧侶も正装しているので、法要の時だけでもネクタイ、上着は着るようにしましょう。

男性の服装

現代では略礼服とされるブラックスーツを着用することが多いです。
本来の正装は、黒のモーニングコートと縦縞のズボン、無地のシャツに黒無地のネクタイです。

女性の服装

和装の場合は、黒無地の染め抜き五つ紋つきで、帯、小物も黒で統一します。

洋装の場合は、黒無地のアンサンブルやスーツ、ワンピース。
透けたり光沢のある素材は避けます。
アクセサリーは結婚指輪以外付けないのが正式です。

平服でもサンダルやブーツは避ける

平服になると足元を見落としがちですが、葬式と同様にブーツやサンダルは避けて、ストッキングにパンプスを履きます。
数珠も忘れないようにしましょう。

喪服について詳しく知りたい人は、「喪服の基本を知り、正しいマナーを身に着けて落ち着いた立ち振る舞いを」の記事を参考にしてください。

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法要のお返し

法要の参列者には、のり、お茶、タオル、お菓子などの引き出物を法事のお返しとして贈ります。

会食が終わりに近づいた頃に施主からお礼を述べて、帰りに引き出物を渡します。
法要に参列せず、香典や供物をいただいた場合は、後日、お礼の手紙も添えて送ります。

参列者へのお礼の引き出物は、一家に1つ(案内状の数分)用意します。
品物は消耗品が一般的で3千円~が目安で、持ち歩くことを考えて重いものは避けます。
数が足りなくならないように気をつけましょう。

仏式の四十九日の法要は、表書きを粗供養(そくよう)にします。
また、志(こころざし)は、宗教を問わず、使える表書きです。
毛筆か筆ペンで、普通の墨で書きます。
のしはなしにします。
かけ紙の水引は、一般に、青と銀、紫と銀などで印刷されています。

法要の当日の流れ

法要当日の進行は、僧侶の指示に従います。
本尊前での読経の途中、僧侶から焼香の合図があるので、施主側の代表者から故人と縁の深い順に焼香をします。
読経の後は、僧侶から法話があります。
そのあとで、一同、墓前に移動し、墓参りをします。
そして、会食の席に移ります。
会食の前には、施主か遺族代表が御礼のあいさつをします。

法要のあいさつの例(四十九日法要、納骨を行った場合)

本日はご多用のところ、父・〇〇〇〇の四十九日法要にご参列くださいまして、まことにありがとうございました。

また、おかげさまをもちまして納骨の儀を終えることができました。
皆様におかれましては、葬儀、告別式をはじめ、四十九日法要にいたるまで、なにかとお力添えをくださいましたこと、謹んで御礼申し上げます。

本日、ここに皆様にお集まりいただき、父もさぞかし喜んでいることと存じます。

ささやかではございますが粗餐(そさん)を用意いたしました。
どうぞごゆるりとお過ごしください。

本日はまことにありがとうございました。

法要に招く場合の交通費や宿泊費

法要に招く場合の交通費や宿泊費は、特に決まりはなく、親族間の慣習に従います。
ただし、遠方から来られる人がいる場合、ホテル代は施主が負担するのが一般的です。
交通費は、親族などは参列者負担が多いようです。

監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

亡くなった後の一連の追悼儀礼は、地域によって、また時代によってさまざまで、全国的に今日の形が一般的になった時期は明らかになっていません。古代においてはせいぜい中陰(四十九日)、百か日、一周忌あたりまでしか行われていなかったのではという記録もあるそうです。幕末にかけて、庶民の間でようやく法事が行われるようになったとされていますが、一同が寺院に会して法要が行われるというような、今より簡素な形だったとか。

百か日の行事のこことを卒哭忌(ソッコクキ)と呼ぶ地域もあります。この日をもって泣くことを終わりにしようという意味からつけられたそうです。しかし泣くことを終わりにしなければいけないという意図ではなく、死者と向き合う大切な日として捉えられていたのではないでしょうか。

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