公営の樹木葬の特徴・地域別の公営樹木葬の墓地一覧を紹介

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公営の樹木葬とは?徹底解説

  • 地域によっては公営霊園の樹木葬がある
  • 公営樹木葬のメリット:安価・安定した経営・宗派不問
  • 公営樹木葬のデメリット:応募の競争が激しい・利用資格に制限があること

樹木葬を利用できる公営霊園や、その際のメリット・デメリットについて解説します。
公営霊園で樹木葬の区画を探している人にとっては必見です。

樹木葬とは、墓石の代わりに樹木や草花を墓標に見立てたお墓のことです。
樹木葬について詳しく知りたい人は「樹木葬とは?購入前に知りたいメリット・デメリット・費用を解説」をご覧ください。

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この記事の目次

  1. 公営霊園にも樹木葬がある
  2. 首都圏で人気の公営霊園の樹木葬
  3. 公営霊園の樹木葬のメリット・デメリット
  4. 公営霊園の樹木葬にお墓を持つ流れ
  5. まとめ
  6. 監修者コメント

公営霊園にも樹木葬がある

公営霊園でも樹木葬の区画がある場合があります。
ただし、全国的に見るとその割合はまだまだ少ないです。

公営霊園は、一般的な墓石の区画が大半ですが、和式墓地だけでなく、芝生を設けて西洋式墓石を設置できるスペースがあるところは増えてきています。

公営墓地では樹木葬区画がまだ少ないですが、今後は増加していくことが予測できます。

首都圏で人気の公営霊園の樹木葬

日本で初めて樹木葬を取り入れた公営霊園は横浜市です。
全国的に見ても公営の樹木葬は少ないですが、ここでは3つの公営霊園について紹介していきます。

  • 横浜市営メモリアルグリーン
  • 都立小平霊園
  • (仮称)横浜市営舞岡霊園

横浜市営メモリアルグリーン|神奈川県横浜市

2006年に全国で初めて公営の樹木葬の運営を開始しました。
3000体分の埋葬が可能な施設です。使用料は1体14万円、管理料は1体6万1,710円です(2019年3月時点)。シンボルツリーの下に埋葬する合葬タイプの永代供養墓になります。

メモリアルグリーンは、骨壺ごと土の中に埋葬しますが、埋葬時に立ち会うことはできません。埋葬は、あくまでも横浜市に委任する必要があります。2013年で募集は終了しています。
今後の増設予定は未定だそうです。

横浜市営 メモリアルグリーン
4.0
19
所在地
神奈川県横浜市戸塚区俣野町1367-1
霊園種別
公営霊園
/
宗旨宗派
宗教不問
区画種別
樹木葬/永代供養墓
参考価格
6万円〜
横浜市営 メモリアルグリーン 芝生型納骨施設

都立小平霊園|東京都東村山市

東京都が2012年に開設した、樹木葬区画がある都内唯一の都立霊園です。
下記のどちらのタイプも埋葬に立ち会うことはできません。納骨は管理者である自治体に任せることになります。

3.8
47
所在地
東京都東村山市萩山1-16-1
アクセス
小平駅から638m地図を見る
霊園種別
公営霊園
/
宗旨宗派
宗教不問
区画種別
一般墓/永代供養墓
参考価格
4.1万円〜
都立 小平霊園 整然と区画された墓域
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合葬タイプ(樹林型合葬埋蔵施設)

樹林型合葬埋蔵施設と呼ばれるタイプです。納骨スペースに他の遺骨と合同で埋葬されます。
遺骨は取り出して布でくるみ納骨スペースに安置していく形です。

納骨スペース一面に遺骨が敷き詰められた段階で上に土を被せて、さらにその上へ同じように遺骨を埋葬していきます。使用料は1体12万8,000円、管理料は不要です。

なお、納骨方法は「遺骨のまま」「粉骨した状態」の2通りあります。

粉骨の方が費用は安価になりますが、粉骨は自分で業者へ依頼する必要があります。粉骨の場合、使用料は1体4万2,000円です。

個人ごとに埋葬するタイプ(樹木型合葬埋蔵施設)

樹木型合葬埋蔵施設と呼ばれるタイプです。
名称が上記と似ていますが、こちらはあらかじめ用意された納骨スペースに埋葬するのではありません。

申込者ごとに芝生地を直径30cm、深さ80cm分くり抜き、遺骨を布に入れて埋葬します。使用料は1体18万8,000円で、管理料は不要です。

(仮称)横浜市営舞岡墓園|神奈川県横浜市

横浜市舞岡地区に2021年開園予定の墓園です。
こちらにも樹木葬タイプの施設が作られる予定になっています。
都立小平霊園と同様に樹林型と樹木型の樹木葬合同埋蔵施設で、収容できる規模は2つのタイプを合わせて3,000体です。

公営霊園名(開園年度)タイプ使用料1体あたり管理料収蔵数
横浜市営メモリアルグリーン(2006年)合葬型14万円6万1,710円3,000体
都立小平霊園(2012年)樹林型(合同タイプ)遺骨のまま12万8,000円不要1万700体
粉骨4万2,000円不要
樹木型(個人タイプ)18万8,000円不要2,880体
不要
(仮称)横浜市営舞岡墓園(2021年予定)樹林型(合同タイプ)未定未定1,500体
樹木型(個人タイプ)未定未定1,500体

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公営霊園の樹木葬のメリット・デメリット

公営霊園で樹木葬を選ぶメリットとデメリットはいくつかあります。
ここでは、4つのメリットと3つのデメリットを掘り下げていきましょう。

公営霊園の樹木葬のメリット

公営霊園の樹木葬を選ぶメリットは以下です。

公営の樹木葬のメリット

墓石を建てないから費用が安い

樹木葬の大きなメリットは、墓石を建てる必要がないため費用が安いことです。
公営墓地は民営墓地や寺院墓地よりも基本的にリーズナブルな価格設定といえます。

しかし、都心部の場合は公営墓地の一般区画でも数百万円するということも珍しくありません。
公営の樹木葬なら比較的安価で埋葬が行えるため、費用をかけたくない人、費用をかけられない人にとっては大きなメリットになるでしょう。

地方公共団体が運営しているから経営基盤が安定している

公営霊園は、地方公共団体が運営管理を行っているため、経営基盤が安定しています。
自治体が破綻する可能性はゼロではありませんが、かなり確率は低いです。そのため、安心して長期間利用できるでしょう。

宗派宗旨を問わず利用できる

寺院墓地とは異なり、宗派や宗旨を問われることがありません。公営霊園は、その地域に在住している人が平等に墓地を使用できるよう特定の宗派に属していなくても利用することができます。

公営霊園の樹木葬のデメリット

公営霊園の樹木葬を選ぶ場合はデメリットもあります。

公営の樹木葬のデメリット

人気が高い場合が多く競争倍率が高い

特に都内の公営霊園は人気があるため、競争倍率が高い傾向にあります。
そのため、申し込みをしても抽選になることが多く利用できるかどうかは、運に任せなくてはいけない面もあります。

早々に墓地を探さなくてはいけないようなケースでは、大きなデメリットになるでしょう。

利用資格が制限されている

公営霊園は、基本的には利用資格が制限されているため、該当しなければ応募ができません。
利用する自治体の住民票が必要であったり、遺骨を手元に持っている必要があったりするなど、条件もさまざまです。

公営で樹木葬がある墓地が少ない

全国でも公営の樹木葬は非常に少ないです。そのため、最寄りの自治体に樹木葬があるとは限りません。
どんなに利用したくても、自宅近くに公営の樹木葬がないのであれば利用できませんので、デメリットといえるでしょう。

公営霊園の樹木葬のメリット
  •  費用が安い
  •  経営基盤が安定している
  •  宗派宗旨が不問
  • 自然豊かな環境で埋葬できる
公営霊園の樹木葬のデメリット
  •  人気が高いことが多く競争率が高い
  •  利用資格が制限されている
  •  全国でも公営で樹木葬を行っているところが少ない

公営霊園の樹木葬にお墓を持つ流れ

公営霊園でお墓を持つために、手順や流れを押さえておきましょう。
公営の場合、あらかじめ募集スケジュールが決まっています。

そのため、どんなに要件を満たしていても募集期間内に申込みをしていないと抽選にすら進むことができません。ここでは、東京都営の募集を参考に流れを見ていきましょう。

  1. 樹木葬がある公営霊園の募集要項を手に入れる
  2. 気になる公営霊園へ見学に行く
  3. 申し込みを行う
  4. 公開抽選
  5. 当落通知
  6. 書類審査
  7. 墓地使用料や管理料を納める
  8. 霊園使用許可証をもらう
  9. 納骨

1.樹木葬がある公営霊園の募集要項を手に入れる

まずは、樹木葬を設置している公営霊園の募集要項資料を集めましょう。
自治体のホームページや広報誌などに募集情報が掲載されます。
募集のタイミングや頻度は自治体にもよって異なります。

公営の樹木葬は、非常に少ないですが、新設される可能性もあります。自分が希望する自治体へ随時問い合わせを行うと、より一層確実な情報を入手できます。

2.気になる公営霊園へ見学に行く

実際に気になっている公営霊園へ足を運んで見学をしましょう。
パンフレットや画像だけでは、どうしても思い浮かべているイメージとずれが生じてしまう可能性があります。

そのため、自分の足で霊園内を歩いてみたり、管理事務所で話を聞いてみたりすることは非常に重要です。

3.申し込みを行う

各自治体の樹木葬が募集開始になったら、申し込みをしましょう。東京都立霊園は郵送申し込みとインターネット申し込みの2種類を選ぶことができます。

4.公開抽選

公募している定員よりも応募者が多い場合は、抽選になります。抽選は公開抽選になりますが、参加するかどうかは自由です(当落に関係なし)。

5.当落通知

公開抽選から10日程度で「当選・補欠・落選」の抽選結果が通知されます。当選者には、別途書類審査などの日程の連絡があります。

6.書類審査

東京都立霊園の合葬埋蔵施設は、郵送による書類審査です。
使用申請書など必要書類を添付し、不備がないか内容を確認したうえで送付しましょう。

せっかく当選しても、書類審査で申込条件が合致していないと墓所が使えません。申込資格を満たしているかは、最初の申し込みの段階でよく確認しておくことが賢明です。

7.墓地使用料や管理料を納める

書類審査を無事に通過した後は、墓地使用料や管理料を納めます。この段階で納付ができないということがないよう、予算はしっかりと立てておきましょう。

8.霊園使用許可証をもらう

霊園の使用許可証を交付してもらい完了です。これでようやく墓地を使用できることになります。

9.納骨

公営の樹木葬を利用する場合、納骨は自分では行えず、立ち会うこともできないケースが多いです。
一般墓所の場合は、自分で納骨式を行い納骨することも可能ですが、樹木葬の場合はできないため、あらかじめ理解しておきましょう。

自治体によって、毎月1~2回程度決まった曜日に埋葬作業を行います。

まとめ

公営霊園名(開園年度)タイプ使用料1体あたり管理料埋蔵数
横浜市営メモリアルグリーン(2006年)合葬型14万円6万1,710円3,000体
都立小平霊園(2012年)樹林型(合同タイプ)遺骨のまま12万8,000円不要1万700体
粉骨4万2,000円不要
樹木型(個人タイプ)18万8,000円不要2,880体
不要
(仮称)横浜市営舞岡墓園(2021年予定)樹林型(合同タイプ)未定未定1,500体
樹木型(個人タイプ)未定未定1,500体

公営霊園の樹木葬のメリット
  • 費用が安い
  • 経営基盤が安定している
  • 宗派宗旨が不問
公営霊園の樹木葬のデメリット
  • 人気が高いことが多く競争率が高い
  • 利用資格が制限されている
  • 全国でも公営で樹木葬を行っているところが少ない

公営の樹木葬は、まだまだ行っている自治体が少ない傾向です。
しかし、今後は公営霊園でも樹木葬を新設する自治体が出てくるかもしれません。

しっかりと内容を把握したうえで自分に合ったタイプの霊園をていねいに探しましょう。

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Q. お墓は代々継いでいきたいですか?

監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

横浜市の霊園墓地「メモリアルグリーン」は、自治体がはじめて整備した樹木葬墓地として知られています。ここは、「横浜ドリームランド」というレジャー施設があった場所。その後、中古車のオークション会場の建設が決まっていましたが、周辺住民の反対の声もあり計画は頓挫。横浜市が跡地を買い取り、墓地公園として整備されたところです。

6.1haもの大きな敷地の中には、集合タイプと、家墓としても使用できる芝生型がありますが、霊園全体が一体化した雰囲気になっています。計画当初から近隣との調和を大切にしてたことから、散歩コースとしても人気があるとか。地域の学生の体験施設としても定番になっているようです。