火葬にかかる費用とは?いま増えている直葬についても解説

卓上に置かれた骨壷

火葬の費用とは?徹底解説

  • 火葬費は自治体により差があり、無料から有料まで。
  • 直葬は式なしの火葬で、平均約20万円。
  • 火葬式は短い儀式付きで、25~30万円が相場。
  • ペット火葬は5千円~8万円で、サイズ・サービスによる。

なるべく安く葬儀を済ませたいなら、火葬だけを行い儀式をしない、直葬という手があります。

しかし、直葬でも、棺代や搬送車の料金、そして火葬費用は支払わなければなりません。
火葬費用については相場がなく、地域によって変わってくることをご存知でしょうか。

この記事では、火葬の費用にまつわるさまざまな疑問にお答えするため、火葬料金や直葬の費用、そしてペットの火葬の費用についてご紹介します。

火葬の料金について知識があれば、いざというときも安心ですよ。
また、できるだけ安価に葬儀を行いたいと思っている人の助けとなれれば幸いです。

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この記事の目次

  1. 火葬の費用は自治体によって違う
  2. 火葬のみで済ませる直葬の費用相場
  3. 直葬に短い儀式がついた火葬式の費用相場
  4. ペットの火葬費用はさまざま
  5. まとめ
  6. 監修者コメント

火葬の費用は自治体によって違う

火葬の費用は、自治体によって違います。
なぜなら、ほとんどの火葬場は、自治体が運営しているためです。
公営の火葬場よりも民営の火葬場のほうが多いのは、東京都だけです。火葬の費用について詳しく解説します。

公営火葬場の場合

公営火葬場の場合、管轄の自治体の構成員(その自治体に住んでいる人)であれば費用は無料というケースも少なくありません。

ただ、5,000円、1万円、2万円といった火葬費用がかかる自治体も存在します。
公営の火葬場として最高クラスの料金なのが東京の瑞江葬儀所で、7歳以上の都民の火葬料金は6万1000円です。 

また、自治体の構成員でなくとも火葬自体は行ってくれますが、料金は1.52倍程度に跳ね上がる傾向があります。
先ほどの瑞江葬儀所の例でいえば、7歳以上の都民外の火葬料金は73200円です。

なぜ自治体によって、そして構成員か否かによって料金が違うのかといえば、自治体は国の補助を受けず、構成員の税金だけで火葬場を作っているためです。
火葬場を作るときに費用を負担していない構成員外の人については、高額な火葬料金を取らざるを得ないのです。 

民営火葬場の場合

とくに民営火葬場が多いのが東京都で、6つの民営火葬場を東京博全株式会社が運営しており、6つ全てにおいて火葬料金は一律です。

普通クラスの「最上等(星)が59000円、最高クラスの「貴殯館」が35万円となります。
ほか、埼玉や神奈川など人口の多い地域を中心に民営火葬場が存在しますが、数は多いとはいえません。

料金相場は東京と同様、5万円程度からです。
ただし、どの民営火葬場も、休憩室や保冷安置室を使う場合は別料金がかかります。 

子どもと大人の火葬料金

利用料が無料の火葬場を除けば、子どもと大人の火葬料金は違う場合が多く、612歳を境に変わります。
子どもの火葬料は、大人の半額から7割程度です。 

生活保護者の火葬料金

亡くなった方が生活保護を受けていた場合や、喪主が生活保護を受けている場合は、葬祭扶助が受けられるため、火葬料金を自ら負担する必要はありません。

葬祭扶助とは、生活保護の対象者に、葬儀にまつわる最小限の出費を生活保護費の中でまかなう制度です。
葬祭扶助による葬儀は「福祉葬」「民生葬」などと呼ばれ、料金は自治体から葬儀社に直接支払われます。

最小限の出費とは、自治体によって違いますが多くは20万円程度を指し、棺代や骨壺代、搬送費、火葬費用をその範囲で賄うことになります。

祭壇や花などは用意されず、僧侶も呼ばれず、火葬のみとなる場合が多いでしょう。

ただし、施主に葬儀の料金を支払う余裕があると自治体が判断すれば、葬祭扶助は使えません。
また、故人が金品を所有していれば、それを最低限の葬儀代に充ててもなお足りない場合にのみ葬祭扶助が適用されます。

火葬料金は住んでいる地域により、また年齢や生活の困窮度合いにより違うということがお分かりいただけたでしょうか。
ところで、人が亡くなったら必要になるのは、火葬の料金だけではありません。

次章からは、最低限の葬儀である直葬や火葬式の費用についてご案内します。

火葬のみで済ませる直葬の費用相場

この章では、火葬のみで済ませる直葬、いわば最低限の葬儀をするにはいくらかかるのかをご案内します。
まずは直葬の詳しい意味や流れから解説します。 

直葬とは儀式を行わず火葬だけで済ます葬儀の形

直葬とは、「ちょくそう」と読み、通夜や葬式といった儀式を行わずに、火葬だけを済ませる葬儀の形です。
遺体の処理としての火葬だけを行うという、本当に必要最低限のことしかしないため、「なるべく少ない費用で葬儀を」と希望する人に選ばれています。

また、故人や喪主が高齢であることにより交際の幅が狭くなって、参列者が家族くらいしかいない場合などにも選ばれます。 

直葬の流れ

直葬の流れは、以下の通りです。

  1. 臨終・安置
  2. 納棺・出棺・火葬
  3. 収骨

それぞれ説明します。

1. 臨終・安置

病院などで臨終を迎えたら、自宅や葬儀社の安置施設に故人を移動させます。
故人を布団に寝かせ、ドライアイスなどで防腐処置をします。 

2. 納棺・出棺・火葬

火葬当日、あるいは前夜に布団から棺へ故人を移す納棺を行い、思い出の品などを棺へ納めます。
納棺が済んだら火葬時間に合わせて出棺し、火葬場へ向かいます。
火葬場では、焼香が済んだ後、火入れとなります。 

3. 収骨

火葬が済んだら、遺骨を骨壺へ納める収骨を行います。
骨壺を火葬場から受け取り、解散となります。

お通夜やお葬式がないので、通夜ぶるまいや精進落としといった会食もなく、流れはいたってシンプルです。

直葬の費用相場と内訳

直葬の費用相場は、全国平均で20万円前後です。
火葬料金や、安置室を何日使用するかによって金額が変わってきます。

内訳を表にしましたので、参考にしてください。

【直葬の費用内訳】

項目

内容

金額相場

棺・棺用布団・骨壺・仏衣

火葬に必須の葬祭品

仏衣は納棺用におまけでついてくることが多い

5万円~8万円

ドライアイス

1日1回取り換える

1万円/日

搬送費(病院→安置所)

基本使用料+メーター式で、遠ければ高くつく

1万5,000円~

搬送費(安置所→火葬場)

基本使用料+メーター式で、遠ければ高くつく

1万5,000円~

安置室使用料

葬儀社の安置施設を使う場合

親族が泊まれるような大きい部屋は割高

5,000円~2万円

火葬手続き代行

葬儀社の社員が市区町村役場にて火葬の手続きを行う

5,000円

スタッフ人件費

直葬は1人で対応することが多い

4万円~

火葬料金

各自治体による

無料~5万円

直葬のプランには、故人の棺に手向けるための花束や遺影が含まれていないことが多いため、
必要な人はオプション料金を支払うことになります。

シンプルな葬儀には、直葬のほかに、火葬式もあります。

次章では火葬式の費用についてご案内します。

直葬に短い儀式がついた火葬式の費用相場

火葬式は、直葬に短い儀式がついたものです。
火葬式のスタイルや流れ、費用相場を解説します。 

火葬式とは直葬に短いお別れの儀式がついたスタイル

火葬式とは、必要最低限の直葬に、短いお別れの儀式がプラスされたスタイルです。
火葬場へ向かう出棺の前に、短いお経が読まれるなどの儀式を行います。

葬儀式場は使用せず、安置していた部屋でそのまま行われることが多いでしょう。
よって参列者は遺族や主な親族など、火葬に向かう人に限られます。 

火葬式の流れ

火葬式の流れは、以下の通りです。

  1. 臨終・安置
  2. 納棺
  3. 読経
  4. 出棺・火葬
  5. 収骨

それぞれ説明します。

1. 臨終・安置

病院などで臨終を迎えたら、自宅や葬儀社の安置施設に故人を移動させます。
故人を布団に寝かせ、ドライアイスなどで防腐処置をします。 

2. 納棺

火葬当日、あるいは前夜に布団から棺へ故人を移す納棺を行います。
思い出の品などを棺へ納めます。 

3. 読経

火葬当日、出棺の前に安置場所で短いお経が唱えられます。
およそ10分から15分程度のお経ののち、各自焼香します。 

4. 出棺・火葬

火葬時間に合わせて出棺し、火葬場へ向かいます。
火葬場では、焼香が済んだ後、火入れとなります。 

5. 収骨

火葬が済んだら、遺骨を骨壺へ納める収骨を行います。
骨壺を火葬場から受け取り、解散となります。 

以上のように、出棺前に読経がある以外は、直葬と変わりません。

火葬式の費用相場と内訳

火葬式は直葬に儀式をプラスしただけなので、寺院への謝礼以外は、費用が変わりません。
火葬式での寺院への謝礼相場は、5万円から10万円ほどと考えていいでしょう。

直葬の全体費用相場が20万円程度なので、火葬式の費用相場は、寺院への謝礼をプラスして25万円から30万円程度です。 

内訳は、直葬の項を参考にしてください。

何百万円もかけて葬儀を行わなければならないと考えていた人は、直葬や火葬式の費用相場を見て、ホッとしたことでしょう。

次章では、ペットを飼っている人なら誰でも気になる、ペット火葬の相場についてお伝えします。 

ペットの火葬費用はさまざま

ペットの火葬費用は、任せる場所やスタイルによって実にさまざまです。
安価な順にご紹介します。 

自治体に任せる場合は5,000円程度

各自治体の衛生担当で動物の火葬を行っており、費用相場は5,000円程度です。
ただ、個別での火葬はできず、他の家畜や路上で轢かれていた動物などと合同火葬になります。

遺骨も帰ってきません。
ペットを家族同様にかわいがっていた人にとっては、安価であってもつらい選択となると思われます。

民間の合同火葬は1万円

民間のペット火葬場で合同火葬を行う場合、相場は1万円程度です。
自宅までペットを引き取りに来てもらい、そのあとは立ち合いなしで合同火葬をしてもらいます。

遺骨は帰ってきませんが、火葬場併設の供養塔などへ合葬されるため、のちにお参りが可能です。 

個別火葬は1万円~8万円でペットの大きさによる

個別で火葬してもらい、遺骨がきちんと残る個別火葬は、1万円から8万円ほどです。
相場に幅があるのはペットの大きさによって火葬料金が違うためで、小型犬や猫の場合は3万円程度と考えていいでしょう。
立ち合いあり、立ち合いなし、どちらでも選ぶことができます。

遺骨は小さな骨壺に納められ、自宅へ戻すか、火葬場内の納骨堂や供養塔へすぐ納めるかを選べます。

個別に葬儀を行いたい場合はプラス1万円から2万円

火葬だけではなく、人間のように葬儀を行いたい場合は、個別火葬料金にプラスして1万円から2万円程度を支払います。
葬儀の内容は火葬前に短い読経を行ってもらうもので、人間の場合の火葬式と同じです。

ただし、対応しているペット火葬場は限定されているため、注意しましょう。 

人間の火葬は自治体によっては無料なのに、ペットは有料が当たり前なのが意外ですね。
ただ、ペットの場合は棺や特別な搬送車が必要ないため、火葬費用を用意するだけで済みます。

まとめ

以上、火葬の費用と直葬・火葬式の費用相場について解説しました。
火葬は現代において、最低限必要な遺体処理です。
直葬における相場の20万円程度は、どうしてもかかってしまいますから、頭に留めておきましょう。

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監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

火葬に関する法律は、「墓地・埋葬等に関する法律」に、埋葬または火葬を行おうとするものは、市町村長の許可を受けなければならないとあり、同法に基づいて自治体で認められた場所で火葬することになります。また、24時間以内の埋葬または火葬の禁止(感染症の場合を除く)もありますが、いつまでに火葬しなければいけないということは、実は定められていません。ただ、長期にわたって遺体を放置しておくことは、日本では刑法に触れる可能性がありますので、現実問題としては、数日以内に火葬をすることが周知されています。

遺体を衛生的に保管するために、エンバーミングを施すこともあります。腐敗防止処置等を行っているため、理論的には長期保存も可能ではありますが、墓埋法の条文「国民の宗教的感情に適合」に沿う形を考えると、無期限保存は考えられません。IFSA(一般社団法人 日本遺体衛生保全協会)ではその点を考慮し、自主基準で保存は50日以内と定めています。