「通夜」とは何か~通夜の考え方と参列について

数珠と不祝儀袋と線香

「通夜」という言葉は、だれもが聞いたことがあるものでしょう。人が亡くなったときに行われる葬儀の過程のなかでも、非常によく知られたものです。

ただ、この「通夜」とはそもそもどんなものなのか、仮通夜とはどんなものなのか、そしてどのような格好で参列すればよいのかなどについてはよくわかっていないという人もいるかもしれません。

ここでは、この「通夜」について丁寧に解説していきます。

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この記事の目次

  1. 通夜とは
  2. 通夜ぶるまいとは
  3. 一般的な通夜の流れ
  4. 通夜の日程は臨終から1~3日後までに行われることが多い
  5. 施主側:通夜を行う際に決めること
  6. 施主側:通夜を行う際に準備すること
  7. 施主側:僧侶への依頼・対応・お礼
  8. 施主側:訃報や葬儀の連絡方法
  9. 参列者が準備するもの
  10. 焼香の作法・礼儀について
  11. 参列するときのマナー
  12. この記事のまとめ
  13. 監修者コメント

通夜とは

そもそも、「通夜」とはどのようなものなのでしょうか。

これは、もともと「夜通し」という意味を持っていた言葉だと言われています。
「夜を徹して神仏に祈りを捧げること」を指している言葉でもあります。

また、昔は現在ほど生死に関しての見極め技術が発達していませんでした。このため、「本当に亡くなったのかどうか」を確認するために、葬式の前に1日おく、という現実的な理由もあったと考えられています。

現在ではこのような考え方というのは、徐々にすたれつつあります。

もちろん「故人に付き添い、思い出話をする」「最後の夜をともに過ごす」という意味は残っていますが、「昼間に行われることが極めて多い『葬式』には来られない人が多い、だから弔問客のために夜にも故人に会えるようにする」という性質が強くなっています。

通夜の後は、「通夜ぶるまい」が行われ、親族が一緒に泊まることが普通です。葬儀会社の用意した宿泊施設つきの葬儀ホールの場合、ご親族の控え室に棺を入れて飾りをし、そこで一緒に過ごすというかたちをとることも多いと言えます。

仮通夜について

「仮通夜」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。一般的な「通夜」に比べるとややマイナーな言葉ではありますが、これも葬儀用語のうちの一つです。
なお、ここでは区別するために、一般的な「通夜」は「本通夜」として記します。

本通夜の場合、弔問客の参列を積極的に受け入れています。家族葬でもない限りは、故人を愛した多くの方に、一人ずつお別れをしていただきたいと考えることでしょう。

このため、仏教ならば、弔問客が一人ずつ焼香を行い、故人とのお別れをします。また本通夜は、ケースによって異なるものの、基本的には「故人が亡くなった翌日」に行われることが多いものです

しかし仮通夜の場合、集うのは、基本的には家族・親族だけです。そして、仮通夜が行われるのは故人が亡くなったその日です。

非常に特徴的なのは、仮通夜の場合、「基本的には宗教者(仏教なら僧侶)は呼ばない」ということです。

本通夜や葬式の場合は宗教的儀式が行われることが非常に多いのですが、仮通夜の場合は読経なども基本的には行いません。仮通夜で行われるのは、「故人と家族・親族とのお別れ」です。

故人と向かい合い、周りの人と語り合い、そのお別れに思いを馳せます。
葬儀の一工程ではありますが、特定の宗教を信じている人であっても、宗教的儀式を伴わないというかなり特徴的な性格を持っているのです。

ただ、現在はこの仮通夜を行う家庭は少なくなっています。霊安室にすぐに故人をお連れするケースが多いからです。また、「仮通夜」という正式名称をつけられるものでなくても、仮通夜と実質的に似ている「語らい」の時間が持たれることも多いと言えます。

葬式・告別式との違い

ここからは、一般的な「本通夜」を「通夜」と呼ぶようにしてお話をしていきましょう。通夜と葬式・告別式の違いについて少し解説していきます。

  • 通夜・・・夜に行われるお別れの儀式を指します。
  • 葬式・・・特定の宗教・無宗教に限らずに、故人が亡くなって2日目(通夜のさらに翌日)に執り行われる儀式
  • 告別式・・・宗教的な儀式を含まないもの(葬式と定義されるものに含まれる)

ただ、実のところ、「葬式」「告別式」の使い分けはかなり解釈に違いが見られるものです。そのため、専門家や葬儀会社の間でも、それぞれ違う意味で使うこともあります。
ただ、「通夜は夜に行うもの」という認識は共通していますから、この点は押さえておきましょう。

通夜ぶるまいとは

通夜の場合、「通夜ぶるまい(通夜振る舞い)」がよく行われます。

これは通夜を行った後(多くの場合、通夜をしている最中に業者が用意します)に行われるもので、お部屋などでお寿司やお酒、オードブルなどがふるまわれるものです。

「食事をとりながら、故人についての話をしよう」という性格を持つものであり、誘われたら少しでも参加するのがマナーです。ただ、「どこまでの関係性の人を呼ぶのか」は、ご遺族の考え方によって千差万別です。

「家族・親族にしか声を掛けない」「親族の控え室で行うが、そもそも扉も開放しない」というケースもあれば、「近所の人も全員呼びたい」「できるだけ大勢の人に参加してほしい」というケースもあります。いずれにせよ、ご遺族のご意向に従うべきでしょう。

通夜ぶるまいで出される料理ですが、これもご遺族の考えと、また地方による差が大きく出ます。

「葬儀の場だから、一切生臭(肉・魚など)は出さない」という考え方をとることもあれば、「特に気にしない」という考え方をとることもあります。

また、「本来は生臭を避けるが、故人が、『自分が亡くなった時には、おいしいご飯とお酒を飲み食いして欲しい』と言っていた」ということで、特定の料理屋(故人が愛していたお店など)の料理をとりよせる、などのケースもあります。

一般的な通夜の流れ

通夜の流れについて見ていきましょう。なお、これは仏教における通夜の流れです。

  1. 受付が開始され、弔問客はホールで座って待つ
  2. 通夜開始の時間になったら、僧侶が入場してくる
  3. 読経が行われる。このときに、並行して焼香を行うことが一般的
  4. 僧侶が退場する。また、退場前に訓話が行われることがある
  5. 喪主のあいさつ、通夜ぶるまいや翌日の葬式の案内が行われる
  6. 通夜が終わる
  7. 通夜ぶるまいへ

読経の長さや通夜の流れは、宗教や宗教者の考え方、またご遺族の考え方によって多少は異なりますが、基本的にはこのような流れをとることになります。

通夜の日程は臨終から1~3日後までに行われることが多い

通夜が行われるタイミングについて見ていきましょう。

通夜が行われるタイミングには、明確な規定はありません。(火葬は、死後24時間以上経過しなければ行えませんが、「通夜を行う」と決めたのであれば、この時間制限にひっかかることもないでしょう)

ただ、明確な決まりはないものの、基本的には「亡くなった翌日」に行うことが多いでしょう。亡くなったその日には「仮通夜」というかたちで故人をしのぶことになります。もっとも、これはあくまで「基本」です。実際は、次の日ではない日に行うというケースもあります。

たとえば、「亡くなった日こそ3日だったが、3日になったばかりの0時10分に亡くなった。家族も非常に忙しいし、故人も『派手にやらないでくれ』と言っていた。

できるだけ速やかに手続きをすませてほしいとのことだったので、亡くなったその日の夜に行いたい」というケースもあれば、「亡くなったのが12月30日。明日通夜をしても、1月1日は火葬場が開いていない!」というようなケースもあります。

また、宗教者側のスケジュールの都合があって、翌日に行えないといったこともありえます。

現在はご遺体の保存措置技術も進歩しており、腐敗に関しての理解も深まってきました。そのため、ある程度時間が経ってからでも行うことができます。ただそれでも、一般的には亡くなった3日後程度を限界として行われることが多いと言えます。

しかし都内などの都会では、火葬場に空きがないためご臨終から葬儀までに1週間近くかかることもあるそうです。

施主側:通夜を行う際に決めること

通夜を行う際に決めることは「席次」と「焼香の順番」です。それぞれについて見ていきましょう。

席次

通夜の場面においては、遺族・親族・一般弔問客で座る場所が違います。

※なお、ここでは、「遺族=亡くなった方と生計を一緒にしていた、あるいは亡くなる直前まで一緒に暮らしていた家族」「親戚=それ以外の血縁者」としています。ただ、現在では遺族も親族も分けずに使うケースも増えています。

遺族・親族が祭壇に近い場所に座るというのは基本ですが、会場によってやや違いがみられます。
いくつかのパターンについて見ていきましょう。

1.祭壇があって、それに向かい合うようなかたちをとるケース

会場が横に長いときには、祭壇を正面にして、その向かって右側の最前列に遺族が並びます。なお、喪主はその列のなかのもっとも左側に座ります。
そして、世話役が最前列の左側に座ります。

親族や近親者は、遺族の後ろの席に座ります。
近しかった友人などは世話役の後ろに並ぶことになります。

ただ現在は葬儀会社の台頭もあって、特に世話役を定めないケースもあります。この場合は、左側の最前列に、一般の弔問客を入れることもあります。

2.祭壇があって、喪主を先頭にして並ぶケース

主に会場が縦型のときに使います。
僧侶のすぐ後ろの右側に喪主、左側に世話役が座り、喪主の後ろに遺族や親族などが並ぶケースです。
世話役の後ろには、友人や知人が座ります。

3.祭壇に遺族が向かい合わないケース

葬儀式場によっては、祭壇と遺族が向かい合わないで座るケースもあります。
この場合、祭壇を正面にして、90度の角度にイスが置かれます。そこに遺族が腰かけるのです。
親族や弔問客は、1のケースと同じように、祭壇に向かい合うかたちで座ります。

焼香を済ませた弔問客が遺族にあいさつしやすいこと、また遺族が一目で分かること、遺族がスムーズに焼香に向かえることなどから考えられた配置だと推察できますが、このようなかたちをとるケースもあります。

ただ、大切なのは、「どこにどのようにイスを配置するか」ということではありません。
「故人と近しい(特に血縁)人ほど、祭壇の近くに座るのだ」といった原則を把握しておくことこそ大切なのです。

特に喪主は、だれよりも先に焼香を行う立場にあります。そのため、どの席次であっても、一番祭壇に近い位置に座ることになります。またこの位置に喪主が座ることで、通夜・葬式の後のあいさつを行う際にもまごつかなくてすみます。

なお、しばしば、「だれが遺族席に座るか」「だれが近い席に座るか」ということが議論の種になります。
しっかり話し合って、だれもが納得できる席次をつくりましょう。

焼香をする順番

焼香の順番ですが、これは、故人と関係が近かった人から行います。
つまり、喪主を筆頭とし、次は遺族、親族、弔問客……という順番で行われるのが一般的です。

施主側:通夜を行う際に準備すること

通夜を行う際に準備しておきたいことを見ていきましょう。

まずは、「告知」です。電話などで行うとよいでしょう。団体(学校や会社など)の場合は、代表者1人に伝えます。また、親族などには手分けをして連絡をするとよいでしょう。

お手伝いが必要ならば、その旨をお願いします。ただ、現在は葬儀会社を介して行うことが多く、昔のように、「お手伝いが必須」というわけではありません。通夜ぶるまいについては業者を使うことが一般的ですし、その片付けも遺族(親族)で十分間に合うでしょう。

お願いをするとすれば、「受付」でしょうか。これは、会社や近所の人にお願いするのが一般的です。
通夜の受付について詳しく知りたい人は、「お通夜の受付での挨拶や言葉遣い、マナーについて解説!」の記事も参考にしてください。

並行して、通夜の規模を決めていきます。葬儀会社を利用して行う場合、葬儀会社の方から適当と思われるサイズ(規模)の提示が行われるのが一般的です。

「特に豪華にしたい」「家族葬にしたい」「故人の希望がある」という場合はそれを伝えましょう。現在は葬儀業界も競争のなかにありますから、不要なほどに大きな規模の通夜のプランの提示が行われる可能性は、決して高くありません。安心して任せられます。

なお、「通夜のプランを決めること」と「葬式のプランを決めること」は、独立して行われることはそれほど多くはありません。恐らく、多くの葬儀会社が、この2つを並行して決めていくというスタイルをとっているでしょう。

ただ、通夜の方が用意する時間が短いため、より細かく、時間に追われた状態で決めなければいけないことは確かです。このプラン決めの段階で、供物・供花、通夜ぶるまいの料理などを決めていくことになります。

施主側:僧侶への依頼・対応・お礼

宗教者(ここでは仏教(僧侶)を想定しています)の手配を行う必要もあります。特段の事情がない限り、菩提寺に依頼することになるでしょう。また、僧侶の予定が合わない場合は、通夜を行う日を考え直さなければならないこともあります。

「どうしても都合がつかない」「菩提寺がわからない」ということであれば、その旨を葬儀社と相談してください。

現在では、僧侶の手配を専門に受け持っているサービスもあります。このサービスは、お布施も分かりやすいとされているため、それを目的として利用する場合もあります。

お布施の相場ですが、これは、実は「その宗派がその県においてどれくらい広まっているか」によっても異なります。その地方でその宗派を信じている人が少なければ、お布施は高くなる傾向にあります。

また、誤解を招きかねない言い方ですが、いわゆる「戒名料」の問題もあります。それも含めて考えれば、葬儀全体として、包むべき金額は10万~50万円程度ということになるでしょう。100万円以上包む家庭もあります。

施主側:訃報や葬儀の連絡方法

時間がないものですから、基本的には電話で行います。
故人がエンディングノートなどを用意していて、そこのなかに連絡先が記されているのであればそれを元に連絡をするとよいでしょう。

まずは親族に連絡をします。次に、故人が社会との関わりを積極的に持っているようであれば、故人が所属していた団体に連絡をします。その後に近所に連絡をしましょう。
忘れてはいけないのが、「遺族の周りにも連絡を入れる」ということ。

友人などの場合はともかく、会社にはすぐに連絡をしなければなりません。忌引き休暇の関係があるからです。

参列者が準備するもの

ここからは、参列者側の準備について見ていきましょう。

香典

まずは香典についてです。
香典は、通夜のときに持って行ってもいいですし、葬式のときに持って行ってもいいものです。
通夜のときでも葬式のときでも、表書きのマナーなどは変わりません。

仏教ならば「御霊前」、キリスト教ならば「御花料」、神式の場合は「御玉串料」などと表書きに記しますが、「どの宗教か分からない」という場合は「御霊前」がもっとも安心です。

なお、ハスの花が印刷されたものは、キリスト教や神式のお式では使えません。逆に、百合の花が印刷されたものはキリスト教のためのものです。

水引は、地方によって考え方に違いがありますが、白黒あるいは双銀の結び切りのものを利用します。キリスト教の場合は水引を用いません。

名前はフルネームで記します。香典袋を閉じる際は、まずは下側を折り、その上から上側を重ねます。金額は、故人との関係性や自分の年齢によって異なります。

▼ 年齢別香典金額

年齢関係金額
20代祖父母1万円
両親(義両親も同じ)3万円~10万円
おじ・おば1万円
会社の上司5千円
友人5千円
30代祖父母1万円~3万円
両親(義両親も同じ)10万円
おじ・おば1万円~2万円
会社の上司5千円~1万円
友人5千円~1万円
40代祖父母1万円
両親(義両親も同じ)10万円以上
おじ・おば1万円~3万円
会社の上司5千円~
友人5千円~1万円

ただ、これはあくまで「目安」です。相手と特に親しかった場合などはもう少し多めに包むこともあります。

また、会社関係の場合は、総務などが一括で取り仕切ることがあります。そのようなスタイルならばそれに従いましょう。

身だしなみ

女性はブラックのフォーマルスーツを着用します。男性も基本的には同じです。
ネクタイや靴下、ストッキング、靴も黒一色のものを選ぶのが普通です。
バッグは、金具がついていない布製のものが正式です。

メイクをする場合は、薄付きにしましょう。ラメや、濃い色のメイクは避けます。

また、「悲しくて紅もひけません」という気持ちを表すために、口紅はつけないという説もあります。ただ、あまりにも荒れがひどいようならば、薄付きの口紅を塗るのはよいでしょう。

髪の毛は、黒いリボンなどでまとめます。マニュキアは当然剥がす必要があります。
アクセサリーは、真珠の一連のネックレスと結婚指輪のみ許容されます。ただ、つけない方が無難です。

ただ、服装に関しては実は地方によって考え方が異なります。このようなブラックフォーマルの服装は、「用意していたようでよくない」と考える向きもあります。また、その流れもあって、通夜の場合は「ダーク系のスーツやワンピースが望ましい」とする説もあります。

なお、葬儀につきものであるように思われる「数珠」ですが、これを使うのは仏式のみです。キリスト教のお式や神式のお式では使わないので注意しましょう。

通夜に参列するときの身だしなみについて、詳しく知りたい人は下記の記事も参考にしてみてください。

焼香の作法・礼儀について

一般的な焼香の作法について解説します。

現在は、「御焼香をお願いします」などのアナウンスの後に、席順で祭壇の前に行き、焼香をする形式が増えています(通夜の規模によって焼香台の数は異なります)

基本の流れは以下です。

  1. 祭壇の前に行き、遺族に一礼する
  2. 焼香台の前で遺族と祭壇に一礼する
  3. 抹香をつかみ、額におしいただく(宗派によって異なる)
  4. 香炉に抹香を落とす
  5. 合掌をして一礼
  6. そのまま後ろに数歩下がり、遺族に一礼
  7. 席に戻る

「抹香を何回額におしいただくか」は、宗派によって異なります。また、「特に決まりがない」としている宗派もあります。自信がなければ、遺族のやっている行動を真似すればよいでしょう。

参列するときのマナー

通夜に参列するときは、「故人やご遺族への思い」があることがもっとも大切です。相手を悼む気持ちが一番大切であり、「マナーを完璧に守ること」が目的なのではありません。

ただ、葬儀の場というのは、どうしても気持ちが過敏になっているもの。
相手の心を傷つけないように、言葉遣いにも注意したいものです。

「忌み言葉」の存在は、多くの人が知っていると思われます。
「重ね重ね」「たびたび」のように、「不幸が重なること」を連想させる言葉は避けます。
また、死因を探るようなことは絶対にやめましょう。

もう一つ気を付けたいのが、「御冥福をお祈りします」という言葉。これは仏教のお式にだけ使えるものであり、神式やキリスト教では使いません。

また、「惜しい人を亡くした」「悲しいことでしたね」という言い回しも、宗教によってはそぐわない(たとえばキリスト教の場合は、「死は神の御許で永遠の安息を得ること」という死生観を持っています)こともありますので、避けた方が安全です。

では、どのような言葉を掛ければよいのでしょうか。

これについては、

  • 「安らかな旅路でありますように」
  • 「お体に労わってお過ごしください」
  • 「力になれることがありましたら、何でもお申し付けください」

などのような言い回しがよいでしょう。  

なお、「お悔やみ申し上げます」という言葉は、厳密には、キリスト教ではNGとされている言い回しです。キリスト教では、死を悲しむべきこととはとらえていないからです。

しかし現在ではこのあたりの感覚もかなり緩やかになっているため、「問題がない」とする見方もあります。

この記事のまとめ

ここまでのおさらいをすると、

ここがポイント

  • 通夜は、亡くなった翌日に行われることが多い
  • 通夜ぶるまいは、誘われたら少しでも参加する
  • 焼香は遺族から行い、参列者も行う
  • 通夜の連絡は電話で行うのがよい
  • 参列する場合は、フォーマルスーツを使う。化粧は薄くする
  • 香典は「御霊前」とするのがもっとも失敗が少ない(金額は年齢と立場によって異なる)
  • あいさつには気を付けて。「ご家族もお体にお気をつけて」などの言い回しがよい

ということになるでしょう。

通夜は、だれにとっても慣れることのないものです。
ただ、「そのとき」は確実に訪れます。
そのときに失敗しないように、勉強をしておきたいものですね。


監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

通夜とは、故人の側に近親者が夜通し付き添うという意味があり、夜伽(よとぎ)とも言います。

昔はその間ロウソクや線香の火を絶やさないように、交代で守っていたとされていますが、近年は安全上の理由で日中のみ灯すケースが多くなっています。

昔は野生動物を寄せ付けないために一晩中火を灯していたという説もあります。

通夜で食事をするのは昔から行われていたとされ、古事記の文献では死者に食事を施したり、歌い踊ったりしながら鎮魂していた様子が鳥に例えて表現されています。

現代はそれが「通夜ぶるまい」となり、故人と最後に食を共にする場であるとともに、遺族が参列者をもてなす場という意味になってきました。

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