故人の借金、返済は慎重に。相続放棄が認められなくなる可能性を解説

遺言書と預金通帳

この記事の目次

  1. 故人が借金を抱えていたら行動は慎重に安易にお金を返してはいけない理由とは?

故人が借金を抱えていたら行動は慎重に
安易にお金を返してはいけない理由とは?

故人が銀行などから借金をしている場合があります。その場合は、借りている銀行や消費者金融などに電話で連絡して、亡くなった旨を伝えましょう。

その際注意したいのは、相手が返済を求めてきた場合でも、安易にお金を返さないこと。故人の相続財産から一部でもお金を払ってしまうと、「単純承認(借金も相続すると認めること)」とみなされ、相続放棄が認められなくなる可能性があります。

また、お金を返さなくても、口頭で「返します」というだけで、単純承認とみなされることがあるので、安易にいわないようにしましょう。

借金を引き継ぐ場合は、引き継ぐ人が、「銀行や証券会社などの金融機関の手続はどのように行うのか?」の銀行と同様の手続を踏むことになります。

ただし、プラスの財産と違って、相続人同士の話し合いだけで、「1人の相続人だけが債務を引き継いで、あとの相続人は債務から免除」とすることはできません。

相続人の1人だけが承継するのであれば、銀行などの債権者の承認を得たうえで、債務を1人にまとめる「免責的債務引受」という契約を交わす必要があります。

借金をしている金融機関などへの電話連絡に注意!

借金をしている金融機関などへの電話連絡に注意!

少しでも支払うような言動をとったらアウト。

「借金を支払う意志がある=債務を相続する」とみなされてしまい、相続放棄ができなくなることがある。故人の財産から一部お金を返すと、完全に相続放棄ができなくなるので、気をつけること

故人の借金を調べるには?

1カ所で借金をしている人は、ほかの機関でも借りていることが珍しくない。借金の有無を確認したいなら、上記の信用情報機関で、故人の信用情報を調べてもらおう


■参照元
わかりやすい図解版 
身内が亡くなったあとの「手続」と「相続」
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2016年5月10日 第1刷発行
2018年2月20日 第6刷発行

監修者:岡信太郎(司法書士)、木村健一郎(税理士)、岡本圭史(社会保険労務士)
発行者:押鐘太陽
発行所:株式会社三笠書房
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