樹木葬の埋葬方法と手続きの流れを解説!納骨式の手順とは?

【樹木葬 手順】アイキャッチ画像

樹木葬の手順とは?徹底解説

  • 樹木葬では埋葬許可証が必須。行政手続きを先に済ませること。
  • 樹木葬は情報収集から納骨までの手順を踏む。
  • 樹木葬には個別、集合、合葬の埋葬方法があり、選択には利点と欠点を考慮。
  • 樹木葬の前には家族との相談が重要。供養やお参りの満足度を検討すること。

樹木葬の手順・納骨方法の流れを細かくご紹介します。

樹木葬に興味があるけど、何から行えばよいか分からない人でも、しっかりと手順を把握しておけば安心です。

あなたにあったお墓を探す

お墓に関する4つの質問に答えるだけで、あなたにあったお墓を調べられます。

ぴったりお墓診断

4つの質問で見つかる!

Q. お墓は代々継いでいきたいですか?

ご自宅近くの樹木葬を見てみる

樹木葬の購入を検討されている方は、以下より希望エリアの霊園・墓地情報を検索することができます。

樹木葬を探す

日本地図

樹木葬
を探す

北海道・東北

この記事の目次

  1. 樹木葬の申し込み手続きから納骨のやり方の流れ
  2. 樹木葬の埋葬方法・納骨の仕組み
  3. 樹木葬の契約・納骨前に親族と事前相談することが大事
  4. 樹木葬の埋葬に関するよくある質問
  5. 監修者コメント

樹木葬の申し込み手続きから納骨のやり方の流れ

樹木葬の申し込みから納骨までの手順を解説します。

事前準備|樹木葬の納骨前に済ませておく行政手続き


  1. 死亡届を自治体に提出する
  2. 火葬を行い、埋葬許可証をもらう

事前準備1. 死亡届を自治体に提出する

自治体へ死亡届を提出すると火葬許可証を交付してもらえます。
死亡届を提出する場所は、亡くなった場所(病院など)の自治体か、故人の本籍地または届出人の所在する自治体です。

死亡した事実を知った日から7日以内に届け出する必要があります。(国外で死亡した場合は3ヶ月以内)火葬許可証は、納骨当日に持参する重要な書類です。

これがないと火葬ができません。なぜなら、「墓地、埋葬等に関する法律」の第5条で市町村長の許可を得なければならないとされているからです。

事前準備2. 火葬を行い埋葬許可証をもらう

故人の火葬が終わると、埋葬許可証がもらえます。多くの自治体では火葬許可証と埋葬許可証が1枚の書類になっていることが多い傾向です。

つまり、火葬許可証を火葬場の担当者へ渡し、火葬後に火葬許可証に火葬した日を押印したものが埋葬許可証になります。埋葬許可証は、納骨の際に必要になる重要書類です。

火葬場や葬儀業者の担当者が、書類を紛失しないように納骨した骨壺の箱に埋葬許可証を入れてくれるケースが多いといえます。

樹木葬の契約から納骨までの流れ

  1. 樹木葬のお寺や霊園の情報収集をする
  2. 樹木葬の現地見学をする
  3. 樹木葬の契約および入金をする
  4. 墓地の使用許可証を受け取る
  5. 納骨する日程を決める
  1. 埋葬許可書を持参し納骨をする

樹木葬のお寺や霊園の情報収集をする

樹木葬に興味を持ったときに、まず行うことは情報収集です。お寺や霊園によっては、樹木葬を行っていない墓地もあります。

そのため、インターネットなどを使って自分が希望する土地の樹木葬情報を収集してみましょう。「どこの墓地で樹木葬を選択できるのか」「どんな樹木葬の種類があるのか」など、自分の目的に合った墓地に目星を付けることがおすすめです。

多くの墓地では、無料で資料請求ができますので気になる樹木葬は資料を取り寄せてみましょう。

樹木葬の現地見学をする

希望の樹木葬がある程度選定できた後は、自分の足で現地を見学しましょう。

資料請求をしたパンフレットでも、現地の雰囲気や外装などは知ることができます。
しかし、紙面上で見ただけだと、どうしても自分の先入観が異なるイメージを膨らませてしまうことも少なくありません。

そのため、現地に赴き自分の目で墓地全体をチェックすることが重要になります。
見学を行わないと、「イメージとは異なる部分があった」など、後悔する原因となりかねませんので必ず訪問してみましょう。

樹木葬の契約および入金をする

空きがあればすぐに樹木葬の使用権を取得できます。
都立霊園などのように、定員に対して申込者が多い場合は抽選になりますが、通常の樹木葬では永代使用料を支払えば、すぐに墓地は取得できるでしょう。
また、墓石の建立のように時間を要しないために、比較的早く納骨できます。

実際に樹木葬を見学してみて納得した場合は、契約および墓地使用料の決済を行います。
ただし、見学に行ったときに即決する必要はありません。自分だけでなく、家族や親族などともじっくりと相談および検討してから契約するかどうかを決めましょう。

契約時に細かい内容を説明されてもすべて頭に入ってこない場合もあります。
その場合は、墓地管理事務所の担当者に契約書のコピーなどをもらい自宅でじっくり内容を読んで分からない部分をなくしてから契約するのが賢明です。

契約を交わした後は、墓地の使用料などを銀行振り込みなどで決済します。

墓地の使用許可証を受け取る

契約と墓地使用料などの決済が完了した後は、墓地の使用許可証が発行されます。
この書類は実際に納骨する際に使用する大切な書類です。紛失してしまわないよう骨壺を入れてある箱などに埋葬許可証と一緒に保管しておくと安心でしょう。

ここまでは、樹木葬の申し込み手順でしたが、次からは実際に納骨をする手順を解説していきます。

納骨する日程を決める

遺骨と埋葬許可証がそろったら、納骨するスケジュールを決めましょう。
「法事を行うのか」「納骨当日に誰を呼ぶのか」などについて決めておく必要があります。

法事の有無や納骨式に呼ぶ親族などを決める

法事の有無や納骨式に親族をどこまで呼ぶかなどを決定しましょう。内容によって行うことも変わってきます。
法事を行う場合は、住職を手配することが必要です。親族のうち、どこまで呼ぶかも決めておかないとあとで「納骨する連絡が来なかった」などとトラブルにもなりかねません。
そのため、連絡漏れがないようしっかりと押さえておきましょう。

納骨の予定は樹木葬の墓地管理者と日程調整する

樹木葬へ納骨する際は、必ず墓地管理者へスケジュールを連絡しましょう。
樹木葬は、遺骨を土中に埋葬するだけですが、霊園によっても手順があります。

具体的にどのような納骨式を行うのかなど、細かい内容をしっかりと墓地管理者へ伝えておくことでスムーズな納骨ができるでしょう。

埋葬許可書を持参し納骨をする

一般的な墓石のお墓などでも同様ですが、納骨する際は墓地管理者へ埋葬許可証を提出することで納骨ができるようになります。
樹木葬の契約が完了しているからと勝手に埋葬を行うと、刑法第190条により死体遺棄となり、3年以下の懲役になる可能性があるので注意しましょう。

樹木葬の埋葬方法・納骨の仕組み

樹木葬の霊園内

墓石のお墓の場合は、カロートと呼ばれる納骨スペースに骨壺ごと安置します。しかし、樹木葬の場合は多くが遺骨を骨壺や布などに包んで土中に埋葬するのが特徴です。
長い年月をかけて遺骨は土に還る埋葬方法をとっている樹木葬はごくまれです。

樹木葬の埋葬方法は大きく分けると3つあります。「個別型」「集合型」「合葬型」といった埋葬方法について見ていきましょう。

個別埋葬の樹木葬|家族ごとのスペースに遺骨を納める方法

樹木葬のご契約者やご家族ごとの埋葬スペースが確保されたプランです。
遺骨を納めた骨壺や骨袋などを、個別の区画に埋葬します。
33回忌など、霊園や寺院が定める期間を超えた後は他の遺骨と合葬されます。

個別型のメリット

個別型のメリットは、区画が分かれているため一般的なお墓と同じように参拝することが可能です。なかには夫婦一緒に埋葬できる樹木葬などもあります。
自分の埋葬した場所を明確に分かりたい人にとってはおすすめです。

個別型のデメリット

個別型のデメリットは、樹木葬のなかで費用が一番高くなることです。自分専用の区画が確保できるため、敷地の面積に比例して永代使用料が高くなります。
また、一般的なお墓と同様に、33回忌まで(合葬されるまで)など一定期間は年間管理費が必要なケースが多いです。
墓守の負担などを減らすために樹木葬を選んだ場合は、毎年費用を支払っていくことになるのでデメリットといえます。

集合埋葬型の樹木葬|他人の骨壷と一緒に埋葬される方法

遺骨を納めた骨壺や骨袋などを、大きなスペースに埋葬します。
遺骨は他人のものと一緒くたにはなりませんので、後から取り出して他のお墓に改葬することも可能です。

集合型のメリット

集合型のメリットは、他の遺骨と同じ敷地になるものの自分の遺骨と分けて埋葬することができることです。
大きな敷地に複数の遺骨を埋葬するという特徴は合葬型と変わりません。年間管理費もかからないことが多いこともメリットの一つでしょう。

集合型のデメリット

集合型のデメリットは、手を合わせる対象が自分達家族だけのシンボルではないという点です。

合葬型の樹木葬|遺骨をひとまとめに埋葬する方法

遺骨を納めた骨壺から出して、大きなスペースに埋葬します。

合葬型のメリット

合葬型のメリットは、樹木葬のなかで一番費用が安いことです。また、年間管理費も不要であることが多いため、お墓の後継者問題を気にしている方にとってもメリットが多い埋葬方法といえます。

合葬型のデメリット

合葬型のデメリットは、自分の納骨スペースを確保できないため他の遺骨と混ざってしまいます。

樹木葬の契約・納骨前に親族と事前相談することが大事

家族会議をする3人

実際に樹木葬を希望するときには、必ず家族や親族との価値観を共有しておきましょう。
仮に自分が葬儀の喪主であっても、お墓に対する価値観は人それぞれに異なります。

自分の親や兄弟、子どもという近い存在でも樹木葬に対してどのような価値観を持っているか分かりません。そのため、一人ですべてを決めてしまわず、よく相談して価値観を共有しておくことが重要です。

樹木葬を選ぶ前の注意点

  • 家族や親族の理解は得られているか
    樹木葬の大きな特徴に、承継の必要がないというものがあります。

    跡取りがいない人であればいいのですが、承継できる人がいるにも関わらず樹木葬に踏みきる場合は。家族や親族の理解を得ないと、トラブルのもとになります。

    お墓は、自分たちの眠る場所であるだけでなく、遺された人が故人様を偲びに会いに来る場所でもあるからです。
  • 供養の方法をきちんと確認しておこう
    樹木葬は、一定期間は個別供養して、その後に永代供養にするというスタンスが多く採用されています。
    一定期間とは、13年や33年などです。

    自分たちの死後、どのように永代供養がなされるのかを事前に確認しましょう。
  • お参りをして満足を得られるか
    これまで、墓石へのお墓参りが当たり前だっただけに、樹木へのお参りで本当に満足できるのか。
    人によっては物足りなさを感じることもあるようです。
    また、礼拝の対象が樹木で、周囲も雑草が生えて荒れてしまうこともあるでしょう。

家族と相談するときに用意しておきたい!樹木葬以外の選択肢2つ

樹木葬について家族と相談したけど、あまり同意を得られなかった……という場合に考えておきたいのが別の選択肢です。

ここでは、樹木葬以外で永代供養を選べる2つの供養方法について解説します。

海洋散骨|自然重視なあなたにぴったり!大海原で供養する

海洋散骨とは、遺骨をパウダー状に粉骨して海へ撒くという供養方法です。
散骨業者などに船をチャーターしてもらい、合同で散骨したり個別に散骨したりすることができます。

費用を重視する人には、遺骨を業者へ郵送し散骨を委託するということも可能です。
樹木葬同様に、自然を重視する方が選択することが増えてきている人気の供養方法になります。費用相場は内容によりますが、5万~20万円程度で行えるでしょう。

納骨堂|管理の負担を減らしたいあなたにぴったり!管理をお任せする

納骨堂は、コインロッカーのような納骨スペースに遺骨を安置することができる場所です。30年、50年安置できる長期納骨堂や、10年程度安置できる短期納骨堂があります。
一般的な墓地と異なり、年間管理費などがないため、管理の負担を減らしたい方にとってはおすすめの供養方法の一つです。

霊園やお寺によっては、一口に納骨堂といってもさまざまなタイプがあります。
例えば、夫婦一緒に安置できるタイプや、屋外にあるタイプ、お線香や献花ができるような仏壇タイプなど。

樹木葬の埋葬に関するよくある質問

樹木葬への納骨のタイミングはいつがいい?

納骨のタイミングに決まりはありません。

早く納骨することで気持ちが落ち着く人もいれば、ずっと故人様のそばにいたいとしばらく自宅に置いておく人もいます。
自分たちが望む日を納骨の日とすればよいでしょう。

いつ納骨すべきか分からない人は、故人様の区切りとなる日を選ぶのがよいでしょう。
仏教の場合は、四十九日や、一周忌や、三回忌などがそれにあたります。

樹木葬に埋葬したら、遺骨は土に還る?

すべての樹木葬が、土中へ直接埋葬されるわけではありません。
自然葬にこだわる方は、どのようなかたちで遺骨が埋葬されるのか、事前によく確認しておきましょう。

  • 土の中への埋葬
    土に穴を掘って、その中に焼骨を埋葬します。
    焼骨は骨壺から取り出して、さらしの袋などに移し替えて埋葬します。
  • カロートの中に埋蔵する
    カロートが設置してある墓地の場合は、骨壺に納まった状態で埋蔵します。

監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

墓石のかわりに樹木をシンボルとする樹木葬墓地は近年人気を集めています。「自然に還れる」「大自然に抱かれる」等のイメージを持つ人が多いのですが、実際は樹木葬墓地によって異なり、骨壺ごと納骨するところや、一定期間が経過すると取り出すところ、樹木とは名ばかりで石がメインのところなど、さまざまなタイプがあります。

例えば東京都の樹木葬墓地の場合、遺骨を管理棟に預けるだけで、実際の納骨時に立ち会えるわけではありません。このように、樹木葬といっても見た目、納骨方法等に違いがありますので、必ず確認するようにしましょう。