久保山墓地ってどんなところ? その運用形態と特徴について

【久保山墓地】アイキャッチ画像

日本には数多くの霊園(※ここでは「墓地」「墓苑」も、特に記さない限り「霊園」と同じものとして使っていきます)が存在します。
現在は海洋散骨や手元供養、納骨堂などのさまざまな選択肢がありますが、多くの人はこの「霊園」で眠ることになります。

ただ、無数の霊園があるため、「どこを選べばよいのだろうか」「近場の霊園をいくつか見ている。しかしどこにすればよいか決めかねている。それぞれの特徴を知りたい」という人も多いことでしょう。
そこでここでは、横浜にある「久保山墓地」を取り上げてその運用形態と特徴について解説していきます。

久保山墓地とは横浜市が運営する霊園の一つ

民営霊園の区画

「久保山墓地(くぼやまぼち)」は、神奈川県の横浜市にある墓地をいいます。「横浜市営久保山墓地」と記されることもありますが、この2つは同じものです。

久保山墓地の概要

久保山墓地は、横浜市によって運営されている市営霊園です。自治体が運営している霊園であるため非常に安定感のある運用が望めます。

実際、久保山墓地は明治7年から運営されており、2019年現在145年の歴史を持っています。
また、その規模は横浜市で最大規模を誇り、広大な墓地にさまざまなお墓が並んでいます。加えて「霊園」でありながら、火葬場や納骨堂も併設しています。

納骨堂と墓地を比べたとき、「どちらかだけが良い」といえるものではありません。ただ、納骨堂の場合はどのような天候のときでも通うことができるというメリットがあります。しかし使用料と管理料は納骨堂の方が高いという特徴があります。なおこれは「合祀」ではなく「個別で納骨堂を利用した場合」の話ですから、合祀にした場合は墓地よりも金額が安くなる傾向にあります。

久保山墓地は自治体による公営の墓地です。そのため、信教の自由に基づき、どのような宗教・宗派でも受け入れています。宗教の別なくどんな人でも入ることができるのも特徴です。

ただし、これは久保山墓地に限ったことではありませんが、市営墓地はいわば「住民サービス」の一環として墓地が提供されているのでここに入れる人・ここに入るために応募できる人には制限が掛けられています。

応募条件

  1. 横浜市に3か月以上住んでいる人(住民登録が必須)
  2. 久保山墓地に申し込んでいる人と同じ家に住んでいる人のなかに、ほかの横浜市営墓地を使っている人がいないこと
  3. 申し込みは1世帯につき1回のみ
  4. 申し込みに受かった場合、1年以内にお墓を作って埋葬ができる世帯

この4つは、「どれか1つだけをクリアできれば申し込める」というものではありません。4つすべての条件を満たさなければなりません。

特に取り上げたいのは4の「1年以内にお墓を作って埋葬ができる世帯」です。人の死は予測できるものではありませんが、久保山墓地では「1年以内」という制限を設けています。

そのため申し込めるのは、事実上「すでに遺骨が手元にあり手元供養をしているが、そろそろ落ち着いてきたので納骨をしたい」「遺骨を納めるべき墓地が確保できていない状況にあるので手元においてあるが、見つかり次第納骨をしたい」などのように、手元にご遺骨がある世帯限定となっています。

久保山墓地のアクセス

公営の霊園のなかには通いにくいところもありますが、久保山墓地は立地にも恵まれています。より正確にいえば、「交通の便が整っている」といえます。

久保山墓地の場合、京浜急行の「黄金町駅」およびJR横須賀線「保土ヶ谷駅(ほどがやくえき)」からバスが出ているからです。「久保山霊園前」という行先が書かれているバス(黄金町の場合は「保土ヶ谷区車庫行き」、保土ヶ谷区駅の場合は「日本大通り県庁前行き」もしくは「関内駅北口行き」)に乗れば、久保山墓地の前まで連れて行ってもらえます。

ただし、久保山墓地の場合は墓地に駐車場はありません。そのため、公共交通機関の利用がほぼ必須となります。

久保山墓地の特徴

ここからは、より詳しく久保山墓地の特徴について見ていきましょう。

著名な人のお墓がある

久保山墓地には多くの著名人が葬られています。
児童文学者にして翻訳家、評論家として知られる村岡花子さんもそのうちの1人です。彼女の名前自体には聞き覚えがない人であっても、「赤毛のアンを翻訳した人」といえば分かるのではないでしょうか。

東洋英和女学校に10歳で入学した彼女は、当時まだ遠い国の物語であった赤毛のアンを翻訳し、日本に広めました。また、有名な「クリスマス・キャロル」の翻訳も手がけました。75歳で亡くなった後、彼女は久保山墓地に葬られ、そこで最後の時間を過ごしています。

内閣総理大臣を務めた吉田茂さんもまた、久保山墓地で眠っています。さまざまな議題を起こし、また歴史を変えることにもまった対日平和条約・日米安保条約などに調印した総理大臣であり、8年間の間に5次の内閣を組織しました。
89歳の年に亡くなりましたが、初めは青山に埋葬されていました。現在は改葬され、久保山墓地で過ごしています。

各区画の募集状況と金額

久保山墓地は、「納骨堂」と「墓地」に分けられています。いずれも非常に現代的なつくりをしています。

まず1つめは、「自動搬送式納骨施設」と呼ばれるもの。これは、受付でカードを使うとご遺骨が入った厨子が出てきて、それに手を合わせることができるというものです。非常に現代的な作りをしているのが特徴です。使用料は、30年間で47万5200円、管理費用は1年で9720円です。

もう1つが、「合葬式納骨施設」と呼ばれるものです。これはシンボルツリーを設けて、その下に納骨施設をおいたものです。実際に手を合わせるのは地上にある献花台に対してとなります。これは、ご遺骨お1人様につき73440円の使用料がかかりますが、これで60年間保持してもらうことができます。また、管理費用は60年で45360円です。長く見てもらえることが特徴です。

久保山墓地(地上)の場合は、土地の使用料として20万3000円~27万5500円を支払います。土地の使用許可を得るわけですから、この土地はずっと使い続けることができます。
ただし、管理料は1年で5000円かかります。また、これはあくまで「土地の使用料」ですから、実際にはここに墓石を置くための費用がかかります。

納骨場所 使用料 管理費用
自動搬送式納骨施設 47万5200円(30年間) 9720円(1年あたり)
合葬式納骨施設 73440円(ご遺骨お1人につき) 45360円(60年分)
久保山墓地(地上) 20万3000円~27万5500円 5000円(1年あたり)

出典:健康福祉局環境施設課(横浜市)「平成30年度横浜市営墓地・納骨堂の使用者募集について~日野こもれび納骨堂及び久保山墓地の使用者を募集します~」

久保山墓地の歴史

久保山墓地は非常に長い歴史を持っています。明治7年にひらかれた墓地であり、数多くの人を受け入れてきた土地でもあります。関東大震災などの被害者、あるいは戦争の戦死者なども多く眠っています。また、公営墓地であるため、無縁仏の受け入れも行っており、多くの人がこの墓地で安らぎを得ています。

なお、青山霊園などのよく知られた墓地も、久保山墓地とほぼ同じくらいの歴史を持っています。

久保山墓地にお墓を建てるための流れ

【墓石 カタログ】アイキャッチ画像

久保山墓地に墓地を建てるための流れを見ていきましょう。

  1. 1.現地へ見学に行く
  2. 2.応募要項を手に入れて抽選申し込みを行う
  3. 3.当選したら詳しい審査を受ける
  4. 4.石材店と打ち合わせをする

1.現地へ見学に行く

まずは墓地の見学に行きましょう。公共交通機関を使っていくことになります。自家用車で行っても、駐車スペースはありません。

2. 応募要項を手に入れて抽選申し込みを行う

久保山墓地は、「申し込めばだれでも入れる」というものではありません。非常に人気の高い霊園であるため、抽選が必要となります。まずは応募しましょう。ちなみに平成30年の倍率は1.07倍と比較的競争率は高くありませんでしたが、その前の年は1.72倍となかなか高い倍率でした(もっともほかの墓地などでは、4倍近くになることもあります)。

出典:美郷石材「横浜市 墓地使用者 抽選結果」

3.当選したら詳しい審査を受ける

抽選に当選したとしても、その後の審査ではじかれることもあります。「久保山墓地に入るための資格を満たしていない」と判断された場合は失格となり、入ることができません。

4.石材店と打ち合わせをする

久保山墓地の場合、「1年以内に墓を建てること」が条件であるため、当選した後はできるだけ速やかに石材店と打ち合わせをした方がよいでしょう。特にお墓にこだわりがある人の場合は、早めにとりかかることをおすすめします。

横浜市が管理・運営をする霊園墓地まとめ

横浜市が運営する「久保山墓地」は、長い歴史と広大な土地を持つ墓地です。
「墓地」としていますが納骨堂も併設されており、自分や家族にとって居心地のよい方を選べます。
ただ、人気のある霊園であるため抽選になる可能性も十分に考えられます。

久保山墓地は公営の墓地であるため、宗教・宗派は問いません。ただし横浜市に住民票を移してから3か月以上経つ人でなければ申し込むことができません。
また、それ以外にも条件があるのでチェックしておきましょう。仮に抽選に受かったとしても、審査の段階で「条件を満たしていない」とされれば失格となります。

一口にお墓・霊園と言っても、豊かな自然を背景にしたり、規模や宗派だけではない様々な特色があります。
お住まいの地域・ご実家の近隣などで、どんな霊園があるかご覧になってはいかがでしょうか?

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