神道でもお骨は預けてお参りする時代!神棚型の納骨堂をご紹介

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神棚型納骨堂とは?徹底解説

  • 神道信者向けの神棚型納骨堂が人気。世代継承が可能で、上段に神棚、下段に骨壺を配置。
  • 納骨堂は2人用が50万円、家族用が100万円程度。神道家限定の場合も。
  • 屋内の納骨堂は天気に左右されず、お墓の手入れが楽。

納骨堂を経営しているのは仏教寺院がほとんどですが、どんなに宗旨や宗派を問わないとはいえ、神道を信仰している人にとってはこうした納骨堂は利用しづらいと考えている方も多いのではないでしょうか。

しかし最近の神社では、神道家(神道を信仰している人や家)向けに神棚型の納骨堂を設置して多くの人に利用されています。

仏教寺院の納骨堂と神社の納骨堂では何が違うのでしょうか。
また、神棚型の納骨堂の特徴や相場はどれくらいなのでしょうか?

分かりやすくまとめましたので、神道の方、納骨堂に遺骨を預けることを検討している方はぜひとも参考にしてみてください。

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この記事の目次

  1. 神棚型の納骨堂タイプの特徴
  2. 神棚型の納骨堂を選ぶメリット・デメリット
  3. 神道型の納骨堂と比較したい他の供養タイプ
  4. 神道型の納骨堂に決める前に見学は必須
  5. 神棚型の納骨堂が向いている人
  6. まとめ
  7. 監修者コメント

神棚型の納骨堂タイプの特徴

納骨堂とは納骨施設を持った建物のことです。神道型の納骨堂は納骨殿とも呼ばれています。
葬儀の7割以上が仏式で行われていることもあり、納骨堂の多くは仏教寺院が経営しています。

しかし中には仏教ではなく神道を信仰している人も一定数いるため、一部の神社は神道家(神社を信仰する家のこと。仏教の檀家と同じ意味)向けの納骨堂を経営しています。

神棚型は文字通り神棚のような形状をしている

神棚型とは文字通り神棚のような形状をした納骨堂です。
上段部分では神棚が設置され、礼拝空間として使用します。

扉を開くと中にはお社が構えられ、ご神鏡、真榊、かがり火、神饌(米、塩、酒、水などを供えるための器)、榊立てなどが並べられています。

納骨堂の中で灯を灯すのは大変危険なため、扉を開くと内部をLED照明が灯るようになっており、かがり火にも電気ローソクを用います。

下段は納骨スペースで家族や先祖の骨壺を並べて安置します。

神棚型の納骨堂を選ぶメリット・デメリット

いくつかの種類に分けられる納骨堂の中で、神棚型は他と比べてどんな特徴があるのでしょうか。
メリットとデメリットを取り上げながら考えてみましょう

神棚型の納骨堂を利用するメリット

神棚型の納骨堂は、神社が経営していますし、神道向けの施設です。
自分の家が神道を信仰していると分かっている場合は、信仰をベースに、しっかりとしたお祀りができる点がポイントになるでしょう。

自宅やお墓では困難な納骨を神社に預けられる

費用が高い、跡取りがいないなどの理由でお墓が建てられない。
自宅の神棚や祖霊舎の中に遺骨をずっと置いておくことに抵抗がある。

こうした事情でお悩みの人は神棚型の納骨堂を利用すれば安心です。
神社が経営する納骨堂ですから神聖な場所で守ってもらえるという安心感があります。

また、遺骨やお墓を自分たちで管理しなくてもよいため、お墓の維持や掃除などの負担も軽減できます。

家族で継承できる

神棚型の納骨堂は、複数の人の骨壺を納めることができます。
そのため、子の世代や孫の世代も継承して利用できるでしょう。

神棚、祖霊舎、そしてお墓などの一番の特徴は世代を超えて使われるという点です。
いわばこれらは、先祖と子孫とのつながりの場になるのです。

納骨堂と聞くと一時預けや永代供養(神道では「永代祭祀」と呼びます)のイメージが強くあるかもしれません。

世代を超えてもきちんとお参りさえ途絶えさせなければ神棚型の納骨堂はいつまでも継承できます。
その家にとって、世代を超えてつながることのできる立派な祈りの場になるのです。

充分な広さと立派な造り

神棚型は、ゆったりとした広さがあるので複数の遺骨を納められます。
また上段は限られたスペースの中で神社の本殿や神棚の飾りと同じように設えられています。
お社の手前には榊や神饌(お供え物)も置けるため、きちんとした形でお参りができます。

神棚型の納骨堂を利用するデメリット

神棚型の納骨堂のデメリットにはどういったものが挙げられるでしょうか?

神棚型の納骨堂の相場は50万円~100万円

収蔵できる遺骨の数によって金額は異なりますが、神道型の納骨堂の相場は、2人用で50万円前後、家族用で100万円前後が相場でしょう。

お墓を建立するよりは安い出費で済むとはいえ、それでも高額な出費が伴います。

神道家でなければならない

神社によっては宗派不問のところもあれば、神道を信仰する家であることを条件とするところもあります。

神道への改宗を求められることもあるでしょう。
いずれにせよ、他の寺院や宗教者がやってきて儀式を執り行うことはできません。

ただお骨を納骨したいという理由だけで神道型の納骨堂を考えている人は、必ず事前に宗教の条件について確認しておきましょう。

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Q. お墓は代々継いでいきたいですか?

神道型の納骨堂と比較したい他の供養タイプ

神道型の納骨堂以外にも、さまざまな供養の方法があります。
それぞれの特徴を比較してみます。

墓石との比較

墓石は長らく日本で用いられてきた供養の方法です。
遺骨や遺体を墓地に埋葬して、その上に墓石を建立し、お墓参りをして供養してきました。

神道型の墓石は「兜巾型」と呼ばれ、軸石の頂点が空に向かって尖っているのが特徴です。
これは、神道の三種の神器である天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)を表しているからだと言われています。

神道型の納骨堂と墓石にはどのような違いがあるのでしょうか?

納骨堂は屋内 墓石は屋外

納骨堂は屋内に設置され、墓石は屋外の墓地に建立されます。
納骨堂が選ばれている一番の理由に、墓石に比べて納骨堂は建物の中にあるために、天候の悪い日でもお参りしやすい点です。

また、風や雨にさらされる墓石に比べ、屋内の納骨堂は汚れなどが少なく、掃除や手入れの負担は大きく軽減できます。

ただし、お墓参りに馴れている人からすると、納骨堂へのお参りに物足りなさを感じるかもしれません。

墓石は費用が高い

墓石の建立には高い費用がかかります。
墓地の永代使用料、石材加工、墓地での工事などの費用を合計すると、どうしても高額になってしまうのです。

一方、神道型の納骨堂は、墓石に比べるとはるかに安価です。

納骨堂は遺骨を土に還せない

遺骨を土に還したい人は、墓石の建立をおすすめします。
納骨堂は、上段が礼拝のための神棚、下段が遺骨を並べるためのロッカーになっています。

世代を超えて継承され続ける限りは、遺骨は骨壺のまま、ロッカーの中で保管されます。
つまり、遺骨が土に還る機会がないのです。

遺骨をきちんと土に還したいと望む場合は、墓石の建立をおすすめします。

樹木葬との比較

樹木葬では、墓石を用いずに樹木を植樹して墓標にします。
樹木葬は主につぎの2つに分けられます。

ひとつは「里山型」。
自然の里山の中で墓所を区切り、埋葬、植樹をします。墓地として石碑やカロートなどの人工の構造物を使用しないのが特徴です。

もうひとつは、都市型霊園の中で行われる「霊園型」。
遺骨の埋葬にはカロートや石板などを用いますが、礼拝の対象には墓石を用いず、シンボルツリーに手を合わせます。

神棚型の納骨堂と樹木葬にはどのような違いがあるのでしょうか?

樹木葬は宗派を問わない

樹木葬の多くは、宗派を問いません。
石であれば固有の文字を刻みこむことができます宗派の区別ができますが、樹木の場合はそれができません。

そのため、樹木葬には超宗派のイメージがあります。
それに対して神棚型の納骨堂は、そもそもが「神棚型」と呼ぶほどですから、神道に限定した礼拝施設です。

納骨堂は屋内 樹木葬は屋外

樹木葬は、墓石と同様で野外に設置されます。
里山型の場合は、遺骨を土の中に埋葬するのですが、霊園型の場合は、カロートを設置してその中に骨壺を納める形をとる霊園が多いようです。

というのも、樹木葬を選ぶ人の多くが、やがて永代祭祀(神道ににおける永代供養の意味)になることを前提にしています。

お参りの人がいなくなると遺骨は合祀され、その時のために骨壺で納骨しておくのです。

樹木に手を合わすという新しい方法

従来の供養では、自宅の神棚や祖霊舎に手を合わせ、遺骨はお墓に埋葬していました。
神棚型の納骨堂は、いわば、この神棚とお墓を合体させたような施設です。

神棚型の納骨堂はまだまだ新しいのですが、神棚とお墓は従来からあったため、さほど違和感なく人々に受け入れられている感があります。

一方、樹木葬はまだまだ新しい供養法ですが、都営霊園でも採用されたりと、これから広がりを見せていくことでしょう。

手元供養との比較

手元供養とは、自宅など、自分の手元で遺骨を供養することです。
主なものとして、おしゃれな骨壺や、遺骨や遺灰が納められるペンダントなどが人気です。

分骨して、お骨の一部を手元供養にする

手元供養とは、あくまでお骨の全部ではなく、一部を用いて行います。
遺骨の埋葬方法には、お墓や、納骨堂や、永代供養などがありますが、こうした方法で納骨や埋葬をした上で、残った一部を手元供養にするのです。

自宅でできる新しい供養の形

寺院や神社は、家の供養(仏壇、墓、神棚など)には関与しますが、個人的な信仰や礼拝である手元供養にはほとんど関与しません。
あくまでも自分たちの希望のスタイルで亡くなった人を供養すればいいのです。

永代供養との比較

永代供養とは、死者や先祖の供養を寺院に委ねることです。
仏式では永代供養と呼びますが、神道では永代祭祀と呼びます。
あととりがいない世帯や墓守ができない人たちが、永代供養あるいは永代祭祀にします。

永代供養とは、供養の最終的な受け皿

永代供養とは、「どこに」供養するのかの問題ではなく、「誰が」供養するのかの問題であることを、まずは押えておきましょう。

つまり、これまでとりあげてきた納骨堂、墓石、樹木葬、手元供養は、すべてお骨を納める場所の問題でした。

これに対して永代供養とは、自分たちでできなくなった先祖の供養を寺院や神社にお願いすることです。

葬儀を終えてすぐに永代供養にする人もいるでしょう。
それだけでなく、納骨堂や、墓石や、樹木葬や、手元供養という形で供養していても、自分たちでお墓や遺骨を守ることができなくなると、最後は永代供養にします。

永代供養とは、どんな人にも起こり得る供養の最終的な受け皿なのです。

神社でも永代供養をしてくれる

神社でも永代供養をします。
ただし、神道では「供養」という考え方がないために、「永代祭祀」と呼ばれています。

神道家の人で、あととりなどがなくて困っている人はまずは神社に相談しましょう。
神棚や祖霊舎や納骨堂などを構えてご先祖様を祀るということは自分自身のルーツと向き合う行為です。

ですから、自分たちが元気なうちは、自分たちの手でお祀りしてあげましょう。
ご先祖様にとっても、どこかの神社に祀られるよりも、自分の子や孫や子孫に祀られる方が喜ばしいことでしょう。

散骨との比較

散骨とは、パウダー状に細かく粉砕した遺骨を山や川や海などに撒いて自然に還す供養法です。
遺骨をあとにのこさない、手を合わせる個別の場所を設けないというのが大きな特徴です。

遺骨があとに残らない

散骨は、そもそも違法でも合法でもない極めてグレーな領域の中で行われています。
「節度を持って」行えばいいと解釈されています。

白骨をそのまま撒いてしまうと死体遺棄罪に抵触します。
散骨にするためには必ず事前に遺骨をパウダー状にしなければなりません。

遺骨があとに残らないために、その後の供養の負担が軽減されます。

費用を安く抑えられる

納骨堂、樹木葬、永代供養などのさまざまな供養の方法があるなかで、散骨はかなり安い部類に入るでしょう。
墓地の購入や墓石の加工も不要ですし、納骨堂のような施設も不要です。

故人を偲ぶ場所がない

散骨は、してみたあとに後悔するという話をよく聞きます。
散骨される当人は「自分の遺骨は海に撒いてほしい」と希望できますし、周りの人たちも生前の想いに応えてあげようと散骨にしてあげます。

ところが、遺された側の人たちが、あとから手を合わせたくなった時に、故人を偲ぶ場所がないのです。

やはり人には、亡くなったあとの人ともつながりたがる性質があるのかもしれません。
どこに遺骨が埋葬されているかという場所さえ特定できれば、安心して手を合わせられるのです。

神道型の納骨堂に決める前に見学は必須

納骨堂の使用を契約する前には必ず現地を見学しましょう。

神棚型の納骨堂のカタチを実際に確認する

神棚型の納骨堂の一番の特徴は、自宅だけでなく、納骨している場所にもきちんと神棚を飾れる点です。

ですから、自宅の神棚とは別の意味で祈りの拠り所となる場所となるでしょう。
まずは現地に足を運んで、実際に神棚型の納骨堂の形を確認しておくことが大切です。

どのような神様が祀られているのか、どのようにお参りするのだろうかとシミュレーションしましょう。

納骨部分の広さを確認しておく

納骨堂の寸法などをきちんと把握しておきましょう。
特に納骨部分は大切です。

遺骨が全部で何人分はいるかどうかは近い未来のことをとても大切な事柄です。
万が一納骨堂を買ったはいいけれど、遺骨が中に入りきらないとなると取り返しがつきません。

いま現在の家族構成、そのうちの何人がその納骨堂の中に入る可能性があるか。
ひとつ当たりの骨壺の寸法と、実際の納骨部分の内部の寸法とをきちんと確認しておきましょう。

神棚型の納骨堂が向いている人

さまざまな供養の方法がある中で、どんな人が神棚型の納骨堂が向いているのでしょうか。

1.神道を信仰している人

日本の葬儀は7割以上が仏式と言われている中で納骨堂の経営も多くは仏教寺院です。
しかし時代の流れを受けて様々な神社でも納骨堂(納骨殿)を設置するようになりました。
神道を信仰する人は、寺院ではなく神社の納骨堂を利用しましょう。

2.納骨の場所もお参りの場所も個別にあった方がいい人

神棚型の納骨堂があれば、お参りも納骨も一カ所でできます。
また、神社でも「永代祭祀」と言って、仏教における永代供養と同じように遺骨を受け入れてくれます。
しかし、永代祭祀にすると遺骨は合祀されてしまいます。
他の人と同じ場所への埋葬に抵抗がある人も多く、そうした人には納骨堂がおススメです。

3.費用がさほどかけられない人

神棚型の納骨堂は、墓石の建立に比べると安く済みます。
墓石の相場は200~300万円と言われていますが、神棚型の納骨堂の場合は100万円前後でしょう。

4.お墓を持つことが負担に思われる人

墓石を建立すると野外の墓地へのお参りや、お墓掃除などが負担だと言う人もいるでしょう。
急こう配や階段を歩かなければならない墓地もあり、また野外にあるからこそお墓掃除が大変です。

納骨堂であれば建物の中でのお参りのため、管理や掃除の負担は軽減されますし、仮に長い期間放置していたとしてもお墓ほど荒れることもありません。

まとめ

では最後にこの記事のポイントを箇条書きでまとめます。

  • 神棚型の納骨堂を「納骨殿」とも呼び、神道を信仰する人が利用する
  • 上段が神棚の作りになっていて、下段に骨壺を並べて納骨する
  • 納骨堂があることで、家にずっと置いておけない遺骨を預け、個別にお参りができる
  • 世代を超えて家族で継承できる
  • 相場は50万円~100万円
  • 神道への改宗を求められることもある
  • 屋内にある雨に汚れなどが軽減される
  • 墓石の建立よりも費用は安く抑えれる 

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監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

神道と仏教が共存していた江戸時代までは、神社の神職であっても仏教徒として寺院に所属し、葬儀や法要等が行われていたものでした。神道と仏教が分かれたのは明治に入ってから国の方針により廃仏毀釈で寺院や仏像が壊されるようになり、神道が国教化されました。困ったのはお墓の問題です。神道では死はケガレ(穢れ、気枯れ、気離れ)であり、鳥居をくぐった境内では葬儀はもちろんお墓をつくることができません。そこで政府は神道用の墓地を整備しました。それが現在の東京港区にある青山墓地です。なお、神葬祭についてもその頃、整備されるようになります。

このように、神道での葬儀やお墓は明治以降に体形化されたもので、歴史のある葬送方法ではありませんが、近年は墓地だけではなく納骨堂を整備する神社も増えてきました。境内の中につくることはできませんので、近隣の敷地などに納骨堂を建設するケースが多いようです。