精進落としはいつ行う?料理の意味と内容について

精進落としのテキスト

葬儀・法要の場には「飲食」がつきものです。
「精進落とし」も、そんな「飲食」のうちの一つであり、主に四十九日の忌明けのときに食べられるものです。
今回はこの「精進落とし」についてとりあげましょう。

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この記事の目次

  1. 精進落としの意味と目的
  2. 精進落としに参加する人
  3. 宗教者(僧侶)が参加しない場合
  4. 精進落としの流れと平均所要時間
  5. 精進落としの準備で押さえるべきポイント
  6. 精進落としに参加する場合の服装や持ち物
  7. まとめ
  8. 監修者コメント

精進落としの意味と目的

※ここでは特に特記しない限りは、在来仏教の一般的な葬儀・法要を想定しています。

精進落としとは、本来は、忌明けにあたる四十九日が済んだ後にとられるものでした。
「精進あげ」「精進明け」という表現も用いられることもあります。

かつては四十九日が過ぎるまで、遺族は喪に服し、生臭類を避けた食生活を送るべしとされていたのです。
特にこの「生臭類を避けた食事」は「精進料理」と呼ばれていました。

この精進落としを経て、遺族は通常の生活に戻っていきます。
日常生活に戻るための一つの区切りとして「精進落とし」があったのですが、現在はこの精進落としのあり方も変わってきています。

かつては喪の儀式の一つとしての性格が強かった精進落としですが、現在は、「葬儀のときの疲れをねぎらうもの」「葬儀の一区切りとして行うもの」という意味合いが強くなってきました。

このため、現在では四十九日が過ぎたタイミングで精進落としの席が設けられることは多くはなく、火葬が終わった後にすぐに精進落としの席を設けることもあります。

このような繰り上げ式の精進落としは、特に区別して言われるときは「繰り上げ精進落とし」「繰り上げ法要」などのように言われる場合もあります。

なお、この席のことを、特に「お斎(おとき)」とすることもあります。
葬儀会社によっては、精進落としの食事をとる場所を「お斎室」としています。

もう少し正確に言うのであれば、お斎と精進落としは実は微妙に違う(お斎とは本来は「精進料理」で生臭を含まない料理を指していたが、現在は精進落としの席でも生臭を食べることがある。
詳細は後述)のですが、今ではほぼ同じ意味で使われることが多くなりました。

昔とは異なり遠方から来る人が多くなったこと、また給食などもあって四十九日間もの間生臭を食べずに過ごすことは現実的ではないことから、このような「繰り上げ式の精進落とし」がよくとられるようになりました。

また、同じように繰り上げ形式で行われることの多いものに「初七日法要」があります。
本来は7日経ったタイミングで行われるのが正式であった初七日法要も、火葬の日に行うようになってきているのです。
そしてその後に、精進落としの料理が振る舞われる流れを取ることも多くなってきました。

このようなことから、火葬の日は、

  • 火葬
  • 本来ならば7日経ったタイミングで行われる初七日法要
  • 本来ならば49日経ったタイミングで行われる精進落とし

が、同じ日に一度に行われるケースも非常に増えてきているのです。
葬儀会社によってはむしろこれがスタンダードであり、分けて行うのは特別なケース(ご遺族が特に希望を出している、など)に限るとしているところもあります。

精進落としは仏教の考え方ではありますが、神式の場合にも似た席が設けられます。
これは「直会(なおらい)」と言われるものです。

こちらの方は、「葬儀という特別な神事を行うことによって、心も体も特別な状態になる。
それをときほぐして、日常生活に戻っていく」「神様にささげた供物を人間も取り入れることによって、心と体を清くする」という意味を持っています。

ちなみにキリスト教では、「精進落とし」という名称のものはありません。
ただ、それに近しいかたちのものはあります。

もっともキリスト教の場合は、葬儀の場ではお酒などは出しませんから、茶菓などでもてなすかたちが一般的です。
   

精進落としに参加する人

精進落としの席は、「喪主側が僧侶や参加してくれた人をもてなす」という性格を持っています。
このため、僧侶が上座につくことになります。しかし実際の現場では、僧侶と喪主が近くになるように配置されるケースもあります。

僧侶と喪主以外には、家族や遺族が参加することになります。

仏教や神式の葬儀の場合、「通夜ぶるまい」が行われます。
これは通夜が終わった後に設けられる飲食の場です。

ここにはオードブルやお酒などが用意されており、葬儀の参列者が参加します。
故人の思い出話などをしながら過ごす席であり、通夜の最後にこの通夜ぶるまいの席が設けられている旨のアナウンス・挨拶が行われます。

通夜ぶるまいは、「通夜に参加した人」ならば基本的にはだれもが呼ばれて構わない席です。
そのため、ご遺族の方で参加者を選定することは原則としてありません。

むしろ、「出来る限り多くの人に参加してほしい」と考えるご遺族も多いものです。
なお、特に声を掛けられた場合は、一口でもいいので、必ず参加するようにしてください。

しかし精進落としの場合は、まったく異なります。
精進落としの場合は、オードブル形式ではなく、各個人に「御膳」というかたちで食事が用意されるのが普通です。

また、「火葬の後に繰り上げ初七日法要を行い、その後に精進落としをする」というところからも分かる通り、精進落としに参加するのは火葬に参加した人だけです。

このため、一般の弔問客は呼びません。
もちろん、ご遺族から特に「ぜひ火葬に参加してほしい」「精進落としの席にも座ってほしい」などのような打診があった場合は血縁関係にない人でも参加する可能性はありますが、これはあくまで特例です。

声を掛けられたわけでもないのに、当日に「火葬場に行きたい」と申し出るのは、かなりご遺族を困惑させることになります。
その理由の一つとして、その人の分の料理を用意していない、というものが挙げられるでしょう。

逆にいえば、遺族側も「この人にはぜひ、火葬~精進落としにまで参加してほしい」と考える場合には、事前に声を掛けておく気遣いが求められるということです。
特に精進落としまで付き合うとなると、かなり時間がかかります。

なお、ここでは「精進落としの席を設けるもの」という前提でお話をしていますが、実際には精進落としをカットすることもできないわけではありません。

折詰の料理を配ったり、金銭で代えたりすることもあります。
また、大型の葬儀会場の場合、精進落としをとることのできるスペースと精進落としを提供する業者を確保していることが多いため、
火葬後に葬儀会場に帰ってくる→同じ葬儀会場で初七日法要を行う→同じ会館内の別部屋(まれに葬儀をした会場で行うケースもある)
で精進落としをする……というケースもよく見られます。

ただ、「精進落としはほかのお店で行いたい」「故人が好きだったお店に予約したい」ということであれば、それも可能なはずです。

このようなかたちを希望する際は、しっかり葬儀会社に希望のプランや意向を伝えておくようにしてください。

宗教者(僧侶)が参加しない場合

精進落としのときにもっとも上座に座っていただくのが、「僧侶」です。
読経をしてくれた僧侶をねぎらうという意味もあるのが精進落としの特徴です。

ただ、スケジュールの都合などによって、精進落としの席を欠席する僧侶ももちろんいます。
その場合は、「御膳料」を包むのが一般的です。
これはだいたい5,000円~10,000円程度です。

精進落としの流れと平均所要時間

精進落としの流れについて見ていきましょう。
精進落としは、飲食の場ですから、通夜や葬式・告別式のような明確な流れがあるわけではありません。

繰り上げ初七日法要が終わった後に精進落としを行う部屋に移動し、全員で席につきます。
このとき喪主(まれにほかの人が行う場合もある)が、葬儀が滞りなく終わったことの報告と御礼、そして精進落としをもってねぎらいたいという要点を含めた挨拶をします。

その挨拶のあとに、献杯(けんぱい。故人などに対して杯をささげることをいう。
乾杯とは異なり、コップなどを打ち合わせることや拍手などは行わない)をします。

その後は、自由に食事を行います。喪主や遺族が、親族などにお酒をつぎにまわることもあります。

食事の時間は、1~2時間程度が一般的です。
機をみて、喪主がお開きの挨拶を行います。
この時点で、これから行う法要についてのスケジュールが決まっていれば、それを告げるのもよいでしょう。

ただ、ご逝去~繰り上げ精進落としは、短ければ2日以内長くても1週間以内に行われるため、明確なスケジュールが決まっていることはほとんどないと思われます。
このため、特段決まっていなくても問題はありません。

精進落としが終われば、これで解散です。
参列者には引き出物が渡され(イスの下に置いてあったり、帰るときに葬儀式場のスタッフから渡されたりすることが多いでしょう)、個々人の家に帰っていきます。

また、僧侶が参加している場合は、最後に僧侶へ挨拶をすることも忘れないようにしましょう。

この後、遺族は葬儀会社のスタッフと支払い方法などの簡単な打ち合わせを行います。
そしてご遺骨やご遺影を持って家に帰ることになります。

精進落としは、長く続く一連の葬送儀礼の最後に行われるものです。
遺族側(特に喪主)であるのなら、最後まで気を抜かず、丁寧に参列者をお見送りしたいものです。

精進落としの準備で押さえるべきポイント

精進落としで抑えるべきポイントに、「席次」「料理の種類」があります。

席次

精進落としでもっとも上座に座るのは、僧侶です。
これはどんな精進落としでも変わりありません。

葬儀の場合、喪主と遺族は焼香のときなどは真っ先に焼香を行うことになります。
また、席も特別な席が用意されており、最前列に座ることになります。

このため、精進落としの場合も、喪主と遺族が上座付近に座るものだと考えてしまいがちです。
しかし精進落としの場合、「喪主(遺族)が、参列してくれた人の労をねぎらう」という意味合いがあるため、「もてなす側」になります。

このため、喪主が一番下座に座ります。
そして遺族も、下座に座ることになります。

僧侶を一番上座に据えて、その次には友人や知人、そして親族、遺族、喪主の順番に座っていきます。なお、会社関係の人が参加する場合は、友人や知人よりも上座に座ります。

席次に関しては、基本的には喪主が決めていかなければなりません。
ただ、葬儀会社の人に、「この人はこんな関係にある人だ」といえば、だいたいの席次順を教えてはくれます。

席次順でもめるケースもないわけではありませんから、儀礼を重んじる人などがいた場合は特に注意したいものです。

ちなみに、参列者が迷わないために、あらかじめ席札をおいておくやり方をとることもあります。
このやり方を取れば、参列者も「自分が座る場所」に迷うことはありません。

初七日法要を行っている間に仕出し業者(葬儀会社のスタッフが協力することもあります)が席札を配置し、ある程度お席の状態を整えておくのが一般的です。

料理の種類

精進落としの料理について詳しく解説していきます。

生臭は入る?入らない?希望の業者を使うためには

ちなみに、「葬儀(精進落としに限らない)の料理に、生臭物をいれるかどうか」の「常識」は、意外なほど地域や葬儀会社によって異なります。

ある地域(葬儀会社)では「ご遺族からの希望がない限り、通夜ぶるまいも精進落としもすべて精進料理にする」としていますが、別の地域(葬儀会社)では「ご遺族からの希望がない限り、通夜ぶるまいも精進落としもすべて生臭類を使う」としています。

この2つはまったく真逆のものです。
しかし葬儀会社の方では、その地域あるいはその葬儀会社にとっての「一般的な葬儀料理」に従ってプランを組んでいきます。

このため、遺族側が「特に何も言っていないけれど、自分が今住んでいる地域(たとえば北陸地方)ではすべて精進料理で組まれているから、父が住んでいたこの地方(たとえば関東圏)でもすべて精進落としだろう」と思い込んで何も注文をしなかったけれど、葬儀会社の方では「こちらの地域(葬儀会社)ではすべて生臭を入れた料理が基本」と考えていてズレが生じることもあります。

もちろん確認はとってもらえるかと思いますが、事前に「このような料理で」という希望があるのであれば、葬儀会社にしっかり伝えておくと混乱を避けることができます。

実はこのような「考え方の齟齬による混乱」は、葬儀会社に勤めていた人間であっても経験する可能性のあるものです。
私自身も、自分がいた地方・自分がいた葬儀会社を離れてまったく違う地方の葬儀に参列したとき、同じような経験をしました。

なお、現在は、「その人らしい葬儀」「故人の希望した葬儀」を行いたいと考える人が増えています。精進落としも例外ではありません。

基本的には葬儀会社と付き合いのある仕出し業者が精進落としの料理を手配するのが基本ですが、「故人が好きだった店のケータリングサービスを使いたい」「近しい親族がお店をやっているので、そこからお弁当を配達させたい」という希望があれば、それを叶えてくれる葬儀会社もたくさんあります。

このような希望があるのであれば、契約の前段階で葬儀会社に伝えましょう。
「やはりそれはちょっと難しい」「追加料金がかかる」「検討させてください」などの返事をもらうこともあるかもしれませんが、「希望通りの葬儀」を行うためには必要な過程です。

ちなみに、「生臭物を入れる」という地方であっても、エビやタイなどの、「慶事」を強く意識させる食材は避けます。

料理の形態

「肉や魚などの生臭を入れるかどうか」は地域や葬儀会社によって異なりますが、精進落としの料理の提供方法にはある程度「型」があります。

もっとも一般的なかたちは、「一人ひとりが座っている席に、小皿で料理が出てくる」というものでしょう。

懐石料理のようなかたちで出てくるものであり、膳に盛られて出される場合もあります。
業者によりますが、繰り上げ初七日法要を行っている最中に、温度変化に強い前菜などを出しておき、席についたら順次焼き物などを出していく形式がとられることが多いでしょう。
そしてその合間に、お酒やお茶が出されます。

また、比較的よく見られるかたちに、「仕出し弁当」というものもあります。
お重に詰められた弁当が出されるものであり、これを食します。

現在の精進落としは葬儀会場で行われることが多いのですが、なかには、別日などに家で行うケースもあります。
また、当日に行う場合であっても、「故人が愛した家で精進落としの料理をとりたい」と考える場合もあるでしょう。

この際には、この仕出し弁当が大活躍します。
業者側が入れない自宅であっても、過不足なく参列者をもてなせるため、とても使いやすいのです。
ただし、もちろん葬儀式場での精進落としでも、このお弁当の形式がとられることもあります。

多様化する現在の葬儀のなかでは、ごくまれに、「ビュッフェ形式をプランとして提供している」という葬儀会社に当たることもあります。

これは、「遺族(あるいは故人)が希望して、特定の業者に頼む」という場合とはまた異なり、葬儀会社が独自のプランとして提供しているものです。

「今までの葬儀とは異なる料理を提供したい。ただ、特定の業者を使いたいなどの気持ちは特にない」という場合は、このプランを提供している葬儀会社を選びさえすれば、いちいち電話をして「ほかの業者を入れたいのだが大丈夫か?」と尋ねる必要もありません。

もっともこのような形態の精進落としを提供している葬儀会社というのは非常に限られています。

料理の持ち込みとお酒

しばしば問題になるのが、「料理の持ち込みやお酒の持ち込みはOKか」ということです。
ご遺族側の希望と葬儀会社の考えが対立しがちな部分でもあります。

葬儀会社の方としては、精進落としの料理は自社と取引のある仕出し業者に依頼することを前提として話を進めます。

これは単純に「利益」の問題もありますが、提携している仕出し業者はその葬儀会場(葬儀業者)とのやりとりや設備を把握しており、トラブルのない料理の提供が可能であるというメリットによるところも大きいといえます。
ほかの業者が入るとなると、火や水道の確保などの問題も出てきます。

対して、ご遺族の場合は「故人の愛した料理屋から仕出しをしてほしい」「自分たちで持ち込みをして料金を浮かせたい」と考えることもよくあります。

前者の場合はもちろん葬儀会社もできるかぎり融通はきかせようとしてくれるでしょう。
しかし原則として、葬儀会社の方では「提携している業者を使う」という姿勢を打ち出しているため、このあたりは交渉が必要です。

「料理」の場合は「どうしてもここの料理にしたい」とご遺族が言えば業者の方は引くことが多いのですが、自社の冷蔵庫に片付けられている「飲み物」についてはやはり葬儀会社のものを使ってほしい……と考えるのはしごく当然なことだといえます。

葬儀はたしかに、ご遺族の考え方や希望が一番優先されるものです。
ただ、葬儀会社ともめていては、話がなかなか進みません。
お互いの折り合える点を探っていくことは、とても大切です。

なお、なかには「飲み物の持ち込みも料理の持ち込みもOK、仕出し業者も自由に選定してください!」としている葬儀会社もあります。

精進落としの料理に深いこだわりがあるのであれば、ホームページでこのように打ち出している葬儀会社を選ぶと手間がいりません。
感情的なわだかまりもないので使いやすいでしょう。

現在はアレルギーや糖尿病食を手配する業者もあります。
ただ、食事制限があったり、小さなお子さん連れであり一般的な料理が食べられなかったりした場合は、もちろん無理に提携業者を使う必要はありません。

お席の関係もありますから、一度葬儀会社に連絡をして事情を説明することは必要ですが、ほとんどの業者では配慮してくれるはずです。
逆にいえば、「アレルギーがあっても持ち込みは不可、食べられなくても料理は頼んでもらわないと困る」と押し付けてくる業者は避けた方が賢明です。

精進落としに参加する場合の服装や持ち物

精進落としの場では、特別な持ち物は必要ありません。
仏式の葬儀の場合はお数珠を持っていると思われますが、精進落としの席ではこれは使いません。

また現在は、火葬の日にそのまま繰り上げ精進落としを行うことが多いので、服装は葬式・告別式~火葬に出たときの喪服のままで構いません。

ただ、「火葬の場は改まった場所だからなんとか喪服を着ていたが、足腰が悪いので窮屈な喪服はつらい」などのような場合は、地味な平服に着替えてしまっても構わないとされています。
また、上着を脱ぐのもバッドマナーとまではいえません。

ただ、髪の毛が料理のなかなどに入ってしまうと美しくないので、長い髪の毛の人はまとめると良いかもしれません。

会話の内容は、故人の思い出話を中心とします。
ただ、喪主側から切り出さない限り、死因そのものを探るようなことは避けた方が賢明でしょう。

もっとも、精進落としの席に出る人たちというのは故人と極めて親しい関係にあった人であり、親族関係にある人が多いものですから、近況報告などを行うケースもよく見られます。
家族・親族の関係性によっても「選ぶべき話題」は変わってきます。

ただし、精進落としはあくまで葬送の席。
仏教や神式ではお酒も出されますが、泥酔してしまうような状況に陥らないように注意が必要です。

まとめ

  • 精進落としは、元々は四十九日が終わって「元の生活」に戻るようにするために行う儀式でした。
    これをもって、生臭などを含む「いつもの生活」に戻っていくのです。
    ただ現在は、繰り上げ精進落としとして、火葬の後にこの席が設けられることが増えてきました。
    そのため、「葬儀の労をねぎらうもの」という性格を強く持つようになりました。

  • 僧侶を上座に据え、喪主は下座に座ります。
    僧侶が出ない場合は、御膳料として10000円程度を包みます。
    精進落としは、喪主の挨拶~献杯~食事~〆の挨拶 というスケジュールをとります。
    すでに初七日法要まで終わっているので、特別な宗教的儀式は行いません。

  • 精進落としの料理の内容でしばしば話題に取り上げられるのが、「肉や魚などの生臭を出すのか、出さないのか」です。
    これは地方や葬儀会社によって異なります。
    自分にとっての「常識」が、別の地方・別の葬儀会社では「特例」にあたることもあります。
    そのため、必ず確認をするようにしてください。

  • 精進落としは、懐石もしくは仕出し弁当のかたちをとるのが一般的です。
    まれに、ビュッフェ形式を選べる葬儀会社もあります。

  • 業者は原則として葬儀会社と提携しているところにお願いすることになります。
    しかし、「故人が愛した業者を使いたい」などがあれば、その希望を業者に伝えてみるとよいでしょう。
    また、初めから、「どんな仕出し業者を選んでも構わない」としている葬儀会社を選択するのも一つの手です。

監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

冠婚葬祭など通過儀礼の場面では、日本のみならず世界中で食事を共に食したりふるまったする習慣があります。日本でも、地域によって食べ物や色彩に意味をもたせた祭祀料理が発達していました。日本の古代の葬送については、古事記でも触れられている箇所があり、故人を前に集まった人たちが共に食事をする様子が描写されています。

精進落としの時には、故人の位牌と遺骨の前に、「陰膳・影膳(かげぜん)」を用意することもあります。必ず用意しなければいけないものではなく、宗教上の意味もありません。同じものを一膳用意するケースもあれば、それぞれのお膳から一口ずつ取り分けてお供えするケースもあります。陰膳・影膳は、お供えをしたら下げて、無駄にならないように皆でいただきます。


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