喪服の基本を知り、正しいマナーを身に着けて落ち着いた立ち振る舞いを
葬儀に行くときは、いつも突然ですよね。
「明日、お通夜だって!何を着ていくべき?」などと慌ててしまうのは、よくある話です。
- 急にお通夜に行くことになった!とりあえず黒いスーツを着ればいい?
- 遺族や親族としてお葬式に出るときは、特別な喪服が必要なの?
この記事では、以上のような疑問や悩みを抱える人のために、参列の服装や小物を確認できる早見表をまとめました。
また、もっときちんと喪服について知りたい人のために、詳しい喪服講座を設けています。
急なお通夜やお葬式で慌てているときも、パーフェクトな装いを目指すときも、この記事を参照すれば、いつでも完璧な準備ができますよ。
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終活といっても、生前整理、葬儀、お墓の検討などさまざまです。
そのなかでも「お墓」は、一生に一度あるかないかの買い物ですね。
- 自分のライフスタイルに合ったベストなお墓はどういうものなのか知りたい
- お墓選びで複雑な手順を簡単に詳しく理解したい
- お墓選びで注意するべきポイントを詳しく知りたい
など、数々の不安を抱えている方が多いのではないでしょうか。
お墓の購入に関しては、初めての方が多いため、不安や疑問を持つことは仕方のないことでしょう。
しかし、お墓購入後に後悔することだけは避けたいですよね。
そのためにも複数の霊園・墓地を訪問して実際に話を聞き、しっかりと情報収集することをオススメします。
情報収集するために、まずは気になる霊園・墓地の資料請求をしてみましょう。
喪服とは
喪服とは、誰かが亡くなったとき、喪中の人が着る服です。
あるいは、葬儀に参列する人々が、弔意をあらわすために着る服です。
誰かが亡くなったときに、華美な服装をしていては、弔意をあらわしているとはとても言えませんよね。
喪服は、自分が悲しんでいることを示すための服装なのです。
江戸期まで、日本の喪服といえば白い和装が基本でしたが、明治維新を迎えるとともに、上流階級から欧米のブラックフォーマルにならう風潮が生まれました。
今では、男性なら黒いスーツ、女性なら黒いジャケットに黒いワンピースが、喪服の標準的な形です。
明日参列したい人のためのかんたん喪服早見表
急なお通夜やお葬式に出かけなければならなくなった人のために、参列時の服装や小物、持ち物について早見表をまとめました。
お通夜とお葬式に分け、それぞれ女性版と男性版があります。
また、もし喪服などのブラックフォーマル、バッグなどのフォーマルアクセサリーで足りていないものがあるという方はネット通販で購入することもできます。
お通夜における女性一般参列者の服装・小物・持ち物
お通夜における女性参列者の服装は、以下のようなものです。
服装・小物・持ち物 | 詳細 |
---|---|
服の上下 | 喪服コーナーに売られている丈の長いブラックワンピースと黒いジャケット または黒、紺、グレーなど地味な色合いのワンピースやスーツ (スカート丈は膝丈以上が望ましい) |
冬場のコート | できれば黒やグレー、紺など地味なコート (殺生を彷彿させる毛皮はフェイクでもNG) |
靴下 | 黒ストッキングまたはタイツ(透け感のあるものが望ましい) |
靴 | 飾りのついていないシンプルな黒パンプス(スエードは避けたほうが無難) |
ハンドバッグ | 喪服コーナーに売られている飾りのついていない布のハンドバッグ または光沢や飾りのないハンドバッグ |
サブバッグ | 飾りのついていないシンプルな黒い布のトートバッグ (折りたたんでハンドバッグに入れていく) |
ハンカチ | 黒か白のハンカチ |
髪留め | 光沢や飾りのないバレッタ、黒い髪ゴムなどでまとめる |
アクセサリー | 基本的に結婚指輪以外はパールのネックレスやピアスのみ 2連のネックレスはNG(繰り返しの不幸を意味するため) |
メイク | ラメや派手な色味を避けたシンプルメイク チークは薄く、グロスはNG |
ネイル | ベージュなど素爪に近い色ならOK 派手な色やラメはふき取る 簡単には取れない場合、黒い手袋を活用する |
数珠 | 仏式葬儀には持参する どのような宗派のものでも可 |
香典 | 一般参列者の香典金額の相場は5千円 |
ふくさ | 紫など弔事用のものを使用する |
出かける前に、身だしなみチェックと忘れ物はないかの確認を怠らないようにしましょう。
お通夜における男性一般参列者の服装・小物・持ち物
お通夜における男性参列者の服装は、以下のようなものです。
服装・小物・持ち物 | 詳細 |
---|---|
服の上下 | 喪服コーナーに売られているブラックスーツ または黒、紺、グレーなど地味な色合いのビジネススーツ シャツは白無地 |
冬場のコート | できれば黒やグレー、紺など地味なコート (殺生を彷彿させる毛皮はフェイクでもNG) |
ネクタイ | 光沢のない黒無地のネクタイ |
靴下 | 黒い普通丈の靴下(座ったら脛が見えるほど丈の短いものはNG) |
靴 | 飾りのついていないシンプルな黒革靴 |
ハンカチ | 黒か白のハンカチ |
アクセサリー | 基本的に結婚指輪以外はNG ギラギラした時計は避ける カフスはしない |
数珠 | 仏式葬儀には持参する どのような宗派のものでも可 |
香典 | 一般参列者の香典金額の相場は5千円 |
ふくさ | 紫など弔事用のものを使用する |
男性の場合、バッグは儀式の間は持たないのが理想的です。大きなバッグはクロークに預けるか、席の下へ置いておくようにしましょう。
お葬式における女性一般参列者の喪服・小物・持ち物
お葬式における女性参列者の服装は、ある1点を除いては、お通夜と変わりありません。
その1点とは、服の上下です。
お通夜は、フォーマルではないスーツやワンピースで参列しても差し支えありませんが、お葬式では、全ての参列者がフォーマルを着ることになります。
喪服売り場で、ブラックワンピースとジャケットを調達しましょう。
お葬式における男性一般参列者の喪服・小物・持ち物
お葬式における男性参列者の服装も、女性と同じように、すべてフォーマルとなります。
ビジネススーツではなく、喪服売り場に売られているブラックスーツを調達しましょう。
黒いビジネススーツと、フォーマルなブラックスーツとでは、黒の濃さが違うため、ビジネススーツでお葬式に参列すると、一人だけ浅い黒を着ていることになり、目立ってしまいます。
以上、一般参列者の服装についてお伝えしました。
フォーマルを一着用意しておけば、お通夜もお葬式も乗り切れますよ。
次に、遺族・親族として参列する人の服装についてお伝えします。
遺族・親族として参列する人のためのかんたん喪服早見表
遺族・親族として参列する人の服装は、以下の表のとおりです。
遺族・親族として参列する人は、「何か、特別な服を着なければならないのだろうか?」と思いがちです。
しかし、喪主格でなければ、一般の参列者と服装にあまり違いがありません。
お通夜とお葬式、それぞれ女性編と男性編に分けてお伝えします。
お通夜における遺族・親族女性の喪服・小物・持ち物
お通夜における遺族・親族女性の服装は、以下のようなものです。
服装・小物・持ち物 | 詳細 |
---|---|
服の上下 | 【親族】 【遺族】 和装:しきたりにより色喪服(グレーな水色など控えめな色)に黒帯を締める地域がある 黒喪服に色喪帯を締める地域がある |
冬場のコート | できれば黒やグレー、紺など地味なコート (殺生を彷彿させる毛皮はフェイクでもNG) |
靴下 | 黒ストッキングまたはタイツ(透け感のあるものが望ましい) |
靴 | 飾りのついていないシンプルな黒パンプス(スエードは避けたほうが無難) |
ハンドバッグ | 喪服コーナーに売られている飾りのついていない布のハンドバッグ または光沢や飾りのないハンドバッグ |
サブバッグ | 飾りのついていないシンプルな黒い布のトートバッグ (折りたたんでハンドバッグに入れていく) |
数珠 | 仏式葬儀には持参する どのような宗派のものでも可 |
ハンカチ | 黒か白のハンカチ |
髪留め | 光沢や飾りのないバレッタ、黒い髪ゴムなどでまとめる |
アクセサリー | 基本的に結婚指輪以外はパールのネックレスやピアスのみ 2連のネックレスはNG(繰り返しの不幸を意味するため) |
メイク | ラメや派手な色味を避けたシンプルメイク チークは薄く、グロスはNG |
ネイル | ベージュなど素爪に近い色ならOK 派手な色やラメはふき取る 簡単には取れない場合、黒い手袋を活用する |
数珠 | 仏式葬儀には持参する 【親族】 【遺族】 |
香典 | 親族の香典金額の相場は、おじ・おば含めそれより遠い血縁であれば1万円 おじ・おばより近ければ3万円から10万円(親族間で相談するのがベスト) |
ふくさ | 紫など弔事用のものを使用する |
お布施 | 喪主はお布施を忘れない |
男性の場合も、女性と同様、親族は通夜からブラックフォーマルを着るのが一般的です。
通夜から和服を着る人は、男性においてはめったに見られなくなりました。
お葬式における遺族・親族女性の喪服・小物・持ち物
お葬式における遺族・親族女性の服装は、服の上下を除いては、お通夜と同じです。
- お葬式における親族女性の服装(洋装)
お通夜と同じブラックフォーマルでけっこうです。
ただ、スカート丈の長さには、お通夜のときよりも気をつけましょう。
ひざ下5センチに満たなければ、葬儀社などからレンタルするのが望ましいといえます。 - お葬式における遺族女性の服装(和装)
お通夜と同じブラックフォーマルでも良いですが、
とくに故人と近い間柄の女性は、和服を着る場合があります。
遺族がお葬式で着る和服は、5つ紋入りの黒喪服で、帯も黒です。
お葬式における遺族・親族男性の喪服・小物・持ち物
お葬式における遺族・親族男性の服装は、お通夜と同じでけっこうです。
ただし、喪主だけは和服を着るしきたりがある家や地域があります。
遺族男性がお葬式で着る和服は、5つ紋付きで、袴を着用します。
以上、お通夜やお葬式での服装について、早見表付きで解説しました。
「どうして、遺族はお葬式のときだけ和服を着ることがあるの?」などと、疑問に思う人もいるでしょう。
次章では、大人としてしっかりとしたマナーを身につけたい人のために、喪服についてもう少しじっくり解説します。
もう少し詳しく知りたい人のための喪服豆知識
この章では、もう少し詳しく知りたい人のために、じっくり喪服について解説します。
たいていはブラックフォーマルのワンピースやスーツを着ていれば安心ですが、
「和服を着たい」「違う服も着たい」という人もいることでしょう。
さまざまなしきたりを知り、お通夜やお葬式にふさわしい格好をしましょう。
親族や参列者は遺族の格式を超えてはいけない
お通夜もお葬式も、共通して「親族や参列者は、遺族の格式を超えた喪服を着てはいけない」という原則があります。
弔事の服装にまつわる格式には、以下の3つがあります。
- 正喪服
- 準喪服
- 略喪服
それぞれの特徴を表にまとめました。
喪服の格式 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
正喪服 | 【洋装】 【和装】 | 【洋装】 【和装】 |
準喪服 | 喪服売り場で売られているブラックフォーマル | 【洋装】 【和装】 |
略喪服 | 黒、グレー、紺などのスーツ | 黒、グレー、紺などのスーツやワンピース |
表を見ると、私たちが一般に「喪服」と呼んでいるブラックフォーマルは、準喪服であることがわかります。
遺族が正喪服を着ていたら、親族や一般参列者は準喪服を着るのが原則です。
最近では遺族が準喪服を着ることも多く、遺族と参列者の格式が同じになる場面がほとんどですが、これは問題ではありません。
問題なのは、遺族ではない親族や、一般参列者が正喪服を着てしまうことです。
また、お通夜では、遺族を含め全ての人において、正喪服を着ることはありません。
お葬式へ和装で出向きたいという人は、この点に注意しましょう。
小物は全て布製が正式
バッグやパンプスなど、小物は全て布製が正式です。
手持ちに布製の小物がない場合のみ、革製が許されます。
とはいえ、女性の場合、飾りのついていないバッグやパンプスを手持ちから見つけるのは、とても大変なことだと思います。
「いっそのこと、お葬式専用に買ってしまえ」と思ったら、ぜひ喪服売り場に行ってください。
布製のバッグや、布で巻かれたパンプスが売られています。
バッグにあらかじめ入れておくと便利な小物
葬儀用のバッグにあらかじめ入れておくと便利な小物をご紹介します。
お知らせが届いてから揃える必要がなく便利です。
- 数珠
- ふくさ
- 香典袋
- 薄墨筆ペン(お通夜やお葬式の香典の表書きは薄墨で書く)
- 黒か白のハンカチ
- 除光液
- 黒手袋(どうしても取れないジェルネイルを隠したいときに)
- 黒ゴム、ヘアピン
- 替えのストッキング
- 黒エプロン(お手伝いが生じたとき用に)
小物を入れたバッグは、パンプスと一緒にクローゼットにまとめておくと、いざというときにすぐ使えますよ。
以上、喪服の豆知識をご紹介しました。
これで、どんな場面でもふさわしい服装で出かけられることでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
持ち物や小物については、お通夜もお葬式も変わりありません。参列者と親族の違いもありません。
注意すべきは、服装だけです。
また、ネクタイやハンカチ、香典袋、ふくさなどは、コンビニやスーパーで売られている場合があります。
万が一忘れてしまったら、近くのコンビニを覗いてみましょう。
百円ショップもおすすめです。
どんなに急だったとしても、慌てずふさわしい服装を選び準備を万端にして、しっかり故人を見送りましょう。
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
喪服について、女性は特にカタチもさまざまで種類も多く、悩む人が多いようです。
喪服は突然必要になりますから、イザというときにあわてないように一着は準備しておいた方が良いでしょう。
ひと昔前までは、「喪服は買い替えるものではないので、良いものを長く着る」といわれていましたが、最近では「体形や流行に合わせて買い替えても良い」という考えにかわってきています。
また3シーズンもしくはオールシーズン対応の喪服よりも、安価なものでも春夏用、秋冬用と2種類準備しておいたほうが現実的には使い勝手が良いでしょう。
なおタイツとストッキングの違いですが、メーカーによって異なり、30~50デニール以下をストッキングと称するところが多いようです。
法事や葬儀に参列される時は、透け感のあるストッキングを選ぶとよいでしょう。タイツだとカジュアルな印象を与えてしまうからです。ただし冬場の寒い時はタイツを履いても問題はありません。
ライフドット推奨
後悔しないお墓のために今から準備してみませんか?
終活といっても、生前整理、葬儀、お墓の検討などさまざまです。
そのなかでも「お墓」は、一生に一度あるかないかの買い物ですね。
- 自分のライフスタイルに合ったベストなお墓はどういうものなのか知りたい
- お墓選びで複雑な手順を簡単に詳しく理解したい
- お墓選びで注意するべきポイントを詳しく知りたい
など、数々の不安を抱えている方が多いのではないでしょうか。
お墓の購入に関しては、初めての方が多いため、不安や疑問を持つことは仕方のないことでしょう。
しかし、お墓購入後に後悔することだけは避けたいですよね。
そのためにも複数の霊園・墓地を訪問して実際に話を聞き、しっかりと情報収集することをオススメします。
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