永代供養墓をわかりやすく解説!費用・注意点・メリット・デメリットとは

【永代供養墓】アイキャッチ

永代供養墓とは?徹底解説

  • 永代供養墓は後継者不要で管理者が面倒を見るお墓
  • 費用は10万~150万円で、タイプにより異なる
  • メリットは世代間の負担軽減とコスト削減
  • デメリットは遺骨の取り出し不可や親族の同意必要性
  • 後継者不在や管理を他人に委ねたい人に適している

永代供養墓とは、子や孫などの後の世代にお墓を継ぐことを前提としないお墓です。
お墓参りできない人に代わって、寺院や墓地の管理者が遺骨の供養と管理をしてくれます。

永代供養墓は、地元のお寺の境内や、墓地・霊園の一角に設けられていたりします。

まずは、ご自宅近くにどのような永代供養墓があるのか探してみましょう。

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この記事の目次

  1. 永代供養墓とは承継者が必要ないお墓
  2. 4種類ある永代供養墓とそれぞれの費用相場
  3. 永代供養墓のメリットとデメリット
  4. 永代供養墓に向いている人・向いていない人
  5. 【まとめ】永代供養墓がある霊園を検索しよう!
  6. よくある質問
  7. 監修者コメント

永代供養墓とは承継者が必要ないお墓

永代供養の霊廟

永代供養墓とは、家族のかわりに霊園管理者が供養してくれるお墓です。この場合の供養とは、供養という祭祀儀礼を行うという意味です。遺骨の管理方法は管理者(寺院など)によって異なります。

一般的なお墓の場合、草むしりなどのお墓掃除や、お盆、お彼岸といったタイミングでのお墓参りは、残された家族の役目とされています。

また、お墓を維持するためには、年間管理料(数万円程度)を年に1回お墓が建っている霊園や寺院に支払う必要があります。

一方、永代供養墓であれば、お墓掃除は霊園管理者が行ってくれますし、お盆、お彼岸などには合同供養祭が開催されます。また、年間管理料を支払う必要もありません。

つまり、永代供養墓は、継承者を立てる必要のないお墓だといえるでしょう。

意味について詳しく知りたい人は、「後継ぎ不要の「永代供養」とは?費用や相場・デメリットをわかりやすく解説」の記事も参考にしてください。

4種類ある永代供養墓とそれぞれの費用相場

永代供養墓の種類は、主に次の4つです。

  • 初めから合祀となる永代供養墓(合葬・合祀墓)(10万円~30万円)
  • 永代供養タイプの樹木葬(30万円~70万円)
  • 永代供養タイプの納骨堂(50万円~100万円)
  • 個人墓つき永代供養墓(70万円~150万円)

それぞれについて、詳しく紹介します。

初めから合祀となる永代供養墓

合葬墓・合祀墓

永代供養墓として一番多いタイプが、初めから合祀となるものです。個人墓を設けず、すぐに供養塔などへ合祀を行います。

一般的に「永代供養墓」といわれるとき、かつてはこのタイプを指していました。しかし、最近はさまざまな種類が出てきたことで、「永代供養墓」がすべてこのタイプを指すとはいえなくなっています。

費用相場は10万〜30万円

初めから合祀となる永代供養墓の費用相場は、10万円から30万円です。
まれに3万円から受け付けるという寺院や霊園があります。

永代供養タイプの樹木葬

樹木葬

永代供養タイプの樹木葬とは、樹木葬のなかでも、永代供養のスタイルをとるお墓のことです。

つまり、継承者の必要がなく、霊園が管理と供養を行ってくれる樹木葬であるといえます。樹木葬とは、墓石のかわりに樹木を墓標とするお墓のことです。

一人につき1本の樹木を植えるパターンと、1本の大樹のまわりに何体もの遺骨を納骨するパターンとがあります。

いずれのパターンにおいても、永代供養のスタイルが採られる可能性があります。とくに、1本の大樹のまわりに何体もの遺骨を納骨するパターンは、永代供養タイプであることが多いでしょう。

費用相場は30万円~70万円

永代供養タイプの樹木葬の費用相場は、30万円から70万円です。個別の区画を設けるほど値段が高くなる傾向にあります。

永代供養タイプの納骨堂

ロッカー式の納骨堂

永代供養タイプの納骨堂とは、納骨堂のなかでも、永代供養のスタイルをとるお墓のことです。

継承者不要で、納骨堂側が合同供養祭などを行い、供養をしてくれます。

永代供養墓と同様に、33回忌をめどに納骨堂内の供養塔などへ合祀されるケースが多いでしょう。

費用相場(50万円~100万円)

永代供養タイプの納骨堂の費用相場は、50万円から100万円です。
都心に近くアクセスが良いと、100万円程度になることがあるでしょう。

個人墓つき永代供養墓

墓石タイプの納骨堂

個人墓つき永代供養墓は、一般的なお墓の形をした個人墓を設けるタイプの永代供養墓です。

契約期間中は個人墓で供養を行い、契約期間が過ぎたら遺骨を霊園内の供養塔などへ合祀します。

合祀とは、一つのお墓に複数の遺骨を納骨することです。
その霊園内で永代供養を選んだ人たちと、同じ供養塔に入ることになります。

契約期間は霊園側の提案や契約者の希望によって決められますが、仏式で「弔い上げ」となる33回忌を契約期間のめどとすることが多いでしょう。

「弔い上げ」とは、「これ以降は回忌法要を行わない」と決めることです。

33回忌が終わっても、形式上は50回忌、100回忌がありますが、没後50年、100年となると故人を見知っている人がほとんどいなくなるため、33回忌で弔い上げとするのが一般的です。

費用相場は70万円~150万円

個人墓つき永代供養墓の費用相場は、70万円から150万円です。
初めは個人で供養するため、初めから合祀するタイプよりもかなり価格が高いのが特徴です。

いずれも一人を納骨するときの相場で、夫婦で入りたい場合は追加料金が必要な場合が多いでしょう。


以上、永代供養墓の基本的な知識についてご案内しました。
費用についてより詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。

永代供養墓のメリットとデメリット

メリットを考える男性

永代供養墓のメリット

永代供養のお墓を選ぶメリット

  • 後の世代に金銭的な負担がかからない
  • 後の世代に肉体的な負担がかからない
  • 後の世代に精神的な負担がかからない
  • 一般的なお墓よりも価格が安い

後の世代に金銭的な負担がかからない

永代供養墓は、一般的なお墓と違って年間管理料が発生しません。
後の世代に金銭的な負担がかからないということになります。

生前に永代供養墓を購入し、料金を全て支払っておけば、残された人は何も支払わなくて済むのです。
「子どもに金銭面で迷惑をかけたくない」と願う人にはぴったりです。

後の世代に肉体的な負担がかからない

永代供養墓は、霊園側が管理と供養を行ってくれるため、後の世代に肉体的な負担がかかりません。

お盆前、暑いさなかでのお墓掃除は大変なもので、草むしり中に熱中症に襲われる人もいます。

また、大晦日などにお墓掃除に出かけると、寒空の下で水を使った作業をすることになり、体調を崩す恐れがあります。そんな心配が一切なくなるのです。

霊園側が供養を行ってくれるため、「遠くてなかなかお墓参りに行けない」という悩みも払しょくされます。

後の世代に精神的な負担がかからない

永代供養墓は継承者の必要がないため、後の世代に精神的な負担がかかりません。
一般的な継承墓を受け継いでいる人には、悩みが尽きないものです。

「田舎のお墓を自分は使わないから、処分したほうが良いのだろうか。しかし、処分にもお金がかかる……」
「自分の子どもは、田舎のお墓と自分の世代のお墓、どちらも管理しなければならなくなるのだろうか」

そんなお墓に関する悶々とした悩みが、永代供養墓であれば生まれません。

上記のようなメリットを踏まえ、最近ではお墓の引越し先として、永代供養墓を選択している人も増えています。

お墓の引越しについてはこちらの記事を参考にしてください。

一般的なお墓よりも価格が安い

一般的な継承墓の費用相場は、250万円程度です。
一方で、永代供養墓は最も相場の高い個人墓つきのものでも150万円ほどに収まります。
一般的な継承墓に比べると、永代供養墓はかなりリーズナブルであるといえます。

次世代は使えないぶん、また最終的には合祀されるぶん、価格が抑えられているのです。

以上、永代供養墓のメリットは、次世代に負担がかからないことが最も大きいといえるでしょう。
次からは、永代供養墓のデメリットについてもご案内します。

永代供養墓のデメリット

デメリットを考える男性

永代供養墓のデメリットは、以下の3つです。

永代供養のお墓を選ぶデメリット

  • いったん合祀されると遺骨を取り出せない
  • 親族の説得が難しい場合がある
  • お墓参りの意味が変わり戸惑いが生まれる

それぞれ次の章から詳しく解説します。

合祀されると遺骨を取り出せない

永代供養墓は、いったん合祀されると遺骨を取り出せません。

永代供養墓は、初めに個人墓を設けたとしても、最終的には他の人の遺骨と一緒に合祀されることがほとんどです。多くは骨壺から遺骨をあけて供養塔へ納骨する方法をとるため、合祀されると、他の遺骨と混じってしまいます。

「新しくお墓を買ったから、そちらへ遺骨を移したい」と考えても、合祀後はそれが不可能です。

供養塔のなかで遺骨が混じってしまい、当人の遺骨と他の人の遺骨とを判別できなくなってしまうからです。

親族の説得が難しい場合がある

ほんの数十年前までは、「永代供養墓」というとそのまま供養塔を指し、「身寄りのいない、寂しい人が入るお墓」というイメージがありました。

そのイメージのままで永代供養墓を捉えている親族がいると、「どうしてそんなところに納骨するのか」と抵抗にあってしまう可能性があります。

永代供養墓のメリットを丁寧に説明する必要があり、周りの親族を説得するのに時間がかかるでしょう。

お墓参りの意味が変わり戸惑いが生まれる

とくに合祀された後は、お墓参りの意味が変わり、戸惑いが生まれることがあります。

個別のお墓ではなく、大きな供養塔に向かって手を合わせることになるので、「誰に向かって手を合わせているのか」と考える人もいることでしょう。

供養塔へのお墓参り方法は、お墓掃除をしないことを除けば、一般的なお墓参りと違いはありません。
お花や供物をお供えし、線香を手向けて合掌します。

しかし、個別墓に比べて、「確かに自分の愛する人へ花を手向け、供物をお供えした」という実感は、薄まるかもしれません。その感覚を十分にイメージしておく必要があります。


以上、永代供養墓のデメリットをお伝えしました。
これまでとは違うお墓の形を選ぶことで出てくる問題点を、きちんと解決してから購入を決めましょう。


また【初心者向け】お墓のかしこい探し方|まず考えるべき4つのポイントを解説 の記事では、お墓の選び方について丁寧に解説していますから、自分にはどんなお墓が合っているんだろう?と迷っている人は参考にしてください。

次は永代供養墓が向いている人・向いていない人はどのような人がいるのかをご紹介します。

永代供養墓に向いている人・向いていない人

お墓について考える夫婦

ここでは永代供養墓で一番メジャーである「合葬タイプの永代供養墓」に向いている人・向いていない人はどんな人かを紹介します。

永代供養墓(合葬墓)が向いている人

永代供養墓が向いている人は以下の通りです。

  • お墓の後継者がいない人
  • お墓の維持・管理を人に任せたい人
  • 先祖代々のお墓はなくてもいいと考えている人

    お墓の後継者がいない人

    将来的にお墓参りをする人がいなくなってしまう場合は、永代供養墓の中でも特に合葬墓(合祀墓)を選択するとよいでしょう。後継者に代わり、霊園の管理者がしっかりと供養をしてくれます。 

    お墓の維持・管理を任せたい人

    お墓は、年に数回掃除をしなければ、綺麗に保つことはできないでしょう。霊園でお墓の敷地にたくさんの草が生い茂ってしまっている光景を見たことがある方も多いのではないでしょうか。

    年に数回のお墓参り・掃除が何らかの事情でできない、又はしたくないという人は、永代供養墓にすることをおすすめします。

    先祖代々のお墓はなくて良いと考えている人

    先祖代々のお墓は必要ないと思っている人も、永代供養墓にするとよいでしょう。家の仏壇でお参りできるからお墓は必要ない、という考えを持つ方も多くいらっしゃいます。わざわざ個別のお墓は必要ない、でも納骨はしなければいけない、と考えている人は、永代供養墓がおすすめです。

    永代供養墓が向いていない人

    永代供養墓に向いていない人は、以下のような人が該当します。

    • 先祖代々の繋がりを大切にしたい人
    • 「先祖を供養したい」という気持ちを持つ後継者がいる人

      先祖代々の繋がりを大切にしたい人

      先祖代々の繋がりを大切にしたい方は、永代供養墓はおすすめしません。永代供養墓にすると、先祖だけの個別空間で供養ができなくなってしまいます。

      「先祖を供養したい」という気持ちを持つ後継者がいる人

      もしお墓の後継者がいて、その後継者が「先祖を供養したい」という気持ちを持っているのならば、永代供養墓はおすすめしません。永代供養墓にすると複数のご遺骨と一緒に埋葬することになりますから、供養する感覚が薄れてしまいます。

      もし後継者がいるのであれば、その人にお墓についてどう思っているのか聞いてみましょう。

      案外「しっかりと供養したい」という声が返ってくることは、よくあるケースです。

      以上、永代供養墓(合葬墓)に向いている人・向いていない人の解説をしました。永代供養墓にするか否か迷っている方は、参考にしていただけたら幸いです。

      【まとめ】永代供養墓がある霊園を検索しよう!

      この記事では、永代供養墓の意味や種類、費用についてまとめました。

      永代供養のお墓に関するメリット・デメリットについてもお伝えしたので、一般的なお墓がよいか、それとも永代供養墓を選ぶのがよいか、判断の基準になったなら幸いです。

      お墓については一人で悩まずに、必ず配偶者や次世代と相談し、みんなが納得できる形を選びましょう。

      自分の判断だけで永代供養のお墓に決めてしまうと、残された家族の心の支えを奪ってしまうことになるかもしれないのです。意外に「お墓を継ぎたいから、永代供養墓にはしないでくれる?」などと、子世代からお願いされてしまうかもしれませんよ。

      まとまったお金がかかることだからこそ、家族で話し合って納得のいくお墓選びをしてください。

      そして、霊園・墓地は実際に自分の目で見ることが大事です。気になる霊園があれば、実際に現地へ行ってみましょう。

      希望エリアから永代供養墓を探す

      実際に希望エリアの永代供養墓を調べてみたい方は、こちらから検索できます

      最後に、永代供養墓に関してよくある質問をご紹介します。

      よくある質問

      永代供養墓に関するよくある質問をまとめています。永代供養墓を検討する際の参考にしてみてください。

      永代供養墓とはどんなお墓ですか?普通のお墓とどう違うのですか?

      家や家族ごとの個別のお墓ではなく、他人と共同で利用する大きなお墓のことを永代供養墓と言います。
      「永代供養墓」と一口に言っても、費用や埋葬プランに様々な種類があります。

      永代供養墓のメリット・デメリットはなんですか?

      永代供養墓は、ご遺骨を埋葬してからの供養をすべてお墓の管理者(霊園や寺院)が責任をもって行ってくれますので、お子様や親戚などのお墓の継承者がいなくてもお墓を購入できることが最大のメリットです。
      デメリットとしては、一度埋葬したらやり直しがきかないことです。
      その他にメリットや注意していただきたいデメリットがありますので、詳しくは本ページ内の解説をご覧ください。

      今あるお墓を、永代供養墓に変更することはできますか?

      今お持ちのお墓を撤去し、取り出したご先祖様のご遺骨・骨壺を永代供養墓で供養し直すことはできます。
      年々、そういったご要望は増えています。
      今後のお墓の管理に不安があって、いわゆる「墓じまい」をした後には、管理の手間がかからない永代供養墓を選択する方が多くいらっしゃいます。

      永代供養墓だと、安い費用でお墓を買えるのですか?

      永代供養墓の相場は約10~30万円です。
      この価格相場は最もお求めやすい合祀タイプの永代供養墓の価格相場になります。
      お墓の形態や埋葬プランによって費用感はかなり幅があります。
      注意点としては、永代供養墓の購入費用は基本的に1名ごとの価格設定になります。
      大人数を埋葬する場合は人数分の費用がかかるため、一般的なお墓よりも高くついてしまう場合もあります。

      監修者コメント

      監修者
      終活・葬送ソーシャルワーカー
      吉川美津子

      近年「永代供養付き」というフレーズ付の霊園チラシなどを見かけることが多くなってきました。

      永代供養とは、管理者(寺院など)が永代にわたって管理(供養)してくれるシステムのことで、お墓のカタチや納骨方法は問いません。

      一般墓所や納骨堂でも「永代供養付き」をうたっているところがありますが、これは「継ぐ人がいなくなっても、管理者(寺院など)がきちんと遺骨をお守りしていきます」という意味です。(ちなみに、「供養」という言葉は仏教用語から派生しているため、自治体などでは「供養」を使わずに「永代管理墓」としてうたっているところもあります。)

      なお、墓地購入時にかかる「永代使用料」は墓地(土地)を使用する権利に対してかかる費用のことを意味するので、「永代供養料」とは異なりますのでご注意を。