仏壇の掃除方法!正しい手順や気をつけるポイントを紹介
この記事では、仏壇の掃除方法について詳しく説明していきます。
その前にまずは基本的なことを確認しましょう。
- 「仏壇を触るのがこわい」
- 「へんなことしてバチがあたるかも」
- 「仏壇を掃除する頻度や時期にきまりはある?」
こう言う人が実に多くいます。
しかし、仏壇は決してこわいものではありません。
私たちの両親からつながるご先祖様がいる場所であり、その家を守る仏様がいる場所が仏壇です。
仏壇の中は、さまざまな仏具が置かれていて、その場所にも気を遣ってしまいます。
けれど、普段から仏壇や仏具に触れていれば、少しもこわいことはありません。
本文中に仏壇の掃除方法を細かく説明した章があります。
参考にしていただき、普段からこまめに掃除をしてください。
仏壇内がきれいに保たれ、仏様やご先祖様も喜んでくださります。
また、普段から触れていることで、仏壇がもっと身近に感じられることでしょう。
仏壇には大きく3種類ある
仏壇には、材質や仕様の違いから、大きく分けて3種類あることをご存知でしたか?
金仏壇
金箔や漆塗りで仕上げられた仏壇です。
金の部分(金箔、金粉、金塗装、金具)は触れることができません。
漆塗りの部分のみ、傷がつかないように丁寧に掃除をしましょう。
唐木仏壇
紫檀や黒檀などの木材で仕上げられた仏壇です。
塗装で仕上げをしているので、どの箇所も掃除できます。
ただし極力水拭きは避けましょう。
ほこりを払い、乾拭きで仏壇内部を拭き掃除します。
家具調仏壇
リビングに合うようなモダンなデザインの仏壇です。さまざまな材質が取り入れられています。
ウォールナットやタモなど、家具でも用いられる外国の木材の商品が人気です。
唐木仏壇と同じで、どの箇所も掃除ができます。
ただし、家具調仏壇はデザイン性に富んでいるため、特殊な工法のものもたくさんあります。
扱いが不安な場合は販売元や近くの仏壇店に相談しましょう。
それでは、仏壇の掃除の流れをご説明していきましょう。
仏壇掃除の基本的な流れ
仏壇の掃除の流れは、家の掃除と同じです。 家の掃除の場合、まず物を別の場所に移し、ほうき(あるいは掃除機)でゴミを払い、そして拭き掃除をしますよね。
仏壇も同じで、仏具をいったん外に出し、ほこりを払い、拭き掃除をします。
▼ 基本的な流れ
- 合掌礼拝
- 窓を開ける
- 全体の写真を撮る
- 仏壇の中の仏具を全て出す
- 毛払いでほこりをはらう
- 仏壇の中を拭き掃除する
- 仏壇の外側を掃除する
- 仏具を掃除する
この基本を覚えておきましょう。
それぞれ詳しく説明します。
1.合掌礼拝
まずはお線香を立てて、おりんを叩き、合掌礼拝をします。
「これからお仏壇をお掃除させていただきます」と一言添えましょう。
2.窓を開ける
部屋の中をほこりが舞うでしょう。
事前に窓を開けておきましょう。
3.はじめに写真を撮り、仏壇の中の仏具をすべて出す
仏壇の中の仏具をすべて外に出しましょう。
あとあと仏具をどこに戻せばいいのか分からなくなることもあるので、事前に写真を撮っておくとよいでしょう。
4.毛払いでほこりを払う
仏壇の中にあるほこりを払います。
ハタキもいろいろな商品が出ていますが、表面を傷つけないという点で、毛払いがおすすめです。
5.中を拭き掃除する
拭き掃除には仏壇用の布がオススメです。
仏壇店で数百円で販売しています。
また家にあるものとしては、ガーゼなどの表面がやわらかい布でも構いません。
6.仏壇の外側を掃除する
内部の掃除が終わったら外側の掃除をします。
いったん障子と扉を閉じて、ほこりを払い、拭き掃除をしましょう。
手の届く範囲に限界があるでしょうから、できる限りで構いません。
7.仏具を掃除する
仏壇の掃除が終わったら次は仏具を掃除しましょう。
仏具は主に次の2つに分けられます。
- 漆や塗装の仏具
表面を漆塗りしたもの、あるいはプラスチック製品で塗装したものは乾拭きで拭き取りましょう。 - 金属の仏具
仏壇内の金属の仏具の多くは真鍮製です。
真鍮製品は時間が経過すると色がくすみ劣化していきます。
昔の人はこれを定期的に磨くことで徳を積むと考えました。
年に数回の「お磨き」をすることで、仏具の品質を保つこともできます。
ただし、最近の金属の仏具はメッキ等の塗装を掛けていることが多いため、磨くことができません。
塗装されている仏具を見極めるのは困難です。近くの仏具店に相談するのがよいでしょう。
仏壇掃除で気をつけること
仏壇を掃除する上で、特に注意しなければならないことをまとめました。
水拭きをする時は固く絞り、すぐに乾拭きする
仏壇掃除に、水拭きは厳禁だと言われています。
しかし、花粉のこびりついた汚れや、水あかとなった汚れなど、ほこり払いと乾拭きではなかなか除去できない汚れもあります。
筆者の経験では、こうしたしつこい汚れの場合は水拭きしても構いません。
ただし、必ず次の2点に気をつけましょう。
- 水拭きは、やわらかい布で固く絞る!
- 乾拭きは、やわらかい布で速やかに!
金仏壇の漆塗りであれ、唐木仏壇のウレタン塗装であれ、それによって表面は保護されているわけですから、多少の拭き掃除は問題ありません。
ただし、水分を残すことのないように、速やかに乾拭きしてあげましょう。
金属製の仏具は磨いていい物といけない物がある
浄土真宗などのお寺や家では、年に数回、金属の仏具を磨く「お磨き」というものをします。
最近はメッキ加工やフッ素加工の仏具が増えたために、「お磨き」の光景はあまり見かけなくなりましたが、いまでもしているところは少なからずあります。
金属製の仏具には次のようなものがあります。
- 天井から吊るされている仏具(灯籠、りん灯、ヨウラク)
- 五具足(香炉、花立、火立)、
- りん(「ちーん」と音を立てる仏具)
金属製の仏具は少なくありません。磨いていい物といけない物の判別は、仏壇店に相談しましょう。
ちなみに、りんは磨いてもいいものが多く、磨くと輝きが増すだけでなく、音色がよりクリアになります。
新鮮な気持ちでお参りすることができるのでおすすめです。
電気の線に注意
仏壇の中は外付けの電灯で灯されており、目立たないように配線されています。
気を付けなければならないのは、仏具を動かす時にうっかり線を引っ掛けてしまい仏具を倒してしまうこともあります。
ケガやキズの原因にもなるので細心の注意を払いましょう。
仏壇の掃除に使用する道具
仏壇の掃除で使用する主な道具をまとめました。すべて仏壇店で揃うでしょう。
- 毛払い
ほこりを払うための道具です。さまざまな払いやはたきが販売されていますが、毛先がやわらかく細かいので、一番オススメです。 - 仏壇用のクロス
仏壇用のクロスは表面がやわらかく、塗りや塗装が傷つかないようにできています。
クロスがない場合は、ガーゼなどやわらかい布を用いても構いません。 - 仏壇用の筆はたき
仏壇の中には細かい彫刻などを施している箇所があります。
そのような繊細な箇所には筆はたきが便利でしょう。 - 真鍮磨き用クリーム
真鍮磨き用のクリームでりんを磨くと、輝きと響きが見違えるほどによくなります。
定期的に磨くことをおすすめします。 - つや出しクリーム
掃除の仕上げにつや出しのクリームやワックスをすることで、光沢が出るだけでなく、よごれが付着しにくくなります。
仏壇を掃除する頻度
理想を言えば、毎日をするのが一番望ましいです。
しかし、忙しい生活の中でそれは大変なことでしょう。
- 毎日:簡単なほこり払い
- 月に一回:仏具を出して、払い掃除と拭き掃除
- 年に一回:磨きやクリームも含めた本格的な掃除
この頻度でお掃除してあげれば、まず十分でしょう。
ただし、あまり負担にならないようにしましょう。
大事なのは、掃除をすることで心がスッキリすることです。
掃除が負担になるくらいなら、「できるときにする」程度でも構わないでしょう。
仏壇掃除におすすめの時期
年末の大掃除には仏壇も一緒にきれいにして差し上げましょう。
また、お盆を迎える前にも大掃除をしてあげましょう。
故人の命日にあわせて大掃除をするとご先祖様も喜ばれるでしょう。
その他、それぞれの宗派で大切な法要の時期があります。
真言宗の場合は春の彼岸法要が弘法大師の入定の日(3月21日)と重なります。
浄土真宗では秋から年明け1月16日の親鸞聖人の入滅の日に向けて”報恩講法要”が行われます。
日蓮宗では10月13日の日蓮上人入滅の日に合わせて”お会式”が行われます。
こうした日にあわせて、我がやのお仏壇をきれいにするのもいいかもしれません。
仏壇の買い替えを検討している方はこちら!
まとめ
いかがでしたか?
仏壇や仏具は慣れないので、扱いに不安もあるでしょう。
分からない時は仏壇仏具店に相談しましょう。
有料のクリーニングサービスもありますから、年に一度はそうしたサービスを利用するのもいいかもしれません。