仏壇を処分する際に『すること・気をつけること』の紹介
- 「仏壇を処分する方法を知りたい。気をつけることって?」
- 「仏壇を処分するにはどのくらい費用がかかるの?」
- 「仏壇処分するときの流れは?」
「跡取りがいないから仏壇を見ることができない」
「実家にある仏壇が大きすぎて今住んでいる家に置くことができない」
「お寺様との付き合いをやめたい」
このような理由で仏壇を処分する人が増えています。
でも、どのように処分すればいいのでしょうか。
これまでご先祖様を祀ってきた大切な仏壇です。中には仏像や位牌なども並んでいます。
粗大ごみで引き取ってくれるのだろうか。罰当たりにはならないだろうかと、不安に思われる人も多いことでしょう。
この記事では、仏壇を処分する方法から費用まで、細かくご説明していきます。
この記事の目次
仏壇の処分は、業者に任せるか、自分でするか
仏壇の処分の方法は大きく分けて2つです。
- 業者に任せる
ここでいう「業者」とは、仏壇店や、専門業者のことです。
家を解体処分するときに、仏壇もまとめて解体してもらえればいいと考える人が多くいるのですが、ほとんどの解体業者は仏壇を触りたがらないものです。その家の仏様やご先祖様が祀られていたものです。扱いに困るものなのでしょう。
筆者が仏壇店に勤務していたときも、よく解体業者から仏壇の引き取り処分の依頼があったほどです。 - 自分で処分する
業者に依頼することなく自分自身で仏壇を解体して処分することもできます。
ただし、仏壇を解体することに、うしろめたさを覚える人もいるでしょう。
自分で処分すると、費用は節約できますが、さまざまな問題も発生します。
のちほど、くわしくご説明いたします。
仏壇店に処分を依頼する
一番手っ取り早いのは地域の仏壇店に依頼することです。
ただし、仏壇店によっては、個人経営などの小さい仏壇店や、小売販売だけをしている仏壇店などもあり、処分を受け付けてくれない所もあるでしょう。
専門業者に依頼する
最近ではインターネットなどでも仏壇処分のサイトをよく見かけます。
このような業者を利用する方法もあるでしょう。
エリアを全国対応にしている業者はクロネコヤマトなどの配送業者と提携しているようです。
自分で処分する
業者に頼らずに、自分で処分するという方法もあります。
仏壇は、そのほとんどが木でできていますから、扱いは「粗大ごみ」になります。
ただし、自分で処分する場合は以下の点に気をつけましょう
そのままの状態でゴミに出すと、引き取ってもらえない場合がある。
解体する場合、木部、金具などを分別した上で、細かく解体しなければならない。
近隣住民が目にしたときに不快感を覚えることがあるかもしれないために配慮が必要。
以上の理由から、筆者は自分自身で仏壇を処分することはあまりお勧めしません。
どうしても費用がない場合は、分別や解体をきちんとした上で、ゴミに出しましょう。
小型仏壇であればいいのですが、大きな仏壇の場合、その労力も大変だと思われます。
仏壇を処分するときに連絡する先
仏壇を処分するには、まずは寺院に必ず「お性根抜き」をしてもらいましょう。
そして、特に親しくしている親戚などにも連絡しておくのがよいでしょう。
寺院に必ずお性根抜き(御魂抜き)をしてもらう
「お性根抜き」とは、仏壇の中にいるご本尊の魂を抜いてもらうことです。
まずは必ず寺院にお性根抜きをしてもらいましょう。
仏壇は、ご本尊(その家を守る仏さま)やご先祖様がおられた場所です。
性根を抜くということは、そこに宿られていた仏様の性根(魂のようなもの)に出ていただくということです。
お性根抜きをせずに勝手にゴミに出すということは、仏様やご先祖様を打ち捨てることになります。これはよろしくないでしょう。
業者との日程を調整する前に、まずは寺院に仏壇を処分する旨を連絡するのがよいでしょう。
親しくしていた親戚にも連絡をする
親しくしていた親戚がいるならば、その人たちにも連絡しておくのがよいでしょう。
仏壇はたしかにその家の人が守るものですが、親戚の人たちがお参りにくる場でもあります。
勝手に仏壇を処分することによってトラブルを引き起こすこともあります。
事情をきちんと説明して、事前に連絡しておくことで納得してもらえるでしょう。
仏壇を処分するための流れ
ここでは、業者に処分を依頼する場合の流れをご説明します。
- 寺院に連絡して、お性根抜きを依頼。日程を決める
- 業者に連絡して日程を伝える(※お性根抜きと仏壇の処分は別の日になっても構いません)
- 寺院にお性根抜きをしてもらう
- 業者に仏壇を引き取ってもらう
業者に処分を依頼するときはいくつかの業者を相見積もりすることをおすすめします。
同じ作業内容でも業者によって価格の差があるようです。
仏壇を処分するのに宗派は関係ある?
仏壇の処分に宗派は関係ありません。
浄土真宗では「性根」という考え方はないのですが、「遷仏(せんぶつ)法要」として、やはり仏前でお勤めをしてもらいます。
どの宗派でも、これまでお祀りしてきた仏様やご先祖様を供養をしてから、仏壇を処分します。
仏壇を処分するときの費用
仏壇の引取処分は、仏壇の大きさ、そして業者の拠点から引取の現場(自宅)までの距離によっても変わります。
小型のもので10,000円前後。
大きいものは2人で持ち運びできるもので30.000円前後。
3~4人でないと持ち運びできないものであれば50,000円前後でしょう。
また、仏壇には付属の仏具があります。段ボール1箱で5,000円~1,0000円が相場でしょう。
業者によって、仏壇の高さで価格を決めているところ。幅で決めているところ。3辺の合計で決めているところとさまざまです。
住宅の状況や作業員の必要人数などで金額も変わるため、一度見積もりをしなければならないでしょう。
いくつかの業者から見積もりを取ることをおすすめします。
仏壇を処分するときに気をつけること
仏壇を処分するときに気を付けなければならないことをまとめました。
- 寺院に必ず連絡してお性根抜きをしてもらいましょう。
- 親しくしている親戚には連絡しておきましょう。
- 業者には相見積もりを取るのがよいでしょう。
- 仏壇内の収納などを事前に確認しておきましょう。金品や証書類が入っていることも多々あります。
- 自分で解体処分する際は、木部や金具の分別、傍から見て仏壇と分からないほどまでに細かく解体してから粗大ごみに出すことをおすすまします。
家に仏壇が置けないときにおすすめのもの
最近は、小型の仏壇や手元供養といった供養の商品が多数出回っています。
自分たちの好みのもの、ライフスタイルにあったものを選ぶのがよいでしょう。
小型の仏壇
仏壇と言ってもサイズは大きいものから小さいものまでさまざまです。
最近では大きな仏壇を処分して、小さいものに買い替える人が増えています。
小型仏壇は、机や棚などの上に置くことのできる「上置き仏壇」が主流です。
また、床に置くタイプのものでも幅が30センチ程度で作られているスリムなものもあります。
壁掛け仏壇
壁掛け仏壇とは、床や台の上に置くのではなく、壁に掛けるタイプの仏壇です。
スペースをあまり必要としない上置き仏壇を選んだとしても、直接床に置くわけにはいきません。
中には仏壇を乗せる家具や什器もないという人もいます。
そのようなスペースの確保も難しいという人には壁掛け仏壇があります。
まだ広く普及しているとは言えませんが、一定のニーズはあるようです。
また、取付の際には大工や工務店に依頼しなければなりません。
別途取り付け費用も必要となるでしょう。
メモリアルステージ
メモリアルステージとは、故人様を偲ぶためのステージで、主に遺影や遺骨を安置します。
これまでの仏壇が仏様をお祀りする祭壇だったのに対し、メモリアルステージでは故人様を中心にお祀りします。
仏壇は箱型のものが多いのですが、メモリアルステージはオープンタイプのものが主流です。
ミニ骨壺
遺骨はお墓に埋葬したり、納骨堂に預けたりしますが、その一部を手元に置いておく「手元供養」が人気です。
ミニ骨壺はデザイン性に富んだものが多く、仏壇やメモリアルステージに安置してお祀りします。
遺骨ペンダント
遺骨ペンダントも「手元供養」の一種です。
ペンダントの中に遺骨を納めることができ、肌身離さず一緒にいられることができます。
仏壇の買い替えを検討している方はこちら!
まとめ
いかがだったでしょうか。
自分たちのご先祖様をお祀りするのが仏壇を処分することにためらいや戸惑いを覚える人もたくさんいるかと思います。
ライフスタイルにあったお祀りの方法を選んで、無理のない供養をしましょう。
無理なく手を合わせてくれる姿に、故人様やご先祖様は喜んで下さるものだと思います。
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
家を建て替えたり、引っ越しをすると、これまであった仏壇が間取りやインテリアに合わなくなってくることが多々あります。新しく仏壇を買い替えた場合は、これまでの仏壇を破棄することになります。
粗大ごみとして出すこともできますが、「ゴミ」として破棄することに抵抗がある人も多いのでしょう。もしくは周囲の目を気にして出せないという人います。そのため新しく購入した仏壇を納品するときに、古い仏壇を業者に引き取ってもらうケースが多いような気がします。