供養やお供えの基本について解説!
供養とは、 ご先祖様や故人に供物や花を供え、お経やお線香をあげ、手を合わせお参りすることです。日ごろの供養をするにあたり、礼拝の仕方やお供えものについて解説していきます。
この記事の目次
日ごろの供養をする
ポイント:故人にあいさつし、話しかける気持ちで、毎日の供養を。
供養は故人とのコミュニケーション
いただきものをしたら、まず仏壇に供え、鈴を鳴らして、手を合わせる。ひと昔前の日本では日常的な光景でした。ご本尊(ほんぞん)や仏様となった先祖がいる仏壇が、生活の中に溶け込んでいたのです。
毎日の供養(くよう)は、亡くなった親に話しかけるつもりで行えば、面倒でも難しいことでもありません。
ご飯を炊いたら、「ご飯ですよ」とまず仏壇の親に供えます。朝は、「おはようございます」と仏壇の扉を開けて、水か一番茶を。目ざめのドリンクです。夜は、「おやすみなさい」と仏壇の扉を閉めます。生前、部屋を飾っていたように、仏壇にもお花を供えます。
線香や読経(どきょう)は、もちろんあげないよりあげたほうがよいのですが、忙しくお経をあげられないときでも、手を合わせて「おはようございます」「おやすみなさい」と仏様にあいさつだけはするようにしましょう。
毎日の習慣になれば、生活のアクセントになり、1日の励みになるはずです。
命日には、特に篤く供養をする
故人が没した月日を「祥月命日(しょうつきめいにち)」、月ごとの命日を「月忌(がっき) 」と呼びます。祥月命日は年に1回、月忌は毎月めぐってきます。この日は、仏壇の掃除をし、お供えを篤くするなどして、ねんごろに礼拝します。
お墓参りにも出かけましょう。もちろん、命日以外に出かけてもよいのです。少なくとも、命日やお彼岸にはお墓参りに行き故人を偲びたいものです。
朝晩2回の礼拝が基本
朝
- 仏壇の扉を開き、炊きたてのご飯とお茶または水を供える
- 手に数珠をかけ仏壇の前に正座し、軽く一礼
- 灯明(ろうそく)をともし、その炎を線香にともし香炉に立てる
- 鈴(りん)を2つ鳴らして合掌
- 宗派の経をとなえ合掌、再び鈴を2つ鳴らす
- ろうそくの炎を手であおいで消し、軽く一礼
- 内扉を閉める
- ご飯、お茶、水は夕方までにさげる
晩
- 手に数珠をかけ仏壇の前に正座し、軽く一礼
- 灯明をともし、その炎を線香にともし香炉に立てる
- 鈴を2つ鳴らして合掌
- 宗派の経をとなえ合掌、再び鈴を2つ鳴らす
- ろうそくの炎を手であおいで消し、軽く一礼。線香を消えるのを待って、扉を閉める
*④は難しければはぶいてもよい
注意!
ろうそく・線香を、息を吹きかけて消すのはタブー
お供えの基本「五供」
お供えの基本「五供」
飲食(おんじき)
ご飯を炊いたらまず仏様に。 その他、旬のもの、いただ きものは、まず仏前に供え る
浄水(じょうすい)
水、またはお茶。お茶は 一番茶を
香
一般的には線香。朝は三本あげることが多い
花
トゲのある花、匂いの強い花は避けるとされる。 水をこまめにかえる
灯明(とうみょう)
ライターでなく、マッチ でともす
※香炉・花立て・燭台=三具足 花立て、燭台を各一対にして五具足
■参照元
改訂増補 親の葬儀とその後事典
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平成20年9月30日 旧版第1刷発行
平成29年5月26日 改訂版第1刷発行
著 者:黒澤計男 溝口博敬
発行者:東島俊一
発行所:株式会社法研