「弔電」とはどんなもの?そのなりたちやマナーについて
人が亡くなったときの「弔意(人の死に際して、その人の死を悲しんだり悼んだりする気持ち)の示し方」には多くのやり方があります。
だれもが思いつく「不祝儀を渡す」というのも弔意の表し方のうちの一つですし、供物や供花を送るという人もいるでしょう。手を合わせて、亡き人の安寧を祈るのも弔意を表す方法のうちの一つです。
今回はそのなかから、「弔電」について取り上げましょう。
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この記事の目次
弔電とはお悔やみの気持ちを伝える電報
弔電とは、簡単にいえば、お悔みの気持ちを遺族に伝えるために送る電報のことです。
葬儀などの連絡のやり取り、あるいは弔意を示すときには、ある程度のスピーディーさが求められます。
現在でこそ、携帯電話やSNSの発達により、ほぼリアルタイムで相手に連絡をしたり連絡を受けたりすることができるようになっていますが、昔はこうはいきませんでした。
電話機が発明されたのは1875年のことで、それが日本に入ってきて、さらに一般家庭に普及するまでには長い時間がかかることになります。
日本に初めて電話がきたのは1890年のことで、日本の一般家庭の電話の所持率が50パーセントを超えたのはなんと1975年ごろになってからだといわれています。
電話機がまだメジャーではなかったころから使われていたのが「電報」です。
電報の歴史は電話の歴史よりもずっと古く、1850年にはすでにイギリス―フランスの間で電信サービスが始まっており、日本にも1869年に入ってきています(当時は東京と横浜間でのやりとりでした)
それまでは、時間がかかる「手紙」によって遠方に連絡をしていましたが、電報が普及したことで、簡単な文章ならばすぐに遠いところに送ることができるようになりました。
この「電報」というサービスは、冠婚葬祭と相性のよいものでした。特に、急いで知らせる必要のある「葬儀関係」においては、電報は重要な意味を持つことになりました。
電話やSNSが普及した現在では、日常生活ではあまり電報を見る機会もなくなっています。しかし今でも電報は、葬儀の場においては残っています。葬式・告別式の場では今でも弔電が読み上げられますし、弔意を示すための手段として採用されているのです。
また、昔は、弔電といえば、「カタカナで書かれるもの」でした。
葬儀の話ではありませんが、今でも「合格」の代名詞として使われている「サクラサク」なども、電報の文言です。
しかし現在は弔電も進化しており、カタカナだけでなく漢字なども使えるようになりました。
加えて、弔電のバリエーションも増えています。
現在では弔電は美しい台紙につづられて送られるようになっていますし、「弔電用の電報の台紙」も作られています。
それだけではなく、オルゴールがついたものやプリザーブドフラワーの弔電、押し花の弔電、線香をセットにした弔電なども売られています。
「素早く弔意を伝えることができる」というのが大きなメリットだった弔電ではあります。しかしその立場が携帯電話などにとって代わられました。
ただそれでも弔電は、さまざまな進化を続けていますし、儀礼的な意味で弔電を送る人ももちろんいます。
今から150年程も前につくられた電報が、長い時間を超えた今でも、多くの人に選ばれているのはなんとも不思議な気持ちがしてきますね。
弔電を準備・送るタイミング
もともとの性質を見ればわかる通り、弔電は早めに出すためにあるものです。
基本的には訃報を受け取ってすぐに手配し、通夜に間に合うように送るべきです。
ただ、「訃報をもらったその当日に、通夜を行う」という場合は、仕事の都合などで当日に送ることが難しい場合もあります。
その場合は、葬式・告別式(特別な事情がない限り、通夜の翌日に行われる)に間に合うように送ります。弔電の紹介は、基本的には葬式・告別式の後半で行われるからです。
なお、「今日送っても、届くのは明日か明後日になるのではないか」と心配する人もいるでしょう。特に、電報を送った・受け取った経験がない人はこのような不安にかられるかもしれません。しかし、安心してください。弔電は当日もしくは翌日には届きます。
たとえば、NTT東日本が案内をしている「D-MAIL」の場合は、「0時から19時までの申し込みで、当日中にお届けする」としています。19時から24時までの手配でも、翌日には届けてもらえます。
なお、電話での申し込みの場合は19時までしか対応していませんが、インターネットでの申し込み(D-MAIL)の場合は24時間いつでも申し込むことができます。
このため、自分が手配を忘れさえしなければ、訃報を受けた翌日までには必ず弔電がご遺族のお手元に届くことになります。
ちなみに、弔電はあくまで「取り急ぎ送る」「葬儀には事情があって駆け付けることはできないが、弔意は示したいと考えている」人が送るものです。そのため、弔電を送ってよいタイミングは、通夜~葬式・告別式までのタイミングに限られます。
それ以降に弔意を記した文章を送りたいのであれば、電報ではなく、封書などを使った「手紙」で送るのが望ましいといえるでしょう。
弔電を申し込む流れ
弔電を申し込む流れについて見ていきましょう。
ここでは、NTTのD-MAILを参考に、その流れを紹介していきます。
NTTのD-MAILの場合は、電話で申し込む方法とインターネットを使って申し込む方法があります。
ただ、電話で送る場合は、専門のオペレーターが丁寧に案内をしてくれるので、迷うことはないでしょう。
利用方法は簡単です。
- D-MAILのホームページに飛び、ボタンから用途にあった電報のカテゴリーを選ぶ
- 送りたい台紙を選ぶ。付属品の有無や台紙の種類によって値段は大きく変わる
- 必要情報の入力。相手に送りたいメッセージを入れたり、届け先の情報を入れたりする。現在はオリジナル文章を作ることもできる
- 決済方法を選ぶ
インターネットにある程度慣れている人ならば、それほど苦戦せずにこの工程を進められると思われます。
弔電の金額について
NTTに限ったことではありませんが、現在は電報を扱う多くの会社が、多種多様な決済方法を提供しています。NTTの場合は、クレジットカードやドコモ払いなどで支払えるとしていますが、電話料金と一緒に支払うこともできます。
ちなみに、値段は、文字数や台紙によって上下します。「25文字以内ならば660円だが、61文字~65文字ならば1,230円」という具合です。
この「メッセージ料金」に、「台紙料金」が加算されます。また、NTTの場合は、電話で申し込むよりもWEBで申し込む方が、わずかばかりですが安い価格で送ることができます。
弔電の台紙の種類も、非常に多様化しています。
現在ではかなり大きめのプリザーブドフラワーがついた電報も売り出されており(この場合は、もう「電報つきのプリザーブドフラワー」として認識した方がよいかもしれませんね)、これなどは1万5,000円程度もします。
人を送る場所に相応しい落ち着いた色が採用されており、紫や白などが積極的に使われています。
ブリザーブドフラワーは、枯れることのない花です。保管もしやすいですし、「故人の思い出は散ることはない」という想いを込めて送るのもいいかもしれません。
また、電報に線香がついたものや、お盆がついたものなども販売されており、これは1,500~5,000円程度が価格帯の相場です。刺繍や押し花が入った台紙に線香やお盆がつけられているものも多く見られます。
もちろん、「物品」が何もついておらず、弔電の台紙だけで販売されているものもあります。ただこれも、「刺繍入り」「七宝」「押し花入り」などになると、金額も1,500~3,000円程度と、線香をつけたときとあまり変わらない値段となります。
ただ、
「シンプルなものでよい」
「義理の関係であるため、お金をかけた弔電を送ってしまっては逆に相手を緊張させてしまいそう」
「会社関係の相手に送るので……」
というような場合は、比較的廉価なものを選ぶこともできます。
簡単な押し花があしらわれた程度の弔電ならば500円~1,000円でも商品展開しています。
また、押し花などが入っていないもっともシンプルなものの場合は、台紙代がかからず、文字費用だけで送ることができます。相手と自分との関係に応じて選んでいくのがよいでしょう。
ちなみに、弔電の金額は、弔電に使う台紙代金+文字数によって決まります。
特殊ケースの場合は?弔電の送り方
弔電は、一般的に、以下のような場合に送ることが多いかと思われます。
- 通夜や葬式・告別式に参加したいが、どうしても都合が合わず参列できない場合
- 関係性が浅く不祝儀や供物・供花などを送る立場にはないが、簡単に弔意を示したい場合
- 不祝儀や供物・供花の受け取りは辞退されたが、気持ちだけは伝えたい場合
弔電は、基本的には、喪主あてに送ります。
送る場合の住所は、葬儀会場もしくは喪主の自宅です。なお、喪主の自宅に送る場合は意外なほど見落としやすいものです。
忙しく出歩くことになりますし、自宅になかなか腰を落ち着けることも難しいからです。郵便受けを除く精神的な余裕がないというケースも考えられます。
そのため、特に喪家に送る場合は、事前にお伝えしておいた方がよいでしょう。
なお、「基本的には喪主あてに送る」としましたが、「喪主はお父さんが務めるが、友人である娘さんが非常に落ち込んでいる」という場合は、その友人の名前を宛先にして送っても失礼ではありません。
また、弔電は訃報を受け取ってすぐに手配をし、通夜が始まる前に届くように送るのが理想的です。
それがどうしても難しいのであれば、葬式・告別式までには届くように手配します。
これを踏まえて、少し特殊なケースで弔電を送る場合の特徴やマナーについて見ていきましょう。
社葬に弔電を送る場合
社葬とは、会社が主体となって行う葬儀を言います。
- 勤務中に殉職した人
- 非常に大きな功績を残した人
- 会長や代表取締役などの地位のある立場の人(引退した人であっても、社葬の対象となることもある)
などが亡くなったときに行われるものです(なお、社葬に先駆けて、「密葬」というかたちで、家族などが中心となって葬儀を執り行うのが一般的です)。
この「社葬」の場合、非常に公的性格の強い葬儀となります。
会社同士の繋がりで弔電を送ることになりますから、失礼があってはいけません。
「○○会長の御逝去を悼み 故人のご功績を心よりたたえ 衷心よりお悔やみ申し上げます」
このような文例を送ることが望まれます。
敬称として「様」を用いることも失礼ではありませんが、「社葬」ということもあり、故人の役職名を「様」に代えて送ることが多いのも特徴です。
また、社葬の場合は、一般の葬儀と宛先が異なる点にも注意が必要です。
社葬の場合は会社側が施主となりますから、故人の家族の名前を知っていても故人の家族あてに弔電を送ることは基本的にはしません。
葬儀責任者などの名前を宛先として送るのが普通です。
ただし、差出人の名前には、自社の名前だけでなく代表者(社長)の名前を入れる場合もあります。
加えて、「社葬を行うのが非常に重要な取引先だ」「特に大事にしてもらった取引先だ」という場合は、会社名+社長名での弔電を送るだけでなく、その会社を担当していた担当者の名前の弔電も送る場合もあります。
なお、一般的な弔電は、訃報を受け取ってすぐに送ることになります。
一般的な葬儀の場合は、特別な事情がない限りは、訃報を受け取ってから1~3日以内に通夜が行われることになります。
しかし社葬の場合は、社葬を行う前に密葬が行われています。
ある程度時間に余裕をもって(2週間程度前に社葬の広告が出されることが多いかと思われます)お知らせされることになります。
電報は、実際に送る少し前(D-MAILの場合は3日前)に手配することで料金がわずかばかり(150円)ではありますが割引になります。出し忘れを防ぐ意味でも、早めに手配しておくとよいでしょう。
訃報を後から知った場合の対応
家族葬というかたちが一般化しつつある今、「訃報を後から知ること」も決して珍しくはありません。ハガキなどが手元に届いて初めて亡くなったことを知る場合もあるでしょう。
このような場合は、弔電を打つのではなく、お手紙や不祝儀(香典)を自宅に送るというかたちで対応しましょう。
弔電はあくまで、「取り急ぎ弔意を示すためのもの」ですから、後日になってから送るものではないのです。
また、弔意を伝えるためということで、おうちに伺っていいかを尋ね、実際に足を運ぶのも良いでしょう。
弔電と不祝儀(香典)の両方を送る場合
弔電と不祝儀(香典)の関係は、少し複雑です。
「弔電だけで済ませる場合」と「弔電と香典の両方を送る場合」に大別されるからです。
弔電だけで済ませる場合というのは、「不祝儀(香典)や供物・供花を送るほどの深い関係ではなかったが、義理もあるので弔意は示しておきたい」といった場合が多いことでしょう。
一般的な葬儀であっても、市町村の代表者から弔電が届くことが多いのですが、それなどはこちらのケースに当てはまります。
もう一つのケースは、「可能ならば葬儀に参加したいが、遠方に住んでいたり入院していたり大事な仕事があったりして、どうしても葬儀に参加できない」という場合です。
このようなときは、弔電で取り急ぎ弔意をお伝えして、後から不祝儀(香典)をお渡しするように動くべきです。
弔電だけをすぐに打ち、不祝儀(香典)は郵送などで送るようにするとよいでしょう。
もちろん、共通の知人が近くにいてその人に不祝儀(香典)を託せるのであればそのようにしても構いませんし、「帰国したらすぐに弔問に伺える」ということであればその時に持って行ってもかまいません。
家族葬に送る場合
「家族葬という案内は来た。しかし呼ばれてはいないので、参列は避ける」というケースもあるでしょう。
家族葬の場合は、基本的には参列を希望しない人には積極的には連絡しません。
ただ、会社関係の場合は、長期間の休みをとる必要もあるため、訃報が入ってくるのが一般的です。この場合、訃報をよく読んでください。
訃報に「弔電辞退」の旨が書かれていれば、弔電を送ることは控えます。
ただ、家族葬の場合、供物や供花、不祝儀(香典)はお断りしていても、弔電はスペースも取りませんしお返しも必要ないということで断らないこともよくあります。
特に断りの文言がなければ、送っても構わないでしょう。不安ならば葬儀会場に確認をしてください。
弔電の文例
弔電はある程度ひな形が決まっています。
これから選んで送っても構いません。非常にシンプルなものならば、「○○様の御逝去を悼み 心からお悔み申し上げます」などのような言い回しを使うとよいでしょう。
また、「突然の訃報を受けてとても驚いております 在りし日のお姿を偲び心より哀悼の意を表します」などのように少し長めの文章を送ることもできます。
なお、弔電の文面も、宗教ごとによって多少違いがみられます。
「ご冥福をお祈りします」というのは仏教用語であり、キリスト教や神式の葬儀の場合には避けるべき表現だといえます。
また、「お悔み申し上げます」の表現も、キリスト教のお式に出すのであれば、避けた方が賢明かもしれません。
キリスト教の場合は、「永遠のいのちを授かった」「御慰めがありますように」などのような言い回しを使った弔電を送るとよいでしょう。弔電を扱う会社のなかには、特に「キリスト教用の弔電の例文」を扱っているところもあります。
もっとも、弔電の場合は、不祝儀袋などのような厳格な決まりがあるわけではありません。
実際に、「どのような葬儀形態にも使える言い回し」として、「お悔み申し上げる」という表現を使ってもよいとしているところもあります。
そのため、あまり神経質になりすぎる必要はないでしょう。ただ、どうせ選ぶのであれば、やはりその葬儀形態・故人やご遺族の宗教観にあった言い回しのものを採用するとベターでしょう。
気をつけると安心!弔電のマナー
弔電のマナーを知っておくと、送るときにも戸惑わなくてすみます。
送る時の宛名について
社葬でない限りは、送るときの宛名は喪主にするのが賢明です。
なお、喪主の名前が分からない場合は、「○○家 ご遺族様」とします。ただ、「喪主の配偶者と友人関係にある。彼女を慰めたい」ということであれば、その人の名前で出しても構いません。
社葬の場合は、葬儀責任者の方の名前とします。宛先は、葬儀会場もしくは喪主の家とします。
差出人の表記について
差出人の表記は、自分のフルネームを記します。ただ、故人との関係などを記すとよりわかりやすくなります。
社葬の場合は、会社名+代表者の名前とします。
弔電で使われる敬称まとめ
個人名につける敬称は「様」です。ただ、社葬の場合は役職名で書くことが非常に多いといえます。
続柄を表す敬称については、以下の通りです。なお、続柄は、「喪主の立場から見た時のもの」となります。
- 実父・・・ご尊父様、お父上様、お父様
- 実母・・・ご母堂様、お父上様、お母様
- 義理の父・・・ご岳父様
- 義理の母・・・ご岳母様
- 祖父・・・お祖父様
- 祖母・・・お祖母様
- 妻・・・ご令室様、奥様、ご令閨様
- 夫・・・ご夫君様、ご主人さま
- 息子・・・ご令息様、ご子息様
- 娘・・・ご令嬢様、ご息女様
- 家族・・・皆様、ご一同様
特に気を付けたいのが、「自社の社員の母親が亡くなった。
喪主となるのは、社員の父親であるが、会社側から弔電を出す」という場合です。
この場合の宛先は、「社員」ではなく、「社員の父親」となります。
そのため、「ご母堂様」ではなく「ご令閨様」とします。
敬称を決めるのは、あくまで「喪主と故人の関係」であることに注意をしてください。
弔電で使用しないほうがよい忌み言葉
弔電を送る場合、文例から選べば失敗は基本的にはないでしょう。
しかしオリジナルで文章を作るのであれば、忌み言葉が入らないように注意したいものです。
「たびたび」「かさねがさね」「繰り返し」などのような言葉は、「悲しみが重なる」として、弔電のときでもNGとされています。
「このような言葉、意識しない限りは使わないと思う」という人もいるかもしれませんが、「たびたびお顔を見せてくださり」「かさねがさねお悔みを申し上げます」「(幼馴染などに対するエピソードで)繰り返し皆さまの話をされていたことを、つい最近のように思い起こされます」などの言い回しを使ってしまう可能性はそれほど低くはないのではないでしょうか。
もちろん、気持ちがこもっていれば、たとえそのなかに忌み言葉が入っていたとしても攻められることはないでしょう。
しかし過敏な状態にあるご遺族のことを考えて、少しでも心の負担になるような言葉を選ぶことは避けたいものです。
なお、弔電の場合は、句読点を使って文章を作っていくのが一般的なようです。
弔電を受け取った場合お礼は必要?
ここまでは「弔電を送る側」の視点から解説していきましたが、最後に簡単に「受け取った側」の対応についても見ていきましょう。
弔電と不祝儀(香典)の両方を受け取った場合は、不祝儀(香典)に対するお返しをしなければなりません。
対して、弔電だけの送付であり、不祝儀(香典)や供物、供花は特にはないという場合は、香典返しなどのお返しは不要です。
ただ、「まったく何もしなくてもよい」というわけではありません。
弔電だけをいただいた場合でも、後日丁寧にしたためた御礼状を送ってください。
なお、この御礼状には句読点を打たないようにするのが一般的です。
これは、「滞りなく葬儀が終わりました」という意味が込められています。
何かと忙しい時期ではありますが、御礼状は葬儀後1週間以内に郵送するのがよいとされています。
また、この際は、必ず故人の名前をいれてください。
加えて、「略儀ながら」などと入れるようにするとよいでしょう。
必ず差出人の名前を書いて送りします。
内容は、
- 弔電をもらって感謝している
- 滞りなく式が終わったという報告
- 弔意を示してもらったことで、故人も喜んでいる
- 故人の生前同様、遺族を導いてください
と、まとめるのが一般的でしょう。
この記事のまとめ
弔電は、非常に長い歴史を持っているものです。
まだ電話が普及しきっていなかったころに、速やかに弔意を示せる手段として利用されてきました。
携帯電話やSNSが発達した今でも、葬儀の場における電報は、その存在理由を失っていません。
- 弔電は、とにかく速やかに送ることに意味があるものです。
このため、訃報を受け取ったらすぐに出すようにしてください。 - 通夜に間に合うように送るのが基本ですが、遅くても葬式・告別式には間に合うように手配することが必要です。
弔電の紹介は、葬式・告別式のときに行われるからです。
なお、NTTなどでは、19時までに申し込めばその日のうちに届くようになっています。 - 弔電は、インターネットもしくは電話で申し込めます。
どちらも難しくはありません。
電報は、台紙の値段と文字数、そして申し込む日時によって値段が変わります。 - 現在はプリザーブドフラワーや線香、お盆がついた電報もあります。
金額は500~1万6,000円以上と非常に幅広くなっていますから、「送りたい弔電の台紙」をしっかりと検討したいものです。 - 宛先は、葬儀会場もしくは喪主の家です。
なお、宛名は基本的には喪主にします。
なお、社葬の場合は葬儀を執りしきる人の名前とします。 - 弔電でつけられる敬称ですが、基本は「様」です。
社葬の場合は故人の役職名がよく見られます。
「実父=ご尊父様」などのように、喪主との続柄を表す言葉も敬称で記す必要がありますから、間違いのないようにしてください。
なお、忌み言葉は、葬儀同様、弔電でも避けるべきです。
キリスト教の葬儀などでは「お悔み申し上げます」という表記は積極的には使われませんが、あまり問題視していない専門サイトなどもあります。
あまり神経質になりすぎる必要もないでしょう。
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
以前は弔電といえばば、NTTしか取り扱いがありませんでしたが、他の業者が参入するようになってバリエーションも増えてきました。
申し込みもインターネットでできますし、文章も定型文だけで終わらせず、一文でもオリジナル文章を入れるケースが増えています。
台紙も薄い紙製のものから漆に蒔絵が描かれたもの、生花付き、プリザーブドフラワー付き、ふくさ付きなどさまざま。
どれを選んだら良いか悩んでしまう人もいますが、葬儀の現場ではシンプルなタイプほうが好まれます。
特に葬儀式場に直接送る場合は、後で自宅に持って帰らなければいけないため付属品が多いと困ると意見も少なくありません。
中には、台紙をはずして中身だけ整理して保管しておくという人もいます。遺族に対して、どのような言葉をおくりたいかという視点で弔電を考えてみると良いでしょう。
墓じまいを検討されている方
- 墓じまいはどこに相談するのかわからない
- 複雑な事務手続きをやりたくない
- 墓じまいにいくら必要なのか知りたい
親族や知人などに墓じまいを経験した人がおらず、不安に感じる人もいるかと思います。
また、今あるお墓を片付けることに抵抗感がある方もいるかもしれません。
しかし、大切なのはお墓をきちんと片付け、あとの供養に繋げていくことです。
ライフドットでは、墓じまいの複雑な事務手続きの代行、新しい墓地・霊園への引越しの提案までサポートします。
墓じまいで悩まれている方は、まず一度ライフドットにお問い合わせください。