故人に変わって確定申告、必要書類と控除額の計算方法を解説

確定申告書類と記入

ポイント:親が亡くなったら、遺産を相続した子は4カ月以内に親に代わって確定申告をしよう。

この記事の目次

  1. 死亡から4カ月以内に申告する
  2. 所得控除が適用される
  3. 準確定申告に必要な書類
  4. 医療費控除額の計算方法

死亡から4カ月以内に申告する

通常、所得税の確定申告は1月1日から12月31日までの1年間の所得について、翌年の2月16日から3月15日までの間に申告します。これに対し故人の確定申告(「準確定申告」という)は、相続人が1月1日から故人の死亡日までの所得を計算し申告します。

申告の期限は親が死亡し、相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内です。また、親が前年分を申告しないまま亡くなった場合は、前年の確定申告も相続人の義務となります。

申告先は、相続人の住所地ではなく、死亡した親の住所地の税務署なので注意が必要です。

故人が自営業の場合、相続人が確定申告を行います。故人が給与所得者の場合は、年収が2千万円を超える、給与以外の所得が20万円を超えるなどの例外を除き、勤務先で年末調整を行いますので 確定申告の必要はありません。

また、収入が公的年金のみで400万円以下の場合、確定申告は原則不要ですが、源泉徴収されていた所得税が還付される場合もありますので、各種控除などがある場合は申告するとよいでしょう。

所得控除が適用される

故人が1月1日から死亡日までに支払った医療費、社会保険料、生命保険料、地震保険料などは所得控除の対象になります。

配偶者控除や扶養控除に該当するかは死亡日の現況により判断します。

注意したいのが医療費控除で、死亡後に支払った入院費などは控除の対象になりません。

準確定申告に必要な書類

①故人の死亡日までの決算書
(サラリーマンの場合は死亡日までの源泉徴収票

②所得の内訳書

③生命保険・地震保険などの領収書

④医療費の領収書

⑤相続人の印鑑

⑥申告者の身分証明書

医療費控除額の計算方法

医療費控除額の計算方法

医療費控除額の対象になる医療費

医療費控除の対象になるもの医療費控除の対象にならないもの
・医師・歯科医師に支払った診療や治療の費用
・治療・療養に必要な医薬品の購入費
・療養上の世話をした保健師・看護師などの費用
・治療のためのあんま・鍼・きゅうの施術費
・介護保険制度の下で提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担額
・助産師による分娩の介助費用
・医師の診療を受けるための通院費用
・その他
・健康増進や疾病予防のための医薬品の購入費用
・健康診断の費用
・入院時の身のまわり用品の費用
・その他

■参照元
改訂増補 親の葬儀とその後事典
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平成20年9月30日 旧版第1刷発行 
平成29年5月26日 改訂版第1刷発行

著 者:黒澤計男 溝口博敬
発行者:東島俊一
発行所:株式会社法研

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