礼服の意味とそのマナー、シーン別・男女別・地域別で紹介
冠婚葬祭のときには、いつもとは違った服をまとうことになります。ハレの場にはハレの場に相応しい服を着ることになりますし、喪に服す場面ではそれに適した服を着ることになります。
この記事ではこのような疑問を解消!
- 「喪服については知っているけれど、詳しい使い分けが分からない」
- 「礼服の格式についてまではよく知らない」
- 「喪服は持っていない。礼服代わりに黒のビジネススーツ着て行ってもいい?」
- 「足が悪いので、スカートスーツを着られない。ほかの服を着て行ってもいい?」
ここでは、そんな疑問にひとつずつお答えしていきます。
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この記事の目次
礼服とは冠婚葬祭のときに着るフォーマルな服装
礼服とは、「儀礼のときに着る服装」をいいます。結婚式のときに着用する燕尾服(えんびふく)などが、これにあたります。また、重要な式典に出席する場合に着る服もこれに分類されます。
日本においては馴染みの浅いものではありますが、軍人などが大切な儀式に出席するときにまとう制服も、「礼服」とよばれます。また、喪服もこの「礼服」に分類されます。
葬式・告別式の時に着る服を「喪服」と呼ぶ
日本において、「礼服」がとりあげられるシーンで多いのは、やはり「結婚式」と「葬式・告別式」の場面でしょう。特に後者は「喪服」と呼ばれます。かつて喪服は白を基調としたものでしたが、現在は黒を基調としています。
シーンに合わせて選ぶのが大事!礼服の格式
礼服・喪服のマナーや選び方を知るうえでは、「礼服・喪服の格式」を学ぶことが非常に重要です。礼服・喪服には「格式」「格」があり、それを間違って着てしまうと、大変な失礼を働くことになります。
まずは、礼服・喪服の格式とその考え方について解説していきます。
正礼服
「せいれいふく」と読みます。また、「正喪服(せいもふく)」「正式礼服(せいしきれいふく)」と呼ばれることもあります。もっとも格式の高い装いを指します。喪主や家族、ケースによっては親族までがこれをまとうことになります。一般の参列者は、この正礼服を着てはいけません。
一般的な「ブラックフォーマル」とは異なり、光沢が一切ない素材で作られる服装をいいます。漆黒の服であり、それ以外の色は基本的には使いません(ただし、亡くなった方の配偶者などが、白い喪服を着ることはまれにあります)。
正礼服は非常に厳しく決められていること、またなかなか着慣れないものであることから、喪主や家族であってもこれを避け、準礼服を着ることもあります。特に現在ではこの傾向が顕著です。
準礼服
「じゅんれいふく」と読みます。また、「準喪服(じゅんもふく)」と読むこともあります。
これは、正礼服よりも格が一段落ちた礼服をいいます。ブラックスーツなどがこれにあたります。
準礼服は、もっとも汎用性の高い礼服だといえます。喪の場面においては、一般参列者であっても喪家側であっても着用することができるからです。また、一周忌までの間でもこれを着ることができるため、一着持っておくと非常に便利です。
なお、ここでは大きくは取り上げませんが、結婚式などにも着ていくことができます。
略礼服
「りゃくれいふく」と読みます。「略喪服(りゃくもふく)」と読むこともあります。
もっとも格が低い礼服・喪服をいいます。
ダークスーツなどがこれに分類されます。落ち着いた、地味な色の平服がこちらに分類されます。
ただ、「平服」といっても、Tシャツやジーンズを指すのではない点には注意が必要です。一般的には、グレーやブラック、濃紺などの色のスーツがこちらに分類されます。
かつて通夜は、「親族などの限られた人で送るもの」と考えられていました。しかし現在の通夜は、「取り急ぎ駆けつけるもの」「翌日の葬式・告別式には出られない人が出るためのもの」という考え方に変化していっています。
そのため、「通夜にだけ参加する人」が、「取り急ぎ駆けつけたこと」「用意などしていなかったこと」を示すために、この略礼服で出席する場合もあります。
ただ、通夜の場合は「略礼式でも構わない」というだけであり、これより格上の準礼服を着てはいけないというものではありません。
ちなみに略礼服は、原則として喪家・親族が着るべき服ではないと考えられています。ただ、亡くなった当日(仮通夜)や、三周忌以降の法事の場合は、喪家・親族がこれを纏うこともあります。
この「礼服・喪服の格の違い」は、礼服・喪服選びにおいて非常に重要になってきます。
参列者と親族の装いの違い
結婚式での装いがそうであるように、葬儀の場面でもこの「礼服・喪服の格」はよく問われます。
言うまでもなく、葬儀の場面でもっとも格式が高い服装をするべきなのは、喪主であり、故人の家族です。彼らは正礼服を着ることが基本です。しかし現在は準礼服を着る喪主・家族も増えています。
一般弔問客は、喪主・家族よりも格が上の礼服・喪服を着てはいけません。ただ、「喪主や家族が準礼服を着る場合、一般弔問客はそれより下の格式のもの、つまり略礼服を着る必要があるのでは」と考える必要はありません。喪主・家族が準礼服を着ていたとしても、一般弔問客はそれと同格の準礼服を着ることが許されます。
結局のところ、格のことを考えれば、一般弔問客は準礼服で訪れるのが一番失敗ないといえます。略礼服で通夜に伺ってもよいのですが、一部の解釈を除けば、「通夜には略礼式で行っても良い、ただし準礼服で行くのが無難である」ということになるからです。
なお、意外と葬儀の礼服と親和性の高いものが「結婚式の礼服」です。実のところ、男性の礼服(ブラックスーツ)は慶弔問わずに着ていけるものなのです。
この際に異なるのは「ネクタイの色(葬儀は黒、結婚式は白)」だけであるため、ブラックスーツを1着持っておけばどちらのシーンでも活躍させられます(一部、透ける素材などを使っているものは喪の場面では利用できません)。
女性の場合は黒の留めそでを結婚式に着ることがありますし、葬儀の場でも黒い着物を着ることがあります。しかしこの2つの間には、ブラックスーツの場合とは異なり、互換性がありません。喪服として着るものは、光沢がなく、質感も結婚式用の着物とは異なります。
礼服と黒いビジネススーツとの違い
ブラックスーツは「黒のスーツ」という印象をもたれることもありますが、単純に「色が黒ならばそれでよい」というものではありません。きちんと礼服として仕立てられたものをいいます。
この「ブラックスーツ」という言葉が誤解されやすいのには、ブラックスーツがかつては「略礼服(準礼服よりも一段落ちるもの)」に分類されていたことにもあるのかもしれません。この名残があってか、ブラックスーツ=黒いスーツ、と考えられるようになった可能性があります。
準礼服における「ブラックスーツ」は、一般的な「黒いスーツ」とは素材が異なります。ウールなどの高級素材で作られており、光沢もほとんどありません。襟のかたちやシルエットも異なります。
ブラックスーツは「準喪服」に分類されるものです。対して、一般的な黒いスーツは略喪服にあたります。そのため、一般的な黒いスーツが許容されるのは、「一般弔問客の立場で参列する通夜」までです(ただし、通夜の場合も、あくまで「黒いスーツは許容される」なので、ブラックスーツで行く方が無難ではあります)。
喪主・遺族・親族の立場の場合は、特段そのように示されていない限りは、黒いスーツで行くのはマナー違反ですから気を付けましょう。
老若男女別にみる!葬儀での正しい服装
ここからは、老若男女別に、葬儀における「正しい服装」について解説していきます。
女性の礼服
まずは女性の礼服・喪服について取り上げます。なおここでいう「女性・男性」は、「原則として18歳以上の男女であり、学校の制服は特になく、また年齢や体の状態による衣服の制限がない状態」を指します。子どもの礼服・喪服などについては後述します。
また、「女性男性」だけではなく、「和装か洋装か」「格式はどうなっているのか」によっても、内容は異なってきます。それぞれ解説していきます。
和装
正礼服
女性の和装の正礼服は、五つ紋が入った着物です。黒無地のものが使われます。
かつては、「お嫁に行くときは婚家の家紋が入った礼服を用意する」とされていましたが、現在は女性の実家の家紋が入っているものでもよいとされています。
礼服のなかには、既婚者と未婚者でまとうべき服装に違いがみられるものもあります。たとえば、結婚式のときに振袖を着られるのは未婚の女性に限る、などのようなものです。しかし女性の和装の正礼服の場合は、このような違いはありません。草履やハンドバッグは、黒い布を使ったものを選びます。
なお、かつて喪服は白を基調としていました。このため、白い喪服をあえて使うご家庭・地域もあります。
準喪服
女性の和装の服・喪服については、「準礼服と略礼服では大きな違いは見られない」と考える専門家もいます。ただこれを踏まえたうえで、「それでも、このようにして分けてみる人もいる」ということで、より詳しい分類分けをしている方の意見によって解説をしていきましょう。
準礼服の場合、紋は1つもしくは3つのものを選ぶことになります。黒色の着物でも構いませんが、茶色や灰色などの生地のものも許容されます。また、意外なところでは「紫色」も良いとされています。
不祝儀袋を包んで持っていく袱紗(ふくさ)の色も、紫色ならば慶弔どちらでも使えるとしてよくとりあげられますが、女性の着物でも同じことがいえるのかもしれません。
このような着物に、黒い帯を合わせます。靴や鞄は黒い布のものを選ぶのが基本ですが、革製の物でも構いません。
略喪服
準喪服の装いを略喪服として取り上げることもありますが、略喪服の場合は細かい柄が入った小紋を利用することができます。また、羽織を着ることもできます。ただしこの場合の羽織は略式扱いとなりますから、屋内ではぬぐようにしてください。
家紋が入った着物を選ぶ場合は、1つ紋か3つ紋までのものを選びます。すべての服・喪服に共通することではありますが、帯は黒い帯を選びます。
草履や鞄は、準礼服に準じます。
なお、「和装の方が洋装よりも格が高い」「喪主の男性が洋装ならば、その配偶者の女性は洋装にしなければならない」などのように誤解されることもありますが、これは誤りです。洋装と和装の間には格の違いはありませんし、喪主の男性が洋装であっても配偶者の女性が和装をしてはいけないという決まりはありません。
洋装
ここからは、女性の礼服・喪服としての洋装について取り上げていきます。あくまで体感的なものですが、現在は礼服・喪服として和装よりも洋装を選ぶ人の割合の方が多くなっているように感じられます。
正礼服
どのような礼服・喪服であっても肌を出すことは良しとされませんが、正礼服の場合は、特にこの基準が厳しいといえます。女性の場合は夏でも、そして短くても6分丈までのものを選び、スカートの長さもひざよりも下と決められています。
女性の洋装の正礼服としては、アフタヌーンドレスやワンピース、スーツなどがよく取り上げられます。現在では、「パンツスーツの喪服でも構わないのではないか」と考える向きもありますが、特段の事情(足が悪くてスカートを履くことが著しく困難であるなど)がない場合は、スカートを選びましょう。特にパンツスーツの場合は「略礼服」として扱われることが多いので、正礼服が求められる立場の場合は着用しないのが賢明です。
皇族の方々が、喪の儀式のときに帽子をお召しになっているのを見たことのある人もいるかもしれません。また、海外の映画などで、ベールをかぶっているのを見たことのある人もいるでしょう。
この帽子は「トーク帽」と呼ばれるものです。一般参列者が身に着けることは避けるべきですが、喪主・家族の立場ならばこれをかぶることができます。手袋とセットで用いましょう。なお、日本の文化では「改まった場所では帽子は脱ぐもの」と考えますが、このトーク帽は脱ぐ必要はありません。
ベールは、帽子と似て非なるものです。これはカトリック教の装いです。もちろん、カトリック教ならばこれをかぶっても構いません。
ただ、帽子にしろベールにしろ、日本の一般の葬儀ではそれほど馴染みのないものではあります。
準礼服
男性同様、ブラックフォーマルのスーツなどを着ることになります。また、アンサンブルタイプのものも着ることができます。露出を控えるのは正礼服と同じです。光沢のある生地は嫌われますが、ある程度デザインに融通はききます。
どの装いにもいえることですが、女性の礼服・喪服の場合、アクセサリーは基本的には着けません。着ける場合は、真珠(黒白どちらでも可)かブラックオニキス、あるいは結婚指輪のみ可とされています。また、ネックレスは必ず一連のものとし、二連のものは着けません。「悲しみが重なること」を避けるためです。
ストッキングと靴、鞄は黒いものを選んでください。靴と鞄は、金具がついていないものを選ぶとよいでしょう。
略礼服
グレーや紺色などのスーツの着用が認められます。また、スカートだけでなく、パンツスーツなどでの出席も可能です。地味な柄であるのならば、模様が入っていても構いません。またストッキングも、黒色だけでなく、肌色が許容されます(ただし黒色の方が無難ではあります)。
男性の礼服
ここからは、男性の礼服・喪服について取り上げていきます。
和装
正礼服
男性の場合は紋付羽織などを着ることになりますが、白襟は抜くようにします。
女性の場合同様、5つ紋のものを選ぶのが特徴です。
紋付き羽織袴は、黒羽二重(くろはぶたえ)と呼ばれるものを使います。多くの場合、これは正絹で仕立てられています。袴もまた、絹を素材として作られていることが多く、草履も畳がついたものを利用します。
準礼服と略礼服
男性の和装の「準礼服」と「略礼服」に関しては、専門家ごとで考え方が大きく分かれます。
「準礼服」に関してはそもそも取り上げることをしない場合もあれば、「準礼服と略礼服では異なり、準礼服は正礼服と同じだ」とするところもあります。このため、この2つの使い分けは非常に難しいでしょう。「正礼服とそれ以外」というかたちで分けられていると考えるのが適切かもしれません。
そのうえ、「羽織や袴の着用を」と呼びかけるところもあれば、「羽織や袴は必須ではない」と考える向きもあります。また生地の色も、「地味な色ならば構わない」と考える人と「黒がよい」とする人がいます。
家紋入りのものを選ぶのであれば1つ紋か3つ紋、色は黒が無難ですが、専門家の間でも見解が分かれている部分でもあるため、正礼服以外の場合は洋装を選んだ方が間違いないかもしれません。
洋装
正礼服
男性の洋装の場合はモーニングコート(ジャケットとベスト、パンツを合わせたもの)が正式です。この「男性の性礼服」も黒を基調としており、ジャケット・ベスト・靴・ネクタイは黒色のものを着用します。パンツに関しては、黒色もしくはストライプのものを利用します。金属類を用いる場合は、シルバーのものを使います。ベストの白襟は外します。これは慶事用だからです。
「モーニングコート」とあるように、この装いは通夜では使いません。通夜ではブラックスーツ(準礼服)を着用するのがよいかと思われます。ただ、不安な場合は、一度葬儀式場のスタッフに確かめるとよいでしょう。
準礼服
ブラックスーツ(ブラックフォーマル)を着用します。ネクタイや靴下、靴の色は正礼服に準じます。スーツは、ダブルでもシングルでも構いません。「黒のビジネススーツ」ではなく、フォーマルなウエアを選ぶようにしてください。
略礼服
略礼服の場合は、一般的な地味な色のスーツ(ダークスーツ)を着ることができます。ネクタイは黒色が基本ではありますがストライプなどの柄が目立たないように入っている程度のものならば問題はありません。
男性の身に着けるアクセサリーですが、結婚指輪は許容されます。ネクタイピンやカフスボタンは基本的にはNGです。ただし、タイピンの場合は、女性の場合と同様、オニキスや真珠ならば着けて行ってもよいとされています。もっともこのようなアクセサリーは、「着けていかなければならないもの」ではないので、迷った場合は着けないことを選ぶとよいでしょう。
子どもの礼服
制服のある学校に通っている子どもならば、制服で出るようにします。制服は、子どもにとってもっとも格式高い礼服となります。
制服がない場合は、年齢によって2通りに分けられます。
学齢期の子どもであるのなら、大人の礼服に近しい黒色のワンピースなどを選びましょう。
また、男児の場合は、制服に似たデザインのもの(黒いベストやブレザー、白シャツなど)に半ズボンを合わせるようにします。靴下と靴は黒を選びます。大人の場合はローファーは履きませんが、子どもの場合はローファーで問題ありません。
原色などの派手な色でないのであれば、スニーカーでも構いません。
もっと小さい子ども、小学校にあがる前の幼児の場合は、もっと洋服の制限がゆるやかです。地味な色(紺色や黒色)などの服で派手すぎない柄のものであれば、基本的にはデザインに制限はありません。
「幼児の服だと、地味な色のものがない」ということであれば、パステルカラーなどの淡い色合いのものを選んでもよいでしょう。
高齢者の礼服
女性の場合、パンツスーツは基本的には略礼服の扱いとなります。しかし高齢者や体が不自由な人の場合などは、足さばきがよいパンツスーツで出席しても構いません。礼服・喪服は体を動かしやすい服装とはいえませんので、体のことを一番に考えて、礼服・喪服を避けても構いません。黒い無地の服装であるのなら、礼服・喪服にこだわる必要はないでしょう。動きやすい格好を選んでください。
また、妊娠中の女性の場合や小さなお子さんを連れている人の場合も、動きやすい服装をして構わないと考える向きが多いといえます。マタニティ対応の礼服・喪服を借りる手もありますが、体調や動きに無理が出ないものにしましょう。
礼服の相場と購入先
礼服・喪服の相場と購入先を紹介します。
正礼服
インターネット通販などで買い求めることができます。相場はなかなか求めにくく、1万円台~5万円程度まで非常に幅が広いといえます。
なお、男性の正礼服はインターネット通販でもなかなかヒットしません。正礼服の場合は「喪主・遺族の立場」でしか着ることのないものです。このため、無理に買おうとせず、レンタルなどで済ませるのもひとつの方法です。
多くの葬儀会社が礼服・喪服レンタルを行っているため、相談をすれば買い求めるのが難しい正礼服についても手配してくれることでしょう。
準礼服
準礼服は、一般参列者も喪家側も着ることができる服装であるため、商品展開も豊富です。デパートなどに行けば必ず取り扱いがありますし、大手のショッピングセンターなどでも取り扱いがあるでしょう。
インターネット通販でも購入することができますし、もちろんレンタルも利用することができます。現物を見て選びたい人は店舗型を、急に必要になったという人はレンタルや通販を利用するようにしてください。
金額に関しては、1万円を切るものもあります。ただ、着る機会が非常に多いものでもありますから、5万円以上のものを買って丁寧に、長く使い続けるのもひとつの方法です。なかにはオーダーで仕立てる人もいます。
略礼服
改めて購入しなくても、手持ちのスーツを利用するかたちをとることもできます。購入する場合は、インターネットやショッピングセンターなどを利用するとよいでしょう。
値段の相場は比較的安く、1万円以下のものなどもそろっています。
インターネットでは、
から礼服を探してみてもよいかもしれません。礼服着用時にふさわしい髪形
礼服・喪服着用時は、髪型にも気を付けましょう。
男性の場合は、耳を出した短いカットであれば問題ありません。前髪が目にかかる場合は、ワックスなどでまとめると清潔な印象になります。ただし、匂いの強いワックスは使用しないようにしてください。髪の毛の色は黒色が基本です。
女性の場合は、明るすぎない色であれば染髪をしていてもあまり問題にはなりません。長い髪の毛は、黒のヘアゴムやバレッタなどでまとめるようにします。髪の毛は耳より上で結ぶと華やかな印象になりすぎてしまうので、耳より下の位置で結ぶのが基本です。
男性でも女性でも、髪の毛の色が明るすぎる場合は、黒のスプレーなどで染めるようにしてください。ただし、若くして亡くなった方の葬儀で、ご遺族が「いつもと同じ姿で、普段着の友人たちに送り出してほしい」などと特に希望を出された場合は、この限りではありません。
地方別にみる礼服の考え方
地域によって、礼服・喪服の考え方には多少の違いがみられます。たとえば、「あえて黒いネクタイを使わない地方などもある」などです。
また「コート」もその一つです。
礼装用のコートというものが販売されていて、10,000円台からでも買うことができます。これは、慶弔両方に使えます。なお、このコートは本来正礼葬用のアイテムです。
このようなコートを持っていない場合は、黒色や濃紺などの落ち着いた色のコートを使うことにします。光沢のない生地で作られていないコートであれば、なおよいでしょう。
コートは基本的には、葬儀会場に入る前に脱ぎます。
ただ、真冬の北陸地方であっても、外に出ている時間は決して長くはありません。駐車場から葬儀会場までの距離と、最後に棺をお見送りするときくらいです。そのため、ドアツードアで移動できるのであれば、コートがなくてもあまり問題にはなりません。実際、棺を見送る出棺のときには、ほとんどの人がコートを着用せずにお見送りをしています。
葬儀の常識は、地方ごとによって異なります。礼服・喪服は黒でまとめるのが基本ですが、地方によっては、「予想していたお別れではないこと」を示すために、あえて一か所だけ「葬儀の場にはふさわしくないもの」を用いるケースもあります。たとえば、ネクタイを日常使いのものにするなどです。
ただしこのようなやり方は、かなりリスキーなものです。特に、「自分の地元ではこうだったけれど、今回参列するのは違う地方の葬儀」などのような場合は、非常識な人と思われてしまいかねません。
「地方における葬儀の常識」は決して否定されるべきものではありませんが、このような選択をするのであれば、念のため、黒のネクタイも携帯するとよいでしょう。周りの人に合わせて付け替えると失敗がありません。
自分が喪家もしくは親族のときの葬儀以外での服装について
礼服・喪服は「通夜や告別式に出るときの格好」です。一般弔問客として出る場合は、この部分だけを考えておけばよいでしょう。しかし喪家や家族、親族として参加する場合は、控室などで過ごすときの装いも考えておかなければなりません。
この場合、そのご家族ごと、あるいは過ごす時間の長さによって装いが異なってきます。
たとえば一日葬や直葬の場合は、家から礼服・喪服を着てきてそのまま参列~解散とすることもあります。
ただ、宿泊を必要とする葬儀の場合は少し様子が異なります。
礼服・喪服とは、「快適に過ごすために作られた服装」ではありません。そのため、式の少し前になった段階で着替えるのが一般的です(和装の場合は、葬儀会社のスタッフが着付けに入ることもあります)。それまでの間は、過ごしやすい服装で過ごすことになります。
完全な普段着(少し派手なTシャツなど)で過ごす場合もあります。このあたりはケースバイケースですが、過ごしやすい服装を選ぶとよいでしょう。無難なのは、落ち着いた色のワンピースや、7分丈のシャツにスラックスなどを合わせる方法でしょう。「地味な普段着」を意識するのが一般的かと思われます。
礼服着用の歴史
最後に、礼服・喪服の歴史について紹介します。
かつて日本では、「白」が喪の色でした。明治時代まで白の喪服を着用して故人を贈っていたのです。この「白」は「新しくなること」「けがれなき色」として尊ばれていたのです。
女性が配偶者を送るときに着用する白の喪服が、現在も「二夫にまみえず(=あなたが死んでも再婚はしません)」の意味を持っています。
しかし明治以降、日本にも諸外国の文化が入ってきました。西欧諸国では喪の色を「黒」としていたところが多かったことから、日本もこれに倣う(ならう。真似する)ようになったと考えられています。
初めは宮中だけにとどまっていたこの考え方は、太平洋戦争勃発~終戦とともに庶民にも広がっていきました。礼服・喪服を着用する機会が増えた戦時中~戦後において、汚れやすい白い喪服は手入れが大変だと考えられたわけです。
このような歴史を経て、現在の「黒い礼服・喪服」が出来上がったのです。
まとめ
「礼服・喪服」には格式があります。正礼服・準礼服・略礼服です。正礼服は喪主や家族、親族だけが着るもっとも格式の高い装いです。準礼服は一般参列者でも喪家側でも着ることができます。略礼服は、通夜の場面などで着ることのできるもっとも格式の低い装いです。
新たに買い求めるのであれば、はん用性の高い準礼服が良いでしょう。インターネットでも店舗でも扱いがありますし、選択肢も豊富です。また、レンタルでも取り扱いがあります。
和装でも洋装でも格に違いはありませんが、現在は洋装を選ぶ人が多いようです。女性の場合はブラックのアンサンブルやワンピース、男性の場合はブラックスーツを着ることになります。鞄、靴、ストッキング(靴下)は黒でまとめましょう。
子どもは、制服があれば制服を着用します。ない場合は、制服に準じる格好もしくは地味な色のものを選びます。高齢者や妊娠中の女性などの場合は、動きやすい服装を選んで問題はありません。
礼服・喪服のブラックスーツと一般的な「黒いスーツ」は違うものです。また、喪主・ご遺族よりも格が上の礼服・喪服をまとうことは失礼になりますから、この点には注意が必要です。
礼服・喪服には、地方差もあります。コート着用の有無やネクタイなどは、特に地方差が出やすい部分なので注意をしたいものです。
かつては白色だった礼服・喪服が、黒色へと変化して庶民に浸透してからからもう70年以上が経ちました。これからも礼服・喪服のあり方は少しずつ変わっていくかもしれませんが、心がデリケートな状態になる喪の場面だからこそ、現在のマナーを把握して失礼のないように振る舞いたいものですね。
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しかし、お墓購入後に後悔することだけは避けたいですよね。
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