「葬儀の予約」について考える~葬儀の生前予約の特徴について
この記事では以下のような疑問を解消!
- 「自分らしい葬儀をしたい」
- 「できるだけ家族にかかる負担を減らしたい」
- 「葬儀のときにかかる金額について把握したい」
このように考える人もいるのではないでしょうか。
そんな人に考えてほしいのが、「葬儀の予約」です。葬儀の予約はデメリットもあります。しかしきちんと使いこなすことによって、「自分らしい葬儀」「家族の負担を減らすこと」が可能になるものでもあります。
この記事では「葬儀の生前予約」に焦点をあてて、その特徴やメリットデメリット、効力などについて解説していきます。また、生前予約と生前葬の違いについてもピックアップします。
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終活といっても、生前整理、葬儀、お墓の検討などさまざまです。
そのなかでも「お墓」は、一生に一度あるかないかの買い物ですね。
- 自分のライフスタイルに合ったベストなお墓はどういうものなのか知りたい
- お墓選びで複雑な手順を簡単に詳しく理解したい
- お墓選びで注意するべきポイントを詳しく知りたい
など、数々の不安を抱えている方が多いのではないでしょうか。
お墓の購入に関しては、初めての方が多いため、不安や疑問を持つことは仕方のないことでしょう。
しかし、お墓購入後に後悔することだけは避けたいですよね。
そのためにも複数の霊園・墓地を訪問して実際に話を聞き、しっかりと情報収集することをオススメします。
情報収集するために、まずは気になる霊園・墓地の資料請求をしてみましょう。
この記事の目次
葬儀の予約・手配をするタイミング
葬儀の手配は、通常、人が息を引き取ってから行うことになります。
現在は多くの人が病院で息を引き取ることになりますから、病院から電話を掛けて葬儀会社を呼び、故人を安置できる場所(特段の事情がない限りは、自宅)にお連れすることになります。
最初に呼び出した葬儀会社以外の葬儀会社を使って葬儀の手配をすることもできますが、多くの人は「故人をお連れした葬儀会社」にそのまま依頼することになるでしょう。
この「人が亡くなった段階」で一から葬儀会社を選ぶことは、もちろん可能です。近場の葬儀会社を選んだり、以前に親族や同僚などが行った葬儀を執り行っていた感じの良かった葬儀会社を選んだりする人が多いかと思われます。
ただ、家族が故人の葬儀に向けた心構えとして、また故人自身が生前にあたりをつけたり予約していたりした葬儀会社があるのであれば、その葬儀会社を使うことになるでしょう。
葬儀の手配にかかる時間
正確な数字はなかなか出しにくいのですが、亡くなってから半日も経たない間に業者を決めるご家庭が多いかと思われます。「亡くなったすぐ後に、故人をお連れするために使った業者を利用した」という場合は、2時間程度で業者を決めたことになります。
1日以上経ってから決めるケースもありますが、これはかなりレアなケースだといえるでしょう。
葬儀の手配は、人が亡くなった後にできるだけ速やかに行わなければなりません。
生前にすでに業者を決めておいたのならば問題はありません。ただそうではない場合は、忙しく感情の整理がつかない中で、葬儀会社を決定・手配をすることになります。
※なお「業者を決めておく」は、「実際に葬儀会社を予約していた」という場合に限りません。たとえば、「候補として具体的な葬儀会社の名前を挙げていた」なども含まれます。
このように「すぐに葬儀業者を決めなければいけないこと」は、しばしばご家族にとって大きな負担となります。
感情面で整理がついていないなかで業者を決めなければならないというプレッシャーもあるでしょう。また十分に情報やクチコミなどを検討できずに決めてしまったせいで、よろしくない葬儀会社(あるいは葬儀会社自体には問題はないものの、ご家族の価値観と相違がある葬儀業者)にあたったりする可能性もあります。
その結果、「最後のお見送り」が悔いのあるものになってしまった、という方もいらっしゃいます。
このような後悔が起きるリスクは、事前にある程度葬儀会社の見当をつけておくことである程度対応が可能です。
ただもっとも望ましいのは、「本人が、自分の葬儀を生前予約すること」でしょう。
葬儀の生前予約、その種類
葬儀の生前予約とは、簡単にいえば、「葬儀に向けて、生前に予約をしてしまうこと」を言います。ただこの「葬儀の生前予約」という言葉には、数多くの意味があります。
「葬儀の予約」は、日本においてはまだなじみの浅い文化であります。そのため、葬儀会社ごとによって、また利用者によって、単語の解釈が異なるのです。
そしてこの「単語の解釈の違い」は、大きな食い違いや問題を引き起こすこともあります。
よって、事前に「自分の考える『生前予約』と、その葬儀会社が考える『生前予約』は本当に一致しているのか」、「葬儀会社のいう『生前予約』とは何を指すのか」を確認しておかなければなりません。
現在、日本において提供されている「葬儀の生前予約」は、大きく分けて下記の3つだと思われます。
- その葬儀会社の会員になり、申し込むところまで
- プランもある程度決めておき、見積もりを出すところまで
- お金を振り込むところまで
ひとつずつ見ていきましょう。
1.その葬儀会社の会員になり、申し込むところまで
1の場合は、事前にその葬儀会社の会員になるところまでを指すプランです。
事前に加入しておくことで、実際に葬儀を行うときにさまざまな特典を受けることができます。たとえば葬儀料金が20パーセント程度安くなったり、お見舞金が出たりするなどです。
なおこれはしばしば「互助会」と混同されます。実際互助会の制度をもって「会員」としているところもありますが、「互助会ではない。積み立ての必要もない。入会金10,000円を払ってもらうだけでサービスを受けられる」としているところもあります。
このため、その葬儀会社が言う「会員」とはどのようなかたちのものを言うのかはしっかり確認しておく必要があります。また、会員になるための費用がいくらかかるのか、積立式なのかなども確認しましょう。
1のケースでは、実際の葬儀プランは亡くなった後に決めることが多いといえます。ただし、希望をすれば事前にある程度候補となるプランや見積もりを出してくれることもあります。
2.プランもある程度決めておき、見積もりまで出す
2の場合は、もう少し踏み込んだ内容です。
その人の年齢などから葬儀の規模を割り出し、概算を出します。これはあくまで「概算」であって、実際には違うプランを利用することもできます。ただ、ある程度金額の算段がつけられるという点では非常に有用です。
2のケースの場合、葬儀会社の特徴を知ったり候補を絞り込んだりする目的で使うことができます。現在は葬儀の一括見積もりサービスも提供されていますから、これを利用するのもよいでしょう。
一括で出された見積もりのなかで、「ここの葬儀会社がよさそうだな」と思ったのならば、より突っ込んだ見積もりや質疑応答をしてもらうことができます。
契約にまで至らなかったとしても、「亡くなった時に連絡すべき葬儀会社」の候補を見つけることができます。
3.お金も振り込む
3は、もっとも多くのお金が動くことになる「生前予約」です。
プランまでをしっかり組み立て、お金も振り込みます(お金の動きに関しては、葬儀会社ごとで違いがみられます)。
自分の理想とする葬儀を作りたい人や、家族の負担を軽減したい人に向いています。
ただ、リスクもある方法です。
今回は、特段の表記をしない限り、この3を「葬儀の生前予約」として取り上げます。ただ、繰り返しにはなりますが、その葬儀会社の考える「生前予約」が1~3のどれにあたるかを確認して初めて、3の「生前予約」ができることは忘れないでください。
次の章からは、より細かく、生前予約(「プレニード」)について取り上げていきます。
終活の影響?最近では葬儀予約する人が増えている
葬儀の生前契約は、「プレニード」という言葉で呼ばれることもあります。これについて解説していきましょう。
葬儀の生前予約(生前契約)を「プレニード」と呼ぶ
プレニードは、生前予約(生前契約)のなかでも、「生前に契約を結び、費用の支払いを行うあるいは費用の支払いまでを実際に済ませておくこと」をいいます。
「プレニード」とは、海外を発祥とする文化です。アメリカでは葬儀社全体の98パーセントが、この「プレニード」を扱っているとされています。また、全体の葬儀のうちの15パーセントが、このプレニードによって行われています。
プレニードは「生前予約」のほかに「生前契約」と特に分けて表記されることもあります。今後の「生前予約」は、特段の記載をしない限りは、「プレニード(生前予約・生前契約)」を指すと考えてください。
出典:碑文谷創 事務所「葬儀や墓の知識 葬儀の生前契約」
生前に葬儀を予約するメリット
生前に葬儀を予約する(プレニードを行う)メリットは、主に以下の3つに分けられます。
- 希望通りの葬儀を行うことができる
- 家族の金銭的負担を軽減できる
- 家族の手間を軽減できる
1.希望通りの葬儀を行うことができる
「自分らしい葬儀を行いたい」と考える人にとって、プレニードは非常に有効な手段です。自分自身が生きているうちに、自分自身の求めるかたち、求めるやり方で契約ができるわけですから、自分好みの葬儀を作り上げることができます。
現在はエンディングノートに希望の葬儀のかたちを書いておくやり方も広まりつつありますが、自分自身で契約を済ませてしまった方が確実です。
エンディングノートには法的な拘束力はありませんし、疲れ切った状態の家族が忙しいなかで「希望通りの葬儀を行える葬儀会社」を探すのはなかなか難しいからです。
2.家族の金銭的負担を軽減できる
「このデータをどうみるか」は人によって多少異なりますが、一般的に葬儀にかかるお金は200万円程度だとされています。
現在は葬儀の規模の縮小化に焦点も当てられていますが、それでも少なくないお金が出ていくのはたしかです。これに加えて、お墓を建立する場合はさらにお金もかかります。
しかしプレニードよってお金を払いこんでおけば、家族の金銭的負担を軽減することができます。
また、「口座が凍結されてしまったのでお金が下せない」などのトラブルも起きにくくなります(ただし金融機関によっては、葬儀費用に使う分としてお金を下ろす分にはある程度融通をきかせてくれる場合もあります)。
加えて、葬儀会社としても利益をしっかりと確保できるため、葬儀費用を値引きするなどの措置がとりやすくなります。
「お金をかけない葬儀を行うことが希望」という場合も、プレニードならば、しっかりと打ち合わせをしたうえで、本人が不要だと考える部分をすべて削るやり方をとることができるのです。
3.家族の手間を軽減できる
大切な人を見送ったご家族が、葬儀会社を決めるまでにかけられる時間は決して長くはありません。
非常に慌ただしくなりますし、気持ちも落ち込むなかで手配をしていかなければなりません。これはとても大変なことです。また、忙しいなか、慌ただしいなかで決めていった結果、「あれもしてあげられなかった、これをしてあげたかった」という後悔が残ることもあります。
プレニードを利用することで、家族の手間を軽減でき、また家族が抱くことになるかもしれない後悔のリスクを減らすことができます。
生前に葬儀を予約するデメリット
葬儀の生前予約(プレニード)は基本的には歓迎されるものですが、デメリットもあります。
終活についても同じことが言えますが、日本では、「生きているうちに死んだ後のことを考えるのは縁起が悪い」と考える向きがあります。このため、プレニードを利用することに対して、家族からの反対が出る可能性もあります。
また、「自分はこのようなかたちの葬儀を希望するが、家族は反対している」などの状況に陥ることもあります。
プレニードに限ったことではありませんが、葬儀関係のことに関しては、家族と考え方をすり合わせる必要があります。
生前葬と生前予約(生前契約)の違い
「生きているうちに死んだ後のことを考える」という点では、「生前葬」も生前予約(生前契約)も同じです。しかしこの2つは、決定的に違う点があります。
生前葬とは、生きている間に葬儀を行うことをいいます。この「生きているうち」にはさまざまな考え方があります。まったく健康上の不安がない元気な状態で行う場合もありますし、すでに余命が宣告されており少しでも自由がきく間に行う場合もあります。
どちらにしろ、生前葬は「生きているうちに、お世話になった人に感謝の気持ちを伝えたい」という目的で行われます。自由度が高く、また自分の口で気持ちを伝えられることからも、注目を浴びている方法です。
生前予約(生前契約)の場合は、葬儀を行うのはあくまで「亡くなった後」です。生前に自分の口から気持ちを伝える生前葬とは、この点が明確に異なります。
ただ生前葬を行った場合であっても、実際に亡くなった後にはもう一度葬儀を挙げるケースが大半だといわれています。
以上のことを考えていくと、日本人にとって違和感が少なく、費用も少なくて済む、生前予約(生前契約)の方が生前葬よりも現実的な選択肢となるでしょう。
生前予約・生前契約の効力について
生前予約(生前契約)はさまざまなメリットがあるものですが、同時にリスクもあるものです。
まず、生前予約(生前契約)はまだ日本に根付いていない文化です。そのため、契約の面でもまだ戸惑いが大きいところでもあります。
ここでは、「生前予約(お金の動きを必要としない)」と「生前契約(お金が動く)」を分けて考える必要があります。
生前予約までの段階ならば、それほど神経質になる必要はありません。お金が動くとしても会費の10,000円程度であることが多いからです。
※ただ、互助会を利用するのであれば、予約解除のときの払戻金に関する規約などについてはしっかり確認しておく必要があります。
対して、生前契約の場合は少し様子が異なります。生前契約では前払い制と後払い制がありますが、前払い制を利用してしまった場合、その葬儀会社が倒産した場合にはどうするのかなどの問題が生じてきます。
生前契約の場合であっても葬儀後に支払う契約ならば大きな問題にはなりませんが、前払い制で支払う場合には注意が必要です。
葬儀の生前予約とお墓の生前購入のメリット
葬儀の生前予約(生前契約)を考える人は、「死後の自分のあり方」「家族の負担軽減」に強い関心を持っている人だと思われます。そんな人に合わせて考えてほしいのが、「お墓の生前購入」です。これは、葬儀の生前予約(生前契約)と非常に親和性の高いものです。
お墓は、生前に購入しておくと「祭祀財産(さいしざいさん)」として扱われます。この祭祀財産は、祭祀継承者(さいしけいしょうしゃ)が受け継ぐことになるものであり、相続税の課税対象外とされます。
「故人が遺したお金でお墓を購入する」とした場合、まずはそのお金に相続税がかかり、そこからお墓を買うことになります。しかし生前に購入しておけば、その分には相続税がかからないので節税対策となるのです。
なお、仏壇も同じように祭祀財産として扱われます。ただ、ローンの場合はこの限りではないので、現金で一括購入する方がよいでしょう。
また、常識的に見て、あまりにもぜいたくすぎるお墓や仏壇、仏具などは、「課税逃れを目的としている」と判断され、祭祀財産としてみなされないこともあります。
葬儀の予約をする人は喪主を務める人もしくは本人
葬儀の生前予約(生前契約)を予約する人は、
- 喪主を務めることになる人(子どもや配偶者が多い)
- 本人
のいずれかです。
長患いをしていて遠からず……と覚悟しているときに家族が生前予約(生前契約)を行うこともありますし、終活の一環として本人が生前予約(生前契約)をすることもあります。生前予約(生前契約)をするタイミングや理由は、ご家庭ごとでさまざまです。
ただいずれの場合であっても、ご家族との連携・理解なくしては生前予約(生前契約)をすることは避けるべきでしょう。よく話し合って決めていくべきです。
また、葬儀会社によって生前予約(生前契約)の考え方や方法が異なる場合もあります。事前に確認をとっておいた方が安心です。
なお、ここでは「本人が行う場合」を想定しています。
葬儀の予約をするときに確認すべき点
生前予約(生前契約)を行う前には、以下の4つのポイントに注目しましょう。
- 運営団体が倒産のリスクがないか
- 自分の話をしっかり聞いてくれるか
- 家族との合意はとれているか
- 葬儀の大きさやかたちは妥当なものか
運営団体が倒産のリスクがないか
大きなお金が動いたり、前払い制の生前予約(生前契約)だったりする場合は、特にこの観点が重要です。万が一その葬儀会社が倒産してしまった場合、振り込んだお金はどこにいくのか?が問題になるからです。
その会社が倒産するリスクがあるかどうかを確実に見極める方法はありません。
ただ、比較的長い間経営を続けている会社であったり、葬儀ディレクターをたくさん抱えている葬儀会社であったり、大資本の葬儀会社であったり、良いクチコミが集まっている葬儀会社であったりする場合は、比較的リスクが低いといえるでしょう。
絶対に倒産しない!とまでは言い切れませんが、このような観点から葬儀会社を見ていくのは有効です。
自分の話をしっかり聞いてくれるか
生前予約(生前契約)をしたいと考える人は、「家族の負担を減らしたい」「自分好みの葬儀にしたい」という思いが強いでしょう。その思いにしっかり寄り添ってくれる葬儀会社を選ぶことが重要です。
希望する演出をしてくれるかどうか、予算内で納まるかどうかなどを中心に、打ち合わせをしていきましょう。そのときに、話をちゃんと聞いてくれるかどうかも見ておいてください。
契約を急がせてきたり、お仕着せのプランの提案のみしかしてこなかったりする葬儀会社は、黄色信号です。
なお、誠実な葬儀会社であっても、物理的に「このような演出は難しい・できない」となることもあります。その場合は葬儀会社を変えるか、その葬儀会社でもできる演出に切り替えるかを検討しなければなりません。
家族との合意はとれているか
生前予約(生前契約)において、「家族の合意・同意」は非常に重要です。これがきちんととれていないと、家族間にひびが入ってしまいかねません。また、葬儀が理想のかたちで行われなくなってしまう可能性があります。必ず事前にきちんと話し合いましょう。
葬儀の大きさやかたちは妥当なものか
葬儀の大きさやかたちが妥当なものかを検討することも重要です。もちろん、「父は100歳を超えている。たとえ人があまり来なかったとしても、大規模な葬儀で見送りたい。最後の親孝行だ」などのように思っているのであれば、大規模な葬儀をしても構いません。
しかし一般的には、参列者の数を基準にして葬儀の規模を決めていく方法がとられます。
また、花祭壇(花で祭壇を作る方法。近年広まってきている)で送るのか白木祭壇(白木で祭壇を作る方法。昔から見られる方法)で送るのか、演出はどうするのかなども考えておきましょう。
葬儀のかたちに「正解」はありませんが、生前予約(生前契約)の場合はこの点の要望を通せるものです。希望する葬儀の大きさやかたちを考えておき、それを叶えられる組み立てをしてくれる葬儀会社を選びましょう。
また、「どれくらいの規模にするのが妥当か分からない」という場合は、葬儀会社のスタッフに相談してください。必ず答えが得られるはずです。なお、その答えを聞いたうえで、ほかのプランや規模を希望することはもちろん可能です。
まとめ
終活の広がりを受けて、「葬儀の生前予約(生前契約)」という考え方が広まってきました。
しかしこの「葬儀の生前予約(生前契約)」には、さまざまな種類があることを忘れてはいけません。
- 会員になるところまで。詳細なプランなどは、亡くなった後に決める
- プランを練るところまで。金額の予想がつきやすい
- 振り込みや契約まで。金銭的な負担を軽減させやすい
どれも「生前予約」と呼ばれることがあるものです。この3つのスタンスのうちどのスタンスをとるかは葬儀会社ごとによって異なるため、事前の認識のすりあわせが必須です。
生前予約(生前契約)は、喪主となる人もしくは本人が行います。喪主となる人が行うか本人が行うかで多少の違いはありますが、
- 自分好みの葬儀をつくることができる
- 家族の金銭的負担を減らすことができる
- 家族の手間を減らすことができる
というメリットがあります。
なお、2を主な目的とする場合は、お墓や仏壇の生前購入も検討しましょう。これらは「祭祀財産」にあたるため、生前に購入しておけば相続税の課税対象外とされます(一般常識的にみて、不要なほどに豪華なものは除きます)。
ただし生前予約(生前契約)を本人が行う場合は、家族の理解が必須です。「まだ生きているのに死んだ後のことを考えるなど縁起が悪い」と反対されてしまい、家族間で溝ができてしまう可能性もあります。
生前予約(生前契約)と生前葬は、「生きている間に、葬儀関係のことに着手する」という点では一緒です。しかし生前葬の場合は、生きている間に葬儀自体を行います。対して生前予約(生前契約)では、葬儀を行うのはあくまで亡くなった後となります。
ただ、生前葬を行った場合でも、「実際に亡くなったらまた葬儀をする」としているケースがほとんどです。生前葬は自分の口からお世話になった人にあいさつができるというメリットはありますが、お金がかかるものでもあるため、生前予約(生前契約)の方が現実的です。
生前予約(生前契約)を行う場合は、「効力が及ぶ範囲」についても確認しましょう。前払い制でお金を払うのであれば、特に確認が必要です。
その葬儀会社が倒産した場合はどうなるのかを考えておかなければなりません。このため、契約の前には、その運営団体の倒産のリスクについて調べる姿勢が求められます。また、自分の話をきちんと聞いてくれるか、大きさや規模は妥当なものかも確認しましょう。
人が亡くなると、
- 死亡診断書の交付
- 葬儀会社への連絡
- ご遺体の搬送~安置
- 打ち合わせ
- 通夜
- 葬式・告別式~出棺
- 火葬
という流れをとることになります(一般葬の場合)。
生前予約(生前契約)をしておらず、かつ事前に何の情報も集めていない場合は、1~2のときに「どこに連絡したらいいかわからない」という事態に陥ります。
「とりあえず近場の葬儀会社に連絡をして、そのままその葬儀会社にお願いをした。しかし満足のいくお別れができなかった」などの状況になることもあるでしょう。
極めて短い時間でさまざまなことを決めていかなければならないこと、また非常にセンシティブな状態で多くの人に配慮して葬儀を組み立てなければならないことは、家族にとって大きな負担です。これを避けるためにも、生前予約(生前契約)は有効です。
「生前予約(生前契約)」の考え方は、日本ではまだまだ一般的ではありません。ただ、生前契約(プレニード)はアメリカの葬儀会社のうち98パーセントが取り入れている制度ですし、実際に15パーセント程度の人がこれを利用しています。
今後は日本でも広まっていくかもしれません。葬儀のかたちに正解はありませんが、「自分の好きな演出をしたい」「家族の負担を減らしたい」と思う人にとっては、有用な選択肢となるでしょう。
ライフドット推奨
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そのなかでも「お墓」は、一生に一度あるかないかの買い物ですね。
- 自分のライフスタイルに合ったベストなお墓はどういうものなのか知りたい
- お墓選びで複雑な手順を簡単に詳しく理解したい
- お墓選びで注意するべきポイントを詳しく知りたい
など、数々の不安を抱えている方が多いのではないでしょうか。
お墓の購入に関しては、初めての方が多いため、不安や疑問を持つことは仕方のないことでしょう。
しかし、お墓購入後に後悔することだけは避けたいですよね。
そのためにも複数の霊園・墓地を訪問して実際に話を聞き、しっかりと情報収集することをオススメします。
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