初盆とは?通常のお盆との違いや準備物・マナーについて解説
人が亡くなった場合、行うべきは「葬儀」だけではありません。その後にもさまざまな法事を行っていくのが一般的です。
今回はそのなかから、「初盆」についてとりあげます。
この記事ではこのような疑問の解消!
- 「初盆っていったいどんなもの?」
- 「初盆と通常のお盆の違いとは?」
- 「初盆を家で行うときの手続きを知りたい」
- 「初盆に参加する場合、どんなマナーを守ればいいの?」
など、ここでは「初盆の基礎知識」と「初盆のマナー」について取り上げていきます。
初盆は、ほかのお盆とはまた異なる意味を持つものです。初盆を迎える家には相応の準備と知識が求められますし、初盆に参加する人にもマナーが求められます。
葬儀とは異なり初盆はある程度時間をかけて準備ができるものですから、初盆に関する知識をつけて、滞りなく執り行えるようにしたいものです
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この記事の目次
初盆とは「故人が亡くなり49日を過ぎた後、初めて迎えるお盆」
初盆とは、「故人が亡くなってから49日を過ぎた後に、初めて迎えることになるお盆」をいいます。
「初盆」は「はつぼん」もしくは「ういぼん」と読みます。また、「新盆(にいぼん・あらぼん)」「盂蘭盆(うらぼん)」と表記されることもありますが、すべて同じものです。体感的には、「はつぼん」もしくは「にいぼん」と呼ばれることが多いかと思われます。
初盆に限らずお盆は、「亡くなった人が家に戻って来る日」ととらえられています。そのため、家族は故人が心地よく過ごせるようにするために、さまざまな手配をします。「ナスビの牛、キュウリの馬」は比較的有名でしょう。
初盆の場合はさらに、初めて故人をお迎えするものであるという観点から、ほかのお盆のときよりも手厚く供養の儀式が行われるのが一般的です。
初盆においては、ほかのお盆にはあまり見られないさまざまな行事が伴います。「法要」がその代表例です。ほかのお盆においては法要までは行われないことが多いのですが、初盆の場合はほぼ必ずこの「法要」が行われます。
ここからは、初盆の日程などについて詳しく解説していきましょう。
初盆の「時期・日程」 | 故人が亡くなって49日以降に初めて迎えるお盆。 日程は8月13日~16日の間が多い。一部地域では、 7月13日~16日にかけて行われることがある。 |
---|---|
初盆で「やること」 | 法要(僧侶の読経、焼香)、会食、お墓参りが基本 |
初盆を行う「場所」 | 自宅 又は 法要施設 |
初盆をとり行う「人」 | 一般的に「喪主を務めた人間」が行うことが多い |
法要のタイミングで遺骨のご納骨を
「法要」と「納骨式」を同じ日にされる人は多いです。
なぜなら「法要」はお寺さん・ご家族が一気に集まるタイミング。納骨式を同じ日におこなえば、後日「納骨式」を設定する負担を減らせます。
- 樹木葬・納骨堂・永代供養墓 の場合:最短2週間で納骨できる
- 一般墓 の場合:最短2~3か月で納骨できる
まずは気になる霊園を探してみましょう。お電話ではお客様の希望にそった霊園を提案させていただくこともできます。
初盆の適切な時期・日程を紹介! 8月に故人が亡くなった場合の初盆はいつ?
初盆が行われる時期は、8月もしくは7月です。また、初盆は、一般的には「故人が息を引き取って49日をすぎた後の初めてのお盆」に行うのが一般的です。これについて詳しくみていきましょう。
初盆は49日以降に迎えるお盆を指す
さて、初盆とは「人が亡くなってから49日がすぎた後に行われる初めてのお盆である」としました。
ただここで頭を悩ませることになるのが、「それでは7月に亡くなった場合はどうする?」「6月の終わりになくなった場合は?」というものです。
- 7月の終わりに亡くなった場合
たとえば2019年の7月20日に亡くなった場合、亡くなってすぐにやってくるのは「2019年のお盆」です。
しかしこの場合、亡くなってからまだ49日が過ぎていないので、2019年の8月に初盆を行うことは原則としてしません。
これは仏教の死生観にもよると考えられています。仏教では、一部の宗派(浄土真宗)を除き、「亡くなった方は49日間をかけて旅をして、最後の日にどこにいくかが決まる」と考えます。お盆は亡くなった方・旅が終わった後の方を迎えるための儀式です。旅をしている最中はまだ帰って来ることができませんから、49日が終わる前はまだお盆の儀式を行わないのです。
このため、2019年の7月20日に亡くなった場合は、初盆は2020年の8月となります。 - 6月の終わりに亡くなった場合
もう少し難しいのが、「2019年の6月25日に亡くなった」などの場合です。この場合、単純計算をすれば、49日目が2019年の8月の13日となります。
四十九日法要は「49日より少し前の日付け(多くは直前の土日)」に営まれます。これらを考えれば、「2019年の8月」に初盆を行っても良いことになります。ただ、このような日程の場合、非常に慌ただしくなります。
「49日より少し前の直近の土日」は、2019年の場合は8月10日もしくは11日です。四十九日法要は非常に重要なもので、初盆よりもなお多くの準備を必要とします。このため、期日的にいえば、「四十九日法要を営んだ1週間後に初盆を行うこと」は可能ですが、あまり現実的な話ではありません。遠方の親戚などは、場合によっては2回に分けて休みをとる必要がでてきます。
この場合、以下の選択肢が考えられます。
- 初盆と四十九日法要を一緒にして行う
- 初盆は翌年にまわすこととして、8月には四十九日法要だけを行う
どちらが良い・悪いと言えるものではありませんから、家族で相談し合って決めましょう。菩提寺の住職と親しく付き合っていれば、住職に聞いてもよいかもしれません。また葬儀会社は、「葬儀が終わったら関係が終わり」というものではなく、法要についての相談も乗ってくれます。葬儀会社に相談するのも良いでしょう。
亡くなった時期 | 初盆のタイミング | 特記事項 |
---|---|---|
2019年4月20日 | 2019年の8月 | |
2019年の7月20日 | 原則として2020年の8月 | |
2019年の6月25日 | 2019年の8月もしくは2020年の8月 | 2019年に行う場合は四十九日法要と一緒に行う 2020年の場合は1年をかけて準備ができる |
一部地域では7月にお盆がくる~新暦と旧暦の話
日本において会社にお勤めしている人は、「お盆休み」が8月半ばの10日~17日くらいの一週間程度ある方が多いのではないでしょうか。
このため、「お盆=8月」と思われがちです。たしかに8月にお盆を迎える地域は全国的に多くみられます。しかし地域によっては、7月の半ばにお盆を行うこともあります。
この「1か月のずれ」を理解するためには、「旧暦と新暦」について知らなければなりません。
かつて日本では、「旧暦」と呼ばれるこよみが使われていました。これは、月が新月になる日を、ひと月の始まりとする考え方です。
ただ、新月になるまでには29.5日程度しかかかりません。そのため、徐々にずれが生じるようになります。このようなこともあり、日本では明治5年から「新暦とする」としました。
この結果、「旧暦で計算した場合は7月の13日~16日程度がお盆の時期であり、新暦で計算した場合は8月13日~16日程度がお盆の時期である」という状況が誕生したわけです。
ただ「旧暦を、単純に新暦に移し替えてお盆を行うこと」は多くの戸惑いを引き起こしました。新暦の7月半ば(旧暦における6月半ば)は農繁期であり、非常に忙しい時期です。そのためか、旧暦の7月半ば(新暦における8月半ば)にお盆を行う地域が増えたのです。なおこれを、「月遅れ盆」と呼ぶこともあります。
現在ではこの「月遅れ盆」の方がメジャーになり、現在の新暦における8月にお盆を行うのが一般的となりました。しかし、一部の地域ではいまだに旧暦の7月にお盆を行っているのです。
この「お盆の時期の違い」は、意外なほどに根深いものです。
ひとつの地域に生まれ育っている人の場合、自分の地域の「お盆の時期」が全国共通だと思い、、ほかの地域に行ったときに戸惑いを覚えてしまうこともあります。特に初盆は非常に大事なものですから、「その地域におけるお盆が、7月なのか8月なのか」はしっかりと確認しておく必要があります。
またこれ以降は、特に記載をしない限り、「お盆とは8月の半ば(13~16日)に行われている」と考えてください。
「いつ初盆を行うか」について見てきたところで、次は、「それではそもそも初盆とはどのような歴史を持つのか」「昔の初盆と今の初盆ではどのように違うのか」についてみていきましょう。
初盆の歴史ついて
初盆の歴史について知るためには、初盆を表すもうひとつの言葉である「盂蘭盆(うらぼん)」に注目する必要があります。
盂蘭盆とは、「盂蘭盆教」と呼ばれる経典(仏の教説を書き留めた書物)が元となった言葉とされています。盂蘭盆教とは、地獄で逆さづりにされて苦しんでいる母親を救いたいと願った仏弟子が、釈迦にどうすればよいか聞いたところ、「(現在のお盆にあたる時期)に、高い徳を持った僧侶の供養を行えば、母の苦しみも救われる」と返ってきたといいます。そして実際に行ったことで、母を苦しみから救えたとされています。
この話が由来となり、「お盆には先祖を供養し、お迎えしよう」と考えられました。
日本においては、この「お盆」という文化は606年に推古天皇によって行われたのが初めだといわれています。葬儀の文化がそうであるように、かつては上流階級によってのみ行われていたこれらの行事は、時代を経るに従い、庶民の間にも浸透していきました。
現在の初盆、昔の初盆
現在と昔では、初盆の迎え方も変わって行っています。そのひとつの例が、「花」です。
かつて法要のお花といえば、菊が主流でした。もちろん今でも菊は非常に愛されている花ですし、一般的なマナーとしては「色は明るいながらもある程度薄く、トゲがなく、手入れがしやすい花を選ぶべき」とされています。
しかし現在では、「故人が愛したお花ならば良いのではないか」「ご家族が希望する花ならば良いのではないか」「紫や青色の花でも構わない」と考える人も多くいます。
葬儀と同じように、初盆もまた、「その人にあったお出迎え方法」が選ばれる傾向にあるといえるでしょう。もっとも、判断がつきにくい場合は一般的なマナーにのっとった振る舞いをすることをおすすめします。
次の項目からは、自分が初盆を執り行う側(葬儀における喪家側)となったときの流れやマナーについて紹介していきます。
初盆の当日の流れ~一般的なモデルケース~
初盆の一般的な流れは以下の取りです。
- 仏壇を整える
- 僧侶の挨拶と読経
- 焼香
- 僧侶へのお礼
- お墓参り
- 会食
まず、一般的な常識として押さえておきたいのが、初盆を執り行うのは喪家(そうけ、人が亡くなった家を指す)であり、初盆を執り行うときの代表者は喪主を務めた人間である、ということです。
特例として、「妻を亡くした夫が喪主を務めたが、妻が亡くなったときの対応をめぐって夫と妻側の親族が対立している。そのため、初盆は子どもたちが中心となって行う」という場合もありますが、特段の事情がないかぎりは喪主を務めた人間がそのまま初盆の施主となります。初盆は施主と、その家族が中心となって行っていきます。費用も原則として施主側が負担します。
それでは実際の流れを詳しく見ていきましょう。
仏壇を整える
まずは仏壇を整えます。仏壇の整え方に関しては、宗派ごとに違いがみられます。インターネットなどで調べることができますが、葬儀会社との付き合いが続いているのであれば葬儀会社のスタッフに問い合わせるのもよいでしょう。
- 位牌・・・盆棚に安置
- お線香・・・お線香は故人が愛したものなど
- 香炉(焼香用)・・・参列者にも使ってもらうもの。焼香用の香炉。香木の準備も忘れずに。
- 香炉(線香用)・・・お線香を立てるための香炉
- お花・・・仏壇に捧げるお花一般的には、色が控えめで香りが強くないもの※「家族しかこない」「本人の愛した花を捧げてあげたい」「仏壇に祀っているのは自分の配偶者1人だけで、彼女が育てた花を活けたい」ということであれば、その気持ちに沿うのがよいでしょう。
- それ以外に必要なもの・・・燭台(しょくだい)や鈴(りん)、ろうそくなど
このあたりは仏壇店に相談すれば用意してくれますし、わからない場合も聞けばきちんと解説してくれるでしょう。
僧侶の挨拶・読経
僧侶の挨拶と読経が行われます。
焼香
参列者で焼香を行います。焼香のやり方は宗派によって多少の違いがみられますが、基本的には施主のやり方に従います。また、焼香の手順が少し間違ったとしても、大きく咎められることはありません。
僧侶へのお礼
僧侶に御礼を渡します。また、夏の暑い時期ですから、冷たいお茶も用意しておくと良いでしょう。お茶菓子も出しますが、手をつけられることはあまりありません。その場合は懐紙にくるんでお持たせします。この時のお茶菓子は、和菓子でも洋菓子でもかまいません。なお、懐紙を折る際は、向かって右側の角が上にくるように折りたたみます。
お墓参り
みんなでお墓参りに向かいます。お墓の周りを清め、掃除をし、静かに手を合わせましょう。なお、「せっかくなのでみんなで写真を撮りたい」という人もいるかもしれませんが、これは基本的には控えるべきです。
ちなみにこの「お墓参り」は、僧侶が来る前に済ませてしまうケースもあります。このあたりはケースバイケースだと考えておいてください。
一般的に「納骨」は四十九日のタイミングで行われますが、初盆や一周忌のタイミングで行う場合もあります。初盆で納骨する場合は僧侶にお経をあげてほしい、と考える人も多いでしょうから、この場合は事前に相談することが必要となってきます。
会食
場所を移して食事をとります。この「場所を移す」ですが、葬儀会社の持っている法要会館を利用して初盆を行った場合はその場で(多くの法要会館では、法要をする場所とともに食事ができる場所を設けています)、そうではない場合は和懐石のお店などに移動することになるでしょう。家で振る舞うケースもありますが、家が小さい場合や用意するのが大変な場合も多いため、現在では「すべての料理を喪家が作って振る舞う」というやり方はそれほど多くはなくなっています。家で行う場合は仕出し弁当などを利用するとよいでしょう。
なお、この「会食」は無理に行う必要はありません。葬儀~火葬の後の食事を省略する喪家があるように、初盆後の会食を省略するケースもあります。ただ、遠方からきてくれた人が多かったり、「家族」だけでなく「親族」までを呼んで初盆を行ったりする場合はこの席を設けるのが一般的です。来てくれたことに対するお礼であるとともに、故人のことを語り合う大切な時間だからです。
この後、引き出物を渡して初盆は終わりです。
ただ、初盆の場合は「お盆休みはそのまま実家に泊まる」という人も多いでしょうから、そのような場合は「帰る人だけ解散にする」といったかたちをとることもあります。
このように、初盆では「行うべきこと」がたくさんあります。では、「通常のお盆」と「初盆」ではどのような違いがあるのでしょうか。それについて見ていきましょう。
「初盆」と「通常のお盆」の違い~当日の違い・マナーの違い~
初盆と通常のお盆は、「故人をお迎えする」という意味では同じです。しかし初盆の場合は、特に「法要を行う」という点で、通常のお盆との違いが出てきます。
当日の違いは「法要」をするかしないか
通常のお盆の場合は、「みんなで集まってご先祖様をお迎えすること」を目的とするため、基本的には法要は行いません。信心深いお家などでは行うこともありますが、基本的には「親族で集まり、ご先祖様の話をする」という程度にとどまります。みんなでお墓参りに行くことはあっても、特別に「会食」を行うこともあまりありません。
対して、初盆の場合は儀礼的な面が大きくクローズアップされます。僧侶を呼んで法要を行うのが基本のかたちですし、参列者も不祝儀を持参します。また、食事の席が設けられます。通常のお盆の場合も「お土産」というかたちで物を持たせることがありますが、初盆の場合は「引き出物」というかたちで参列のお礼をするのが普通です。
一般的なお盆は「親族の集まり」の性格が強いのですが、「初盆」は葬儀から連なる一連の供養行事としての性質を強く持ちます。そのため、儀式として初盆を行うケースが非常に多いのです。
初盆 | 通常のお盆 | |
---|---|---|
法要 | 行う └僧侶による読経 └不祝儀 | 通常行わないことが多い |
お墓参り | 行う | 行う |
会食 | 行うことが多い。 | 会食というていで行うことはない。 |
宗教への帰属意識が薄れつつある現在、「通常のお盆では僧侶は呼ばない」というお家も増えています。これは決して間違った話ではありません。
ただ、「菩提寺と非常に深い関係にある」「熱心な檀家である」という場合は、通常のお盆のときも法要を営むことがあります。ただこの場合、お渡しするお布施の額はそれほど多くはありません。基本的には5,000円~10,000円程度、多くても20,000円程度までです。
初盆ならではのNGな言動に注意
通常のお盆の場合は、「里帰り」という性格も強いのでまったくの普段着(Tシャツとジーンズなど)で帰る人も多くみられます。
しかし初盆の場合は、「法要」ですから喪服もしくは地味なダークスーツなどで伺うようにします。また、メールや手紙などの受け答えもこれに準じます。
「初盆だからこの言葉を使ってはいけない」という明確な決まりを見つけることは難しいのですが、弔いの場面に相応しい言葉遣いをするようにしましょう。故人の楽しい思い出話を取り上げ、悪口などは言わないようにします。また、直接死因に言及するようなこと(特に不幸な亡くなり方であった場合はなおさらです)は控え、静かに、和やかな雰囲気を作ることが重要です。
次の項目からは、自分たちが喪家側になったときの前準備について詳細に記していきます。
【喪家側】初盆の法要・仏壇飾り・墓参りの準備について
初盆を執り行う立場になったときは、事前の準備が非常に重要です。そのやり方と考え方を見ていきましょう。
法要の準備
まずは法要の準備からです。
僧侶の手配
一番重要なのは、「僧侶の確保・手配」です。
お盆は僧侶やお寺にとって一年で一番忙しい「繁忙期」です。初盆の喪家はもとより、信心深い檀家の場合は通常のお盆であってもお経を頼むこともあります。このため、僧侶の予定を最優先して初盆の日付けを決めなければなりません。
また、「通常は1日中付き合えるが、1日に何件も法事が入っている」ということも珍しくありません。このような場合は、「読経をしてもらってから墓参りに行く/あるいは墓参りをしてから読経をしてもらう」などのように、喪家側も僧侶の予定に合わせてフレキシブルに当日のスケジュールを組み替える必要が出てきます。
最低でも1か月前には手配をしておきましょう。ご家庭によっては、火葬が終わった日に初盆の予定を決めてしまうというところもあります。
ちなみに、相談する相手は当然「菩提寺」です。もしどうしても日程に調整がつかない場合でも、菩提寺に声をかければ同じ宗派の僧侶を紹介してくれる可能性があります。また一度相談した後ならば、喪家側が僧侶派遣サービスなどを使っても、菩提寺との関係がこじれることはないでしょう。
場所の手配
次に場所の手配を考えます。
対象となる場所は、主に以下の3つです。
- 自宅
- 法要会館
- 仏事対応のホテルなど
- お寺
これはそれぞれにメリットとデメリットがあります。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
自宅 | リラックスした雰囲気で進められる | 部屋の収容人数に限界がある |
法要会館 | 法要を行うことに適したところであるため、あらゆることを快適に進めることができる | 金額の面などでは調整が必要になることがある |
仏事対応のホテル | 「宿泊」「食事」「法要」のすべてを1か所でできる | 「ホテルのすべてが仏事に対応している」というわけではないため、確認が必要となる。また、お盆の時期は混みあう可能性が極めて高い |
お寺 | 信心深い人であるのならおすすめ。菩提寺との結びつきも深くなり、その人の信じる宗教の元でやすらかに行える | スケジュールが確保しにくいこと、バリアフリーに対応しているかどうかは個々のお寺によって違うなどの事情がある |
「どのような会場を選ぶか」で、進め方のやりやすさや初盆の在り方も変わってきます。自分たちに合ったものを選びたいものですね。
親族(参列してほしい人)への連絡
次に、初盆に参加してほしい人に声を掛けます。これに関しては、明確に「どこまでを呼ぶ」という決まりはありません。家族だけで済ませる人もいますし、ある程度遠い親族にまで声を掛けるケースもあります。また友人に声を掛ける場合もあります。
故人のエンディングノートに記載があれば、それに従うのがよいでしょう。
そうではない場合は、家族内で話し合って決めるのが良いと思われます。
会食の手配
会食の手配を行います。
これも、
- 自宅
- 法要会館
- レストラン
の3つのパターンに大きく分けられます。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
自宅(現在は仕出し弁当などを利用するケースが多いかと思われる) | 好みの料理屋を選べる | 温かい料理を温かい状況で食べることが少々難しくなる(ある程度配慮はされます) |
法要会館 | 法事と一緒に食事もとれるため非常に便利 | 喪家側から申し出ない限りはその法要会館の運営者(葬儀会社など)が提携している業者が使われるケースが多々見られる希望があるのならば早めに伝える必要あり |
レストラン(和懐石を出しているところ) | 好みのところが選べること、温かいものが食べられること | 参加人数が多い場合は席の確保が難しい |
会食は、精進料理を選ぶこともできますが、すでに喪はあけているので魚や肉などを選んでもかまいません。うなぎや寿司などは比較的人気の高いものです(もっとも現在は、四十九日があける前の会食でも地域によっては生臭物を食べることがあります)。
また、故人の好んでたべていたもの(フレンチやイタリアンなど)を選ぶこともあります。
引き出物の準備
初盆のときには、引き出物を用意します。
初盆の引き出物としてよく選ばれるのは、そうめんや洗剤、ノリなどです。また、調味料セットなども選ばれます。
そうめんが選ばれるようになったのは、そうめんをひもに見立てることができるからだといわれています。このひもで仏様が荷物をくくったり、このひもを辿って仏様が帰られたりするからだとされています。
洗剤やノリなどの消耗品は、葬儀のときの返礼品としても人気があります。長持ちするものであり、かつ万人が使うものですから、よく選ばれています。
引き出物の金額の相場は、3,000円~5,000円程度でしょう。ただし多額の不祝儀を頂いた場合は、後で半返し~3分の1返しを行います。このあたりは葬儀における「御香典」と同じだと考えてください。
なお、葬儀のときとは異なり、初盆のときは人数がしっかり分かるものです。プラス1個くらいは注文しておいても構いませんが、基本的には人数分で問題ありません。
お布施の準備
初盆では僧侶に読経をしてもらうことになるので、お布施を渡す必要があります。お布施は、「その地域にその宗派が多いかどうか」「その宗派がどれくらい初盆を重んじているか」によって多少異なってきます。ただ、ひとつの相場としては、10,000円~30,000円程度だとされています。また、会食に僧侶が参加しない場合は2,000円~5,000円程度、お車代を5,000円~10,000円程度用意(お寺で行う場合は必要ない)する必要があります。
お布施の相場はかなりわかりにくく、またお寺に聞いても明確な返事が返って来ることは基本的にはありません。そのため、葬儀会社のスタッフに聞いたり、親族に聞いたりする方がよいでしょう。
仏壇飾り・お供え物の準備
初盆で行うべき準備は、「対外的なもの」だけにとどまりません。家のなかを整える必要があります。
初盆の提灯
初盆のときに見られる非常に特徴的なものとして、「提灯」があります。この提灯は、「初めて帰って来る故人が迷わないように」との願いを込めてつけられるもので、白木で作られています。また、提灯の色自体も白です。かつてはこの提灯に実際にろうそくをいれていましたが、今は「火災防止」の観点から、ろうそくを入れないで使うケースが多くみられます。またろうそくをいれる場合も、電気式のものを使うやり方が多くなっています。
このあたりは、葬儀のときに使われる「ろうそく」と同じ考え方ですね。
なお昔は、「喪家が白提灯を用意し、それ以外の親族がほかの提灯を用意する」という習慣がありました。しかし宗教への帰属意識が薄まり、かつ場所もとれなくなった今は、提灯を使う場合も1つだけしか用意しないことが増えています。
仏前のお供え物
初盆にあたり、仏壇に御供えをする必要も出てきます。
もっとも有名なのは、やはり、「ナスビの牛、キュウリの馬」でしょう。馬に乗って早く帰ってきてもらい、牛に乗ってのんびり帰ってもらうという考え方のもとでお供えされるようになったものです。
それ以外にも、
- そうめん
- ほおづき
- 水の子
- 飯
- 浄水
- 野菜や果物
- 団子
- お菓子など
- 花
などが供えられます。
それぞれにいわれがあります。
- そうめん・・・「仏様が行き帰りをするために使う手綱」
- ほおづき・・・「提灯と似た形をしているので故人が迷わないように帰ってきてくれるようにするために」
- 水の子(ナスやキュウリを切り、洗った米とまぜて水につけたもの)・・・「喉の渇きがないように」
- 浄水・・・「悪霊を払う」
などの意味があります。それ以外のものはほかの法要でも比較的よく見られるものです。なお、お菓子や果物については、親族が持ち寄ったものをお供えするケースもあります。
また、故人の好きだったものを供えることもあります。
お墓参りの準備
初盆では「お墓参り」も行います。お墓を清め、参列者全員で手を合わせます。初盆の法要の続き(あるいはその前)に行われることが基本となるため、喪服もしくはそれに準じた格好で詣でることになります。
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ここまでが、喪家として行うべきことです。
では、自分が初盆に「参列者」として呼ばれた場合はどのような点に気を付ければよいのでしょうか?
【参列者側】初盆のお供え物・不祝儀の準備について
「初盆」は、冠婚葬祭の「葬」にあたるものです。そのため、声を掛けられたのなら、特段の事情(体調が悪くて長く入院しており、退院の目途が立たないなど)がない限りは参加するべきです。
そして参加するときにも、さまざまな気遣いが求められます。
お供え物の準備
初盆では不祝儀とは別に「お供え物」を用意するのが一般的です。喪家側が用意していることもありますが、それとは別に、参列者側も用意しておいた方がよいでしょう。初盆に限ったことではありませんが、人の家にお呼ばれするときには何かを持参していくのが一般的だからです。
初盆に適したお供え物
現在はお菓子や果物、お花が一般的です。果物やお花はナマモノですが、非常に密に付き合っているご家族―御親族の場合は、一度仏壇に捧げたものを「おさがり」としてお土産のようなかたちで配って持って帰ってもらうこともあります。仏様に捧げるものとして「果物」は非常にメジャーなものですから、これを選んでもよいでしょう。このときには質のよいものを選びます。
お花もよいのですが、この場合は場所の関係もありますからあまりにも大きすぎるものは控えた方がよいかもしれません。故人やご家族と非常に仲がよく、「故人の愛した花を」と願われたのであればそれに沿いますが、自信がない場合は菊などの一般的なものを選んだ方が安全です。
果物やお花はナマモノであること、参列者が少ないと余ってしまうというデメリットがあります。このため、個別包装をした日持ちのするお菓子を選ぶというのもひとつの方法です。この場合、甘すぎるものは避けた方が無難です。
お供え物の金額相場
お供え物の金額は3,000円~5,000円くらいが相場です。ただ、お付き合いの深さによっては10,000円を超えるものを選んだ方がよいこともあります。
なお、表書きは「御供物」「御供(え)」などです。水引は、黒と白の結び切りが一般的です。ただ地域(関西方面など)では、黄色と白の水引を使う場合もあります。
不祝儀の準備
不祝儀も用意しなければなりません。これについて見ていきましょう。
初盆の香典の金額相場
5,000円~10,000円程度が相場です。ただ、これは葬儀のときの香典同様、故人との関係性によって変わってきます。祖父母ならば5,000円~10,000円程度ですが、親の初盆などの場合は30,000円程度を包むこともあります。
香典の渡し方〜香典袋について〜
香典袋は、黒と白、あるいは双銀、地域によっては黄色と白の水引(結び切り)のかかったものを選びます。
表が気は「御供物料」「御仏前」を使います。
葬儀の場においては、どのような宗教でも使えた(一部宗派によって例外はありますが、それが問われることはほとんどありません)「御霊前」という言い回しは、初盆においては使えないので注意が必要です。
初盆の服装や持ち物
初盆は「法要」があるものです。このため、きちんとした格好をしていく必要があります。
服装は落ち着いた色味を選んで
基本は「落ち着いた色のものを選ぶこと」です。ただし、立場や性別によって選ぶべき服装は異なります。
大人の女性
指定がなければ、喪服や礼服で行くのがよいでしょう。初盆は夏に行われます。喪服でも七分丈のものがありますから、それを利用するようにすると快適です。特に初盆はお墓参りにも行きますから、冬用の喪服で行くと危険です。熱中症になったり、脱水症状を起こしたりする可能性があります。
「もう少し砕けた格好でも良い」ということであれば、黒のスーツなどを選びます。「平服で」と言われた場合は、黒~紺色などの地味なワンピースを選ぶようにしてください。
ストッキングは、黒のものがよいでしょう。肌色のものでも構いません。柄などが入っているものは当然避けます。金具の付いていない黒いパンプス、金具のついていない黒い鞄を選ぶようにしてください。また靴も鞄も、光沢のあるものは避けるべきです。
アクセサリーをつける場合は、一連のパールのネックレスや結婚指輪のみとします。パールは「涙の雫」を表すため、初盆でつけていっても構わないアクセサリーです。ただし、「絶対につけなければならない」というものではありませんから、心配ならば省いて構いません。
大人の男性
男性の場合も女性に準じます。喪服がもっとも望ましいでしょう。中に合わせるシャツは、当然白い無地のYシャツとなります。ボタンなどで遊び心を出すことは控えるべきです。
「葬儀」ではありませんから、ネクタイは黒一色のものでなくても構いません。しかし黒に近い地味な色のものを選び、柄が強く出ているものは避けるべきです。
靴下は黒色を選び、光沢のない黒い靴を選びます。
平服でと言われた場合は、暗い色のスーツを選ぶようにします。またこの際も、合わせるシャツは白シャツが基本です。「平服」は「普段着」とは異なると考えておいてください。また、ネクタイピンやカフスピンも不要です。
なお、「家族の家に行く」「長距離の移動である」という場合は、「到着後に着替えても構わない」とされることもあります。
子ども
子どもの格好は、制服があればそれを選びます。制服は子どもにとって第一の礼装だからです。
制服がない場合は、女の子の場合は地味な色(黒色など)のワンピースを選びます。男の子の場合はシャツにベスト、黒いズボンなどを合わせます。
靴下は黒が選びやすいでしょう。靴は運動靴でも構いませんが、ローファーが適しています。ローファーは大人が弔事に履いていくのは相応しくないものとされていますが、子どもの場合は問題ありません。
乳幼児の場合は、地味な色の私服を選べばよいとされています。ただ、「そのような服がない」という場合は、淡い色の服でも構わないでしょう。派手な飾りのものは避けます。
また、妊婦さんや小さいお子さんをお持ちのお母さんの場合は、「動きやすさ」を重要視した格好で構いません。黒い地味な服装を選ぶべきですが、足さばきのよいものを選びましょう。
当日の持ち物リスト
参列者として初盆に参加する場合は、持っていくものはそれほど多くはありません。
- 不祝儀
- 不祝儀を包む袱紗(ふくさ。寒色系を選ぶべきだが、紫色ならば慶弔両方に使える)
- お供え物
- ハンカチ
- 数珠
上記の5つで問題ありません。
なお数珠は、厳密にいえば宗派によって違いがみられますが、そこまで問われることはありません。
ここまで「初盆の基本」について述べてきましたが、ここからはもう少し「初盆と宗教」について踏み込んでいきましょう。
初盆は宗派によって違いがあるか
今までは一般的な「初盆の在り方」について述べてきましたが、実はこれは宗派によって多少の違いがあるものです。それについて詳しく見ていきましょう。
浄土真宗は、「念仏を唱え、信じれば必ず仏になれる」と考えます。このため浄土真宗においては、「死後の旅」という概念がありません。位牌も必要とせず、ナスの牛やキュウリの馬も必要ありません
また、ほかの宗派とは異なり、「初盆であっても通常のお盆と同じようにする」という考え方があります。仏飯を飾ったり香炉や花瓶、ろうそくを供えるための道具は使ったりはしますが、特別なことは行わないのです。そのため、浄土真宗の初盆は非常に簡素です。
ほかの宗派に関しては、今まで述べてきたようなやり方をとるのが基本です。ただ、日蓮宗の場合は、お線香は1本だけしか使わず、焼香も1回しか行わないという特徴があります。また、仏様に御供えする料理の置き方が少し異なります。
真言宗の場合は、「故人に御供えするのは、家人が食べるのと同じものである」としています。印西州では馬を流したり、曹洞宗では生米などを供えたりすることもあります。
ただ、このあたりに関しては、「宗派」だけでなく、「地域性」や「各家庭での考え方」も大きく影響してきます。真言宗以外の宗派であっても、故人に御供えするものと家人が食べるものが同じであるケースもあります。このため、自分の上の世代や菩提寺の住職、あるいは葬儀会社のスタッフなどに聞いて、「自分たちの宗派や地域、家庭に相応しい初盆」を作り上げていく方がよいでしょう。
初盆は仏教だけのものではない
ここまで「仏教の初盆」について取り上げてきましたが、実はほかの宗教にも「初盆」に近いものがあります。
それについて見ていきましょう。
神式の初盆の考え方
もともと仏教と一体化していた神道においても、「初盆」は特別なものとして扱われます。これは「新盆祭」「新御霊祭」などと呼ばれるものです。
神道においては、亡くなった方は神様となって家を守ってくれると考えています。その神様をお迎えするための大切な儀式として、「新盆祭」があります。
神道の初盆で用意するもの
神道の初盆においても、迎え火を焚いたり、お墓の掃除をしたりします(お墓参りをするときは二礼二拍手一礼で行います)。また精霊棚を飾り、神職によって祝詞を奏上してもらいます。新盆祭のための提灯を用意するのも一緒です。
しかし神道においては、お香ではなく「榊」を供えることになります。ご先祖様をお祀りしている祖霊舎に捧げるのもまた榊です。
飾りつけを行い、迎え火を焚き、神職によってお祈りが捧げられた後は会食を行います。
神道と仏教では死に対するとらえ方が異なります。しかし初盆を大切に考えているのは一緒です。
神棚・祖霊舎・祭壇に対して行うべきこと
神棚とは別に、祭壇を用意することになります。この場合は、この祭壇は祖霊舎の前に置かれることになります。
この祭壇の上には、榊や燭台、洗米、日本酒、餅(丸い物)を捧げます。また、塩や魚、野菜、乾物、果物や水なども捧げます。
面白いのは神式における「団子」です。神式の場合は、13日には「お迎えをするための団子」を置き、15日には「お見送りをするための団子」を置くのです。
神式における持ち物について
神式でも、「お供え物」として乾物やお菓子を持っていくとよいでしょう。また、不祝儀袋も持っていきます。「御供物料」「御玉串料」と表書きに記します。結び切りの、黒白・双銀・黄白(地域による)を用いるのは一緒です。
なお、神道においてはお線香を焚く文化はありませんから、これは持参しません。また、「数珠」も仏教のものですから持っていきません。
キリスト教では初盆をどうとらえるか
キリスト教の場合は、原則として初盆は行いません。ただ、家庭によってはキリスト教であっても「区切りの際に何かを行いたい」と考える場合もあるかもしれません。そのような場合は、牧師や神父に相談すると良いでしょう。また、自分が呼ばれる側となった場合で不祝儀を持っていく場合は、「お花代」と表書きをします。
まとめ
「初盆」は、仏教において非常に重要視されるものです。故人が旅立って49日以降経過した後の7月もしくは8月に行われるもので、法要を必要とするのが一般的です。
仏壇を整え、僧侶の読経を聞き、焼香やお墓参り、会食を行います。また、このための飾りつけとして、ナスの牛やキュウリの馬、白提灯やお供え物などを用意します。
初盆を行うためには、
- 場所の手配
- 僧侶の手配
- 親族(参列してほしい人)への連絡
- 会食の手配
- 引き出物の準備
- お布施の準備
が必要です。特に僧侶とのスケジュール調整は重要です。
なお、当日僧侶に渡すお布施は、宗派によって違いがありますが、10,000円~30,000円程度が一つの相場となります。
初盆に呼ばれたときは、喪服や制服で行きましょう。地味なダークスーツなどでも構わないとされることがありますが、「法要であること」を意識してください。
また、不祝儀とお供え物も持っていくようにします。不祝儀は10,000円が一つの目安となり、お供え物は3,000円~5,000円程度が目安となります。双銀・黒白・黄白(地域による)などの結び切りの水引をかけましょう。
初盆は、宗教や宗派によって多少考え方や用意するべきものが異なります。しかしそのいずれであっても、「故人を迎えよう」「大切な人を弔おう」という気持ちには違いがないのです。
なお通常のお盆について知りたい方は以下の記事をご覧ください。
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監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
お盆は仏教行事とされていますが、迎え方や送り方、過ごし方など日本独自の慣例に基づいて行われています。例えばナスの牛やキュウリの馬といったアイテムも、全国一律ではありません。以前調査したところ、東北の北部から北海道にかけてはナスの牛やキュウリの馬の出現率が下がったという結果がでています。他にも飾り方、食べ物も地域によって異なります。
盆月の朔日(ついたち)は、釜蓋朔日といい、ナスの畑に耳を近づけると、地獄の釜が開く音がするとか……。その年に初めてお盆を迎える霊は荒々しいとして、アランタナといわれる別の精霊棚を設置し、ご先祖とは別にお迎えする準備を整える地域もあります。