注目を浴びる自然葬の新しいかたち~森の墓苑について~
日本では、特別な理由がない限り、ご遺体は火葬を経てお骨になります。そしてこのご遺骨は、遺されたご家族の手元に渡されます。
お骨になった故人の最後の居場所をどこにするかというのは、故人の遺志やご家族の考え方によって異なります。現在は「最後の居場所」の考え方も多様化しており、従来型のお墓に納める方法、納骨堂を利用する方法、自然に還す方法、手元でずっと供養を続けていく方法など、実にさまざまです。
今回はそのなかから「自然に還す方法」をピックアップし、それを提供する「森の墓苑(もりのぼえん)」について取り上げていきます。
この記事の目次
「自然に還り・森を育てる」森の墓苑の概要
森の墓苑は、千葉県は長生郡長南町、JR茂原駅からタクシーで25分の距離にある墓苑(墓地、霊園などの意味を持つ言葉)です。
ただ、「墓苑」といっても、昔からある墓石ではなく、木の下にご遺骨を納めるかたちとなります。「樹木葬」に分類される弔い方であり、自然のなかに還っていくことができる弔いのかたちだといえるでしょう。
なお、森の墓苑の場合、「個別墓」と「合葬墓」のいずれかから眠り方を選択することができます。個別墓の場合は、1区画あたり4人まで一緒に埋葬することができます。「家族だけで同じお墓に入りたい」などの希望に寄り添うことができます。
また、合葬墓の場合はより小さい小区画に1人ずつ眠っていき、そこに自生している木をシンボルツリーとします。友人同士で隣り合って眠ることなどもできます。
森の墓苑とは森を育てる霊園
森の墓苑は、「自然に眠り、森を育むお墓」をコンセプトとした墓苑です。
安らかで緑豊かな土地で、人は自然に還っていきます。
また、森の墓苑は、「成長する墓地」でもあります。
個別墓にしろ合葬墓にしろ、そこに植えられた木々はやがて大きくなっていきますし、この森の墓苑にやってくる鳥や虫、動物たちはここで子どもを育て、旅立っていきます。ここを終の住処とする動物もいるでしょう。日々移り変わる美しい自然、成長していく自然に抱かれて、悠久の時間を過ごすことができるのです。
自然もまた、人の人生のように移り変わっていきます。人間のそれよりはずっと緩やかな変化ではありますが、永遠に絶えることのない自然のなかで過ごす時間は、故人にとってもご遺族にとっても、非常に意義深いものとなるでしょう。
森の墓苑へのアクセス
森の墓苑へのアクセスについて紹介していきます。
実は、森の墓苑は「駅近」というわけではなく、ちょっと行きにくいところにあります。
市原鶴舞インターチェンジより車で15分、電車を利用する場合はJR茂原駅からタクシーで25分の距離であり、車で移動するのが基本となります。
しかし、自家用車で来るのが難しかったり、タクシーで毎回来るのが厳しかったりする人でも、月に2回程度のお参りならば気軽に来ていただけます。現地説明会の送迎バスが月に2回ほど茂原駅から発着しているからです。お参りのときにもこれを利用していただけます。
森の墓苑がある千葉県長生郡長南町の特徴
森の墓苑がある「千葉県長生郡長南町」は、豊かな自然に囲まれた街であり、非常に平和な街であるのが特徴です。
星が降るような美しい夜空を持つ町であり、非常に空気がきれいな土地柄でもあります。
千葉県で唯一、「名水百選(環境庁認定)」に選ばれるほどに美しい水をたたえるところとしても知られており、その水を利用した農業も展開しています。このきれいな水は、「弘法の霊水」と称され、多くの人に愛されています。
夜空、水、そして自然……。穏やかな土地のなかで過ごしたいという人にも向いている土地だといえるでしょう。
森の墓苑の埋葬方法と特徴
森の墓苑は豊かな自然に抱かれた墓苑ですが、さまざまな特徴もあります。
森の墓苑の特徴
- 全区画でペットと一緒に入ることができる
- 合葬されることがなく、継承者も必要ない
- 埋葬後の管理費用が必要ない
- 同一区画の再販売は行わない
- 好きな木を選べる
それぞれどのような特徴があるのか、詳しく紹介します。
全区画でペットと一緒に入ることができる
「ペットは家族の一員」と考える人は非常に多いことでしょう。ペットの種類などによっては、それこそ20年以上の長きにわたって一緒に過ごすこともあります。家族と一緒に眠りたいと考える人の心にも、森の墓苑は寄り添います。
森の墓苑では、全区画でペットと一緒に眠ることができます。ペットの埋葬費用には20,000円がかかりますが、「10年前に亡くしたペットのお骨をずっと手元に残している。自分が死んだときには、この子の骨と一緒に埋葬してほしい」など、ご自身やご家族と一緒のタイミングでペットの遺骨も埋葬してほしい、という希望を叶える場合は無料です。
ただし、ペットのみでの埋葬はできませんから、この点には注意してください。
合葬されることがなく、継承者も必要ない
森の墓苑には「合葬墓」もあります。しかし、一般的な合葬墓とは異なり、森の墓苑の場合は、あくまで「小さな1区画に、おひとりずつ入る」というものです。一般的な合葬の場合はほかのお骨と一緒に弔われることを指すため、抵抗感がある人もいるでしょう。
しかし森の墓苑の場合は、1人ずつ葬られるため、このような心配もいりません。またこれは樹木葬全般にいえることですが、継承者がいなくても墓地が荒れることもありません。
埋葬後の管理費用が必要ない
同一区画の再販売は行わない
通常のお墓の場合、「返還墓地」という考え方によって、一度使われたお墓が再度使用されることがあります。
特に公営の霊園にしばしばみられる形態なのですが、一度使われた区画を整理して、そこを新しく墓地にしていくのです。
入りたい人は多いけれども、土地を確保するのが現実的に難しい」という場合に使われる可能性のあるやり方です。
しかし森の墓苑では、このようなやり方はとりません。再販売はせず、自然保全地として一つの自然な森になっていくに任せることとなります。
好きな木を選べる
森の墓苑のもっとも大きな特徴の一つとして、「好きな樹木を選べる」というものがあります。しかも、その種類は非常に豊富です。
低木(原則2名までが入ることのできる個別墓に植えることができる木)は、くろもじやがまずみ、さんしょう、こまゆみ、うぐいすかぐらなどの17種類のなかから任意の木を選ぶことができます。
高木(原則4名までが入ることのできる個別墓用)でも、みずきやねむのき、こならなどの6種類から好きな木を選ぶことができます。
樹木葬を希望される方の場合、自然が好きな人も非常に多いため、「自分の好きな木」があることも多いことでしょう。森の墓苑での弔いならば、その「故人の好きな木」の下で眠ることができます。現在はオーダーメイド、その人らしいお墓を作ることもできるようになっていますが、森の墓苑の場合もまた、オーダーメイドのお墓と同じように、好きな木の下で眠ることができるのです。
ただし季節などによっては希望の木を選べないこともあるので相談が必要です。
また選ぶことができる木は現地に自生しているものだけで、、外部からは(同一種であっても)持ち込むことはできません。しかし、これだけ多くの選択肢があるのであれば、「好きな木がひとつもない」ということにはなりにくいでしょう。
「優しい緑に包まれて眠りたい」
「自然が好きだった故人を、最後まで好きなところにいさせたい」
このように考える人にとっては、森の墓苑は非常に優れた選択肢になるといえるでしょう。
現地見学会に参加してきました。
見学会の流れ
見学が終わると、一度管理棟に戻ります。
実際に見学して感じた事や疑問などをスタッフや見学会に参加した皆さん同士で楽しそうにお話ししています。
せっかくなので、参加されている方にインタビューをお願いしてみました。
見学会に参加された方とスタッフさんにインタビューをお願いしてみました。
東京都内からご参加された、しょうぞうさん、ひろこさんご夫婦と、スタッフの古枝さんにインタビューしてみましょう。
インタビュー宜しくお願いします。早速ですが、しょうぞうさん、ひろこさんは、「お墓探し」っていつ頃から考えるようになったんでしょうか?
1年から2年ほど前でしょうか。
どんなお墓を今まで探されてきましたか?
樹木葬が中心ですね。普段から都立公園で自然の観察や、公園の手入れを行うボランティア活動をしているので、どうしても自然の中で過ごせる環境という事で樹木葬が中心になってきました。
普段から自然に触れ合っているお二人から見て、今回見学された森の墓苑はどう映りましたか?
素晴らしいと思います。元々の自然を大切にするのも良い事ですが、壊れてしまった自然を再生させる事とお墓を結びつけ、自分たちがお墓に入ることが自然の再生や保護につながるんだという考え方が非常に共感できました。
なるほど。自然の環境だけではなく、森の墓苑の考え方そのものが気に入ったという事ですね。
そうですね。あと、商売っ気がまるでないところも気に入りました。やっていけるのか心配になるほどです。本当に大丈夫でしょうか?
もちろん大丈夫です(笑)森の墓苑を運営しているのは「公益財団法人」なので、万が一のことがあった場合でも、お墓が無くなる事はありませんのでご安心下さい。
これだけの土地、そして自然を守っていくとなると、費用もかなりの額になると思います。やはりお墓の将来を気にされる見学者さんは多いのでしょうか?
ご自身やご家族が入るお墓ですから当然の事だと思います。森の墓苑は長南町から認可を受けています。万が一法人が解散となった場合でも、内閣府との定款により事業は同じ趣旨で活動している他の公益法人か自治体に移管されますから、誰も管理する人がいなくなるという事はありません。
こういった話は、森の墓苑の見学をされてから納得いくまでスタッフの方とされるのが一番いいかもしれませんね。
はい。ぜひ一度見学にお越し頂き、不安な点があれば直接お聞かせ下さればと思います。
しょうぞうさん、ひろこさん、どうでしょう?ご安心いただけましたか?
はい、大丈夫です。元々は「お墓なんていらない」と思って生きてきましたが、森の墓苑を見学して、お話を聞いてみて、ここならいいかな~なんて思いました。ただ、安い買い物ではないので、真剣に考えないとなと思っています。でも、気持ちは前向きですよ。
しょうぞうさん、ひろこさん、ありがとうございました。
~見学とインタビューを終えて~
お墓そのものへの価値を感じているだけではなく、森の墓苑のコンセプトや自然再生に対する考え方に価値を感じて検討される方が多いということがわかりました。
それだけに、見学中もお墓や運営に関わる事だけでなく、自生する植物や動物についての質問も非常に多かった気がします。
全国から問い合わせが入っている「森の墓苑」
自然葬の新しいかたちとして、ライフドットはこれからも注目していきたいと思います。
森の墓苑 スタッフがおすすめする四季の自然
森の墓苑で見ることができる四季の様子を写真でご紹介します。
森の墓苑 お墓の種類と価格について
個別墓
面積約1.5㎡の区画にご遺骨を埋葬し、この地域に自生する樹種を植樹します。原則として1区画2名様までお入りいただけます。ただし、ご遺骨がお手元にある場合等はご相談ください。 2区画分を用い、より大きく育つ高木を植える区画(高木区画)もご用意しています。この区画は4名様までお入りいただけます。
区画別 埋蔵管理委託料
ひばり | 650,000円 |
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せきれい | 750,000円 眺望良 850,000円 |
うぐいす | 850,000円 眺望良 950,000円 |
みそさざい | 眺望良 2,000,000円 |
- 全区画について、高木区画(2区画分を用い、高木を植栽する区画)は各料金の倍額となります。
- 全区画について、お二人目の埋葬にかかる費用は100,000円です。
- ペットの埋葬費は20,000円です。ただし、ご遺骨の埋葬と同時の場合は無償です。(ペットのみのご契約はできません)
- 苗木が植栽後2年までに枯死した場合は、ご相談の上、無償で補植を行います。
- 2年を過ぎた場合は、実費をご負担いただくことにより補植が可能です。
生前のご契約にかかる費用
生前管理料(年間) | 9,600円 |
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保険金(契約時のみ) | 19,200円 |
- 高木区画については、生前管理料(年間)は12,000円、保証金は24,000円です。
- 埋蔵管理委託料:区画使用料、区画及び墓苑の維持管理費、苗木代、お一人目の埋葬費、白布代、名札代、事務手数料
- 生前管理料:指定区画及び墓苑の維持管理費、事務手数料
- お二人目の埋蔵にかかる費用:埋葬費、白布代、名札差し替え代、事務手数料
合葬墓
約0.5m四方の小区画に1名様ずつご遺骨を埋葬します。この地域に自生する木をシンボルとし、その周りに、共に眠る合葬型の区画です。ご家族やご友人などで隣り合ってのご契約も可能です。埋葬する場所はお選びいただけます。
区画別 埋蔵管理委託料
こなら | 300,000円 |
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やまざくら | 350,000円 |
りんどう | 400,000円 |
生前のご契約にかかる費用
生前管理量料(年間) | 4,800円 |
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保証金 | 9,600円 |
- ペットの埋葬費は20,000円です。ただし、ご遺骨の埋葬と同時の場合は無償です。(ペットのみのご契約はできません)
- 「埋蔵管理委託料」:区画使用料、埋葬費、区画及び墓苑の維持管理費、白布代、名札代、事務手数料
- 「生前管理料」:指定区画及び墓苑の維持管理費、事務手数料
価格については、2019年2月現在の情報となります。
区画によって埋蔵管理委託料が異なっていますので、更に詳しい情報を知りたい方は、下記資料請求フォームよりお問い合わせ下さい。
森の墓苑へのアクセスについて
- 所在地
- 〒297-0144 千葉県長生郡長南町市野々815-2
- アクセス
- 車:圏央道 茂原長南IC、市原鶴舞ICより15分
電車:JR茂原駅下車 タクシー25分 - 備考
- 森の墓苑へ行かれる場合は、必ず前日までにご連絡をお願いします。
※スタッフが不在、墓苑入り口の門が閉まっている場合があります。