家族葬とは少人数で行う葬儀!?定義やメリット・デメリットを解説
家族のため、あるいは終活の一環として葬儀に関する情報を集めていると、「家族葬」という言葉を見かけることがあるでしょう。
家族葬とは、どのような葬儀かご存じでしょうか。
文字から連想して「家族だけの葬儀かな?」と思う人もいるかもしれませんね。
家族だけで葬儀を行い、家族葬とする人もいますが、家族葬の意味はもう少し幅広いものです。
このようなお悩みにこの記事はおすすめ
- 「家族葬ってどういうもの?他の葬儀とはどう違う?」
- 「家族葬にすると、葬儀が安く済むのかな?」
- 「家族葬に呼ばれたけれど、参列のマナーは普通のお葬式と変わらないのだろうか?」
この記事では、以上のような悩みや疑問を持つ人のために、家族葬の定義や他の葬儀との違い、流れ、参列マナーについて解説します。
費用面を含めた家族葬のメリットとデメリットについても、他の葬儀の形と比較して解説しますので、自分と家族にふさわしい葬儀の形を、きちんと選べるようになりますよ。
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家族葬とは親族を中心とした少人数の葬儀
家族葬とは、親族を中心とした少人数の葬儀のことです。
家族葬の他にも、さまざまな葬儀の種類がありますので、それぞれの違いを含めてご紹介します。
また、家族葬の流れについてもご案内します。
家族葬と他の葬儀との違い
葬儀は、主に次の5つの種類に分けられます。
それぞれ、家族葬との違いを含めて説明します。
一般葬
一般葬は、親族と、故人に縁のあった一般参列者とで営まれる一般的な葬儀です。
親族以外の参列者には、故人あるいは喪主の友人や会社関係、近所づきあいをしていた人などが含まれます。
家族葬とは違い、100人から200人といった比較的大人数になりがちな葬儀です。
家族葬
家族葬は、義理で参列するような一般参列者を呼ばず、親族や故人と本当に親しい間柄にあった人だけで営まれる葬儀です。
30人から50人程度の家族葬が一般的ですが、親族が多かったり、参列者の幅を少し広めたりすると、80人ほどの規模になることもあります。
不特定多数の人にお知らせをする一般葬とは違い、葬儀に参列してもらう人を指定できる葬儀であるといっていいでしょう。
直葬
直葬とは「ちょくそう」と読み、通夜や葬式を営まず、火葬だけを行う葬儀です。
火葬だけなので、集まるのは主だった親族だけということになり、集まる人数は多くとも10数人程度です。
親族だけの葬儀という点では、家族葬と同じように見えますが、通夜やお葬式を行わない点が違います。
火葬場へと出発する直前に簡単なお別れの儀式を伴うことがあり、その場合は「火葬式」と呼ばれます。
密葬・本葬
密葬と本葬は、セットで行われます。
初めに親族を中心としてひっそりと通夜や葬式、火葬を行い(密葬)、四十九日などをめどに盛大な葬式を行います(本葬)。
有名人など、規模が大きく準備日数を必要とする葬儀のときに利用されます。
家族葬と密葬は、親族中心という点では似ていますが、密葬は本葬と必ずセットであることから、家族葬とは意味が違います。
社葬
社葬は、経営者などが亡くなったときに、遺族ではなく会社側が指揮をとって営まれる葬儀です。
喪主はあくまで遺族ですが、会社関係の参列者がかなり多くなるため、会社側と費用を折半し、共同して葬儀の準備を行います。
義理での参列者が多くなることから、家族葬とは対照的な葬儀であるといえるでしょう。
家族葬の流れ
家族葬の流れは、以下のようなものです。
- 安置
- 打ち合わせ
- 知らせ
- 納棺
- 通夜
- 葬式
- 火葬
それぞれどのようなことをするのか、詳しく説明します。
- 安置
病院などで臨終を迎えたら、自宅や葬儀社の安置室、民間の遺体保管所などへ故人を安置します。
民間の遺体保管所とは、遺体の安置だけを行える、いわば故人のホテルのようなものです。
まだまだ多くはありませんが、各地に増えつつあります。 - 打ち合わせ
葬儀社や僧侶と葬儀日程の打ち合わせをします。
葬儀会場や祭壇、棺、会葬人数の目安などが決まれば、見積もり額が提示されます。 - 知らせ
親族や故人と深い間柄にあった友人など、葬儀に出てもらいたい人に葬儀日程を知らせます。
一般葬であればお知らせ状をつくるのが一般的ですが、家族葬の場合は、電話やメールで知らせが済んでしまうケースが多々あります。 - 納棺
通夜の前までに納棺を行います。
葬儀担当者や専門の納棺士の案内のもと、故人の身体を拭き、身支度を整えて布団から棺へ移すのが納棺です。
家族だけで行う場合もあれば、故人の兄弟など主な親族が立ち会う場合もあります。 - 通夜
親族を中心とした通夜が営まれ、夕食として通夜ぶるまいが行われます。
家族葬では通夜と葬式の顔ぶれが変わらないことから、最近では、通夜を省略し、葬式だけを行う家族葬を提案する葬儀社もあります。
通夜を省略した葬儀は「一日葬」「ワンデーセレモニー」などと称されます。 - 葬式
通夜の翌日、親族を中心とした葬式が営まれます。 - 火葬
葬式が終わると、出棺・火葬となります。
火葬の間、あるいは火葬後に精進落としが振る舞われます。
火葬の後に葬式を行う地域もあり、その場合は葬式後に精進落としとなります。
以上、家族葬の意味や流れについてご紹介しました。
親族だけのこぢんまりとした葬儀というイメージが持てたでしょうか。
次章では、家族葬のメリットをお伝えします。
家族葬のメリット
家族葬のメリットは、以下の3つです。
それぞれ詳しく説明します。
遺族がゆったりした気持ちで故人を見送れる
家族葬の最大のメリットは、遺族がゆったりした気持ちで故人を見送れることです。
一般葬の場合、一般参列者に挨拶をしたり、通夜ぶるまいでおもてなしをしたりと、遺族はかなりの心労を背負わされることになります。
結果、故人と向き合う時間が十分に取れなかったと悔やむ人も少なくありません。
気の置けない親族だけで集まる家族葬なら、遺族は故人とのお別れに集中することができます。
葬儀費用を抑えられる
家族葬は、人数が少ないため、葬儀費用を抑えることができます。
一般葬よりも小さな会場で済みますし、用意するべき香典返しや料理の数も控えめです。
一般葬の平均金額は150万円から200万円程度ですが、家族葬は100万円ほどまでに抑えられるケースがほとんどです。
家族愛に溢れた葬儀演出ができる
家族葬なら、家族愛に溢れた自由な葬儀演出が可能です。
一般葬の場合、親族ではない参列者もいるため、写真のスライドを流すだけなど、葬儀演出はスタンダードで無難なものになりがちです。
しかし、家族葬は親族中心ですから、例えば一家族につき一人ずつお別れの手紙を読むといった送る側の気持ちを大事にした演出を、たっぷり入れ込むことができます。
親族だけの濃密な時間を感じれば、愛する人を亡くした悲しい気持ちを癒すことができます。
また、そのような縁を与えてくれた故人に、よりいっそう感謝の気持ちが湧くことでしょう。
家族葬のメリットは、以上のようなものです。
しかし、家族葬にはメリットもあればデメリットもあります。家族葬のデメリットを、次章でお伝えします。
家族葬のデメリット
家族葬のデメリットは、以下の3つです。
順番に説明します。
葬儀後に弔問客がたくさん来る可能性がある
家族葬をすると、弔問客が葬儀後にたくさん来る可能性が高くなります。
一般葬であれば、通夜や葬式で一挙に対応できるのですが、家族葬だとそうはいきません。
すると、「葬式に参列したかった」「何とか弔意を伝えたい」と思う人たちが、一人ずつ喪主宅へ訪れることになるのです。
49日が終わるまでは、毎日のように弔問客を迎える日が続くかもしれません。
死去を知らせるお知らせに、弔問を控えてもらえるよう書くという手もあります。
ただ、「弔問すらできないなんて」と悲しく思われ、人間関係を損ねてしまう恐れがあるため、注意が必要です。
親族の理解を得られないかもしれない
親族のなかには、盛大な葬儀をしてあげたいという考えの人もいるでしょうから、それがもし多数派であれば、家族葬をしたいという喪主の意向を押し通すのは困難になります。
無理やり敢行したとしても、以後、親族との仲が悪くなってしまうことは否めません。
親族だけで温かな葬儀にしたいということを十分に理解してもらうため、丁寧な説明が必要です。
持ち出しのお金が多くなる
家族葬は参列人数が少ないため、香典の入りが少なく、結果、持ち出しのお金が多くなります。
一般葬の場合、たくさんの香典が集まり、葬儀費用のかなりの部分をカバーすることも珍しくありません。
家族葬では、香典でカバーできる範囲が狭いということになります。
葬儀全体の費用は一般葬より安くても、もしかしたら一般葬より持ち出し金額が多くなるかもしれません。
香典を辞退などしたなら、なおさらです。
以上、家族葬のデメリットをお伝えしました。
メリットとデメリットをよく比較して、家族葬とするか、それとも違う葬儀の形にするかを決めるようにしましょう。
家族葬の費用について詳しく知りたい人は、「家族葬の費用は平均189万円!項目別にかかるお金を解説」の記事を参考にしてください。
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次章では、家族葬に参列する側のマナーについてご案内します。
家族葬の参列マナー
家族葬の参列マナーは、基本的には一般的な葬儀と大きく違うところはありません。
とはいえ、若干気をつけるべきことがありますので、確認しておきましょう。
一般的には喪服での参列が多い
家族葬も、一般的な葬儀と同じように、喪服での参列が基本です。
喪主の方針により、喪服を着ず平服とすることもありますが、その際はきちんと案内がなされるはずです。
とくに服装について案内がなければ、喪服で参列するようにしましょう。
香典を用意してもよいか確認する
一般葬でも、家族葬でも、香典を辞退する葬儀が増えています。
とくに家族葬の場合は、「内輪のことだから、香典はなくてよい」と判断する喪主が、一般葬よりも多いようです。
家族葬ではとくに、香典を用意してもよいか、それとも辞退しているのかをきちんと確認するようにしましょう。
通夜を行わない家族葬があるので要注意
通夜と葬式とで集まる顔ぶれが同じだからと、通夜を行わない家族葬があります。
あるいは、通夜はあっても、遺族と主な親族だけで過ごすという選択を取ることもあり得ます。
通夜があるはずと決めつけず、喪主からの知らせをよく聞き、自分が出るべき儀式をきちんと確認しましょう。
葬儀日程の知らせがないときは参列しない
故人と親しい間柄だったとしても、葬儀日程の知らせがないなら、それは自分が参列してよい葬儀ではないと判断しましょう。
知らせに日程が入っていないからと、喪主に通夜や葬式の日時を尋ねるのはマナー違反です。
寂しいことではありますが、葬儀の主役は故人と遺族です。喪主の意向を尊重しましょう。
以上、家族葬の参列マナーについて、気をつけるべき点をまとめました。
ちょっとした点に心を配り、スマートに参列できるようにしましょう。
まとめ
この記事では、家族葬の意味や流れ、他の葬儀の形と比較してのメリットやデメリット、参列マナーをご紹介しました。
家族葬が自分と家族にとってふさわしい葬儀の形かどうか、判断できる材料になったなら幸いです。
家族葬にはメリットもあればデメリットもありますが、デメリットになりうる部分の対策を事前に練っておけば、スムーズに葬儀を営むことができます。
例えば、親族には「家族葬は本人の希望である」と事前に了解をとっておく、弔問を遠慮いただきたいことを、生前お世話になった感謝とともにていねいな手書きの文面で伝えるなどです。
細部まで注意を払って、理想通りの葬儀を実現しましょう。
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
家族葬というキーワードが世に出てから15年くらいになるでしょうか。
温かみのある優しいイメージとして、瞬く間に広まりまりました。
家族葬の定義はありませんが、あまり広く告知せず、親戚とごく親しい友人・知人に声をかけるような葬儀の形になります。
宗教儀礼や進行は一般的な葬儀と大きな違いはありません。
亡くなる人が高齢になったため、集う人も高齢化し、参列者の人数が減ったことも家族葬が注目される要因でもあります。
近年は、家族葬向けのコンパクトな葬儀会館が増え、安価でも祭壇や演出など工夫をしてくれる葬儀社もあります。
家族葬も事前に葬儀社を比較検討しておくことをおすすめします。
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