香典返しを送る時期はいつが一般的?マナーや宗教別の時期について解説!
この記事ではこのような疑問の解消!
- 香典返しを渡す時期はいつが適切?
- 香典返しを渡す時期は宗教によって違う?
- 渡す時期が遅れた場合どうしたらいい?
香典返しについて上記のような疑問をもっているのではないでしょうか。
ここでは、香典返しを行う時期・タイミングを取り上げます。
そもそも香典返しとは、この記事では以下のようなものを指します。
香典返し | 会葬御礼 |
---|---|
香典(不祝儀)をいただいた人に対して渡す。 | 葬儀に参列した人全員に渡す |
2,000~3,000円程度(香典の3分の1~半額ほど) | 500~1,000円程度 |
また香典返しと混同されやすいものに「会葬御礼」があります。会葬御礼は香典返しの代わりにはなりませんので、区別をして考えましょう。
なお、香典返しについて詳しく知りたい方は、【香典返しの基本を解説!以外と知らない香典返しの新常識】の記事をご覧ください。
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この記事の目次
香典返しを渡す時期には3つのパターンがある
香典返しを行うタイミングは、以下の3つに分けられます。
- パターン①:葬儀当日渡す(即日返し) + 香典金額に応じて「後日」追加で渡す
- パターン②:葬儀当日のみ渡す(即日返し)
- パターン③:後日のみ渡す
それぞれ解説していきます。
パターン①:葬儀当日渡す(即日返し) + 香典金額に応じて「後日」追加で渡す
現在主流になっているのがこのかたちです。葬儀式場に足を運び不祝儀を渡してくれた参列者に対し、その場で香典返しと会葬御礼を渡します。
ただ、頂く不祝儀の金額は一定ではありません。そのため、頂いた額が多かった人に対しては、後日改めて香典返しをお送りします。
パターン②:葬儀当日のみ渡す(即日返し)
「後日のお返しはしない、即日返しのみを行う」というやり方です。喪主側の負担を極限まで小さくすることができるかたちでもあります。
ただ、頂いた不祝儀の金額に関わらず同じ物をお返しすることになってしまうというデメリットがあります。このため、最初から「頂く金額が多いであろう人」の分の香典返しは別に用意しておき、受付で渡すケースもあります。ただ、事前に不祝儀の金額を判断することは難しいため、このかたちをとるケースはまれです。
もし、「即日返しのみしかしない、不祝儀の金額をあらかじめ予測して香典返しを用意する」という場合は、外見上は同じものに見えるような香典返しを選ぶ必要があります。金額に応じて選び分けられるカタログギフトなどが扱いやすいでしょう。
パターン③:後日のみ渡す
香典返しの基本となるのが、このかたちです。これは、「頂いた金額に応じて香典返しの金額を変更する」という原則に基づいたもので、「香典返しの費用」を考えた場合もっとも適した解答となります。お一人おひとりに対しての気持ちも表しやすいのがメリットです。
ただし、この方法は喪主側にとって大きな負担となります。香典返しの品物の選定も大変ですし、配送の手続きも面倒です。また、「1万円程度の不祝儀だった人」に対しても一人ずつお渡ししていくことになるため、とても手間がかかります。
参列者の数が少ないときなどにはよいのですが、それ以外のときに選ぶにはなかなか大変な選択肢です。
即日返しとは葬儀当日に香典返しを渡すこと
即日返しとは、葬儀式場に足を運び不祝儀を渡してくれた参列者に対し、香典返しと会葬御礼を渡すかたちをいいます。
即日返しは、現在主流になっています。
即日返しが主流になった背景
香典返しの即日返しが主流になった背景として、「葬儀が簡素化されていること」が挙げられます。現在は「小さいお葬式」「人をあまり呼ばずに行うお葬式」「手間とお金をかけないお葬式」がよく注目されるようになりました。また、宗教への帰属意識も薄れてきていることに加え、四角四面の葬儀のマナーに対して非を唱える声もあり、「葬儀に関するマナー」も簡素化されて行っている傾向にあります。
このようななかで、「後日にわざわざ香典返しを選び、それを受け取っていただく」というかたちは時代そぐわなくなっていっています。特に1万円程度の不祝儀(あくまで体感的なものですが、この「1万円」は不祝儀のなかでもっとも多い金額であると思われます)に対して、香典返しを用意して一人ずつに渡す…というのは、喪主側にも受け取る側にとっても負担が大きいものです。
このため、1万円の不祝儀の返礼品として、3,000円程度の香典返しを選び、それを即日返しすることで香典返しの手配・受け取りの手間を削減しようとする考え方が出てきたわけです。
本来、香典返しとは「直接会ってお渡しするもの」でした。それが「郵送で送っても良いもの」になり「即日お返ししてもよいもの」にと変化していきました。10年後・20年後の葬儀の現場では、もっと簡素化された「香典返しのマナー」ができているのかもしれません。
即日返しのメリット
- 一度にお返しを終えられる
- 配送料がかからない
- 面倒がない
- 一度にお返しを終えられる
「即日返し」を行うメリットでもっとも大きいのは、「1万円以下の人に対してのお礼を、一度に行える」ということです。「1万円」は不祝儀のボリュームゾーンでもあるため、この金額の人たちへのお返しを一度にできるのは大きなメリットです。
- 配送料がかからない
「香典返しの即日返し」を行う場合、配送料もかかりません。ただし現在は、「送料無料」とされている商品を取り扱っているところもありますから、送料が気になるのであればこれらを利用するのも悪くありません。
- 面倒がない
加えて、即日の香典返しの場合、葬儀会社のスタッフが手配をしてくれるため面倒もありません。喪主側が行うのは「受付で不祝儀を受け取って渡すだけ」の手間ですみます。
即日返しのデメリット
- 後日手続きが必要になることもある
- 会葬御礼との区別がつきにくい
- 後日手続きが必要になることもある
即日返しのデメリットとして挙げられるのは、「大きな金額を頂いた人にはまた返すための手続きをしなければならない」という点が挙げられます。特に、参列者の数が少なく、親族しか来ないような通夜・葬式告別式ならばなおさらです。
- 会葬御礼との区別がつきにくい
また、即日返しの場合は「会葬礼状」との区別がつきにくく、混乱させてしまうこともあります。会葬御礼と香典返しを別物と位置付ける場合、その説明をしておく必要もあります。
では、「後日に香典返しをする場合」はいつ香典返しを送るべきなのでしょうか。
それについて解説していきます。
後日の香典返しは「忌明け後から1カ月以内」に渡す
後日の香典返しは主に、「忌明け(きあけ)」の時期に行います。
香典返しを送る時期は、「相手の立場」によって左右されることはありません。相手が親戚であっても会社の人であっても、送る時期は同じです。
忌明けは宗教ごとに異なるため注意が必要
香典返しは、原則として忌明け~忌明け後1カ月以内を目安に送るようにします。
また、この「忌明け」は宗教や宗派によって異なります。
仏式は49日
仏式の忌明けは、「四十九日」とされています。
そのため、香典返しを渡す時期は、四十九日を迎えた後1カ月以内を目安とします。
仏教では亡くなった方は49日間の間旅をして、行先を決めるとされているためです。このときに行われる宗教的儀式を「四十九日法要」といいますが、典返しのお礼状にも「四十九日法要をつつがなく終わらせた」と記載することもあります。
ただし、仏教の香典返しにおいてはいくつかの例外も存在します。
- 浄土真宗の場合
浄土真宗は在来仏教であり、信者数も非常に多い宗派です。しかしこの浄土真宗の場合、「亡くなった方はすぐに極楽浄土に行く」と考えます。このため、ほかの宗派のように、「四十九日間をかけて行先を決める」という考え方をとりません。ほかの宗派のときに使われる「御霊前」とする言い回しも、浄土真宗ではとらないのはこのためです。
浄土真宗の場合は、四十九日まで待たずに香典返しを送ります。明確に「〇日までに返さなければならない」とされているわけではありませんが、初七日が終わってから1カ月程度をめどに送るのが基本です。
ただ、地域によって違いもみられますから、一度葬儀会社に相談してみるとよいでしょう。 - 3カ月にまたがる場合は三十五日以降に送る場合もある
葬儀に関係することは、「3カ月にまたがること」を好まない場合もあります。
4月20日に亡くなった場合、四十九日法要は6月8日になり、香典返しを送るタイミングもその時期になります。しかしこれは3か月間にわたるため、三十五日のタイミングである5月25日に三十五日法要を行い、それをもって「忌明け」とするのです。
浄土真宗の場合と、四十九日が3か月をまたぐ場合は早いタイミング(1カ月前後)で香典返しを送ることもある、と覚えておいてください。
神式は50日
神式は仏式と似た形態をとりますが、「50日」を忌明けとするのが基本です。このときには「五十日祭」を行います。そしてこのときをひとつの目安として、香典返しを送ります。
なお、「香典返し」の香典は本来は仏教用語です、神道・キリスト教においては該当する言葉がないため、どの宗教でも「香典返し」としてお話します。
キリスト教(プロテスタント)1カ月後
キリスト教には、「プロテスタント」と「カトリック」の2つがあります。プロテスタントの場合は1カ月目に「記念集会(記念式)」を行うため、このタイミングで香典返しを包みます。
キリスト教(カトリック)30日
カトリックの場合は、30日目にミサが行われます。追悼ミサとして行われるもので、親族や親しかった人を招いて行われます。このときを目安として、香典返しを用意します。
後日の香典返しを渡す時期が 「忌明け後」である理由
忌明けとは、「忌に服す期間が終わり、日常の生活に戻っていくこと」を指す言葉であり、頂いた不祝儀のお返しをするのにふさわしい日だと考えられています。
また、葬儀の直後はばたつくため、それらがある程度落ち着いてから送る……という意味もあるとされています。
ゆっくりと香典返しを用意し、香典返しを改めて送るべき相手を整理し、お礼状をしたため……といったことができるようになる時期であるため、この時期に香典返しを送るようになったともされています。
ただ、これを逆にとらえれば、「きちんと用意ができさえすれば、香典返しの時期は忌明けの時期にしなくても構わないのではないか」と考える専門家もいます。そのようなこともあり、「忌明けの時期にとらわれず、用意ができたのであれば忌明けの前に送っても後に送っても構わない」と考える向きもあります。ただ、迷ったのであれば忌明けに送る方が無難だといえるでしょう。
香典返しを行うタイミングでは、四十九日法要や五十日祭、あるいは追悼ミサや記念式が行われます。このときに引き出物をお渡しする場合もあるでしょう。しかし四十九日法要のときにお渡しする「引き出物」と「香典返し」は別のものです。これも混同しないようにしてください。引き出物はあくまで「法要(や他の宗教的儀式)へのお返し」であって、「香典のお返し」にはならないからです。
家族葬の場合も香典返しを渡す時期は同じ
家族葬の場合は、即日返しはせずに、頂いた不祝儀の金額に応じて後日にお返しするやり方がよくとられます。家族葬の場合、親族に対する香典返しは後日にお渡しするかたちの方が面倒がないでしょう。
家族葬の場合、参列者は個人もしくは喪家にとって縁の深い人となります。そのため、持参する不祝儀の金額も多くなりがちです。血の濃さ・付き合いの深さ・年齢によって不祝儀の額が大きく異なることも多いので、一律で返す「即日返し」には適さないのです。頂いた金額に応じて後日香典返しを見繕う方がよいでしょう。
なお、香典返しの金額の上限は1万5,000円程度とされているので、10万円~を包まれても、その3分の1~2分の1程度のものを包まなければならない……ということはありません。
後日弔問に訪れてくれた人に対しては、都度香典返しをお送りするようにします。
なお、「後日に一人ひとりに対して、別々の香典返しを送るのは手間だ」と感じるようならば、「不祝儀不要」としても構いません。これは、不祝儀を受け取らない代わりに香典返しもしない……というやり方です。
次の項目からは、「香典返しを送るのが遅くなった場合の対応」について考えていきましょう。
香典返しを送る時期が遅くなってしまった場合の対応
結論から言うと、香典返しを送るタイミングが遅くなってしまった場合でも、基本的には香典返しは送るべきです。また、少しの遅れであるのならば、特に気にする必要はありません。
香典返しを送るタイミングは、忌明けとされており少し落ち着いた時期ですが、それでもまだまだ忙しい時期です。そのため、どうしても香典返しの手配がうまくいかなかったり、落ち込みが激しくて用意ができなかったりする場合もあります。しかし、必要に応じてそれをフォローするメッセージを添えるようにするべきです。
数週間の遅れであれば気にする必要はない
「香典返しが忌明け~1カ月を少し過ぎてから送ることになってしまった」という場合は、一般的な香典返しを送るときと同じ手順を踏むかたちで問題ありません。特にお詫びの文章を入れることもありませんし、挨拶状を添えて送るだけで問題ありません。
ただ、できるだけ速やかに送るようにしたいものです。
1~2カ月以上遅れた場合はお詫びを添えると丁寧
「香典返しが1~2カ月以上も遅くなってしまった」などのような場合は、その旨を詫びる文面をつくるとよいでしょう。メッセージを添えるのは、「家族を亡くしたことで、家族がショックを受けて寝込むなどしているかもしれない」と心配している相手に対しての気遣いでもあります。
基本は一般的な香典返しのお礼状と同じですが、お詫びの言葉をさらりと一言添えておくとよいでしょう。
添えるとよいメッセージ
拝啓 空も高くなり虫の音も聞こえるこの季節 皆々様におかれましては益々御清祥とのことお喜び申し上げます
先般は亡母○○逝去の際に 鄭重なる御弔意と御厚志を賜りまして誠にありがとうございました
御陰様を持ちまして先日滞りなく四十九日法要を営むことができました
本来ならば 拝眉のうえもっと早く御礼と御挨拶を申し上げるべきところ遅くなり誠に恐縮です
つきましては故人を偲びまして心ばかりの御礼を送らせていただきました
何卒御受納いただきますようお願い申し上げます
寒さも少しずつ厳しくなっていく季節でございます ご家族様皆様 お体にお気をつけご自愛くださいませ
敬具
令和三年〇月×日
喪主名
数か月以上遅れた場合はお詫びを添えること
香典返しは基本的には1~2カ月以内の間に出すものです。これは「不祝儀を渡してくださったことに対するお返し・御礼」だからです。そのため、半年以上遅れることは基本的には避けるべきです。
ただ、それでも、「体調を崩していた」「雑事が多く、どうしても手配ができなかった」という場合もあるでしょう。そのような場合は、丁寧なお詫びをお礼状のなかに落とし込むようにします。
なお、「遅れた理由」を書くべきか書かないでおくべきかは、専門家の間でも見解が分かれます。どちらが正解というわけではありませんが、ここでは「軽く触れる」かたちでの例文を紹介します。
添えるべきメッセージ
拝啓
晩秋の候 皆様方におかれましては益々御清祥の段お喜び申し上げます
先日は亡母〇〇の葬儀に御参列いただき 鄭重なる御弔意と御厚志を賜りまして誠にありがとうございました
御陰様を持ちまして先日母〇〇の四十九日法要を滞りなく相営みました
諸般の手続き作業に追われまして御挨拶が遅れましたこと 誠に申し訳ございません
供養のしるしとして心ばかりの品をご用意させていただきましたので 御受納いただきますようお願い申し上げます
本来であれば拝眉のうえ御挨拶申し上げるべきところ 書状にて御挨拶申し上げる非礼もお詫び申し上げます
寒さが忍び寄ってくる季節となりましたが皆様もお体に気を付けてお過ごしくださいませ
敬具
令和三年〇月×日
喪主名
きちんと「遅れたことのお詫び」を記すことが大切です。
ここまで、「香典返しを送る時期の違いによるお礼状」について触れてきました。次の項目からは、「香典返しの時期についてよくあるQ&A」について取り上げていきます。
香典返しの時期についてよくあるQ&A
香典返しの時期についてよく出てくる質問は以下の通りです。
- 四十九日以降にいただいた不祝儀に対する香典返しはいつが適切?
- 香典返しの時期がお正月と被る場合はどうしたらいい?
ひとつずつ見ていきましょう。
四十九日以降にいただいた不祝儀に対する香典返しはいつが適切?
「通夜(葬式・告別式)には行けなかったけれど、後で弔問に訪れたい」ということで足を運んでくれる人もいます。家族葬の場合は、通夜~葬式・告別式では家族以外の人は招かないので、特にその傾向が強くなります。
四十九日以降に不祝儀を頂いた場合は、頂いてから1カ月以内を目安としてお返しします。この場合は不祝儀を出してくれた人、お一人おひとりの「渡してくれたタイミング」に合わせてお返しをすることが原則となります。
ただ、「後日の弔問」の場合も、「即日返し」ができないわけではありません。香典返しの品物は基本的には「通夜~葬式・告別式が終わった後、余っているものは返品する」というかたちがとられます。しかしそのうちのいくつかは、自宅に持って帰ることになります。自宅に持って帰る理由は、まさに、このような「後日弔問に来る人」に対して渡せるようにするためです。
そのため、相手の不祝儀の額にもよりますが、それほど多い金額ではなかった場合、弔問を受けて不祝儀を受け取ったときに香典返しを渡すことで「即日返し」とすることができます。
ただし、1万円以上の金額だった場合は、通常の通夜~葬式・告別式と同じように、改めて香典返しを送る必要が出てきます。とはいえ後日弔問に来てくれる人は家族葬に呼ぶ間柄である「親戚」「極めて親しい間柄」ではないことが多いと思われます。そのため「即日の香典返し」で間に合う場合も非常に多いといえます。
なお、会葬礼状と一緒になっている場合は、会葬礼状は抜いてお渡しする方がよいでしょう。会葬礼状には「通夜~葬式・告別式に参加していただいたことのお礼」が刷り込まれていることが多いからです。
香典返しの時期がお正月と被る場合はどうしたらいい?
11月の中盤に旅立たれた場合、四十九日あたりがお正月にかぶる場合があります。このような場合は、基本的にはお正月を避けて香典返しを送るのが基本です。
「いつまでお正月か」については、下記のように考え方が分かれます。
- 1月3日までを正月とする
- 現在の考え方では、1月7日までは「松の内」なので、このときまでは控えるようにする
- 昔の考え方では1月15日までを「松の内」としていたので、このときまでは控えるようにする
この3つに、明確な決まりはありません。「1月3日までの間に送ってはならない」は共通ですが、それ以降ならば手元に届くようにしても良いとされています。もっとも、香典返しは「忌明けから1カ月後までに送ること」が基本ですから、1月7日の現在の松の内をすぎ、1月15日をすぎてから送るのも良いでしょう。
日本においては、「おめでたいときに、葬儀を連想させることは避ける」という感覚があります。火葬場も、1月1日(火葬場によっては1月3日あたりまで)を休みとしているところも多くみられます。
また、年末~年始は何かと忙しくばたついてしまうため、この時期に香典返しを送ると受け取り手に負担を書けてしまうという問題もあります。
まとめ
香典返しの要点は以下の通りです。
- 香典返しとは
- 頂いた不祝儀に対するお返しのこと
- 頂いた不祝儀の3分の1~2分の1の金額とする
- 会葬御礼とはまた異なるもの
- 香典返しのタイミングの基本
香典返しをするタイミングは、以下の3パターンである- 即日返し+後日、必要に応じて追加で渡す・・・現在主流のかたち。1万円程度の人には即日返しでカバーでき、多額の金額を頂いた方には後日改めて送ることができるのでバランスが良い
- 即日返しのみ・・・あまりとられない。この場合、「あらかじめ寄せられるであろう不祝儀の額」に応じて、異なる金額の香典返しを用意する必要がある
- 後日のみ・・・家族葬などのときは相性がよいかたち。手間はかかるが、一人ひとりに応じた額のものを用意できるので、少人数の葬儀のときなどは使いやすい
- 後日に香典返しを送る場合の時期
- 忌明け~忌明け後1万月以内に送るのが基本
- 仏教は49日。ただし浄土真宗のみ例外。また、49日が3月またぎになる場合は35日になる場合もある
- 神式は50日、キリスト教は1か月(プロテスタント)もしくは30日(カトリック)が基本
- 忌明け後は少し落ち着くため、このかたちがとられたとされる
- 香典返しを送る時期が遅くなってしまった場合の対応
- 数週間の遅れであれば気にしなくてよい。
- 1~2カ月以上遅れた場合は、お詫びの文面を入れると良い
- それ以上遅れた場合は、お詫びの文面を入れるべき
- よくあるQ&A
- 四十九日後に不祝儀を受け取った→1万円程度ならば、即日返し用の香典返しで対応。即日返し用がないもしくは頂いた金額が大きい場合は、後日改めて手配する
- 香典返しを行うべきときとお正月がかぶった→1月3日までは避けるべき。ただし、香典返しを送るタイミングにはある程度余裕があるので、松の内(1月7日もしくは1月15日)までを避けてもよい
- 家族葬のとき・・・金額が大きくなりがちなので、即日返しはせずに後日のみ送るかたちの方が相性がよい場合もある
内容はもちろん、送るタイミング・時期もしっかりと把握して対応したいものですね。
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
香典返しを葬儀当日に渡す「即日返し」の慣習がすっかり定着しています。葬儀後の家族は、仏壇や法要の準備、役所への手続き等などしなければいけない作業が山ほどあります。忌引きで休んでいた遺族も、日常生活に戻りますので、後日の負担を少しでも減らしていきたいと即日返しの文化は急速に広まりました。
会葬御礼品を準備するギフト業者にとっても、、日を改めて営業することなく葬儀の際に香典返しを受注できるという業者側のメリットがあったことも、広まった背景にあると思います。
葬儀は信仰や慣習をベースに、時代とともに変化するものです。戦後、葬儀の中心が祭壇になったのも野辺送りが衰退し、告別が儀式化されるようになったことから。キャッシュレス、オンライン時代になり、香典や香典返しの文化はさらに変化することが予想されます。
墓じまいを検討されている方
- 墓じまいはどこに相談するのかわからない
- 複雑な事務手続きをやりたくない
- 墓じまいにいくら必要なのか知りたい
親族や知人などに墓じまいを経験した人がおらず、不安に感じる人もいるかと思います。
また、今あるお墓を片付けることに抵抗感がある方もいるかもしれません。
しかし、大切なのはお墓をきちんと片付け、あとの供養に繋げていくことです。
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