香食とは
香食(こうじき)とは
舎論(くしゃろん)という経典の中に、「亡くなった人が食べるものは、匂いだけに限り、生前に善い行いをした人は、良い香りを食べることができる」という記述だあります。
人が亡くなって、四十九日が過ぎるまでは、食べ物は香りになるのです。その香りというのは、いわゆる線香のことをさして、「香食」といわれているのです。
四十九日の忌明けが済むまでは、宗旨・宗派や地域の習慣によっては、寝ずの番をして線香の火を絶やさないようにするところもあります。線香をあげる際には、お供え物として故人の好きな食べ物や飲み物を添えてあげると、線香の香りと共にその想いは届くはずです。
また香を仏事で使用する意味は、香食のほかに、身体を清めるという意味が込められています。
お香には邪気を払って、五根(眼・耳・鼻・舌・身)といった5つの感覚を清浄にし、そして仏のありがたい教えを身体や心のすべてに、沁み渡らせていくのです。
お香を焚くのは、亡くなった人や遺された人が少しでも仏の教えを理解して、心身ともにきれいになっていくために行われるものであって、功徳であるとされています。すなわちお香を焚くこと自体も、修業のひとつであるとされているのです。
香食を使用する状況・ケース
お香を焚くという行為は、古くから私たちの生活に溶け込んでいる習慣です。これはいったいいつから始まって、何のために行われるようになったのでしょうか。
お香の歴史は古く、紀元前3000年のメソポタミア文明のころが起源とされています。仏教の発祥の地とされるインドで、遺体の腐敗臭を消すために使われるようになり、広まっていったと考えられています。
お香のもととなる香木は、インドが産地となっていて、有名なものでは、白檀(びゃくだん)があります。白檀は英名で「サンダルウッド」という名前でもよく知られています。
線香を焚くのは、亡くなった人がお香を食べるためであったり、心や身体を清浄にするため以外にも、さまざまな意味が含まれています。
亡くなった人が仏さまとなってあの世へ旅立っていくときに、真っ暗な道を迷わず進んで行けるよう線香を枕元に立てます。
線香は一筋の煙りをあげて、死者をあの世へと導いていくのです。またお香の煙にはあの世とこの世を繋いでくれる効果もあります。
そのため、線香は死者との対話をするためには欠かせないものとなっているのです。
またお香は仏教に限らず、その穏やかな香りと優しい煙んいよって、いつでも人々の心を浄化してくれる効果があり、アロマテラピーとしても大変人気があります。
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