花の最も美しい瞬間がそこに!『花供養墓』でおうち供養という新しい弔いを
家族や大切な人の供養はまめに行いたいと考えてはいるものの、お墓が遠方にあってなかなかお参りに行けていないという人は多いのではないでしょうか。
また、自分が亡くなった後にお墓を管理できる人がおらず、墓じまいすべきかどうかを悩んでいる人も少なくありません。
そのような人のために最近は手元供養が浸透していて、方法にも幅が増しています。
今回のライフエンディングジャーナルでご紹介するのは、切りたてで美しい、色とりどりのお花をお骨と一緒に納めた『花供養墓(はなくようぼ)』です。
家という最も身近な場所に設置でき、仏壇にもお墓にもなる生花納骨仏壇・花供養墓の魅力をお伝えします。
取材・文/Life.編集部
この記事の目次
『花供養墓』とは
花供養墓(はなくようぼ)は、切り花の最も美しい瞬間を封じ込めて作られた、枯れない花を供えた仏壇です。株式会社テンマックが製作・販売しています。
納骨仏壇として自宅に設置できるだけではなく、ご遺骨を仏壇内に収められるデザインになっていて、故人様のお墓としてもご利用いただけます。
お墓としての役割を果たす
「お墓が遠方にあって、なかなかお参りに行けない」、「お墓を購入したいけど、高額で維持費もかかる」「気持ちの整理がつくまでご遺骨を手元に置いておきたい」など、さまざまな理由から手元供養を選ぶ人は少なくありません。
しかし、骨壺は意外と大きく、家の中で保管するにも置き場所に困りがち。そんな悩みを解決してくれるのが花供養墓です。花供養墓は多様なシリーズを展開していて、希望するご遺骨の保管方法に合わせて選べます。
<花供養墓でのご遺骨保管方法>
- 粉骨保管…花供養墓に全骨を保管する方法。
- 骨壺保管…粉骨せずに骨壺のまま保管する方法。
- 分骨保管…2体以上のご遺骨に使える、粉骨を分割して保管する方法。
お墓を家の中に作ることで、いつも故人様を見守ることができ、そばにいるような感覚を覚えます。
お墓だけではなく仏壇も兼ねている一台二役の花供養墓は、コストパフォーマンスに優れているところも魅力です。
おうち供養をするときの注意点
自宅でご遺骨を保管すること自体は違法ではありません。しかし、墓地埋葬法では「焼骨の埋葬は墓地区域以外にしてはならない」と定められているため、自宅の庭などにご遺骨を埋めないようにしてください。
また、花供養墓はあくまでご遺骨の保管場所であり、保管する人がいなくなったら墓地区域に埋葬しなければいけません。
そのため、家族全員がこの世を去った時のことを考えて、ご遺骨の最終的な行き先を考えておく必要があります。花供養墓では、ご遺骨の行き先として散骨や永代供養墓の紹介も行っているので、ぜひ参考にしてください。
仏壇としての役割を果たす
お墓のあるお寺に行かなくても、自宅でご先祖供養をできる「家の中にあるお寺」が仏壇です。しかし、その仏壇も核家族化が進むにつれて、「置き場所がない」、「信仰する宗派がない」などの理由から以前のように置かれなくなりました。
しかし、身近な人を亡くすと、家の中に故人様をしのべる場所が欲しいと人は考えるようになります。花供養墓はそんな家族の気持ちに寄り添うために生まれたおうち供養・納骨仏壇です。
花供養墓では納骨仏壇だけではなく各宗派のご本尊や戒名・法名・俗名を彫ったお位牌など、仏壇にマッチするクリスタル製の仏具をオプション販売しています。爽やかなクリスタルと色とりどりの切り花のコントラストが見事です。
『花供養墓』で使用する世界でひとつの花
花供養墓の最も大きな特徴はと言えば、何といっても仏壇のなかに組み込まれた美しい花々にあるでしょう。特許申請中の実用新案技術を駆使して最も切り花の美しい瞬間を封じ込めています。専門のスタッフがそれらを一花一花アレンジメントして出来上がったものは、世界にひとつだけの一点物です。
アレンジメントは、華やかな赤やピンクの花を主体としたものから、パープルがメインのシックなもの、ブルーを取り入れたものまでさまざま。故人様のイメージに合わせて選ぶことができます。
花供養墓を選べば、何度も生花を購入して取り替える必要がありません。「花をすぐに枯らしてしまう」、「水の交換を忘れがち」という人におすすめです。
『花供養墓』が広めるおうち供養
これまでの供養は、お墓をつくってお盆やお彼岸にお参りするのが一般的であり、どこか形式的だったような気がします。しかし、そんな供養のかたちも時代の流れとともに移り変わり、「会いたいときに身近な場所でいつでも会える」供養に変化してきています。
おうち供養できる花供養墓は、そんな時代に合わせて誕生した納骨仏壇です。かつてご遺骨を自宅で保管すると「成仏できなくなるのでは」と言われてきましたが、仏教では四十九日を過ぎた魂は浄土すると言われています。
反対にお墓に入りさえすれば成仏できるものでもありません。大切なのは故人様をしのび、供養したいと思う気持ちです。
おうち供養のメリット
おうち供養を選ぶメリットは多岐にわたります。そのなかでも大きいのは、わざわざお墓に足を運ばなくてもいつでも供養ができるという点。仕事や家事・育児で忙しい人、また高齢になって体調がすぐれない人も、おうち供養であればいつでも手を合わせられます。故人様をいつも身近に感じられることで、残された人たちの心のよりどころになり、いつでもそばで見守ってもらえるような安心感を覚えます。
じめじめしたお墓や暗くて狭い納骨堂に安置するよりも、家族の笑顔があふれる自宅に保管したほうが故人様も安心して眠れそうですね。転勤や家族との同居で引っ越すことになっても、花供養墓であれば転居先に持っていけるので、お墓が遠くになりません。
コストパフォーマンスの良さもおうち供養の大きなメリット。特に花供養墓はお墓と仏壇がセットになっているので費用を抑えられるうえ、管理料などの継続的な維持費も発生しません。
『花供養墓』の商品情報
花供養墓は現代のインテリアにマッチする『モダンタイプ』と、和の空間にふさわしい『クラシックタイプ』の2つを展開しています。
- モダンタイプ・・・『明星』『昴』『銀河』の3種類
- クラシックタイプ・・・『オメガ』『オリオン』の2種類
それぞれの特徴を見ていきましょう。
モダンタイプ
LED照明付きで枯れない供養花を収納した花箱と、粉骨したご遺骨を収める収納箱のふたつで構成されているモダンタイプは、コンパクトな設計で置き場所に困りません。
昴と明星は2体分、銀河は1体分のご遺骨を収納可能。その分銀河の収納箱は高さ5cm程度で、約15cmの高さがある昴と明星よりも小さく作られています。
昴と明星は収納箱が大きい分、ご遺骨収納箱以外に仏具やお線香を収納可能です。いずれも納品に約40日かかります。
銀河 | 昴 | 明星 | |
---|---|---|---|
仕上げ | 鏡面仕上げ | 鏡面仕上げ | 漆塗り |
花箱(cm) | 高さ27×幅27×奥行13.5 | 高さ27×幅27×奥行13.5 | 高さ27×幅27×奥行13.5 |
収納箱(cm) | 高さ5×幅27×奥行30 | 高さ15×幅27×奥行27 | 高さ15×幅27×奥行27 |
重さ(kg) | 3.6 | 6.4 | 6.4 |
色展開 | ダークブラウン・ホワイト・ピンク | ダークブラウン・ホワイト・ピンク・ブルー | 朱・本溜 |
価格(税込) | 317,900円 | 537,900円 | 757,900円 |
クラシックタイプ
木目を活かしたクラシックタイプにはカーリーメープルを使用し、光沢感のあるクリア塗装で仕上げたオメガと、木目を活かしてナチュラルに仕上げたオリオンがあります。
それぞれ仏壇と同じ材質で作られた骨壺収納ボックスがあり、一緒に購入すると粉骨せずに骨壺を収納できます。
仏壇は開閉できる扉付きで、内部にはLED照明付きの供養花、下部の引き出しには粉骨したご遺骨を収められます。引き出しも付いていて、おりんやお供え物を置けるので大変便利です
オメガ | オリオン | |
---|---|---|
仕上げ | クリア塗装 | ウレタン塗装 |
大きさ(cm) | 高さ47.5×幅32.5×奥行き33 扉を二つ折りで開いた状態の幅48 | 高さ47.5×幅32.5×奥行き33 扉を二つ折りで開いた状態の幅48 |
重さ(kg) | 14.5 | 14.5 |
色展開 | ワインレッド・ブラック・ブラウン | タモ・ウォールナット |
価格(税込) | 757,900円 | 537,900円 |
美しい色とりどりのお花が使われた花供養墓はとても魅力的ですね。今回はそんな花供養墓を企画・販売している株式会社テンマックの担当者様から、お花に込められた思いと、お客様の傾向について伺いました。
『花供養墓』の販売担当者様にインタビュー
はじめに、花供養墓が誕生した経緯を教えていただけますか?
ご担当者:弊社は元々ブライダル業界で、『アイスフラワーブーケ』という花を長期保存できる商品を販売していました。それは花嫁さんにとって三種の神器と言われるものの内「ドレス」と「ブーケ」、そして花嫁さんの写真を箱に詰めた商品です。
しかし、購入されるお客様から写真は必要ないと断られることも珍しくありませんでした。その理由を伺ったところ、「どんなに若々しい方でも、箱に入っている写真は「故人」と認識されてしまう」という声をいただいたのです。それならばと発想を逆転させ、故人様の周りに花を添える花供養墓を考案しました。
花嫁さんから着想を得たとは驚きました!花供養墓は何よりもお花がポイントと感じているのですが、どのような思いを込めて作られていますか?
ご担当者:花供養墓で花を見ることで供養する人の気持ちは晴れやかになりますし、いつでもそばにいる、守ってもらえるという安心感を覚えると感じます。そういった意味で、あの世とこの世を結ぶ供養の場に花は必要です。そんな花供養墓に手を合わせることで安らかな気持ちになってほしいと考えています。
お花は気持ちを明るくしてくれますよね。お花と言うと女性が好む印象がありますが、やはり購入者は女性が多いのでしょうか?
ご担当者:購入者の90%は女性ですね。しかしそれは「女性は花が好きだから」という理由よりも、男性はまだまだ「自分が跡取り」という意識が強く、家族の墓を継いでいきたいと考える人が多いからだと感じます。
また、男性の傾向として跡継ぎに負担をかけたくない、自分のことは自分でどうにかするという気持ちで海洋散骨を希望する人が多いようです。
一方、女性はこの世を去っても家族と一緒に暮らしたいと考える傾向にあります。そういった意味で、花供養墓のような手元供養が女性向きなのかもしれません。もちろん見た目の華やかさも、女性に人気が高い理由のひとつです。
なるほど、手元供養は男女で考え方が異なることが多いのですね。ところで花供養墓には枯れない生花が使われていますが、こちらはどのように保存されているのでしょうか?また、オーダーメイドの依頼も可能でしょうか?
ご担当者:基本的に花は自分たちで作って保存していますが、オーダーメイドで持ち込まれた花の保存も可能です。ただオーダーメイドの依頼者はまだまだ少なく、ほとんどの人はホームページから選ばれています。
こだわる人は故人様が亡くなった季節の花や葬式で使った花などを持ってこられます。大体は受け入れるようにしていますが、肉厚なランのような乾燥しにくい花は長持ちしないので、他の花を勧めています。また、保存に向かない色はありませんが、白系は色が変わりやすいので要注意です。反対に赤系は変色しづらいため、おすすめをしております。
保存に向き不向きのお花があるんですね。
次の質問なのですが…花供養墓の誕生で、供養のかたちはまた広がってきたように思えます。今後はどのように変化すると思われますか?また、花供養墓としてはどのような取り組みを考えられていますでしょうか?
ご担当者:これまで女性は配偶者のお墓に入るのが主流でしたが、今は分骨して家族の手元に残れるようになりました。これは非常に大きな変化で、今後はさらに手元供養が浸透していくと考えています。弊社は千葉県にある東光寺と提携して、身寄りがない方の合祀による永代供養も行っております。今後は全国のいろいろなお寺と提携して、供養の幅を広げていきたいです。
花供養墓のようなユニークな供養のかたちが、今後も現れていきそうですね。本日は貴重なお話をありがとうございました!
『花供養墓』を製造・販売する株式会社 テンマック 企業概要
企業名 | 株式会社 テンマック |
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所在地 | 158-0093 東京都世田谷区上野毛1-18-27 |
代表 | 代表取締役 一家明成 |
事業内容 |
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花供養墓 公式サイト | https://hana-kuyobo.com/ |
お問合せ電話番号 | 0120-4187-35 |
編集後記
花供養墓は、お墓と仏壇という二役の機能を果たすコンパクトな商品です。切り花の最も美しい瞬間を封じ込めた花箱は、手を合わせる人たちの心に安らぎを与え、悲しみを癒してくれるだろうと思います。昨今の新型コロナウイルスによって帰省ができないなど、お墓参りにはいつ行けるかが分からないという人にはぴったりの商品だなと思いました。
ライフエンディングジャーナルは、「Life.(ライフドット)」が企画・発信する特別インタビュー企画です。ライフエンディング業界のイマを取り上げ直接取材し、業界全体をライフドットからも盛り上げて行きます。業界に関わるサービスや商品、そして第一線で活躍する人々にフォーカスし、ライフエンディング業界に対する想いやこれからの展望をお届けいたします。