まごころ粉骨®のサービス紹介!粉骨から散骨、樹木葬までの幅広い対応
自宅などで遺骨を供養する手元供養や、散骨を行いたいと考えたときに「粉骨」という言葉を聞かれる人が多いのではないでしょうか。
粉骨とは遺骨を粉砕して粉状にすることです。散骨時には必須ですし、ロケットペンダントに遺骨を込めて肌身離さず持ち歩きたいというときにも必要になります。しかし、家族の遺骨を粉砕できるという人は、なかなかいないのではないでしょうか。
今回のライフエンディングジャーナルでは、『まごころ粉骨®』のサービスをご紹介します。遺族には難しい粉骨という作業を一挙に引き受け、散骨代行や手元供養、樹木葬まで手掛けている幅広い事業内容と、サービスを進めるうえで大切にされていることをお聞きしました。
『まごころ粉骨®』とは粉骨や散骨を行うサービス
『まごころ粉骨®』は、アットマガジンズ有限会社が展開する、遺族の代わりに遺骨をパウダー状に粉骨してくれるサービスです。
大切な親や家族の遺骨を粉砕するという作業は、遺族にとってたいへん辛いこと。『まごころ粉骨®』の粉骨代行で、遺族の精神的負担が和らぎます。
また、『まごころ粉骨®』は、粉骨と合わせて散骨を代行するコースや、手元供養を提案するコース、樹木葬を行うコースなどもプラン展開しています。ペットの遺骨を粉骨することも可能です。これらのコースの詳細については、後ほど詳しくご紹介します。
お店は千葉市にあり、持ち込みと郵送、どちらも受け付けています。立ち会いでの粉骨も行っています(金曜定休、土日営業)。また、関東エリア限定で、有料の「遺骨の出張お迎えサービス」があります。郵送の場合は日本国内に限ります。
粉骨と同時に散骨代行を依頼する場合は、東京湾、湘南沖・相模湾、沖縄のいずれかを選ぶことになります。樹木葬を行う場合、遺骨は千葉県市原市の「緑の丘霊園」に埋蔵されます。
『まごころ粉骨®』の粉骨の流れ
粉骨前のご遺骨 | 粉骨後のご遺骨 |
『まごころ粉骨®』の粉骨の流れは、以下の通りです。
- 問い合わせ
- 遺骨の乾燥(お墓に埋蔵していた遺骨の場合)
- 混入遺物の確認と除去
専用粉骨機による粉骨
- UV滅菌
- 水溶性の紙袋に収納
- 引き渡し
- 支払い
『まごころ粉骨®』の粉骨コースと料金
『まごころ粉骨®』には、粉骨だけのコースの他、散骨や手元供養、樹木葬と組み合わせたコース、粉骨して小さくするコース、ペット粉骨のコースがあります。それぞれ内容と料金をご紹介します。
粉骨だけコース
シンプルに粉骨の代行だけを申し込みたい人のためのコースです。粉骨後の遺骨は、水溶性の袋に包んだ後、ポリエチレン製ジップロックに収納して引き渡しとなります。化粧箱などに入れないため、大幅にコストを抑えられます。乾燥剤がついているため湿気からは守られますが、1年以内の散骨が推奨されます。
海外に持参する予定があれば、気圧で破裂する心配のない真空パックに変更も可能です(無料)。また、海外の散骨業者に依頼するときに必要な場合がある英語版の粉骨証明書も発行できます(無料)。
<料金>
骨壺のサイズ(直径) | 粉骨料金(税込) | |
---|---|---|
小 | 2~3寸・約6cm~9cm | 9,000円 |
中 | 4~5寸・約12cm~15cm | 9,000円 |
大 | 6寸以上・約18cm~ | 12,000円 |
- 料金に含まれている内容
異物除去、粉骨、水溶性大袋×1、ジップ付きポリエチレン袋(真空パックも可能)、粉骨証明書(英語版も可)、骨箱や骨壺の処分、少量分骨(約20g×3つまで)。
- その他必要となる料金
遺骨郵送料(郵送の場合)、乾燥料金(遺骨が湿っている場合)(5寸以下6,000円、7寸以上12,000円)
- オプション
少量分骨増量(300円/個)、全量分割包装(600円/追加大袋1つにつき)。六価クロム除去オプションあり。
- 所要時間
所要時間は、立ち会いの場合、乾燥などが不要であれば受付から引き渡しまで含めて60分以内です。郵送の場合は、到着から1日~3日以内の返送となります。
粉骨+手元供養コース
粉骨し、手元供養用の小さな桐箱に遺骨を納めるコースです。とくに関東では巨大な骨箱、骨壺に焼骨を納めるのが風習ですが、粉骨するとおよそ3分の1サイズの桐箱に納めることができます。自宅で供養する際、骨箱が場所をとってしまって困るという人におすすめです。
粉骨した後、UV滅菌を施すため滅菌対策に、また水溶性の和紙袋に収納してから真空パックするため湿気対策になります。また、長期保管に強く火災に強い桐箱に収納するため、急な災害時も遺骨が守られます。
箱の大きさは、遺骨の量に合わせて7タイプの用意があります。
<料金>
骨壺のサイズ(直径) | 粉骨料金(税込) | |
---|---|---|
小 | 2~3寸・約6cm~9cm | 12,000円 |
中 | 4~5寸・約12cm~15cm | 22,000円 |
大 | 6寸以上・約18cm~ | 25,000円 |
- 料金に含まれている内容
異物除去、粉骨、UV滅菌、水溶性小袋×必要数、真空パック、パッケージ(桐箱)、粉骨証明書(英語版も可)、骨箱や骨壺の処分、少量分骨。
- その他必要となる料金
遺骨郵送料(郵送の場合)、乾燥料金(遺骨が湿っている場合)(5寸以下6,000円、7寸以上12,000円)
- オプション
六価クロム除去オプションあり。
- 所要時間
所要時間は、立ち会いの場合、乾燥などが不要であれば受付から引き渡しまで含めて60分から90分です。郵送の場合は、到着から1日~3日以内の返送となります。
手元供養後、提携霊園に埋蔵することが可能です。遺族自身が霊園に遺骨を持ち込むこともできますし、埋蔵代行も行っています。「十分に手元で供養できた」と、気持ちの整理ができたとき、再び『まごころ粉骨®』に連絡すれば利用できます。
粉骨+散骨コース
粉骨後、東京湾、湘南沖・相模湾、沖縄のいずれかに散骨するコースです。遺族が散骨に立ち会うのではなく、『まごころ粉骨®』のスタッフが代行するプランです。足腰が弱い高齢者、船が苦手な人など「自分ではなかなか散骨できない」という人のために、散骨のプロが代行します。
1件ごとではなく、ある程度の数量がまとまったら出航するため、ひと家族だけで立ち会い散骨を行うよりもリーズナブルに散骨できます。犬種や読経などといったサービスを省き、献花と一礼のみのシンプルな散骨であることも、安さの理由です。
<料金>
骨壺のサイズ(直径) | 散骨場所 | 料金(税込)/壺 |
---|---|---|
~9寸(~3kg) | 東京湾(海ほたる北) | 22,000円 |
相模湾(湘南沖) | 25,000円 | |
沖縄(東シナ海) | 35,000円 |
- 料金に含まれている内容
異物除去、粉骨、水溶性大袋×1、真空パック、骨箱・骨壺・外装品の処分、散骨代行と散骨証明書(英語版も可)の発行。少量分骨する場合は20g(真空パック)×3つまで無料です。
- その他必要となる料金
遺骨郵送料(郵送の場合)、乾燥料金(遺骨が湿っている場合)(5寸以下6,000円、7寸以上12,000円)
- オプション
六価クロム除去オプションあり。
散骨する遺骨とは別に、手元供養用に少量分骨(小分け)することも可能です。小分け量は指定がない場合、スプーン1杯分(約20g)ですが、量指定もできます。
粉骨して小さくするコース
粉骨して遺骨のかさを減らし、以前よりも小さな骨壺に納めるコースです。骨壺を小さくしたい人、骨壺のサイズが大きい関東からサイズの小さい関西へ改葬したい人、お墓の納骨スペースを広げたい人におすすめです。
<料金>
骨壺のサイズ(直径) | 粉骨料金(税込) | |
---|---|---|
小 | 2~3寸・約6cm~9cm | 12,000円 |
中 | 4~5寸・約12cm~15cm | |
大 | 6寸以上・約18cm~ | 16,000円 |
- 料金に含まれている内容
異物除去、粉骨、新しい骨壺×1、テプラ記名、風呂敷、粉骨証明書(英語版も可)、骨箱や骨壺の処分、少量分骨(約20g×3つまで)、返送用梱包、返送料。
- その他必要となる料金
遺骨郵送料(郵送の場合)、乾燥料金(遺骨が湿っている場合)(5寸以下6,000円、7寸以上12,000円)
- オプション
少量分骨追加(300円/個)、骨箱(1,000円~2,500円)、六価クロム除去オプションあり。
- 所要時間
所要時間は、立ち会いの場合、乾燥などが不要であれば受付から引き渡しまで含めて約60分です。郵送の場合は、到着から1日~3日以内の返送となります。
粉骨+樹木葬コース
粉骨した遺骨を樹木葬霊園に埋蔵するコースです。樹木葬とは、墓石ではなく樹木を墓標とする埋蔵方法です。樹木葬の多くは宗教フリーで、お墓の継承者も必要ありません。『まごころ粉骨®』が提供する樹木葬サービスも、宗教フリー、継承者不要の形式をとっています。
粉骨された遺骨は、千葉県市原市の緑豊かな山中にある「緑の丘霊園」の合祀エリアに埋蔵されます。合祀とは、他の人の遺骨と一緒に供養されるという意味です。『まごころ粉骨®』では、粉骨した遺骨を水溶性の和紙で包み、水をかけて土中に浸透させて埋蔵します。遺骨が周囲の土壌に還るため、「死後は自然に還りたい」と希望する人にもおすすめです。
<料金>
骨壺のサイズ(直径) | 樹木葬を実施する場所 | 料金(税込) |
---|---|---|
~9寸(~3kg) | 緑の丘霊園(千葉県市原市) | 36,000円 |
- 料金に含まれている内容
永代供養料、埋蔵料、埋蔵代行手数料、埋蔵証明書の発行、粉骨一式(異物除去、粉骨証明書の発行)、骨箱・骨壺・外装品の処分。
- その他必要となる料金
遺骨郵送料(郵送の場合)、乾燥料金(遺骨が湿っている場合)(5寸以下6,000円、7寸以上12,000円)
- オプション
少量分骨(20g×3つ、無料)、UV滅菌、真空パック(無料)
- 埋蔵までの流れ
前記『まごころ粉骨®』の粉骨の流れに従って粉骨した後、毎月一回程度、スタッフが位牌を霊園に持参し、霊園責任者とともに埋蔵します。埋蔵終了後、「埋蔵証明書」を発行します。
『まごころ粉骨®』のスタッフが埋蔵を代行するのではなく、自分で埋蔵したい場合は、「粉骨だけコース」を選びましょう。『まごころ粉骨®』が発行した粉骨証明書と遺灰を緑の丘霊園に持参し、管理事務所で埋蔵料2万円を支払うことで、埋蔵可能です(予約制)。
ペット粉骨コース
人間同様、ペットの遺骨も粉骨することが可能です。ペット専用の機械を使用して、手元供養や散骨に適切なパウダー状に仕上げます。「霊園に預けるのではなく、自宅でずっとペットと一緒にいたい」「大好きだった散歩コースに散骨してあげたい」といった希望を叶えられます。
<料金>
種類 | 粉骨料金(税込) | |
---|---|---|
猫 小型犬 | チワワ、ポメラニアン、カニンヘン・ダックスフンド、ヨークシャーテリア、トイ・マンチェスターテリア、ミニチュア・ピンシャー、トイプードル、ミニチュアダックスフンド、パピヨン、ミニチュアシュナウザー、パグ、フレンチブルドッグ、マルチーズ、シー・ズー、ジャックラッセルテリア、ビーグル、イタリアングレーハウンド、バセンジー、キングス・チャールズ・スパニエル など | 6,000円 |
中型犬 | 柴犬、イングリッシュ・コッカー・スパニエル、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク、ボーダー・コリー、スタンダード・ダックスフンド、紀州犬、甲斐犬 など | 6,000円 |
大型犬 | ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバー、バーニーズマウンテンドッグ、シベリアンハスキー、ドーベルマン、ダルメシアン、フラットコーテッドレトリーバー、ボルゾイ、ロットワイラーなど | 9,000円 |
- 料金に含まれている内容
粉骨料金、水溶性包紙代、UV滅菌、真空パック代、パッケージ代(桐箱かデザイン紙箱)。
- その他必要となる料金
遺骨郵送料(郵送の場合。総額9,000円以上は送料無料)、乾燥料金(遺骨が湿っている場合)(5寸以下6,000円、7寸以上12,000円)
- オプション
種類 料金(税込) パッケージ不要 真空パックのみ、箱不要 - 1,000円 遺灰カプセル 1gだけペンダントに封入 3,800円/個 霊園埋蔵代行 市原緑の丘霊園への埋蔵 10,000円/匹 骨壺処分 骨箱、骨壺の処分 無料 六価クロム除去 有料オプション 料金は別途計算
以上のように粉骨だけでなく、遺族のさまざまなニーズに合わせたサービスを展開している『まごころ粉骨®』。遺族の心に寄り添うようなサービスの発想は、どこから生まれたのでしょうか。
運営統括責任者の舘山文成さんに、『まごころ粉骨®』の誕生背景から、会社が行う遺骨に関する社会的な取り組みまでを伺うことができました。
『まごころ粉骨®』の代表にインタビュー
御社HP「粉骨代行をはじめた理由」を拝見したところ、『まごころ粉骨®』が誕生した直接のきっかけは、舘山さんが遺骨の遺棄に関するニュースを観たことだとありました。ニュースを観たとき、どのように感じられたのでしょうか。
舘山さん:ニュースを観たとき、遺棄して逮捕された方も「したくてそうした」のではないだろうなと思いました。経済的にお墓が買えない、納骨できないといったさまざまな事情があったのだと感じました。
そのニュースから「散骨を広めたい」という使命感を得たとのことですが、どのような社会の実現を目的として、事業を立ち上げたのですか?
舘山さん:私も父の遺骨を海洋散骨しましたが、散骨は比較的安価に見送る事ができる葬送スタイルなのではないかと思います。散骨の知識を広めることが、こうした悲惨な遺棄事件を防ぐ解決手段になるのではないかと思い、事業目的としています。
「お金がなくてお墓が買えない」と思いつめている人が散骨という手段に気づけると、きっと気持ちが楽になると思います。ただ、粉骨や散骨代行のために遺骨を業者に預けるとなると、気になるのが遺骨の取り違いや紛失といったトラブルです。遺骨の取り違いを防ぐために、気をつけていることはありますか?
舘山さん:取り違いが起こらないよう、粉骨作業は流れ作業では決して行わず、1件1件専任スタッフが最初から最後まで責任を持って丁寧に作業をしております。また、使用した器材は全て分解し、ネジの1本まで水洗いしておりますので、他者の遺骨と混ざってしまう恐れは99.9%ありません。
徹底した取り組みを行っていますね。遺骨の紛失や、骨壺などの破損についてはいかがでしょうか。
舘山さん:骨壺は陶器でできており、割れやすいのが特徴です。よって、緩衝材をたくさん詰めた送骨セットを採用しており、破損事故は今までに一度もありません。なお、遺骨は郵送でしか送ることができませんが、郵送に抵抗を感じる方も多いのも事実です。依頼者に安心していただけるよう、到着時や発送時には必ず一報入れることを徹底しております。
依頼者の立場に立ったご配慮によって、トラブルを防止されているのだとよくわかりました。「墓じまいをして散骨したい」「お墓に埋蔵するのではなく手元供養をしたい」など、いろいろや理由で粉骨を選ぶ人がいると思いますが、実際にはどのようなお客様が多いのでしょうか?
舘山さん:もとは「お墓を買う余裕がない」といった低所得の方向けに始めたサービスですから、そういった方々が利用されるものだとばかりだと思っていました。しかし、実際はじめてみると経済的事情よりも、継承者がいない方の利用が圧倒的に多いことが判りました。最近では墓じまいで利用される方も増えています。
そういったお客様は、どのような経緯で御社のサービスを知るのでしょうか。
舘山さん:「インターネットで検索して」というお客様が主ですが、テレビや雑誌などに掲載された記事を見て訪れる方が増えています。そういう意味では今回のLife.さんの取材依頼はとてもありがたいと感じています。
この記事によって、「一人でも多くの人に、散骨という選択肢を知ってもらいたい」という御社の目的に貢献できれば何よりです。
サービスのうち、海洋散骨に配慮した六価クロムの除去もオプションで用意されていますが、こちらのニーズは増えていらっしゃいますでしょうか?また、こういった環境への配慮について他にも取り組まれていることがあれば教えてください。
舘山さん:全ての遺骨から六価クロムが検出されるわけではありませんが、ニーズは確実に増えており、お客様も検査を依頼する方が増えています。
環境に配慮するという観点から、送骨セットには発泡スチロールは使用せず、トウモロコシを原材料とした特殊な緩衝材を使用しております。また、散骨の際に使用する紙袋につきましても100%自然素材で作られた和紙を使用しております。
「散骨したい」という人の中には、経済的な理由のみならず、「大自然に還っていきたい」という希望を持つ人も多いと思います。自然環境に配慮した取り組みを行っていることは、そういった方々の想いにもマッチすることでしょう。
さまざまな理由で散骨を希望される人がいるなか、遺骨というのは、かなり繊細なものです。お客様へのご対応の中で、気をつけている点や心がけている点を教えてください。
舘山さん:焼骨というのは大変もろく崩れやすいので、骨壺から取り出す時に絶対にこぼさないように心掛けております。また当社では下水に流れてしまうことを防ぐ為に焼骨を「洗骨」することはしておりません。
接客の際に気をつけているのは「余計なことは喋らない」ということです。遺骨を持った依頼者はさまざまな感情を抱いておりますので、あえてドライな接客を心掛けております。特にいろいろな宗教の方が利用されますので、そういったお話をしないようにしていますし、お店の内装も無宗教な感じにしました。
余計なことを言わない静かな接客に、癒されるお客様も多いことでしょう。
先ほどおっしゃった自然環境保護活動のほかに、放置遺骨ゼロを目指されているとサイトで拝見しました。放置遺骨によるトラブルで多い問題と、解決のために取り組まれていることがあれば教えてください。
舘山さん:高速道路のSAに置き去りにする人、ロッカーに放置した人、電車の網棚に置いていった人などさまざまな放置遺骨がありましたが、実はこれは稀で、一番多いのは孤独死の後に出てくる遺骨だと思います。
家の中ではありますが、社会的には放置遺骨と同じです。こうした遺骨は遺族の方が大変苦労されますので、祭祀承継者の方が生前早めに対処していくようウェブサイト等を通じて啓蒙活動をしています。
家の中に残された遺骨というのは、本当に対処のしづらいものだと思われます。散骨という選択肢が、遺族の方々の心の負担を軽くしてくれることを願うばかりです。
――ところで、海外への持ち出しのために英語での粉骨証明書も用意していただけると拝見しましたが、これまでそのような依頼は結構あったのでしょうか?
舘山さん:現在はコロナでほとんど依頼はありませんが、以前は日本に旅行中に亡くなられた方のご遺族や、ハワイに散骨したいといった方から依頼がありました。また、「自身は海外在住だけど、親が日本で亡くなり、一時帰国の際に粉骨して持ち帰りたい」といったケースもありました。遺骨とはいえ、粉砕すれば「白い粉状の物体」ですから、それを持って海外の通関を通るのは不安です。英語の証明書があるだけで安心感は格段に違うと思います。
英語の証明書の発行といい、放置遺骨対策といい、御社が何より依頼者の「安心」を考えてお仕事されていることが、お取り組みからよくわかります。最後になりますが、今後の供養の形はどのように変化すると思いますか?また、それに合わせた今後の展望などございましたら教えてください。
舘山さん:正直な話、景気不況と継承者不足から、お墓を買える人は少なくなると思います。都市部は墓地不足も深刻ですし、炎天下のお墓参りを避けるために屋内型の納骨堂の利用や改葬が増加すると思います。
散骨に関してはまだまだマイノリティーな存在ですが、徐々に利用者は増加傾向になると思います。遺骨を粉骨して「自然に還す」という意味で、海だけではなく、陸地でも散骨ができるようになれば参拝する場所もできて理想的だなと思っています。自然に還せば無縁墓の心配もなくなりますし、お寺や霊園も万が一承継者と連絡がつかなくなっても敷地を更地にするだけで済みます。
今後はそんな理想的な墓地への散骨が全国でできるよう、霊園関係者や自治体など関係各所に呼びかけてゆきたいと思っています。
散骨してお墓を持たなくても、お参りのためのよりどころがある。供養として、一つの理想の形ではないかと思います。このたびは、インタビューに応じていただき、誠にありがとうございました。
『まごころ粉骨®』の運営会社概要
企業名 | まごころ粉骨®公式サイトTOP |
代表者名 | 舘山 文成 |
所在地 | 千葉県千葉市中央区新千葉3-17-6 FLATいわいき104号室 |
まごころ粉骨®公式サイトTOP | https://funkotsu-service.com/ |
編集後記
粉骨といえば「散骨をする際のオプション」として料金表に加えている散骨業者が多い中、粉骨だけをしてくれる業者は、多様な供養方法を模索している現代人にとって非常にありがたい存在です。リーズナブルな料金体系や、英語の粉骨証明書を作成してくれるなど、さまざまな事情を抱えた遺族の立場を配慮したサービスに、あたたかみを感じました。
ライフエンディングジャーナルは、「Life.(ライフドット)」が企画・発信する特別インタビュー企画です。ライフエンディング業界のイマを取り上げ直接取材し、業界全体をライフドットからも盛り上げて行きます。業界に関わるサービスや商品、そして第一線で活躍する人々にフォーカスし、ライフエンディング業界に対する想いやこれからの展望をお届けいたします。