「手元供養と散骨のレイセキ」世界に一つのご遺骨人工宝石と海洋散骨
お墓を建てずに自宅でご遺骨を管理しながら大切な人をしのぶ、手元供養をする人が増えています。また、ご遺骨を海洋上に散布する「海洋散骨」を選ぶ人も少なくありません。
そのような人たちから、手元に残ったご遺骨を収納して身につけられる「ご遺骨アクセサリー」に注目が集まっています。
そこで今回のライフエンディングジャーナルでは、ご遺骨アクセサリーの製造・販売から海洋散骨まで幅広い事業を展開している『株式会社レイセキ』を、代表者の栁田様へのインタビューとあわせて紹介します。
株式会社レイセキの事業内容
大阪府に本社を構える株式会社レイセキは、耐久性・耐火性・対候性などにすぐれた信頼性の高い人造石、機能性ガラス・セラミックを社会に活かす専門会社です。
一方で現在人気が高まっている海洋散骨など、多種多様な事業を展開する同社の主な事業内容と、経営理念を紹介します。
事業内容
主な事業内容として、以下の5つが挙げられます。
人工宝石事業 | 故人や亡きペットのご遺骨を高温で融解し、その結晶を析出・成長させた結晶質の人造石「麗石」は株式会社レイセキの代表商品です。麗石は遺骨を石の成分として内蔵するポータブル、ウェアラブルな納骨媒体です。 |
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海洋散骨/永代供養 事業 | お墓を持っていない、必要としていないご遺族様の希望に応じて、ご遺骨をパウダー状に加工し、縁のある海への散骨を行っています。永代供養の提供も可能です。 |
機能性ガラス事業 | 人工宝石と同じく、ご遺骨を多く含むガラス粒(クリスタルアッシュ)に加工します。 |
供養セラミックス事業 | オーダーの骨壷を提供し、ご遺族様らしさを表現できるようにしています。 |
機能性セラミックス事業 | 石やガラス、焼却灰やスラグを主原料に、他の無機廃棄物との混合物を再利用可能な石材に再生する都市型エンドレスリサイクルシステムを展開しています。廃棄物から結晶性人工石・セラミックスが再生されることで、廃棄物のラストリゾートが実現されます。 |
経営理念
株式会社レイセキでは、以下2つを経営理念に掲げています。
- 独自の創造技術で、人には豊かな心の糧を、地球には美しい環境を提供する
- 社会利益と会社利益は同じである
この理念に基づいて、
- 石化技術の探究に努め、新たな価値を創造する
- 日常的に無理なく故人や亡きペットに接し、安らかな心の環境を提供する
- 社会の廃棄物をセラミックスに再生し、安価に提供して、クリーンな社会創りに貢献する
この3つの基本方針を固め、大切な人を亡くした人はもちろん、地球にも寄り添った事業を展開している企業です。
レイセキが提供する製品・サービス一覧
株式会社レイセキはこれまで培ってきた知識や技術、実績を活かして多くのサービスや製品を開発・提供しています。それぞれの概要を紹介します。
麗石(れいせき) | ご遺骨を使って人工宝石「麗石」を作り出し、アクセサリーやオブジェに加工して販売しています。 |
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クリスタルアッシュ | ご遺骨を多く含むガラスの砂(=クリスタルアッシュ)に加工し、砂時計やクリスタルポットに収納します。キラキラと輝くガラスの砂は非常に美しく、インテリアにもできるでしょう。 |
海洋散骨 | 日本海洋散骨協会の正会員である株式会社レイセキでは、海の環境保全に配慮して、ルールに則った安全で節度ある海洋散骨に努めています。 |
ご遺骨のパウダー加工 | 株式会社レイセキが提案しているのは、海洋散骨用や分骨用に施される「散骨用パウダー加工」と、供養の場や部屋に置いておける「エンジェルパウダー加工」のふたつ。エンジェルパウダー加工は白くきれいな微粉末状に加工されます。 |
骨壷 | 株式会社レイセキの骨壷には陶芸作家手作りのセミオーダー骨壷「あんのん」やフルーダー骨壷「メモワール」、クリスタル製のクリスタルポットなど充実しています。ガラスやアルミ製、また京都西陣織で作られたミニ骨壷を選べば、限られたスペースにも無理なく置けるはずです。納骨型ペンダントもあります。 |
麗姿(れいし) | かわいがっていたペットの姿をもとに陶芸作家が手作りするメモリアルクレイ「麗姿」。ご遺骨を収納できるフィギュアで、その形からは在りし日のペットの姿が思い出されます。 |
樹木葬「桜雲(さくらぐも)」 | 世界遺産熊野古道の入り口、自然豊かな公園型墓地にて永代供養がなされます。桜の木の下で合祀し、13年間の供養後は個別墓を設けることも可能です。管理供養は地蔵寺が行っています。 |
永代供養墓「法音」 | 高野山の由緒ある塔頭寺院不動産が境内の永代供養墓「法音」で合祀し、本堂にも大切なご遺骨を安置して、50年間供養します。春のお彼岸には高野山真言宗の儀礼に沿って総供養が行われます。 |
豊富な製品・サービスのなかから、特におすすめの3つを紹介します。
麗石(れいせき)
オリジナルのメモリアルジュエリー『麗石』には、たくさんの種類があります。
商品 | デザイン・カラー | 備考 |
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ネックレス・リング・バングル | 麗石のカラーは全12色 プラチナまたはゴールド | 完成には約4~5週間 製作アルバム付き |
ペンダントトップ | デザインは5種類 麗石のカラーは全12色 組み合わせは自由 | 完成には約3~4週間 製作アルバム付き |
ブレスレット・念珠 | 麗石のカラーは全12色 天然石と麗石の色の組み合わせは自由 | 完成には約3~4週間 製作アルバム付き |
オブジェ(立体タイプ) | 麗石のカラーは全12色 デザインと色の組み合わせは自由 | 完成には約3週間 製作アルバム付き ケースとセット |
オブジェ(うす型タイプ) | 麗石のカラーは全10色 デザインと色の組み合わせは自由 | 完成には約3週間 製作アルバム付き スタンドとセット |
お守りれいせき「たなごころ」 | 麗石のカラーは全12色 | 完成には約1週間 製作アルバム付き 巾着袋つき |
海洋散骨
大阪湾をはじめ、全国各地の港から出港できます。プランは、
- 個別散骨
- 委託散骨
- メモリアルクルーズ
の3つで、いずれも献花や水に溶ける紙の「送り折り紙」、献酒・献水、散骨証明書と写真アルバムが用意されます。
そして、散骨当日は「水に溶ける袋」に入ったパウダー加工されたご遺骨を撒きます。
麗姿(れいし)
メモリアルクレイ「麗姿」はペットのご遺骨の量によって製作サイズと価格が決まります。
サイズの指定もできますが、ポーズは「おすわり」が標準です。名前や命日など、文字の刻印は無料で、オプションで色付けも選べます。約2~3か月で完成します。
株式会社レイセキではとても多くの製品を扱っていますね。それらのサービスや製品はどのようにして開発されているのでしょうか。
株式会社レイセキの代表取締役・栁田さんからお話を伺いました!
株式会社レイセキ代表・栁田さんにインタビュー
御社は2002年設立と伺いましたが、この事業を始められたきっかけを教えていただけますか。
栁田さん:東京の大手不動産会社でマンション開発をしていたころ、仏壇の位置について相談されることがしばしばあったのです。
仏間がないマンションも多い都心で、新しい供養文化を始めようと考え、起業を決意しました。設立後、大阪大学の研究室のサポートを受け、弊社の看板商品である遺骨入り人工宝石「麗石」を完成しました。
起業前はまったく違う業界にいらっしゃったのですね。今では麗石だけではなく、海洋散骨も展開されていますよね。
栁田さん:「麗石」を注文されたお客様のなかには「お墓は作れないけど、残った遺骨をどうしたらいいのか分からない」「残りの遺骨を海で散骨したいが、できれば一緒に頼めたら楽」という声をいただいていたのです。
そういった声に応えるため、自分自身が船舶免許を取り、船の安全性について学んで海洋散骨を開始しました。
自分で免許も取られるのはすごいですね!海洋散骨のときに撒く海散華(うみさんげ)がとても素敵で御社独自と感じたのですが、名前の由来を教えていただけますか。
栁田さん:散骨をすると粉末状のご遺骨が白くゆっくり広がって、生花とともに美しい情景を映し出すのです。その情景こそが供養にふさわしいと確信し、「海散華」と命名しました。
海上に広がっていく様子から名付けられたのですね。。海散華だけではなく、御社で扱うソリッドアッシュや送り折り紙も特徴的ですよね。こちらについても教えてください。
栁田さん:一旦散骨用に加工した粉骨を、再度プレスト熱処理で固化した塊がソリッドアッシュです。
通常の粉骨では、ご遺骨は潮とともに流れてしまいますが、固体であるソリッドアッシュはその場の海底に留まり、時間をかけてゆっくり溶けて自然に還ります。
流されることがないため、散骨ポイントに思い入れがある方からオーダーを受けることが多いです。
送り折り紙は、水溶性の特殊な紙に思いをつづって花と一緒に海に流すものです。
環境にも配慮していて、個別散骨にのみ対応しています。
人だけではなく環境に配慮しているのですね。最近は一般に浸透してきた海洋散骨ですが、今なお反対されている方もいると聞きます。そのような人にはどのような説明をされていますか。
栁田さん:海洋散骨を始めた当初は、親せきやお寺様に反対されて中止や延期をした方も確かにいらっしゃいました。
その都度、故人様の強い希望や、海洋散骨が浸透し始めている事実、また自然に還るという心の開放、そして遠方にあるお墓や複数のお墓を管理する負担の大きさを説明してきました。
今では散骨に反対する宗教者は少なくなり、一緒に乗船して散骨供養する宗教者もいるほどです。
本当に大きく変わってきているのですね。ここからは手元供養品について伺いたいのですが、どちらの商品が人気なのでしょうか。他社製品との違いも気になっています。。
栁田さん:リングが一番人気で、以下ネックレス、オブジェのまる玉35とお守り麗石「たなごころ」が続きます。
常時身に着けられるリングや人目に見えるネックレス、日常生活で身近に意識できる置物が人気です。
「たなごころ」は日常的にお守りのように持ち歩けるので、旅行にご持参される方もいらっしゃいます。色は女性らしい桜花と男性的な瑠璃が人気です。
ご遺骨ごとの特性やひとつずつ手作りの製作過程で生まれる模様は指紋のように個性があり世界にひとつだけのものです。遺骨ダイヤモンドやご遺骨を樹脂で固めた他製品には難しい色味の発色が実現できています。
商品やサービスひとつひとつのエピソードが充実していて、感動します。これまでで特に印象に残っているお客様はいらっしゃいますか。
栁田さん:弊社の骨壷を購入された二人のお客様が印象に残っています。
骨壺は形、または描く絵の希望を伺っていますが、柔道着の形を依頼されたお客様がいらっしゃいました。一年半以上対応できる業者を探していて、最後に弊社を見つけてくれたようで、とても喜んでいただけました。用意されていたアクリルの箱にぴったりはまって、とても感動した覚えがあります。
絵付けでは男の子の骨壺製作が印象的でした。「ONE PIECE」の大ファンだったようで、作者からもらった漫画絵と励ましの言葉、サインを壷に描いたのです。ご家族からは「息子が大好きなワンピースに包まれて、身近に感じられる」と感謝のお言葉をいただいたことを覚えています。
どちらもとても心が温まるエピソードですね。ありがとうございます。これから時代が変わっていくなかで、供養に対する価値観はどのような変化を遂げるとお考えですか。
栁田さん:お墓に代わる供養方法が多様化してきたことで、「納骨=お墓」のシナリオが崩れてきていると感じています。
納骨の形式が多様化して散骨希望者も増え、墓じまいをする人が弊社でも増えてきています。今後お墓の需要は減少し、さらに納骨堂と散骨が増えていくのではないでしょうか。
供養のスタイルが変化することで、御社の需要も高まっていきそうですね。最後になりますが、ライフドットの読者へメッセージをお願いいたします。
栁田さん:「麗石」はお墓と仏壇を兼ね備えた手元供養品であり、宝飾品として身に着けられるうえに、場所を選びません。
ご遺骨を加工して行う手元供養と海洋散骨をレイセキにご依頼いただくと、ワンストップで供養が完結されます。
ご遺骨の加工にお立会いいただくことで工程を確認でき、ご安心いただけるはずです。
供養のワンストップサービスは、これからますます人気が高まりそうですね。貴重なお話をありがとうございます!
株式会社レイセキ 企業概要
企業名 | 株式会社レイセキ |
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代表者 | 栁田 剛 |
所在地 | 大阪府堺市堺区中向陽町1-6-1 |
設立年月日 | 2002年11月1日 |
公式サイト | https://reiseki.net/ |
編集後記
商品開発や散骨の専門会社はよく聞きますが、ふたつを両立している株式会社レイセキはとても珍しい存在で、大変勉強になりました。「供養のワンストップ」という言葉はとても印象的ですね。これから、こういったサービスはどんどん増えていきそうだと考えています。
ライフエンディングジャーナルは、「Life.(ライフドット)」が企画・発信する特別インタビュー企画です。ライフエンディング業界のイマを取り上げ直接取材し、業界全体をライフドットからも盛り上げて行きます。業界に関わるサービスや商品、そして第一線で活躍する人々にフォーカスし、ライフエンディング業界に対する想いやこれからの展望をお届けいたします。