NPO法人エンディングノート普及協会を紹介!エンディングノートの書き方のコツを伝授
終活が注目されていますが、「自分はまだまだ若いから、終活は早い」と思う人はいるのではないでしょうか。
しかし、自分の最期がいつ訪れるのかは誰にもわからないものです。
だからこそ一度終活を意識して、エンディングノートに向き合ってみてはいかがでしょうか。
今回はエンディングノートの活用を広めている「NPO法人エンディングノート普及協会」を紹介します。エンディングノートへの取り組み方がわからないという人はぜひ参考にしてください。
『NPO法人エンディングノート普及協会』について
NPO法人エンディングノート普及協会は、いざエンディングノートを書こうとしても何を書けばいいのかわからないという人に向けて、書くためのコツを伝えている団体です。
世界にひとつしかない、自分と大切な人が「あってよかった」と言えるエンディングノートを作成するために、エンディングノートの専門家であるエンディングノートナビゲーター®️が作成のサポートを行なっています。
エンディングノートの作成を通して、誰もが最期まで自分らしく生きるための「エンディングノート」の普及を目指しています。
協会の取り組み内容について
NPO法人エンディングノート普及協会は、エンディングノート作成のサポートだけではなく、幅広い事業を展開しています。ここからは同協会が展開している6つの事業を紹介します。
エンディングノート講師派遣
NPO法人エンディングノート普及協会は年間30回以上、累計5,000人以上の人に終活やエンディングノートセミナーの講演を開催してきた団体です。
老人大学・公民館講座をはじめ、各種研修会や女性部会総会など、全国の各種団体に当協会の講師を派遣しています。
豊富な経験をもとに具体的な事例を上げながら、丁寧に楽しく進められていて、「笑い声の絶えない講座」にも選ばれました。
エンディングノート書き方講座
エンディングノートの書き方や終活の講座を各地で開催しているNPO法人エンディングノート普及協会。
現在は新型コロナウイルス感染拡大を受け、オンライン講座やオンライン相談も積極的に行っています。受講スタイルは自身の生活に合わせて選べます。
オンラインでは録画のDVDなどを視聴するのではなく、リアルタイムで通常の講座と同じ感覚で参加可能で、初めてオンライン講座を開催する主催者様のご相談にも応じています。
終活サポート
終活を始めたくても何をしたらいいのかわからない。相談するにしてもどこに相談したら良いのかわからないという人と、終活相談に乗りたいのに相談希望者とつながれずに悩んでいる人を終活サポート事業部がつないでいます。
双方の悩みを解決できる環境を整えています。
お薬手帳活用術
NPO法人エンディングノート普及協会では、延命治療や終末期の希望を他の人に伝えるきっかけづくりとして、お薬手帳の活用を実践しています。
近年はエンディングノートを始めるきっかけとして「お薬手帳ベスト」と名付けたお薬手帳サイズのオリジナル質問シートを作成し、お薬手帳とシートを活用した「お薬手帳から始める終活・エンディングノート」の講座を開催しています。
在宅医療/看取りを考える講演会
協会が掲げる理念のもとに、在宅医療専門医の丸山典良先生や、「看取り先生の遺言」の著者であるノンフィクション作家の奥野修司さんを顧問に迎えて、毎年「在宅治療」「看取り」について考える講演会を開催しています。
災害時のプロボノ支援
仕事のスキルや経験を生かしたボランティア「プロボノ支援」にも積極的なNPO法人エンディングノート普及協会。
平成30年7月の豪雨で人材な被害を受けた広島県三原市本郷町には、理事長が中心となり発災3日目からボランティアとして参加しました。
現在は活動を通じて知り合った団体やプロボノ活動に関心を寄せる人たちと勉強会や被災地支援を進めながら、仕組みを構築しています。
エンディングノートの普及だけではなく、お薬手帳の活用やプロボノ支援など、幅広い事業を手掛けているNPO法人エンディングノート普及協会。
精力的な活動を続ける同協会の代表者・赤川さんにインタビューを行いました!
代表 赤川さんへインタビュー
エンディングノート普及協会と聞いたとき、エンディングノートにのみ注力されているとイメージしていたので、事業の幅広さに驚きました!たくさん聞きたいことがあるのですが、まずは協会設立のきっかけから教えていただけますか。
赤川さん:私自身、家族の看取りや介護を行なっていますが、その中で感じる違和感は少なくありません。
この違和感をなくすべく、生前の本人から希望を聞いておける方法を確立したいという思いで協会を設立しました。
介護サービスがどんどん変化していくなかで、本当に困っている人へ情報を届けたいという思いもあります。
設立から数年前の2010年にはコクヨのエンディングノートが年間で15万部売れ、翌年には「エンディングノート」の映画が上映されたことで、タイミングが良いと感じましたね。
また、2012年に亡くなった金子哲夫さんの自叙伝・「僕の生き方エンディングダイアリー500日」が発売され、終活やエンディングノートに対する関心が高まっていたことも、協会設立の後押しになりました。
確かに2010年前後は終活が意識され始めた時期でしたよね。
任意団体から法人化する際に合同会社などにするかで悩まれたと伺っていますが、最終的になぜNPO法人を選んだのでしょうか?
赤川さん:講師派遣を始めたときから、お客様を選ぶのではなくすべての人に終活の大切さを伝えたいと考えており、どちらかというと「啓蒙活動」に近い活動でした。
そのため、理念を強く持てる公共団体としてNPO法人が最良だと考えたのです。
そういうことだったのですね。
それでは、実際にエンディングノートを書くときのポイントについて教えていただけますか?
赤川さん:エンディングノートはいきなり書けるものではありません。
人によって必要な項目は違いますので、現在の自分の情報を整理し、自分に関係のあることや重要性の高いところから書き始めましょう。
また、ただ書くだけではなく、書いたことを誰かに伝えるというステップが重要になってきます。
確かに一から書くのは難しそうですよね。次にエンディングノートを書くことによって得られるメリットを教えてください。
赤川さん:これはよく言われていますが、エンディングノートの作成は「人生の棚卸し」や「今の自分を知ること」につながります。
将来への不安など、これまで気づかなかった部分に気づくことで、自分の人生を整理したり将来自分に起こりそうな事柄を予測して準備することができるでしょう。
また、最期の瞬間に「最高の人生だった」と思える人生を送るきっかけにもなるはずです。
人生100年時代といわれる現代にあって、「なんとなく生きる」ではなく、最期まで尊厳を持って自分らしく、質の良い人生を送る気づきになると考えています。
おっしゃる通りですね。今のお言葉もセミナーで伝えられているかと思いますが、他にも教えがありましたらお聞かせください。
赤川さん:新型コロナウイルスの影響で、世代を問わず「突然の死」を意識する方が増えてきました。しかし、ほとんどの人は「何から、どこから、いつから始めるのか」がわからず、終活への一歩を踏み出せていない状態です。
当協会では「まずは今の自分を知ること」「情報を収集すること」など、「知ること」から始めていただきたいとお伝えしています。
「終活=行動」と思われがちですが、自分に必要なことややるべきことの優先順位を決めるためには、自分自身や自分に関係する人のことを知らなければいけません。
それには決して「早すぎる」はありませんので、意識し始めた段階で始めることをおすすめしています。
終活において「自分を知ること」は本当に大切なのですね。協会設立以来、多くの講演を行われていますが、受講されている方々に変化を感じることはありますか?
赤川さん:この8年間で終活が良い意味で広がったと感じていますね。設立当初は終活に対する固定観念があって、刺さらない人には振り向いてもらえませんでした。
特に8年前の団塊の世代の男性は終活に消極的で、否定的な方も多かったですね。
しかし、終活がメディアで頻繁に取り上げられるようになり、前向きに取り組む人が増えました。また高齢者にとっての数年は大きく、周りで亡くなる人も増えてきて意識せずにはいられないということでしょうか。
また、これまで男性の家意識が強く見られましたが、子どもから「面倒を見ない」と言われ、「なるようになる」が通じなくなったと実感している方も少なくありません。
団塊の世代にとって終活が現実味を帯びてきているのですね。全国各地で講演されていますが、地域による違いを感じることはありますか?
赤川さん:最初に思ったのは、メディアがPRしている終活フェアは地方にお住まいの方にはまったく当てはまらないという現実です。
地方ではまだまだ男性の家意識が強い傾向にあり、家族葬が許されないエリアもあります。不動産相続の問題もあり、都心と地方で抱える悩みはずいぶん違うなと感じています。
供養が多様化する一方で、根強い家族意識もまだまだ存在するのですね。
在宅医療の講演もされていますが、終末期をどこで過ごすかを考えることでの生活への意識はどう変化するとお考えですか?
赤川さん:在宅医療・看取りは多くの人が希望していますが、現状お住まいの地域によって医療や介護サービスにばらつきがあり、すべての希望者が実現できるかどうかは難しいところです。
看取られる場所よりも「終末期をどこでどのように過ごすか」を考えることが大切で、早めの準備・情報収集や自分を取り巻く人たちとの話し合い、金銭的なことを整理しておく必要があります。
在宅で介護・看護をする場合は家族やケアに関わる人との話し合いが重要なポイントになるので、元気な時から日常的に、繰り返し話をしておかなければなりません。
終活は早めの準備をしておくに越したことはないのですね。ほかにも終活を始めようとする人へのアドバイスがありましたらお願いします。
赤川さん:まずはスマホやパソコンのロック番号を紙に書きましょう。
特にスマホの中には大切な個人情報や財産なども入っていることがあるので、自分に近い信頼できる人がロックを解除できるようにしておくことで、ご遺族もスマホの中の必要なものを確認することができます。
また、エンディングノートは書いたら終わりにするのではなく、定期的に見直すようにしましょう。
書いたことに満足するのは良くありません。私たちは書き上げる指導はしていません。作成するプロセスが大切で、書いたことを誰かに知ってもらうステップの重要性を理解していただきたいですね。
まだまだ終活の課題はありそうですね。こういった課題を念頭に置いた、今後の展望を教えてください。
赤川さん:新型コロナウイルスの感染拡大で、今は若い人も急に亡くなるかもしれないと危機感を覚えている時代です。
ネットが普及したことで終活関連の情報を簡単に集められるようになりましたが、一方で情報を拾えていない人も少なくありません。
私たちはそのような方々に、どうやってアプローチしていくべきか、考えているところです。ノートを書いても渡す人がいなければ終活が終わったとは言えません。
今後は終活の必要性をさらに広く伝えたいと考えています。
心に響くお言葉ありがとうございました。最後にライフドットの読者へのメッセージをお願いします。
赤川さん:ちまたにあふれている終活の情報のなかには誤ったものもありますし、自分にとって関係のない情報もあります。
情報の取捨選択方法がわからずに悩んでいる方のために、NPO法人エンディングノート普及協会ではさまざまな情報発信やサポートを行っています。ぜひ一度ホームページをご覧ください。
終活の情報を取り入れるだけではなく、自分にとって適切なものを選ぶ必要があるのですね。貴重なお話をありがとうございます!
NPO法人エンディングノート普及協会 概要
法人名 | 特定非営利活動法人エンディングノート普及協会 |
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代表者名 | 赤川 なおみ |
所在地 | 広島県福山市新市町宮内 |
設立 | 2012年 |
業務内容 |
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公式サイト | https://endingnote.or.jp/ |
編集後記
エンディングノートの普及は活動のひとつであり、ほかにもさまざまなサポートを行っていると知って驚きました。ボランティア活動にも熱心で、代表者様の熱い思いが伝わりました。供養のかたちが変化する現代にあって、今後ますます需要が高まっていきそうだと感じています!
ライフエンディングジャーナルは、「Life.(ライフドット)」が企画・発信する特別インタビュー企画です。ライフエンディング業界のイマを取り上げ直接取材し、業界全体をライフドットからも盛り上げて行きます。業界に関わるサービスや商品、そして第一線で活躍する人々にフォーカスし、ライフエンディング業界に対する想いやこれからの展望をお届けいたします。