認知症を引き起こす3つの要因、もの忘れと認知症の違いも解説
この記事の目次
認知症が心配されたら
ポイント:さきほど食べた食事の内容ではなく、食べたことを忘れていたら認知症が心配される。
配偶者の死をきっかけに、認知症になることが多い
認知症を引き起こす要因として、孤独感や不安などの「①精神的要因」、病気やケガなどの「②身体的要因」、引っ越しや生活の変化などの「③環境的要因」の3つがあげられます。
配偶者の死は、「①精神的要因」「②環境的要因」になり、認知症のきっかけになりやすいので、家族は高齢の親の生活を大きく変えたり、孤立させたりしないように気をつけることが大事です。
もの忘れがひどくなったら受診を
高齢者は、すぐにものの名前が出てこなかったり、話していた話題がわからなくなったりします。「ボケたのかね?」と自戒する親も多いでしょう。
もの忘れは老化現象の代表的なもので、脳の神経細胞が減少するために起こる自然な現象です。しかし、見聞きしたことのすべてを忘れたり、しまい忘れや置き忘れが頻繁になったら、認知症を疑ったほうがよいでしょう。
認知症は病気です。その原因として「アルツハイマー病」「脳血管障害」「脳腫瘍」「脳の外傷性障害」などが考えられます。原因によっては治療すれば治る種類もあるので、早めに受診することが大切です。
また、配偶者の死でぼんやりすることが多いようなら、認知症ではなくうつ病の場合もあります。いずれにしても、早めの受診が治療のスタートを早めることになるので、「精神科」「神経内科」「もの忘れ外来」といった医療機関か、身近な「かかりつけ医」に相談しましょう。
認知症はこう進む
認知症の3大原因は「アルツハイマー病」「脳血管障害」「レビー小体病」で全体の80~90%を占めます。
①アルツハイマー型認知症
記憶障害に始まり、脳全体が徐々に萎縮していくにしたがって、身体機能も衰えていきます。穏やかに発症し、ゆっくり進行していきます。
②脳血管障害型認知症
いわゆる「まだらボケ」という症状で、正常なときと認知症の症状が出現するときがあり、脳卒中を起こすたびに段階的に進行します。
③レビー小体型認知症
パーキンソン病に似た症状が現れ、初期から幻視・幻聴が見られます。症状の進行は個々によって違いますが、ほかの認知症より早く進む傾向にあります。
もの忘れと認知症の違い
症状 | もの忘れ | 認知症 |
---|---|---|
病気か? | 病気ではない | 病気である |
進行するか? | すぐには進行しない | 進行することが多い |
体験したことは? | 体験の一部を忘れることがある | 体験したこと自体を忘れてしまう |
記憶力は? | 記憶力は衰える | 記憶力だけでなく、時間や判断が不確かになる |
いまの場所は? | 自分がいる場所はわかる | 自分のいる場所がわからなくなる |
日常生活は? | 日常生活に支障はない | 日常生活に支障がある |
他の精神症状は? | 他の精神症状はともなわない | 他の精神症状をしばしばともなう |
自覚は? | もの忘れを自覚している | もの忘れをしばしば自覚しない |
■参照元
改訂増補 親の葬儀とその後事典
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平成20年9月30日 旧版第1刷発行
平成29年5月26日 改訂版第1刷発行
著 者:黒澤計男 溝口博敬
発行者:東島俊一
発行所:株式会社法研
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