墓地の募集に関するチェックポイントは3つ!申し込み方法ごとの違い
墓地の募集とは?徹底解説
- 公営、民営、寺院の墓地・霊園にはそれぞれ特徴と条件がある
- 墓地の空き情報は自治体サイトや石材店、寺院で確認可能
- お墓建立は選定から納骨まで7ステップの流れを把握
- 墓地使用許可など3つの書類が必要、選び方は評判や確認が鍵
お墓を建てる必要があるときは、何から始めたほうが良いのでしょうか。
お墓を建てる場合は、必ず墓地に建てる必要があります。
ここでは、墓地への申し込み方法や、お墓を建てるまでの流れ、墓地の選び方のポイントなどについて解説いたします。
どのようなタイプの墓地にすれば良いか迷っている人や、しっかり比較してお墓を建立したいと思っている人は必見です。
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この記事の目次
墓地・霊園の申し込み方法はさまざま
墓地や霊園を比較検討する際にはそれぞれの申し込み方法を把握しておくことが必要です。
一般的には「公営墓地・霊園」「民営墓地・霊園」「寺院墓地」があります。
それぞれに特徴が異なりますので、しっかりポイントを押さえたうえで自分にあった方法を探してみましょう。
公営墓地・霊園
公営墓地や霊園は各自治体が運営管理していますので、ホームページや電話などでも申し込み方法の確認ができます。
申し込みできる月が、自治体ごとに年に数回などと決まっていることが一般的です。
自治体によっては公営墓地の申し込み定員の上限が少ないこともあります。
もし定員を上回る場合は抽選で当選者を決定します。
参考:「自治体が運営する公営墓地についてわかる!費用や募集について解説」
公営墓地・霊園の利用条件
民営や寺院墓地との大きな条件の違いは、墓地を検討している自治体に住民票があるかどうかです。
多くの公営墓地では、「対象の自治体に住んでいること」が資格条件の一つになっています。
つまり、希望する公営墓地・霊園の対象エリアに住んでいないと、選ぶという土俵にさえのぼることができないのです。
民営墓地・霊園
民営墓地や霊園は宗教法人などが主体となり、民間企業(石材店など)が運営管理をしています。
インターネットでの情報開示や、申し込みを行っている業者も多い傾向です。
電話もフリーダイヤルなどを設けていることも多く、わからないときは気軽に申し込みについて確認しながら進めることができるでしょう。
公営墓地・霊園のように申し込みできる期間が限定されていないことが多い傾向です。
民営墓地・霊園の利用条件
民営墓地・霊園は、現地に住民票があることや、宗派・宗旨が限定されるといった条件はほとんどないでしょう。
そのため、申し込みするためのハードルは低いといえます。
寺院墓地
寺院墓地は、宗教法人が主体となり、宗教法人が運営管理をしている墓地です。
ホームページで申し込みの開示を行っている寺院もあれば、ホームページ自体がないという寺院もあります。
そのため、3つの墓地の中では情報収集が一番難しい傾向です。
確実な方法は申し込み方法について電話や訪問して確認すると良いでしょう。
寺院墓地・霊園の利用条件
寺院墓地や霊園によっても大きく異なってきますが、宗派・宗旨が限定される場合があります。
特定の宗派でないと申し込みできないというケースです。
また、多くの寺院では墓地使用契約を結ぶに当たって、その寺院の檀家になる必要があります。
墓地の種類 | 経営主体 | 運営 | 利用条件 |
---|---|---|---|
公営墓地・霊園 | 自治体 | 自治体 |
|
民営墓地・霊園 | 宗教法人など | 民間業者など | 特になし |
寺院墓地 | 宗教法人 | 宗教法人 |
|
墓地・霊園の募集状況を知る3つの方法
墓地・霊園の募集を知るためには3つの方法をしっかり把握しておきましょう。
墓地・霊園の募集状況はさまざまであり、流動的な情報になります。
問い合わせた時点で墓地に空きがあっても、他の人が申し込みをしてしまうという可能性もあるのです。
そのため、希望する墓地や霊園にどの程度の空きがあるのかはしっかり確認しておきたいですね。
1.公営墓地・霊園は自治体のサイトをチェック
公営墓地・霊園を検討している場合は、自治体のサイトで公募の日程などをチェックしましょう。
民営墓地や寺院墓地と異なり、ほとんどの自治体がホームページ上で情報を開示しています。
自治体によって、お墓の定員数や条件、申し込みできる月などが異なりますので、担当の課へ電話でもあわせて確認をしておくと安心です。
2.お墓を建てたい地域にある石材店で情報収集
希望する地域の石材店をまわって情報収集することも有効です。
石材店によっては、さまざまな墓地や霊園に墓石を建立しているため、ホームページ上などでは知り得ないような情報を聞き出せる場合があります。
民営墓地や寺院墓地を検討している場合は、その墓地の評判なども聞いておくと参考になるため重宝するでしょう。
3.気になる寺院へ直接尋ねる
情報が集まりにくいのが寺院墓地です。
寺院墓地にこだわりたい場合や、特定の宗派・宗旨で供養したい場合などは、対象の寺院へ直接足を運んで住職に聞いてみることが無難といえます。
寺院墓地の場合は、住職との付き合いも長くなる傾向です。実際に顔を合わせて話を聞いてみることで住職の人柄なども確認できるでしょう。
どんなに由緒ある寺院だったとしても、人間的に考え方があわないような住職のいる寺院でお墓を建ててもトラブルの元です。
7つの流れを押さえよう!墓地・霊園の決定からお墓を建てるまで
墓地・霊園の選定が完了したら、次はお墓の建立です。
お墓を建てるまでには7つの流れがありますので、全体像をしっかりイメージしておくと納得してお墓作りが進められるでしょう。
1.複数の石材店と予算やデザインを訪問して協議
「石材の販売店で上手に墓石を買うために!複数の石材店を見比べよう」でも解説していますが、お墓を建てる際には、複数の石材店に足を運んでみることが賢明といえます。
なぜなら、自分が思っているお墓のイメージや色、予算など、希望条件に合う石を扱っているお店に出会える可能性が高くなるからです。
また、しっかりしたお墓を作るには石材店の丁寧なヒアリングや、ハイレベルな施工の実績なども大切になります。
そのため、石材店の運営形態や、代表者の人柄なども知っておきたいところです。
石材店でもブローカー的な業務形態で知識に乏しかったり、ずさんだったりすることも珍しくありません。
2.石材店に相見積もりをしよう
いくつか石材店をピックアップできたら、具体的に自分のイメージするお墓を相見積もりしましょう。
相見積もりというのは、同様の条件で各石材店へ見積もりを出してもらうことです。
石材店の中では相見積もりを毛嫌いする業者もあります。
それは、価格競争には乗らないというあらわれでしょう。
価格が安いところを選べば良いというわけではありませんが、1社だけの見積もりだと、適正な金額なのかを判断できません。
お墓の知識というものは閉鎖的で必要な人以外は、あまり基礎知識がない人のほうが多い傾向です。
そのため、不親切な石材店の場合は足もとを見られる場合もあります。
値段をふっかけられないようにするためにも3社程度は相見積もりしておきましょう。
墓石の値段、選び方については「墓石の値段は平均約130万円!お値段以上に価値のある墓石を紹介」も参考にしてみてください。
3.石材店を選定しお墓を発注
相見積もりした石材店の中から、自分の予算にあって信頼できる業者を1社選定します。
具体的には墓石の購入申し込みを正式にすることになるでしょう。
契約書を交わすことになるのが一般的ですが、信頼できないような業者の場合は口頭だけで進めてしまうというケースもあるので注意が必要です。
この段階でお墓の発注が完了します。
4.墓石購入代金の10~50%の手付金を支払う
墓石購入契約時に、石材店によっては10~50%程度の手付金が必要になります。
この内容は契約書にしっかり謳われていると思いますので、石材店との認識のズレがないかを確認しておきましょう。
例えば、200万円の墓石で20%の手付金であれば、40万円を手付金として支払います。
手付金は「キャンセルの場合に戻ってくるのか」など細かい内容についてもしっかり確認を怠らないようにしましょう。
5.2~3ヶ月でお墓が完成
墓石を発注してから、お墓が完成するまでには2~3ヶ月程度の時間がかかります。
なぜなら、国内の石材店の多くがお墓の受注をしてから、中国など海外へ加工を発注するからです。
「海外産の石材を選ぶと海外で加工される」「国内産の石材だと国内で加工される」と思っている人もいるでしょう。
しかし、どちらであっても加工は工賃の安い海外で行っている業者が非常に多い傾向です。
特に中国での加工が多いですが、中国のお正月である春節にさしかかる1~2月ごろは加工がストップしますので注意が必要です。
6.石材店と現地で立ち会い残金を決済
墓石が完成したら、現地で石材店と立ち会い確認をして残金を期日までに支払いましょう。
無事にお墓の加工が完了すると、石材店がお墓の設置の工程にはいります。お墓の設置は石材店の技術の見せどころです。
現地での立ち会いは形式的なものにならないよう、施工がしっかりなされているかを細かい点まで確認しましょう。
目視のうえ気になることは、必ずその場で納得ができるまで説明を受けます。
そして、問題がないと判断した時点で残金を決済するようにしましょう。
7.納骨式
お墓の建立と、決済が完了しましたら納骨式の準備をしましょう。
一般的には49日や一周忌などが納骨式の目安といわれています。
納骨式の日取りが決まったら、参列する親族などに情報を共有し、住職へ読経や開眼供養を依頼する場合は、その手配も忘れずに行いましょう。
納骨については「納骨の方法まとめ!お墓・樹木葬・納骨堂・永代供養など費用も解説」でも解説しているので参考にしてみてください。
お墓を建てるために必要!3つの重要な書類
お墓を建てるためには主に3つの書類が必要になります。
「石材店に全て丸投げしてしまえばいいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、お墓を建てるというのは一生のうち何度も経験することではないため、しっかり内容を確認しておくと不備を防ぐことができるでしょう。
墓地使用許可証
墓地使用許可証は、墓石を設置したり、納骨したりする際に必要になる書類です。
なぜなら、墓地埋葬法第4条で墓地以外には納骨してはいけないという決まりがあるからです。
墓地の使用権が確認できないとお墓は建てられません。
墓地使用契約を結んだ人が墓地使用許可証を保管しておくものですので紛失しないようにしましょう。
工事届
お墓を建てるときに必要になることが多い工事届。公営墓地などの場合は必要になります。
実務上は、こちらが用意する書類というより、石材店が手配してくれることが多い傾向です。
ただ、しっかりどういった工事を行うのかが記載されているものですから、目を通すなりコピーをもらうなりしておくと安心です。
埋葬許可書
埋葬許可書は火葬許可書と兼用になっていることが多い傾向です。
この書類は自治体が発行しているもので、死亡届を自治体へ提出したときに、火葬許可を申請し、埋火葬許可証を発行されます。
埋火葬許可証を火葬場へ提出することによって火葬され、そこに火葬済印が押されて戻されます。「埋火葬許可証(火葬済印付)」は、骨壺と一緒に保管すると良いでしょう。
墓地・霊園選びで確認したほうがよい3つのポイント
墓地・霊園を選ぶ際は3つのポイントを重点にチェックすると選定しやすいでしょう。
墓地や霊園は厳しい行政の許可をもらって運営されています。
しかし、どの墓地・霊園でも対応や管理が同じということはありません。
ずさんな墓地を選んでしまっては、自分だけでなく故人にとっても残念ですので、面倒がらずにチェックしておくとよいでしょう。
1.インターネットで評判を調べる
まずは、インターネットで墓地や霊園の評判を調べてみましょう。
インターネットの情報は全て鵜呑みにすることはできませんが、参考にはなります。
また、インターネットは良い情報よりも悪い情報のほうが書き込まれやすいため、対象の墓地や霊園へどんな不満があって書き込んだのかが想像可能です。
お墓のポータルサイトなども増えてきている傾向ですので、複数のサイト参考にするとより内容を考察できます。
同じような悪い評判がある場合は、鵜呑みにしてしまわず心にとどめておくようにしましょう。
2.電話で墓地や霊園へ細かい質問をする
次に、電話で気になる墓地や霊園へ疑問点やわからない点を質問してみます。
これは、わからないことが明確になるという一面と、墓地や霊園の最前線となる窓口対応の質がわかるという一面を同時に調査できるからです。
スタッフの対応がしっかりしているような墓地や霊園は、経営主体や運営会社の教育が行き届いている可能性が高いといえます。
墓地や霊園のように繊細な内容を丁寧でわかりやすく回答してくれるのかにも注目しましょう。
3.実際に希望する現地へ出向いて自分の目で確認
最終的には現地に足を運び、自分の目で確認してみるのが大切です。
インターネットや電話で収集した情報をふまえたうえで、現地を観察するとさまざまなポイントが確認できるでしょう。
管理事務所などがあれば、話を聞いたりスタッフの表情を観察したりするなどのチェックも大切です。
なぜなら、最終的に墓地や霊園を管理するのは人間だからです。
墓地・霊園を選ぶ3つのポイントはしっかり理解できましたか?
墓地・霊園の管理業務は、お盆前後や、お彼岸前後がピークとなります。
繁忙期はスタッフがさまざまな対応に追われていたり、問い合わせが増えたりする時期です。
そのため、できればその時期を避けたほうがより丁寧に説明を受けられるのでしょう。
まとめ
墓地の種類や選び方、お墓が建つまでの流れについて解説しました。
各墓地や霊園におけるお墓の募集や申し込みの違いが良く理解できたのではないでしょうか。
特に、公営墓地や寺院墓地は申し込みする時点で条件を満たしているかを確認することが非常に大切です。
墓地や霊園には「公営墓地」「民営墓地」「寺院墓地」の3つがある
墓地の種類 | 経営主体 | 運営 | 資格条件 | 募集の確認方法 |
---|---|---|---|---|
公営墓地・霊園 | 自治体 | 自治体 |
|
|
民営墓地・霊園 | 宗教法人など | 民間業者など | 特になし |
|
寺院墓地 | 宗教法人 | 宗教法人 |
|
|
この記事で解ったこと
- 墓地や霊園が決まったら、石材店を選定する
- 石材店を選ぶ際、最低3社程度は相見積もりする
- お墓は注文するときは価格だけでなく、信頼できる石材店なのかまでチェック
- 海外産、国内産の石材にかかわらず、墓石の加工は工賃の安い海外で行われる傾向
- お墓は発注してから建立までは2~3ヶ月かかる
- 納骨式から逆算してスケジュールを相談すると安心
- お墓を建てるときには「工事届」「墓地使用許可証」「埋葬許可書」の3つが必要
- インターネットの評判や電話、直接訪問などで墓地や霊園の質をチェック
公営墓地や民営墓地、寺院墓地にはそれぞれに特徴があります。
自分がお墓を選ぶ際は、「何に重点を置くか」を明確にしたうえで比較していくと後悔しない墓地選びができるでしょう。
お墓を建てるまでの流れをしっかりと把握することで、さまざまな手続きがスムーズに行えます。
納得のいくまで自分にマッチングしたお墓を比較検討することが賢明です。
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
墓地を運営主体別にわけると、「寺院墓地」「公営墓地」「民間墓地」に分けることができます。「檀家になる」と言われる墓地が「寺院墓地」、自治体が開発して運営しているのが「公営墓地」、開発や販売に民間業者が絡んでいるタイプを「民間墓地」といいます。その中でも墓地によって特徴が異なり、一概にメリット・注意点を一括りに語ることはできません。墓石を建てる一般的なお墓だけでなく、納骨堂、樹木葬墓地も、このいずれかのタイプになります。
ちなみに、田舎に行くと突然田畑のど真ん中や、道端にお墓を見かけることはありませんか?これらのお墓の多くは、昭和23年「墓地・埋葬等に関する法律」が施行される以前からあるお墓だと思われます。これらは「みなし墓地」(墓地とみなされる)とされ、このような場所に新たにお墓を建てることは現在ではできなくなっています。