きれいに墓石の掃除をする方法!掃除の手順と代行業者の紹介
墓石掃除の方法とは?徹底解説
- お墓の清掃には傷を避けるため柔らかい道具を使用
- 掃除は周囲の整理後、水洗いと拭き取りで締めくくる
- お墓のメンテナンスは代行で1万円から、大修理は10万円超も
- 遠方や汚れが酷い時はプロの掃除代行が便利
ご先祖様のお墓はキレイですか?
「一年に一回くらいしかお墓参りに行けないから、正直、自信がない」という人は多いことでしょう。
お墓は年中、人目にさらされています。
「あのお墓、管理されていないみたいでかわいそう……」なんて、見ず知らずの人に思われてしまうのは嫌ですよね。
この記事では、以上のような疑問や悩みがある人のために、墓石掃除の方法や便利グッズの使い方、使ってはいけない道具などについてご案内します。
また、どうしても汚れが取れなかったときのために、業者に頼る方法についてもお伝えします。
頻繁にお墓参りに行けなくても、お墓をきれいに保てるようになりますよ。
墓石掃除に必要な道具
まずは、墓石掃除に必要な道具をご案内します。
手に入りやすい日用品もあれば、墓石専用のお掃除グッズもあります。
墓石のどの部分を、どれだけきれいにしたいのかによって道具を選びましょう。
また、使用してはいけない道具や、墓石まわりのための掃除道具についてもご紹介します。
手に入りやすい日用品
墓石掃除用品のうち、手に入りやすい日用品は、以下のようなものです。
- 刷毛
- 雑巾
- スポンジ
- 歯ブラシ
- ゴム手袋
- 手桶・バケツ・空のペットボトル
それぞれ使い方や入手先について紹介します。
刷毛
塗装用などの柔らかい刷毛は、墓石の彫刻に溜まった細かな汚れなどをサッと払うのに便利です。
こすり洗いをする前に刷毛を使っておくと、墓石に過度な負担をかけずに済みます。雑巾
スーパーの日用品コーナーに売られているような、タオル地の雑巾で十分です。スポンジ
食器洗い用のスポンジの、柔らかい面を利用します。歯ブラシ
刷毛では払えない汚れも、歯ブラシを使うと上手に掻き出せる場合があります。ゴム手袋
墓石洗浄の間、手を保護します。手桶、バケツ、空のペットボトルなど
お墓掃除は水洗いが基本なので、水を汲む容器を用意しなければなりません。
とくに空のペットボトルを持参すると、持ち運びが軽く、手桶がなくてもお墓に水をかけやすいので便利です。
上記に挙げたどの道具も、近くのスーパーなどで揃えることができますね。
墓石は確かに高価で特殊なものではありますが、日用品でも丁寧に磨くことで綺麗になります。
でも、「しつこそうな汚れは本当に落ちるの?」と不安に思う方もいるかもしれません。
次の章では、墓石専用として販売されている掃除グッズを紹介します。
墓石専用のお掃除グッズ
墓石専用のお掃除グッズは、以下のようなものです。
とくに頑固な汚れがある場合には、用意しておきましょう。
- 墓石専用洗剤
- 墓石専用スポンジやたわし
- 竹べら
- スクレーパー
- 花立用たわし
それぞれ紹介します。
- 墓石専用洗剤
洗浄力の強すぎるクリーナーを使うと、墓石が劣化してしまう恐れがあります。
必ず、墓石専用の洗剤を使いましょう。 - 墓石専用スポンジやたわし
水垢やシミ、カビなどが目立つときには、墓石専用のスポンジやたわしを用意しましょう。 - 竹べら
しつこい汚れをこそげ落としたいときには、墓石に負担の少ない竹素材を使いましょう。 - スクレーパー
竹べらでは落ちないようなしつこい汚れは、スクレーパーで削り落とします。
ただ、墓石を傷つける恐れがあるので、最後の手段と心得ましょう。 - 花立用たわし
狭い花立を掃除するための、柄の細長いブラシが売られています。
墓石の汚れの程度に合わせて、掃除用品を揃えましょう。 それぞれ、ホームセンターやネット通販などで揃えることができます。
使用してはいけない道具
- 墓石に使用してはいけない道具は、以下の通りです。
- 金たわし
金属製のたわしは、墓石を傷つける可能性があります。
たわしで墓石をごしごしこすってキレイになったとしても、細かい傷がついてしまったら、もうそれは自力で取り除けません。
注意しましょう。 - クレンザー
クレンザーは研磨剤ですから、やはり傷をつける恐れがあり、墓石を磨くにはおすすめできません。 - 市販のカビ取り剤
お墓が変色してしまう恐れがあります。 - カッターナイフ
こびりつきはどうしてもカッターなどで落としたくなりますが、傷をつけてしまうため、おすすめできません。
墓石を「石」と思えば、「どんなに乱暴に扱ったとしても、びくともしないだろう」と思いがちです。
しかし、意外と繊細ですから、ひどい汚れには墓石専用の道具を使いましょう。
墓石まわりのための掃除道具
墓石まわりのための掃除用具は、以下の通りです。
お墓をきれいに保つためには、墓石を磨くだけでは足りません。
墓石まわりも掃除しましょう。
- ほうき
敷地内の枯葉やごみを掃き出します。 - ちりとり
枯葉やごみをまとめます。 - 軍手
草抜きなどのために使用します。 - 鎌
大きめの雑草を処理するために使います。 - ザル
玉砂利を洗うときに使用します。目の粗い大きめのザルを用意しましょう。 - スコップ
玉砂利を洗うときに使用します。 - ごみ袋
ごみを持ち帰るために使います。
ほうきやちりとりは各霊園に備え付けられている場合がありますので、確認しておくと荷物を減らせます。
以上、墓石掃除に必要な道具についてまとめました。
続けて、掃除の手順を確認します。
墓石掃除の手順
墓石掃除の手順は、以下の通りです。
それぞれ説明します。
1. まずは墓石まわりを掃除する
すぐに墓石掃除にとりかからず、まずは墓石のまわりから掃除しましょう。
- 雑草を抜き、草木を手入れする
軍手をはいて敷地内の雑草を引き抜き、必要であれば鎌などを使って草木を手入れします。
鎌を使うときは、墓石を傷つけないよう気をつけましょう。 - 敷地内を掃き掃除する
雑草を抜いたら、敷地内のゴミとともにほうきで掃き出してちりとりにとり、ゴミ袋にまとめます。
決して他のお墓の敷地内へごみをばらまくことのないよう注意しましょう。 - 玉砂利を洗う
余裕があれば、玉砂利を洗うと敷地内が驚くほど明るくなります。
ザルにスコップで玉砂利をすくって、水で洗いましょう。
洗い終えたら、これから掃除をする墓石まわりを避けて敷いておきます。
2. 付属品を掃除する
花立や香炉など、取り外しのできる付属品を水洗いします。
花立の奥がとくに洗いにくいので、歯ブラシや専用ブラシを使いましょう。
3. 墓石の掃き掃除をする
墓石まわりの掃除が終わったら、いよいよ墓石掃除です。
墓石掃除は水洗いが基本ですが、いきなり水をかけるのではなく、乾いているうちに払えるホコリや砂は払ってしまいましょう。
刷毛や竹べら、歯ブラシを使って、上から下へとホコリを払っていきます。
4. 墓石を洗う
水垢やカビ、こびりついた汚れなどがあるときには、墓石を水洗いします。
汚れの気になるところに水をかけ、竹べらやスポンジ、歯ブラシを使いましょう。
頑固な汚れは墓石専用のスポンジを使ってこすります。
水だけではどうしても汚れが落ちない場合は、墓石専用の洗剤を少しずつ使います。
彫刻部分の汚れがどうしても取れないときは、軍手をはいた指でこすってみましょう。
洗剤をよくすすがないと、墓石にモヤッとした模様を残してしまうことがあります。
洗剤を使ったところは、水でよくすすぎましょう。
5. 汚れのひどいところをこする
洗剤を使っても汚れが落ちなければ、スクレーパーを使ってみましょう。
お墓の表面を削るイメージでこすりあげます。
一ヶ所だけを集中してこすってしまうと、傷がつく恐れがあるので、あくまで表面を均一になぞるようにこすりましょう。
どうしても取れない汚れは深追いせず、プロに任せるのがいいでしょう。
6. 拭き掃除をする
仕上げは拭き掃除です。
雑巾を使って、上から下にかけて丁寧に拭き上げ、汚れの残っているところがないかチェックしましょう。
濡れたままだと、汚れが残っていても見えにくい場合があります。
墓石が乾くまで待って、チェックしてから帰るのが理想です。
そのためにも、最後は乾拭きをするのがいいでしょう。
最後は、寄せておいた玉砂利を均等にならして終了です。
以上、お墓掃除の仕方について解説しました。
「どうしても落ちなかったひどい汚れは、どうすればいいのか?」と悩む人もいることでしょう。
次章では、お墓掃除のプロに依頼したときの値段相場などを紹介します。
お墓掃除を業者に依頼する場合の相場
お墓掃除を業者に依頼する場合の相場は、種類によって違います。
お墓参りの代行をしてもらう場合
専門的な掃除をしてもらうのではなく、単に自分のかわりに簡単なお墓掃除とお参りをしてもらいたいときに使う手段です。
お墓のクリーニングをしてもらう場合
素人では落ちない頑固な墓石の汚れをきれいにしてもらいたいときは、お墓のクリーニングを依頼します。
お墓の修理をしてもらう場合
クリーニングではなく、墓石の欠けやヒビ、彫刻部分の損傷を修復してもらいたいときは、お墓の修理を依頼します。
それぞれ、内容や相場をご紹介します。
お墓参り代行なら1万円から2万円
お墓参りの代行を依頼するなら、相場は1万円から2万円程度です。
家族が全国に散らばり、頻繁なお墓参りが難しくなっている今、全国にお墓参り代行の業者が存在します。
「ふるさと納税」の返礼品としてお墓参り代行を活用している地域もあります。
依頼内容は、草抜きや掃き掃除、墓石の拭き上げといった簡単なお墓掃除と、花を手向けて線香を上げてもらうお墓参りです。
つまり、専門的なクリーニングなどは行いません。
ただ、お墓に汚れがある、ひびが入っているなどの報告をしてもらえたり、掃除後の写真をもらえたりしますので、忙しくてお墓参りにすら行けず、お墓の現状を知っておきたい人には便利です。
お墓のクリーニングなら3万円から5万円程度
自分では取れない墓石の汚れをプロに取ってもらいたいなら、お墓のクリーニングが有効です。
汚れの程度や墓石の大きさにもよりますが、3万円から5万円程度が相場といえるでしょう。
墓石の性質を知り尽くした石材店が、適切な洗剤や道具を使って磨き上げてくれるので、傷をつけることなく、キレイに仕上がります。
遠方で仕事に立ち会うことができなくても、きれいになったお墓の画像をメールなどで送ってくれるため、安心です。
お墓の修理は2万円程度から
欠けやヒビなど、破損がある場合はお墓の修理を依頼することになります。
お墓の修理料金は、修理する箇所によってかなり差があります。
ちょっとしたひび割れを一ヶ所だけということであれば、2万円程度で済むでしょう。
かなり汚れている場合には、5万円、6万円と支払わなければならないケースもあります。
また、外柵を取り換える、傾いた墓石を元に戻すといった大掛かりな修理は「お墓のリフォーム」などとも呼ばれ、10万円を超える出費になることもあります。
石材業者に相談する際は、見積もりをもらって検討するようにしましょう。
以上、お墓掃除を業者に依頼する場合の相場についてご紹介しました。
プロに依頼すると、見違えるほどきれいになります。
お墓掃除をするたびに「どうしてもきれいにならない」と落ち込んでしまうなら、プロに任せるのがおすすめです。
お墓掃除の代行業者については「お墓掃除の代行とは。業者の探し方や依頼時のメリットや注意点も紹介」でも詳しく紹介しているので参考にしてみてください。
まとめ
この記事では、よりピカピカに仕上げる墓石掃除のための道具や方法についてご紹介しました。
プロへ依頼したときの相場もご案内したので、「この程度の金額ならプロに任せよう」と思うようになった方もいるのではないでしょうか。
先祖の、そして自分の終の棲家を、いつもきれいに保っておきたいものですね。
プロに依頼して墓石がピカピカになった後は、自分でお手入れをしてきれいさを長持ちさせましょう。
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
お墓参りの際には、墓地の清掃もセットで考えたいものです。月に一度の頻度でお墓参りしている場合は、汚れたところだけサッと拭く程度でも良いと思いますが、お彼岸やお盆など、年に2~3回という場合は、少し丁寧に掃除をしたいものです。
最近のお墓は表面が磨かれていて、コーティングされている場合もあるので、タワシでゴシゴシするのはおすすめできません。墓石に水をたっぷりとかけ、拭き上げるのが基本です。(墓石に水をかけるのは「冷や水を浴びせるので良くない」とう説や「仏様に水を差し上げる良い行い」など諸説あります。)
古いお墓や地方のお墓は、足場が悪く、数か月で草木が生い茂ってしまう墓地も珍しくありません。メンテナンスが大変でしたら、手入れのしやすい墓地にリフォームすることもできます。