卒塔婆供養とは?卒塔婆の意味や相場など徹底解説
卒塔婆供養とは?徹底解説
- 卒塔婆供養は故人のために木の板に経文を記してお墓周りに立てる行為
- 供養料は寺により異なり、一般的には1本3,000円から10,000円
- 法要時に新しい卒塔婆に交換する
- 古い卒塔婆は交換し、処理は菩提寺や管理事務所に依頼
卒塔婆供養とは細長い木の板に経文や題目などを書いて追善供養することを言います。
卒塔婆を立てるときは、あらかじめ寺院に申し出ます。なお、浄土真宗の場合は、卒塔婆供養は行いません。
この記事では卒塔婆供養について解説いたします。
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卒塔婆を立てて供養する
卒塔婆とは、故人の供養のために墓のわきや後ろに建てる上部を塔の形にした細長い木の板のことです。
塔婆(とば・とうば)と呼ばれることもあります。
卒塔婆には、宗派やお寺によって異なりますが戒名・没年月日(命日)・経文・梵字・施主名・供養年月日などが記されます。
宗派によっては卒塔婆の裏にバンという梵字が書かれています。
これは大日如来を表しています。
浄土真宗以外の宗派では、納骨法要や年忌法要の際に、施主や参列者が卒塔婆をお墓の周りに立てて供養するしきたりがあります。
これを卒塔婆供養と言います。
なお、浄土真宗では卒塔婆を建てません。
仏教では、命日や彼岸会などの法要に卒塔婆を立てることは最も良い供養になるとされています。
塔婆を立てることは善とされていて、塔婆を立てることは善を積むことになり、故人の冥福につながるとされています。
ただし、浄土真宗では行いませんし、地域のしきたりも関係していきますので、事前に周囲に確認するようにしましょう。
卒塔婆供養は事前に寺院に依頼する
卒塔婆供養では、板塔婆に経文や戒名、空・風・火・水・地の五大思想を表す梵字、建立の年月日などを書いて、墓石の背面の塔婆立に立てます。
卒塔婆供養をしたい場合は、事前にお寺に申し出て、卒塔婆を作成、用意してもらいます。
卒塔婆の意味
卒塔婆は、梵語(サンスクリット語)のストゥーパ(方墳、霊廟)がなまったもので、仏舎利を安置するための建物、塔を意味します。
インドでは釈尊(お釈迦様)の遺骨は8つの国に分骨され、それぞれ塔を造って供養したと伝えられており、その塔が後に変化して五輪塔になり、さらに簡略されて現在の卒塔婆になりました。
卒塔婆の上部に5つの刻みがあり、塔の形になっているのは、この五輪塔を表したものです。
宝珠型は空、半円が風、三角形は火、円は水、一番下の四角形は地を表しています。
卒塔婆には、角塔婆と板塔婆があり、法要で供養されるのは長さが1~2メートルほどの板塔婆です。
卒塔婆の供養料はいくら?
1本3千~1万円が卒塔婆の相場です。卒塔婆は寺院で作成してもらいます。
卒塔婆の金額は寺院ごとに決まっています。
地域や寺院によって金額は異なりますが、卒塔婆の料金は1本3,000円~10,000円が相場です。
値段が決まっているところが多いので、卒塔婆の本数と供養する人の姓名を伝えるときに、直接寺院に費用も尋ねるとよいでしょう。
お願いした卒塔婆の本数分の代金を御塔婆料として包みます、
御塔婆料は、施主に渡して、施主から僧侶に渡します。
御塔婆料の表書きの書き方
卒塔婆の費用は、本尊にお供えする御布施とは異なるので、別の白封筒に御塔婆料もしくは御塔婆供養料と表書きして渡します。
無地の白い封筒を使用して、のしはなしで、水引もなしにします。
毛筆か筆ペンで普通の墨で書きます。
また、卒塔婆を立てる人の名前を、御塔婆料よりやや小さめに、こちらも毛筆か筆ペンで普通の墨で書きます。
法要に招かれた人が卒塔婆供養をする場合
法要に招かれた人が卒塔婆供養をしたい場合には、施主にその旨を伝えて、料金を聞き、当日御卒塔婆供養料として渡します。
施主は、まとめて御布施とは別に包んで渡します。
卒塔婆供養はいつ行えばよい?
最初の卒塔婆供養は、納骨供養の際に行います。
その後は、法要ごとに新しい卒塔婆に交換するのが一般的ですが、卒塔婆は年忌法要のときだけでなく、お盆やお彼岸、祥月命日など、お墓をお参りするときならいつ立てても構いません。
卒塔婆を立てる際は、あらかじめ寺院に依頼して卒塔婆を用意してもらい、塔婆立にまっすぐに建ててから、墓前でお参りをします。
卒塔婆は故人1人に対して、1本でも、複数本でも立てて構いません。
また、法要に参列する友人など、遺族以外が卒塔婆を建てても構いません。
古い卒塔婆の処理
古くなった卒塔婆は、新しいものに替えることもあります。
菩提寺か墓地の管理事務所に依頼して処理します。
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
供養のために墓域や霊場などに立てる木製の板碑のことを卒塔婆といいます。日本の卒塔婆は、仏教の葬送と追善供養を目的に使用されていますが、その材質や運用方法に注目してみると、日本人が古くから神や霊魂をまつる際の依代としてたてられていたものに共通する部分があり、時代とともに仏教と融合していったのではと考えられています。このような木片の卒塔婆の上部にある切り込みは、五輪塔を意味し、ここに経文、陀羅尼、戒名、供養の趣旨などが書かれています。卒塔婆は七日ごとに1本ずつ立てるところもあります。また遺体の側に卒塔婆を置き、鎮魂と供養をするところもあります。