もう迷わない!墓石に戒名や俗名を彫刻するまでの5つの流れ
墓石に刻む戒名とは?徹底解説
- 墓石の名前彫刻は約5万円
- 墓石に彫刻する名前は戒名も俗名も選べる
- 名前彫刻は石材店に相談して見積もり比較するのが大切
- 彫刻前には誤字確認と彫刻位置の指定が必要
お墓参りにいったとき、墓石に長い文章のような漢字が刻まれているのを見たことはありませんか?
その長い文章のような漢字は戒名です。
なんとなく戒名という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。
しかし、戒名をどんなタイミングでもらって、彫刻にどのぐらいの費用がかかるのかを知っている人は少ないです。
墓石を建てる際に気になるのが戒名の彫刻です。
今回は、墓石に戒名を彫刻する際に「どのぐらい費用がかかるのか」「どのタイミングで彫刻するのか」など
墓石の彫刻について紹介いたします。
墓石に彫刻する戒名のことでお悩みの方は、この記事を読んで納得できる戒名の彫刻を行いましょう。
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など、数々の不安を抱えている方が多いのではないでしょうか。
お墓の購入に関しては、初めての方が多いため、不安や疑問を持つことは仕方のないことでしょう。
しかし、お墓購入後に後悔することだけは避けたいですよね。
お墓について詳しく知るには実際に複数の石材店の話を聞き、しっかりと情報収集することをオススメします。
まずは気になる墓石の資料を請求してみましょう。
この記事の目次
墓石に戒名を彫刻する意味
墓石に戒名を刻むのは、故人が安心して極楽浄土へ行けるようにするためです。
故人の遺骨が眠っている墓石に戒名をもらって彫刻することで、
先祖に成仏してもらおうという意味合いがあります。
しかし、必ず墓石に戒名を刻まなくてはいけないという決まりはありません。
戒名とは
戒名とは、仏教の世界においては出家した人が仏教戒律を守るという意味で、師からもらう名前です。
そのため、本来は生前に仏教徒が授かる名前といえます。仏教徒として、仏教の世界で生きていくための名前です。
日本での慣例となっている意味
日本での戒名というと、本来の意味とは異なり亡くなった後で僧侶から故人に与えられる名称として使われています。
死後は、戒名を授かり故人を弔うことがやすらかに成仏できると信じられていたのです。
現代では戒名を付けない人も増えてきていますが、寺院墓地の檀家になっている人は依然として戒名を付けることが多いといえます。
檀家とは寺院墓地のサポーターのような役割です。
浄土真宗では戒名ではなく法名
戒名は宗派によっても呼び方が異なります。
例えば、浄土真宗では戒名とは呼ばずに、「法名(ほうみょう)」と呼ぶのが特徴です。
そのため、浄土真宗の信徒からすると戒名と法名の意味合いは異なるでしょう。
なぜなら、法名は浄土真宗の信徒が阿弥陀仏の本願力を信仰するときにいただく名前だからです。
戒名は、修行の経歴を指す道号や、位号(信士、居士など)を名称に取り入れますが、浄土真宗の場合は、「釋○○」のみです。
お釈迦様(釋尊:しゃくそん)から1文字いただき冠につけています。法名は原則生前にいただくことが一般的です。
戒名をもらうタイミング
一般的に戒名は、お通夜の前のタイミングで授かるというのが多い傾向です。
僧侶から戒名を言いわたされるのが普通ですが、実際は菩提寺(ぼだいじ)から授かります。
お通夜の前までに戒名を授かり、お通夜には位牌に戒名を記載するというのが一般的といえるでしょう。
墓石には戒名だけでなく俗名の彫刻でも問題ない
墓石や位牌に刻む名前は戒名ではなくても問題ありません。
かつての仏教葬儀の場合は、戒名を付けることが常識でした。しかし、現代では戒名を付けず、俗名で葬儀をするという人も増加しているのです。
なぜなら、戒名を付けるには多額の御布施が必要になるからです。
そういった不明瞭な支出に疑問を持つ人が増えてきたため戒名を付けないという人も増えてきています。
俗名で彫刻してもOK
墓石には俗名で彫刻しても問題ありません。
俗名というのは、生前に名乗っていた氏名のことです。お通夜や告別式などを行う際も、位牌には俗名を記載して葬儀を行います。
そのため、その後お墓に埋葬する場合は、墓石にも俗名を彫刻する傾向です。
ただし、菩提寺がある場合は、戒名を付けなくてはいけないというケースも多いため、俗名を選択できないということもあります。
墓石に戒名や俗名を彫刻するときの相場
墓石に戒名や俗名を刻む際の費用相場は、5万円前後です。これらは、戒名、俗名にかかわらず、同じような金額になります。
戒名などを彫刻する際は石材店へ依頼するのが一般的です。そのため、石材店によって金額には差があります。
1人単位で料金設定している石材店
近年多い傾向なのが、戒名、俗名にかかわらず、1人単位で彫刻の料金設定をしている石材店です。
この場合は、上述したように、5万円前後が相場といえます。
墓石に彫刻する人数が増えると金額が上がっていくというイメージです。
1文字単位で料金設定している石材店
かつて多かったのが、1文字いくらという料金設定の石材店です。
1文字数千円という設定で行っていた石材店もあるようです。
戒名と俗名では圧倒的に戒名のほうが文字数としては多くなります。
多くの人が戒名を付けていた時代においては、石材店の事情としては文字数単位にしたほうが良いという業者の都合の側面もありました。
しかし、現代は俗名を付ける人も増えてきています。
そのため、1文字いくらというスタイルでは戒名に比べて文字数が少なくなるため利益が圧縮されるということから、1人単位で料金設定していることが多くなっているのです。
墓石に戒名を彫刻するまでの流れ
墓石に戒名を彫刻する流れは難しくありません。
次の5つの流れを押さえておけば、スムーズに戒名の彫刻ができるのでチェックしておきましょう。
1.彫刻するには石材店にまず相談
墓石に戒名を彫刻する場合は、石材店に相談するのが先決です。
石材店は、お墓の近くのほうが移動するコストがかからないため費用としては安価になりやすいといえます。
相談する際は具体的に文字数やどんな石の種類に掘るのか、文字の形、大きさなどをあらかじめイメージしておくとスムーズでしょう。
2.石材店へ相見積もりする
墓石に戒名の彫刻をする際は、必ず複数の石材店へ相見積もりをしましょう。
彫刻の相場は5万円前後とお伝えしましたが、地域やお墓までの距離などにより、石材店の設定する料金は異なります。
石材店の説明や接客対応、金額という観点から総合的に判断して選定することが賢明です。
3.石材店へ発注
相見積もりから石材店を選定したら、契約をして彫刻の発注を行います。
説明のくいちがいがないよう、工事のスケジュールや決済方法、時期などの確認は怠らないようにしましょう。
4.工事開始
故人1人分の彫刻であれば、早ければ1日で完了します。
ただし、墓地で作業ができない場合や、天候が雨の場合などは時間がかかるケースもあるでしょう。
5.彫刻完了
彫刻が完了したら、石材店から連絡があるので立ち会いして彫刻の仕上がりを確認しましょう。
誤字や彫刻の不備などがなければ完了です。
戒名を彫刻するまでの流れは理解できたでしょうか。戒名の彫刻は一生のうちに何度も経験することではありません。
しかし、流れが分かれば不安もなくなり安心ですね。
墓石に戒名を彫刻するベストな時期
墓石に戒名を彫刻する時期は、お墓があるか否かで異なります。自分の状況に合わせてどのタイミングがベストかを確認しておきましょう。
お墓がすでにある場合
一般的なお通夜と告別式を行う場合は、
葬儀後から四十九日ごろまでに彫刻しておくのがタイミングといえます。
すでにお墓がある場合は、追加で戒名を彫刻することになります。
石材店と納骨する時期から逆算して戒名を彫刻しておくと良いでしょう。
お墓をこれから建立する場合
まだ、お墓を建てていない場合は墓石を発注するタイミングで一緒に彫刻も依頼します。
そのため、特段時期を確定させる必要はありません。
お墓がある場合も新しく建立する場合も、戒名を彫刻する目安となるのは納骨式をする前までです。
特段彫刻時期に決まりはありませんが、タイミングが分からない場合は、納骨式前に完了するようにしましょう。
墓石に戒名を刻字するときの2つの注意点
墓石に戒名や俗名を刻字する際は、「誤字」「場所」といった2つのポイントに注意しましょう。
どちらも共通していえるのは間違っても簡単にやり直せるわけではありません。
誤字がないか
石材店へ依頼する際に誤字があると、取り返しが付きません。
旧漢字や、文字のはね具合、点の有無などチェックがあまくならないよう、しっかりと石材店で原稿ができあがった際は細かい点まで目を通しましょう。
戒名を彫刻する場所
墓石に彫刻する場所も注意が必要です。
一般的に戒名を彫刻するのが多いのは墓誌や、竿石の背面になります。
墓誌
墓誌は、お墓に入っている故人の戒名や俗名、享年、亡くなった年月日などが記載しておく石です。
墓誌は一般的に右側から順に戒名や俗名を記載しています。
しかし、現地で石材店へしっかり確認をしておかないと誤った場所へ彫刻されてしまうということもありますので注意しましょう。
竿石(さおいし)の背面
墓誌がないようなお墓の場合は、竿石の背面に戒名を彫るという方法もあります。
竿石というのは墓石のメインとなるお墓の部分のことです。
墓誌同様、具体的にこちらが希望している位置を正確に立ち会いのもと確認しておかないと依頼とは異なる場所へ彫刻されてしまう可能性があります。
最終確認は現地で立ち会ったり、お墓の写真を撮ったりして間違いが少なくなるようにしましょう。
基本的に戒名は、必ず墓石に彫刻しなくてはいけないというものではありません。
一般的には墓誌や竿石の背面に彫刻することが多いですが、どこへ彫刻しても問題ありません。
ただ、石材店との伝達が不足すると希望した箇所とは異なる場所に彫刻されるという可能性はあります。
しっかりと希望する場所に彫刻してもらえるよう押さえておきましょう。
まとめ
墓石に戒名を彫刻するのは思った以上に簡単だと感じたのではないでしょうか。
彫刻するのは戒名や俗名のどちらでも問題ありません。
これまでのポイントについておさらいをしてみましょう。
この記事のまとめ
- 戒名はもともと、出家した仏教徒が生前に授かった名前
- 日本での戒名は亡くなった後に付けられる名前
- 戒名は納骨式の前までには彫刻しておく
- 墓石に彫刻するのは戒名でも俗名でもOK
- 戒名や俗名の彫刻相場は5万円前後
- 現代では、文字数ではなく故人1人ごとの料金設定が多い傾向
- 戒名の彫刻は必ずしなくてはいけないものではない
- 戒名を彫刻する際は誤字がないよう確認をする
- 戒名は一般的に墓誌や竿石の背面に彫刻する
普段の生活の中では使い慣れていない戒名や俗名は何のことだか分からない人がいても不思議ではありません。
しかし、しっかりと彫刻の流れや注意点を押さえておけば納得のいく彫刻ができるでしょう。
戒名の彫刻相場を把握しておけば石材店に足もとを見られることもありません。