墓石の種類は300種類以上!定番墓石やおすすめ石材をピックアップ

墓石の種類は300種類以上!定番墓石やおすすめ石材をピックアップ

墓石の種類とは?徹底解説

  • 墓石は300種以上あり特徴・価格が異なる
  • お墓選びは石の特性の理解と信頼できる店選びが大切
  • 墓石の耐久性維持には定期メンテナンスやお墓掃除が必要

一概に墓石といっても、産地や成分によって、国内産・海外産の石も合わせると300種類以上あります。

吸水率が高くて水抜けが悪い石や、日に焼けやすい石、耐久性に優れている石など、その特徴はさまざまです。

この記事では、人気の墓石から低価格の墓石までを紹介しています。
最後まで読んでいただくと、どんな種類の墓石を選べば良いか判断ができるようになります。

購入の際だけでなく、お墓のメンテナンスなど購入後の注意点も合わせて解説していますので、自分に合う墓石選びの参考にしてください。

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「お墓」は一生に一度あるかないかの大きな買い物。
後悔のないお墓を建てるためには、パートナーとなる石材店選びがとても重要です。

  • お墓を建てるのにかかる費用・相場が知りたい
  • 自分の希望するお墓を建てられるかどうか知りたい
  • お墓を建てるまでの流れを知りたい

など、数々の不安を抱えている方が多いのではないでしょうか。
お墓の購入に関しては、初めての方が多いため、不安や疑問を持つことは仕方のないことでしょう。
しかし、お墓購入後に後悔することだけは避けたいですよね。
お墓について詳しく知るには実際に複数の石材店の話を聞き、しっかりと情報収集することをオススメします。

まずは気になる墓石の資料を請求してみましょう。

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この記事の目次

  1. 墓石の種類は300種類以上!定番の石材を紹介
  2. 価格重視な人におススメ!低価格な石材の種類
  3. 色にこだわりたい人におススメ!色合い別の人気墓石
  4. 耐久性重視な人におススメ!硬度がある石材の種類
  5. 墓石の品質を判断するための3つの数字
  6. 墓石に加工される4タイプの石
  7. 墓石の種類を選び方で重要な3つのポイント
  8. 墓石を永くきれいに保つための注意点
  9. まとめ
  10. 監修者コメント

墓石の種類は300種類以上!定番の石材を紹介

国内外で産出される石材の種類は、300種類以上もあると言われています

しかし、これらすべてが市場に安定供給されているかと言うとそうではありません。広く出回っている石材もあれば、ほとんど出回ってない希少な石材もあります。また、石の品質もさまざまです。

ここでは、墓石に使用される代表的な石材をご紹介します。産出地と石種の違いによって「色合い」や「石目・模様」などに特長が見られます。

国内産の代表的な墓石の種類

国内有数の石材の産出地といえば、東日本では福島県と茨城県です。西日本では瀬戸内沿岸の香川県、岡山県、愛媛県でしょう。

もちろんこれら以外にもたくさんの採石場が日本全国にあります。 日本中のあらゆる地域で、お墓のための石が山から切り出されてきました。昔の人たちは、自分たちのお墓に用いる石を、地元の山から採っていました。物流が発達した今では、日本中の石材を日本中の人たちが選んで使用することができます。


石材の名称産地石目硬度吸水率特徴
庵治石
(あじいし)
日本・香川県産青系細目高い低い石目に黒雲母が混ざっており人気。日本国内で最高峰とされる石種。
大島石
(おおしまいし)
日本・愛媛県産青系中目高め低め同じ石の中で石質が異なるが、青もがかった石目がきれい。
浮金石
(うきがねいし)
日本・福島県産黒系中目高い低い日本で数少ない黒御影石。価格は比較的高め。
青葉石
(あおばいし)
日本・福島県産青系中目高い低い青の光沢が栄える。
花塚石
(はなづかいし)
日本・福島県産白系大目高い低い目が粗いのが特徴。
稲田石
(いなだいし)
日本・茨城県産白系大目高い低いきれいで、磨き上げるといい艶が出るのが特徴。
真壁石
(まかべいし)
日本・茨城県産白系中目・細目高い低い目が少し粗いものの、国産にしては安価で、なじみやすい青御影石。首都圏や関東地方で多くの人に使用されている石材。
天山石
(てんざんいし)
日本・佐賀県産白系中目高い低い九州が誇る銘石。硬く吸水率が低いだけでなく、濃い色合いはとても上品で力強さを表しています。
比較的高価で、全国の市場には出回ってないものの、西日本では定評と人気のある石材。
浮金石
(うきがねいし)
日本・福島県産黒系中目高い低い日本で数少ない黒御影石。価格は比較的高め。
伊達冠
(だてかんむり)
日本・宮城県産黒系細目高い低い灰色と赤茶色の独特の紋様が特徴。年月が経つと錆が出て味わい深い点のが特長。
割肌と磨き面のコントラストには他には表せない表情があり、墓石としてだけでなく、イサムノグチなど多くの彫刻家や芸術家にも愛された石材。
滝根みかげ日本・福島県産白系中目高め低い東日本における銘石の産地である福島県が誇る白御影石。埋蔵量も福島県で最大で、関東地方をはじめ、多くの墓石に使用されている。
羽黒青糠目石
(はぐろあおぬかめいし)
日本・茨城県産青系細目高め低い茨城県が誇る最高級石材。庵治石、本小松石に並ぶほどと称される気品の高い石材。
青みがかった石肌が特徴です。「糠目」とは文字通り、糠(ぬか)ほどに細かい目合いを表している。

日本の墓石の特徴は、比較的値段が高いことです。しかし、昔から使われている石が多いため、墓石としての実績があることが強みといえます。硬度や吸水性も優れた石が多く、墓石を作るには最適です

石材を採掘する丁場

日本で採れる石材の中でも代表的なものについて、一つひとつ詳しくご紹介いたします。

庵治石(あじいし)・香川県産

瀬戸内海沿岸は良質な石材の産出地として知られています。特に庵治石は全国的にも人気を誇る最高級石材です

庵治石が採れる山は高松市庵治町と牟礼町にまたいでおり、採り口によって石の目合いは大きく異なります。庵治石は最上とされる「細目石」と、少し目の粗い「中目石」に分類されます。

「庵治石」は、庵治石開発協同組合協同組合庵治石振興会讃岐石材加工協同組合によって商標登録されています。それほどブラン性があり、価値の高い石材なのです。

庵治石はたいへん硬い石として知られ、硬度7は水晶に匹敵するほどです。また、複雑に入り組んだ地層のせいで、製品にできる部位はわずか3%程しかないと言われています。 このように硬度や希少性などから、墓石加工にも高度な技術が求められます。だからこそ庵治には腕利きの石工たちが集まっているのです。

高度な技術で完成された竿石は上品な美しさを放ちます。 磨き上げられた表面からは独特の「斑(ふ)」と呼ばれる紋様が浮かび上がり、世界最高の花崗岩と評されています。

大島石(おおしまいし)・愛媛県産

庵治石が横綱なら、大島石は西日本の大関です。大島石は古くから関西や西日本の人たちに愛されてきた石材です。

庵治石の評価が戦後急に高まったのと比べ、大島石は古くから西日本の人々に墓石として愛されてきました。均等に青みがかった目合いは素朴にして上品。「青御影石(あおみかげいし)」の代表的な石材で、今では関東地方でも広く人気があります。

万成石(まんなりいし)・岡山県産

万成石は淡いピンクやベージュ色が入り混じった独特な桜色の石材です。俳優 石原裕次郎のお墓が万成石で建てられたことでも有名です

桜御影石は比較的種類の少ないのですが、その産地は国内では瀬戸内エリアに集中しています。 神戸の本御影石、岡山の北木石に犬島石なども万成石と。その中でも万成石は濃淡のはっきりした色合いが特徴的で、年月を経ることに色は落ち着き味わい深くなります。

本小松石(こまついし)・神奈川県産

庵治細目石が「西の横綱」なら、本小松石は「東の横綱」です。

淡い緑色の色はどこにも見られない、珍しくもあり厳かな色です。 本小松石は約40万年前の箱根火山のマグマです。大きな原石が採れないために、希少性も高いのです。

関東地方では特に高級石材と知られ、源頼朝のお墓が本小松石を使用していたことは大きな誇りとなっています。 超特級品は「大トロ」と呼ばれています。

浮金石(うきがねいし)・福島県産

日本を代表する黒御影石です。

西日本における石材の有数の産出地は瀬戸内沿岸ですが、東日本においては福島県でしょう。 福島県では滝根みかげや紀山石などの青御影石も採れる中、日本で珍しい黒色の石です。

ただ黒いだけではなく、浮金石はその名の通り、黒い石肌の中から金箔や白の斑が散りばめられたような、独特で高級感ある肌合いをしています。 関東地方や首都圏で「黒いお墓が多い」と言われるのは、この浮金石に代表されているとも言われています。

海外産の代表的な墓石の種類

海外産石材の代表的な産地は中国とインドです。他にもフィンランドやスウェーデン、ジンバブエ、アメリカ、などさまざまな国でも墓石材は産出されます。

ここでは、海外産のおすすめの石材をご紹介します。


石材の名称産地石目硬度吸水率特徴
G623中国・福建省産白系大目高めやや高い中国の石材で価格がリーズナブル
G614中国・福建省産白系小目高めやや高い小目の白御影石
G603中国産白系中目高めやや高いG623同様中国産の代表的な白御影石
G663中国産ピンク系中目高めやや高いやわらかい印象で女性にも人気
G688中国産青系中目高い低い外柵として使われることが多い
G616中国・福建省産青系小目高い低め薄緑色の石材。落ち着いた印象
AG-98中国・福建省産白系中目高めやや高い日本の大島石と似ている
三峡紅石
(さんきょうこうせき)
中国産赤系中目高め普通やわらかい赤で石目もそろっていてきれい
G654平和
(へいわ)
中国産グレー系中目高いやや高いグレーの御影石。目立ちにくいのが特徴
河北山崎
(かほくやまざき)
中国・河北省産グレー系小目高い普通小目で濃いグレーが上品な印象
山西黒
(さんせいくろ)
中国・山西省産黒系小目高い低い経年劣化が確認されている黒御影石
BVRインド産黒系小目高い低め黒御影石の中では安価で使いやすい石
PANインド産黒系小目高い低いクンナムより安価
LK-01インド産黒系極小目高い低めきめ細かい石目とツヤが特徴。価格は高めの高級石材
クンナムインド産黒系小目高い低いインド産の中でも高品質な黒御影石
インド銀河
(ぎんが)
インド産グレー系小目高め低い銀河を連想させるような印象
フィンランドグリーンフィンランド産青系中目高め低い柔らかなグリーン
エメラルドパールフィンランド産青系中目低め低め宝石のような輝きが特徴

中国産の代表的な墓石の種類

中国の墓石材の特徴は、値段が安いことです。墓石を作るにあたって、予算は大事な検討事項です。日本産の石材を選べば品質は安心できますが、予算オーバーしてしまう場合もあります。

あまり予算をかけないで墓石を建てようとした時に選びやすいのが中国産の石材です。現代の墓石は中国産の墓石材が使用されることが最もポピュラーといえます。

新八光(G623):中国福建省産

中国福建省で採れる石材で、日本中どこでもみられる代表的な海外産出の石材です。 目の粗さから、墓石にはあまり使用されませんが、抜群の供給量、そして長尺ものが採れることから外柵材として日本中のお墓で使用されています。墓石以外にも建築材としても利用されています。

K-12:中国黒竜省産

中国黒竜江省産出の青御影石で、濃い石肌が人気です。ここ10年で最も使用されている海外産の石材です。

石の固さ、吸水率の低さなどの性質面、濃いめの色を好む昨今のトレンドに合致していることなどから、中国産の石材の中では高価な部類に入ります。それでいて国産石材と比較すると安価に手に入ることから、近年の人気ナンバーワンの石材と言っても過言ではないでしょう。

佐賀県産出の天山石に似た目合いです。

インド産の代表的な墓石の種類

海外産の石材の中で、中国産につづいて使用されることが多いのがインド産の墓石材です。日本ではあまり黒御影石が採掘される種類が少ないため、高品質の黒御影石を選ぶのであればインド産が人気です。

ツヤや見た目も高級感があるものが多く、価格も比較的高い傾向にあります。

クンナム:インド産

インド産の「クンナム」という名の石材は、海外産黒御影石の代表のような石材です。

黒御影石といえばインド産が人気ですが、クンナムはその中でも世界で最も硬い黒御影石と呼ばれています。 その他にも、「M-1-H」や「MU」や「インド牡丹」などの黒御影もあります。

ツヤのある光沢、変色しない品質など、国産墓石に匹敵するほどの値段はしますが、それだけの価値のある石材です。

アーバングレー:インド産

アーバングレーは独特な石目をもつ石材です。

少し荒い緑がかった模様は好き嫌いが別れるかもしれませんが、和型墓石、洋型墓石など幅広い墓石デザインに適します。比較的安価であるにも関わらず、その強靱性(硬度、低吸水率)は抜群で、ここ20年で日本中のお墓に利用されています。

その他の海外産の代表的な墓石の種類

海外産石材の主な特徴は、日本では採掘できないような個性的な色合いの石が多く見られることにあります。墓石のデザインや色合いにこだわりたい人にとってはおすすめの石材といえます。

スウェーデンマホガニー:スウェーデン産

スウェーデンマホガニーは、赤系の代表的な石材です。

赤系の石には、中国マホガニーやG663のような桜色、さらにはインドにもマホガニーがありますが、スウェーデンがもっとも定評があります。他の赤系と違うのは、落ち着いた色合いであること、赤と茶の中間のような色が生み出す上品さが多くの方に指示されていると言えるでしょう.

墓石の産地別の特長まとめ

ここまで、原産地別に墓石の種類や特徴について解説しました。丁場(ちょうば)と呼ばれる採石場によって、採掘される石種や品質は異なります。自分が納得できる墓石を作るためには石材の種類や特徴など、さまざまなポイントの把握が重要です。

墓石の石材の種類約300種類以上
日本産の墓石材の特徴硬度が高く、吸水率が低いが価格が高め。実績は高く風土に合っている
中国産の墓石材の特徴価格が安い傾向だが、吸水率がやや高め。産出地によって品質に差がある
インド産の墓石材の特徴黒御影石や青系の御影石が多い。硬度・吸水率が優秀な石もあり、価格は中国産より高め

墓石は最高級品を使えば良いというものではありません。人それぞれ墓石に求めるものは異なります。そのため、まずは「自分の家族にあった墓石はなんなのか」をイメージすることが大切です。

どんな墓石を作りたいかが明確になってくれば、自分が何を優先したいかもわかってくるでしょう。墓石の石材でお悩みの場合は、ポイントを念頭に置きながらひとつずつ丁寧に整理することがおすすめです。

さまざまな石

では次に、数多くある石材の中からどのように墓石選んだらいいかについて解説いたします。

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価格重視な人におススメ!低価格な石材の種類

墓石の購入費用を抑えたいという方には中国産の石材がおすすめです。吸水性がやや高めになるので年数が経過するごとに水の染みなどは気になるかもしれませんが、リーズナブルな石材なので墓石費用を大幅に抑えることができるでしょう。

安価な石材は、墓石の土台となる外柵部分などといった石を多量に使用するパーツに多く用いられています。

総体的にみて、国産石材よりも海外産石材の方が安価です。主な理由は、供給量の違いと人件費です。ただし、世界中の石材が中国の工場に集められて加工されて日本に出荷されています。 中国の経済成長による人件費の高騰は、そのまま海外石材の高騰につながっているので、今の状態がいつまで続くかは不透明です。

墓石の費用だけでなく、お墓全体にかかる費用について知りたい方は「お墓を建てると150万円以上の費用?後悔しないお墓作り3つのポイント」の記事をご覧ください。

北大青:中国産

中国山西省産出の石材です。浮金石によく似ています。

G623:中国産

G623をはじめとする中国 福建省産の石材も安価です。供給量、そして港から近いために輸送コストが軽減できるからです。 その他、603、614、633、654、663などの6からはじまる石材はすべて福建省産という意味です。

AG-98:中国産

AG-98も中国 福建省産の青御影石です。大島石に似たきれいな石ですが、経年劣化が激しいでしょう。

色にこだわりたい人におススメ!色合い別の人気墓石

ここでは色別におすすめの石材をまとめます。墓石に使う石材の色は特に決まりはなく、お墓を建てる人、眠る人の好みで構いません

【グレー系】中間色の御影石

墓石業界では「青色系」「青御影」とも呼びます。

グレー系で代表的な石材

大島石、青木石、天山石、滝根みかげ、真壁石、AG-98、K-12

【白色系】白御影石

日本では全国的に白御影石を採掘できる場所が多数あります。その中でも銘石と言われているのが四国、香川県の「庵治石」です。香川県高松市の東に隣接する牟礼町と庵治町にまたがった八栗五剣山から算出されます。庵治石は日本の3大花崗岩とも呼ばれており、硬質が高く吸収性も低いため墓石として使用するには最適です。

関東地方では茨城県の「稲田石」が有名です。茨城県笠間市の稲田付近にある標高200~300メートルの山から採掘されています。およそ6,000万年前に誕生したといわれている黒雲母花崗岩の稲田石は1889年ごろから採掘されているのです。日本でも最大級の採掘場といえるでしょう。

白色系で代表的な石材

庵治石、稲田石、北木石、G603、G623

白御影石の石目

【黒色系】黒御影石

国産の黒御影石の銘石は福島県の「浮金石」です。福島県郡山郡中田町にある黒石山採掘されています。希少性も高いため価格が高くなりがちですが銘石としての評価は高いです。沖縄県の戦没者慰霊碑にも使用されました。

黒色系で代表的な石材

浮金石、クンナム、MU、インド牡丹、山西黒

黒御影石の石目

【暖色系】ピンク、赤などの御影石

石が本来持っている美しさなど、デザインを重視したいような人もいるでしょう。その場合は、スウェーデンやノルウェーなど、外国産の珍しい色合いの石材がおすすめです。

暖色系で代表的な石材

スウェーデンマホガニー、万成石、インドマホガニー、中国マホガニー

赤御影石の石目

耐久性重視な人におススメ!硬度がある石材の種類

硬質が高く、吸水性が低い高品質な石材を使いたい人には国産の石材がおすすめです。白御影石なら「庵治石」「稲田石」、黒御影石を使用したい場合は福島県の「浮金石」が硬度が高い石材です。海外産の石材であればインド産の「クンナム」「PAN」など硬度が高いでしょう。

ただ、お墓の耐久性は、実は石材だけでは決まりません。 いかにお墓掃除をするかにもよります。どんなに硬度の高い石、吸水率が低い石でも、石は必ず水を吸いますし、ホコリや排気ガスが積もれば劣化の原因になります。 石材の品質だけでなく、お墓を長持ちさせるという意識を持って手入れを行うのがよいでしょう。

ここで挙げる石材は、墓石業界で働く筆者のおすすめです。

庵治石:香川県産

水晶に匹敵する硬度7はさすがのクオリティです。長い年月を経たお墓でも庵治石のものは劣化がすくないように見受けられます。

天山石:佐賀県産

硬さと吸水率の低さでは国内随一です。職人も文字彫刻で苦労すると言うほどです。

アーバングレー:インド産

さまざまなお墓を建てた後の経年劣化を見ると、サビや色あせなどが出てくるのですが、アーバングレーはとても安定しています。吸水率の低さも他の石材と比べて群を抜いています。

墓石の品質を判断するための3つの数字

そもそも「良い墓石を建てたい!」と思っても、何が良くて何が悪いのかよく分かっていない人も多いでしょう。石材の品質を評価する際は「吸水率」「圧縮強度」「見かけ比重」3つの指標の数字に注目してみてください。

吸水率

吸水率とは墓石の水はけの度合いを表した指標です。吸水率が低いと水はけが良いため、石材の品質評価は高くなります

吸水率が高いということは水を吸収しやすいため、石としての評価は低くなります。吸水率が高いと耐久性としての問題もありますが、白御影石などの明るい色の墓石の場合は染みのように見栄えが悪くなる傾向があります。

石材の水を吸収する度合を示すもので、次の式により計算される。吸水率=(W2-W1)/W1×100

吸水率とは(weblo辞書) から引用

圧縮強度

圧縮強度とは、物質を圧縮してどの程度まで耐えることができるかという指標です。当然、数値が高いほど強度や硬質が高いといえるでしょう。墓石は毎日のように太陽光や雨風などにさらされます。

そのため、できるだけ丈夫な石を選んだほうが自然災害の影響を受けにくいのです。

円柱状や角柱状試料に対して一軸荷重をかけたときの圧縮力を、その軸に垂直な断面積で割った値で表す。単位はパスカル〔Pa〕。

圧縮強度とは(weblo辞書) から引用

見かけ比重

見かけ比重とは、一定の体積に対してどのぐらいの質量があるかを算出したものです。墓石は重いほうが強度としてはあり、長持ちする傾向といえます。そのため、長い目線で墓石を検討するうえでは、見かけ比重が高い墓石を選ぶことも重要です。

空隙や気孔が多く含まれている材料において、一様な密度分布を形成しているとみなした場合の比重をいい、かさ比重ともいう。

見かけ比重とは(weblo辞書) から引用

良い墓石と客観的に判断するには「吸水率」「圧縮強度」「見かけ比重」をチェックすることが大切です。なお、すべての評価が高いものは金額も高額になります。

墓石に加工される4タイプの石

石材は、採掘できる産地によって材質や色、耐久性、吸水率など異なるのが特徴です。主に使われることが多いものを4つ解説します。

花崗岩(かこうがん)

花崗岩とは、二酸化ケイ酸分を70%程度含むマグマが地下深部で数十万~数百万年程度で冷えて固まって形成したものです。日本においては全国各地に分布されており「御影石」とも呼ばれています。

        「黒雲母」「斜長石」「石英」「アルカリ長石」などから構成されています。

閃緑岩(せんりょくがん)

    • 閃緑岩は、マグマが冷えて固まった深成岩が元で一般的に「黒御影石」とも呼ばれています。「黒雲母」「鉄」などから構成されていることが多い傾向です。

斑れい岩(はんれいがん)

    • 斑レイ岩は、深成岩が元になっている点は、閃緑岩と同様です。黒系やグレー系の石材で磨くと光沢が出やすいことが特徴といえます。

安山岩(あんざんがん)

      安山岩は、マグマが冷やされてできる火山岩です。「輝石」「角閃石」「長石」「石英」などで構成されています。

これらの石材は世界中にあるため、近年は国産だけでなく、中国産の輸入石材も多い傾向です。

墓石に使用する石材についての一般的な知識を解説いたしました。では次に、実際に墓石を選ぶ時のポイントについて詳しく解説いたします。

墓石の種類を選び方で重要な3つのポイント

いいお墓を建てるために、下記に墓石を選ぶ際の3つのポイントをまとめました。

ポイント1. 石材店としっかり打合せをする

お墓に対してのこちらの希望をしっかりと聞き入れてくれる石材店を見つけましょう。 専門的なことは私たちには分かりません。信頼の置ける石材店との出会いがなによりです。

  • 墓石カタログを取り寄せる
  • 石材店の展示場やショールームを見学する
  • 担当者にたくさんの質問をする

ポイント2. 見積もりは複数社からとって検討する

必ず複数の石材店から見積りを取って、比較検討しましょう。お墓は、採石、加工、工事と、人の手が連なって出来上がるものです。 複数社から見積もりを取る中で、信頼の置ける石材店を見つけてください。

ポイント3. 経年変化した石を見せてもらう

墓石は屋外の風雨の影響を受けながら、年月の経過によって見た目が変化していきます。石材の種類によって、どのように変化していくか、どのくらいのスピードで変化するかは異なります。

お墓は長年受け継いでいくものですから、味わい深く経年変化する墓石を選ぶと良いでしょう。石材店のスタッフと墓地に同行して、実際に建っている古い墓石を見せてもらってください。

墓石を永くきれいに保つための注意点


墓石を長く保つには使用した石材の種類よりもお墓のお手入れが一番です。 ここではそのポイントをまとめてみます。

定期的なメンテナンス

お墓で少しでも気になる所があれば、施工の石材店に相談して、定期的にメンテナンスを受けましょう。細かくしつこい汚れなどはこまめにとることで大きな劣化を防ぐことができます。

こまめなお墓参りと掃除

こまめなお墓参りと墓石掃除が大事です。 普段からお墓に手をかけてきれいにしておくことが、墓石をきれいに保つための一番の秘訣です。

まとめ

国内外で300種もある石材を自分自身で選ぶのは大変なことです。ある程度予備知識を頭に入れた上で、信頼の置ける石材店を探すことが、いいお墓づくりへの近道でしょう。

また墓石の種類だけでなく、墓石全般の基礎知識ついて詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。

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監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

日本での墓石は平安時代後期、高僧の供養として五輪塔が作られはじめたことから端を発します。
鎌倉時代には武士の間で板状の墓が建てられるようになり、室町以降さまざまな供養塔が出現しました。

もともと地元の石材を使っていましたが、17世紀ごろから海上交通網の整備により遠距離輸送ができるようになり、他地域の石材を使うようになったり、墓石が大量生産されるようになって価格が下がり、江戸時代以降庶民の間でもお墓が建てられるようになります。

現在新規で建てられるお墓の多くは外国産で、最も多いのは中国産ですが、近年産出量が減ったう、人件費の高騰により価格も高騰したため、安定供給が難しくなってきました。
最近ではベトナム産の石材も注目されています。

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墓石・石材店の基礎知識を解説