和型墓石はこれでマスター!押さえておきたい3つの種類

笠付き和型墓石と文章

和型墓石とは?徹底解説

  • 和型墓石は縦長で江戸時代からの伝統的なお墓
  • 主な和型は石塔、五輪塔、宝篋印塔の3種類
  • 石塔タイプの費用は数十万~200万円で場所や材質により変動
  • 洋型墓石は低くて石少なめでコストが抑えられる傾向

お墓を建てる際はどのような形の墓石をイメージするでしょうか?一言で墓石といってもさまざまな形のお墓があります。

「こんな形のお墓で問題ないのだろうか」「昔からなじみのある墓石が安心する」など、墓石を具体的に検討する際は悩みが多いかもしれません。
墓石の選択肢が増えた現代でも、依然として昔ながらの和型墓石は一定の支持があります。

お墓といえば、多くの人が和型墓石をイメージすることが多い傾向です。
しかし、和型墓石の細かい内容まで把握している人は少ないでしょう。

和型墓石の意味や種類を知ることでより一層建立する墓石に愛着がもてるようになります。
また、費用相場を把握しておくことで石材店との交渉もスムーズになるでしょう。

この記事では、日本人になじみのある和型墓石の種類や費用、洋型墓石との違いについて解説していきます。

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この記事の目次

  1. 日本でおなじみの和型墓石
  2. 和型墓石の種類は主に3つ
  3. 石塔タイプの4種類のお墓
  4. 石塔タイプの和型墓石の費用は数十万円~200万円
  5. 和型墓石と人気の洋型墓石の違い
  6. まとめ
  7. 監修者コメント

日本でおなじみの和型墓石

日本人にとってなじみのあるお墓の形が和型墓石です。和型墓石とは縦長の石柱を使用したお墓になります。

和型墓石は江戸時代に一般化された伝統的なお墓です。ここでは、細かく部分を確認していきましょう。和型墓石は大きく分けて4パーツから構成されています。

下台(芝台)(げだい・しばだい)

お墓の一番下の部分に来る石材部分が「下台(芝台)」です。平たい正方形に近い石材でお墓の土台になる部分になります。

必ず設置するわけではなく、希望によって設置しないことも可能です。主にお墓の高さを出したり、見栄えを良くしたりするために使われます。

中台(なかだい・ちゅうだい)

下台の上にのせるのが「中台」です。別名で台石と呼ばれることもあります。中台には家紋などが彫刻されることが多い傾向です。

和型墓石の上から「天・人・地」という名称で呼ばれますが、中台は「地」の部分に相当します。この「地」は財産維持という意味合いがあります。

上台(じょうだい)

下台、中台の上にのせる石材が「上台」です。上から2番目の石材で、メインとなる竿石を支える部分になります。
「天・人・地」の中の「人」にあたる部分で、その意味は人望や出世です。中台同様に家紋などを彫刻する場合もあります。

竿石(さおいし)

お墓の一番上に来る縦長の直方体が「竿石」です。お墓のメインとなる部分で表面に「○○家之墓」「南無阿弥陀仏」など彫刻することが多いでしょう。

棹石(さおいし)、仏石(ほとけいし)とも呼ばれることもあります。
「天・人・地」の「天」にあたる部分で、その意味は家庭円満です。

和型墓石の種類は主に3つ

和型墓石は主に3つの種類があります。
その3つとは「石塔タイプ」「五輪塔」「宝篋印塔(ほうきょういんとう)」です。

石塔タイプのお墓

石塔タイプのお墓は、一般的に日本人の思い浮かべる形の和型墓石です。
上述した和型墓石は石塔タイプになります。

特に、寺院墓地では石塔タイプの墓石が多い傾向です。
主に4つの石材を重ねて、縦長の直方体に「先祖代々之墓」などの文字を彫刻することが多いでしょう。
水鉢や花立ち、焼香台が手前にあることが特徴です。

5つの意味がある五輪塔

五輪塔という5つの意味があるタイプの和型墓石です。石塔タイプに比べて、メインの竿石が短くその上に5つの意味のある(空・風・火・水・地)自然界の要素のシンボルをおきます。

五輪塔は平安時代からはじまったといわれ発案は弘法大師(空海)といわれています。
一般的に浄土真宗は立てないことも特徴です。

空輪(くうりん)

五輪塔の一番上の部分が空輪です。宝珠形が特徴で空間を表しています。
災難を除き、水を浄めるといわれる宝の珠というのが意味です。

風輪(ふうりん)

五輪塔の上から2番目の石材が風輪です。半月形が特徴で人間の呼吸を意味しています。

火輪(かりん)

五輪塔の上から3番目の石材が火輪です。三角形で傘のような形が特徴です。体温を意味しています。

水輪(すいりん)

五輪塔の上から4番目の石材が水輪です。ボールのような球形が特徴です。
水や血液など流れるものを表現しています。

地輪(じりん)

五輪塔の上から5番目の石材が地輪です。方形が特徴で大地を意味しています。

100年以上前の先祖をまつる宝篋印塔(ほうきょういんとう)

宝篋印塔(ほうきょういんとう)は、主に100年以上前の先祖の供養塔として建てられる仏塔です。
もとは、宝篋印陀羅尼(ほうきょういんだらに)という仏教の呪文を塔に収めたという意味合いがあります。

10世紀ごろ、中国の呉越王(銭弘俶:せんこうしゅく)が建立した塔(八万四千塔)に宝篋印陀羅尼を収めたことが由来です。

石塔タイプの4種類のお墓

日本人にとってなじみの深い石塔タイプのお墓は大きく分けて4種類あります。「標準型」「神道型」「高級型」「菩提型」について見ていきましょう。

1.標準型

石塔タイプの標準型は、その名の通りスタンダードなタイプです。上から竿石、上台、中台、下台の4つから構成されます。

2.神道型

兜巾(ときん)と呼ばれる竿石の上の部分を角垂状にしたタイプが神道型です。黒い布頭巾をかぶったような形になっています。

3.高級型

和型墓石の各パーツに関してオプションなどで加工などを加えた墓石が高級型です。

4.菩提型

主に上から2番目の石材である中台を蓮華のように加工したタイプが菩提型です。
蓮華の上にメインの竿石が乗っているようなイメージになります。
お墓の全体的な印象は、豪華になるのが特徴です。

石塔タイプの和型墓石の費用は数十万円~200万円

石塔タイプの和型墓石の費用は、数十万円~200万円と幅があります。
なぜなら、墓石の価格というものは「墓地の広さ」「石材の使用量」「石材の種類」「墓地の立地」「産地」の5つが大きく関係してくるからです。
そのため、どこでどのようなお墓を建てるのか次第で大きく費用は変動していきます。

1.墓地の広さで異なる

墓地の広さが異なると立てるお墓の値段に大きく影響します。
これは、単純に敷地が広いほど大きなお墓となるため、広くなることに比例して費用も上がる傾向です。

2.使用する石材の量で異なる

お墓の値段は、使用する石材の量で大きく異なります。使用量が増えるほど費用負担が上がるというのが一般的です。

洋型墓石に比べると和型墓石は、石材の量が多くなります。
そのため、逆に石材の量が少なくすれば費用を安くすることが可能です。

3.使用する石材の種類で異なる

石材の量だけでなく、どんな種類を選択するかでも費用は変わってきます。
大きく分ければ、白御影石や黒御影石などありますが、種類は膨大です。

石材は天然物であるためピンクがかった白御影石があったり、緑色の石材があったりするなど、どれを選ぶかで費用も異なります。

4.設置する立地の良し悪しで異なる

墓石を建立する際の墓地の立地条件によって費用が異なります。
なぜなら、施工しにくいような墓地の場合は、重機を使えず人力で運ばなくてはいけない場合があるからです。
例えば、「墓地までの道が狭い」「墓地までの道が悪路」などのケースでは別途費用が高くなります。

5.産地で異なる

選定する石材の産地によっても費用が異なってきます。
現代のお墓の多くは中国産の石材が使用されていることが多い傾向です。

中国産の石材は、種類にもよりますが比較的安価な石材もあるため人気があります。
一方、日本国産の石材を選ぶと費用は中国産に比べて高くなりがちです。

お墓の費用のポイントは理解できたでしょうか?一般的にいわれている数十万円~200万円という金額はあくまで参考です。
自分がどのような墓地に、どのような石材の種類でどのぐらいの量を使用するのかで大きく変わってきます。

単純に金額だけを頭に入れるのではなく、どうやって金額が決められているのかを知っておくと石材店との話もしやすくなるでしょう。

墓石に関する基礎知識については「墓石を知ればもっとお墓が建てやすくなる!?価格・種類や選び方を解説」でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

和型墓石と人気の洋型墓石の違い

和型墓石と洋型墓石の違いは、墓石の高さや石材の使用量です。

洋型墓石の特徴

洋型墓石は、和型墓石に比べて墓石の高さが低い傾向です。また、高さが低いため石材の量も抑えることができます。

そのため、費用も和型墓石よりもリーズナブルに施工が可能です。
和型墓石のような存在感はないものの、従来の「いかにもお墓」という圧迫感を受けることが少なく芝生墓地などで立てられていることも多いでしょう。

まとめ

和型墓石に関する特徴や種類、費用などについて解説してきました。
なじみのある和型墓石をより掘り下げて理解できたのではないでしょうか。

和型墓石でもさまざまな種類がありますので、具体的なお墓をイメージして予算を検討するとスムーズに話がすすむかもしれません。
ここで、もう一度和型墓石のポイントをおさらいしてみましょう。

この記事のまとめ

  • 石塔タイプの和型墓石は「竿石」「上台」「中台」「下台」の4つで構成される
  • 和型墓石は縦長の直方体の墓石が特徴的で背丈が高め
  • 五輪塔は「空・風・水・火・土」の5つの意味がある
  • 五輪塔は石塔タイプよりも格式が高い
  • 宝篋印塔は100年以上前の先祖をまつる供養塔
  • 石塔タイプの和型墓石は「標準型」「神道型」「高級型」「菩提型」の4種類
  • 石塔タイプの和型墓石の費用は数十万円~200万円程度
  • 和型墓石の費用は5つのポイントで決まる
  • 「墓地の広さ」「石材の量」「石材の種類」「石材の産地」「墓地の立地」の5つをチェック
  • 人気の洋型墓石は和型墓石よりも背丈が低く、使用石材の量も少なめ

和型墓石には、日本の伝統的なお墓のスタイルといっても過言ではありません。
立地が良好で、シンプルな和型墓石であれば数十万円で購入することも可能です。
依然として根強い人気があるため、しっかり押さえるべきポイントを把握して後悔のない和型墓石を建てましょう。

墓石全般の基礎知識ついて詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。


監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

和型のお墓というと、縦長の四角い石塔が中心の形を思い浮かべる人が多いと思います。この形の墓石が普及しはじめたのは江戸時代あたりから。中国にある位牌型のお墓から端を発したといわれ、江戸時代後期から多くみられるようになりました。仏教の世界観を表す五輪塔も馴染みのある墓石です。

上から宝珠を空輪、半月を風輪、傘を火輪、塔身を水輪、基壇を地輪と呼びます。それぞれ五大を表していますが、これは、すべてのものは5つの要素からできているという考え方。五大を人間にあてはめると、地が骨、水が血液、火が熱、風が呼吸、空が生命そのものを表すことになるそうです。五輪塔も地域によって、また時代によって少しずつ違いがみられます。

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