お盆でのお墓参りが大変だった方へ

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今年(2020年)は新型コロナウイルスの影響で、お墓参りできなかったという人もたくさんいるのではないでしょうか。また、お墓参りができたものの暑い日差しの中の掃除や雑草抜きに大変な思いをした人もいることでしょう。

こうしたお墓参りの制限や負担を解決するサービスが注目を集めています。コロナ禍における新しいお墓参りへの取り組みを取り上げます。

この記事の目次

  1. 定期的な掃除とお参りをしてくれる「お墓参り代行サービス」
  2. 遠隔地でもお墓参りができる「 VRお墓参りサービス」
  3. 立地の問題は、お墓の引越しを検討するのもおすすめ
  4. まとめ
  5. 監修者コメント

定期的な掃除とお参りをしてくれる「お墓参り代行サービス」

メモをとる業者

ここ数年、ひそかな注目を集めていたお墓参りを代行サービス。お墓が遠方にある人や、病気や高齢の人など、お墓参りが困難な人に代わって墓石の掃除やお参りをしてくれます。サービスが始まった当初は「お墓参りを業者に代行させるなんて不謹慎だ」という声も聞かれましたが、最近ではお墓参り代行の需要も増え、新規参入も相次いでいます。

そして新型コロナウイルスが発生した今年は、お盆に帰省できない人が大変多く、お墓参り代行サービスを利用する人が急増しました。インターネット商店街「くらしのマーケット」を運営するみんなのマーケット株式会社によると、2020年のお盆期間(8月13日~15日)の予約件数が昨年との比較で263%にも及ぶとのことです。 (参照記事

こうした流れを自治体も着目します。ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を運営する株式会社トラストバンクによると、ふるさと納税のお礼の品として、お墓参り代行を登録する自治体が増えているそうです。

同社によると、2019年7月31日時点と2020年7月31日時点で比較したところ、お墓参り代行への登録件数は140%にのぼったとのこと。自治体にとっては、故郷を離れた人たちとのつながりが維持でき、シルバー人材や障がい者雇用を促進できるというメリットがあります。一方の利用者側にも自治体によるサービスという安心感もあり、お礼の品としてお墓参り代行は、全国各地の自治体で広がりを見せています。

お墓参り代行サービスは、家族に代わって墓石の清掃や除草、お線香やお花のお供えをしてくれます。

依頼主への報告は、清掃前後の写真が用いられていましたが、最近ではスマホでお参りの光景を配信する「リモート墓参り」を打ち出す業者も出てきています。すべてを業者に任せるのではなく、定期的な掃除や管理をしてもらうことで、いざ自分たちがお墓参りした時に墓地が荒れ放題というようなことにもならず、お参りの負担を大きく軽減できます。

お墓参り代行の費用相場は1万円~3万円。今年のお墓参りが大変だった方、帰省できずにお墓掃除もできなかった人は、ぜひとも一度利用してみてはいかがでしょうか。

遠隔地でもお墓参りができる「 VRお墓参りサービス」

VRを体験する老夫婦

お墓参り代行サービスの中で、スマホによる動画配信はすでに行われていますが、さらにその先を行くものとして、お墓参りとVRを結びつけたサービスも始まっています。

全国300の石材店で組織する全国優良石材店の会(全優石)は、一部の認定店で「VRお墓参りサービス 」を開始しました。お墓参り代行とあわせてVR動画の撮影を行い、後日専用のゴーグルが送られてくるというもの。ゴーグルを着用するだけでリアルに臨場感をもってお墓参りを疑似体験できます。

同会によると、価格は2万5千円から。追加作業や交通費などが別途かかる可能性もありますが、通常のお墓参り代行の相場とそう変わりはありません。時間や場所にとらわれない新たなお墓参りの形かもしれません。

立地の問題は、お墓の引越しを検討するのもおすすめ

お墓の引っ越し

お墓参り代行サービスは、住まいとお墓の距離が離れている人たちに選ばれているます。この問題を根本的に解決するのに、お墓の引越しを検討してみてもよいでしょう。都市部を中心に新しいお墓として納骨堂や樹木葬を選ぶ人が多く、墓石もを構えるにしても有期限や永代供養付きといった墓守の心配をしなくていい墓地が人気です。

ただし、お墓の引越しには、新しいお墓探し、いまあるお墓の墓地じまい、役所への会葬許可申請、寺院による閉眼供養や離檀の申し入れなど、しなければならないことがたくさんあり、費用もかかります。大切な家族やご先祖さまが眠るお墓の未来。早いうちから考えておきたいものです。

まとめ

お墓参り代行、VR、納骨堂、樹木葬。平成の始まった30年前には耳にもしなかった言葉です。時代の変化は当然お墓参りの世界にも及んでいます。住まいと故郷が離れた生活、コロナ禍における「新しい生活様式」。こうした私たちのリアルな生活ん変化に寄り添うように、お墓参りのありかたも変化していきます。しかしそれらはお墓参りでもっとも大切な「手をあわせること」「思いを馳せること」の最適化にほかなりません。

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監修者コメント


監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

お墓参り代行、お墓掃除代行サービスは、これまでも注目されていました。「遠方で墓参が難しい」「足腰が弱くなって墓参できない」といった事情を抱える人が増え、少しずつ注目を集めるようになったサービスです。サイト上で花や線香をドロップしてお供えできるような「バーチャルお墓参り」が登場したのも10年以上前のこと。もはや新しいサービスとは言えないのかもしれませんが、インターネットを利用したお墓参りサービスは、さらに進化し、スマホやVRを利用してお墓参りができるようなシステムが登場しています。
2020年はコロナ禍で「最後にお墓参りに行ったのはお正月。お彼岸も行けなかった」「昨年のお彼岸からお墓参りに行っていない」という声もありました。これまで「お墓参りを他人にしてもらうなんてとんでもない」と言っていた人の中にも、こういった新サービスを取り入れてみたいという声があります。

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