【樹木葬の注意点5つ】申込前にこれを見れば安心!納得したうえでお墓を決めよう
樹木葬の注意点とは?徹底解説
- 樹木葬選びはアクセスや費用、家族の意向を考慮することが大切
- 樹木葬は後継者不要で維持費が少ない永代供養が特徴
- メリットは墓の手入れ不要、継承不要、コスト抑制、楽しい墓参り、環境保護
- 樹木葬は家族で話し合い、見学し、メリットを共有することが大事
樹木葬は、近年注目を浴びている新しいお墓の形です。
「自然に囲まれて眠ることができる」「お墓参りに行く家族が穏やかな気持ちになる」という評判を聞いて、魅力を感じる人が多いようです。
ただ、樹木葬を前向きに検討したいけれど、樹木葬の注意点についてきちんと知っておきたいという人もいるでしょう。
この記事では、以上のような疑問を抱えた人のために、樹木葬の注意点や具体的な手続きについて解説します。
家族に納得してもらえるような樹木葬のメリットも紹介するので、自分も家族も納得の上で樹木葬を選べるようになりますよ。
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樹木葬とは樹木や草花をシンボルにしたお墓のこと
樹木葬とは、従来の墓石の代わりに樹木や草花などの植栽のもとに埋葬するお墓を指します。
一般的なお墓であれば、「○○家之墓」などと刻まれた墓石に向かってお墓参りをしますが、
樹木葬の場合は、シンボルツリーとして植えられた樹木や草花などの植栽に向かってお参りをするのです。
最近では、目印としてプレートを用いた樹木葬もあります。
樹木葬の特徴について、もう少しだけご案内しておきましょう。
樹木葬の特徴3つ
樹木葬の特徴は、以下の3つです。
- 自然あふれる雰囲気
- 自然に還ることができるケースもある
- 後継者のいらない永代供養スタイルが多い
以下ではそれぞれの特徴について説明します。
1.自然あふれる雰囲気
樹木葬は、樹木や草花を使うことから、樹木葬区画は自然あふれる雰囲気に包まれます。
一般的な霊園は墓石がずらりと並び、「なんだか暗い雰囲気だな」と感じる人も、樹木葬霊園の明るさを見れば驚くでしょう。
2.自然に還ることができるケースもある
樹木葬は「自然回帰」がコンセプトにあるので、遺骨を粉骨して土に散骨したり、自然に還りやすい素材で作られた骨袋などに入れたりして、土中へ埋葬するスタイルのものもあります。
土のなかへ直接遺骨を埋葬すれば、時間の経過とともに自然へ還っていくことができます。
ただし、骨壺のままカロートへ埋葬されるスタイルが多いため、自然に還りたいと考えている人は注意が必要です。
3.後継者のいらない永代供養スタイルが多い
樹木葬は多くが後継者のいらない永代供養スタイルです。
永代供養とは、最初にお墓の費用を一括で支払い、埋葬後、霊園管理者側にお墓の管理や供養を永代的に一任する契約形態です。
ほとんどの場合は納骨後に維持費を支払う必要はなく、お墓掃除もいらないので後継者のいない人も安心です。
樹木葬についてさらに詳しく知りたい人は「樹木葬とは?費用相場・メリット&デメリット・仕組みを解説|種類が豊富で人気の永代供養のお墓」をご覧ください。
以上のような樹木葬の特徴を踏まえて、次は気になる樹木葬の注意点をお伝えします。
樹木葬の注意点5つ
樹木葬を検討するとき、注意したい事項は以下の5つです。
- アクセス
- 埋葬方法
- 維持費
- 埋葬手数料
- 家族とのイメージ共有
以下ではそれぞれの特徴について説明します。
1.自然あふれる里山タイプはアクセスに注意する
里山タイプと呼ばれる樹木葬の形態を選ぶ場合は、アクセスに注意しましょう。
樹木葬には主に、都市や住宅地を中心とした公園タイプ(庭園タイプ)と比較的地方にある里山タイプの2タイプがあります。
公園タイプは、コンクリートで区画整備され、道が舗装されているなど霊園としての体裁が保たれています。
一方で、里山タイプは自然環境の保全をより大事にしているため、
区画整備があまりなされていないことが多く、霊園までの道もきちんと舗装されていない場合があります。
公園タイプと比べて、里山タイプは林や山など、広い土地を使った霊園が多いため、
駅からのアクセスがあまりよくないケースが多いものです。
お墓参りに訪れる家族が利用しにくい恐れがあります。
2.後から遺骨を取り出したいなら埋葬方法に注意する
樹木葬としたのち、遺骨を取り出して他のお墓に埋葬する予定があるなら、埋葬方法に注意しましょう。
樹木葬は「自然に還る」をコンセプトにしているため、土中に遺骨を直接埋葬する霊園もあります。
すると、のちに家族が「他にお墓を買ったから、遺骨を移動したい」と願ったとき、
遺骨は周りの土と混ざってしまっていますから、遺骨だけを取り出して移動させるのは難しくなります。
ただ、土へ遺骨を還すのではなく、一般的なお墓と同じように骨壺のまま埋葬する方法を取っている樹木葬霊園も存在します。
後から遺骨を取り出す予定があるなら、骨壺のままで埋葬する樹木葬霊園を選ぶといいでしょう。
最も注意したいのが、合祀型の樹木葬を選んだ場合は、個別に遺骨を取り出すのがほぼ不可能になるということです。
合祀型とは、一つのスペースに不特定多数の遺骨を埋葬するお墓の形を言います。
合祀型へ埋葬されると、他の人の遺骨と混じってしまうため、個別に遺骨を移動することはできないのです。
3.維持費はいつまで、いくら支払うのか注意する
樹木葬の多くは永代供養型であり、維持費の必要はありませんが、念のため確認が必要です。
維持費が発生すれば、のちの世代に負担をかける可能性が出てきます。
いつまで、いくら支払うのかをはっきりさせておきましょう。
樹木葬によくみられるのが、永代供養型ではあるものの、契約から納骨までの間は維持費が発生するケースです。
つまり、契約者自身が存命のうちは維持費を支払うということです。
樹木葬の維持費は、主に霊園内の環境整備などに使われます。
4.複数人を埋葬する場合は埋葬手数料に注意する
1人だけの契約ではなく、夫婦や家族で使うために樹木葬を利用するなら、埋葬手数料に注意しましょう。
遺骨一柱につき、数万円の埋葬手数料がかかるのが一般的です。
多くの場合生前に支払っておくものではなく、遺骨を埋葬するたびに必要な費用なので、遺族が支払うことになります。
広告やサイトのトップページに大きく載るようなものではないので、不明な場合は問い合わせましょう。
5.【最重要】霊園の写真を家族に見せイメージを共有する
最も重要なのは、広告やサイトなどを利用して霊園の写真を家族に見せ、イメージを共有しておくことです。
「樹木葬」とだけ聞いても、ピンとこない家族が大半でしょう。
「樹木葬とはこんなもの」と言葉で説明するのも大事ですが、一番いいのは実際に霊園の雰囲気を見てもらうことです。
そのうえで、家族に感想を求めましょう。
家族に感想を求めると、「見た目以外に、一般的なお墓とはどう違うの?」と尋ねられることもあるかと思います。
そのときのために、次章では一般的なお墓と樹木葬の違いについてご案内します。
一般的なお墓と樹木葬の違い3つ
一般的なお墓と樹木葬の違いは、以下の3つです。
- 樹木葬のほうが、墓石代がかからないぶん価格帯が安い
- 樹木葬には個別墓タイプと集合墓タイプがある
- 樹木葬は維持費がかからないケースが多い
それぞれ詳しく解説します。
1.樹木葬のほうが、墓石代がかからないぶん価格帯が安い
一般的なお墓よりも、樹木葬のほうが墓石代がかからないぶん価格帯が安い傾向にあります。
一般的なお墓の費用の主な内訳は、永代使用料とお墓の建立費用の2つです。
永代使用料とは、墓地の区画を永代に使用するための料金で、永代とは霊園が継続する間のことを指します。
お墓の建立費用は、墓石代と墓石建立にかかる費用を指します。
樹木葬は、一般的なお墓と同様に永代使用料がかかります。
しかし、墓石代は、名前を刻むプレートなど最低限のものにしかかからないため、お墓の建立費用はぐっと安くなるのです。
樹木葬といえども、例えば地下にコンクリートでできた納骨のためのカロートを備えた霊園もありますから、
墓石代がどれほどかかるかは霊園によります。
しかし、それでも一般的なお墓よりは墓石を使用しないため、建立費用は少なくなるでしょう。
2.樹木葬は個別墓タイプと集合墓タイプがある
従来の一般的なお墓は代々家族で使うお墓ですが、樹木葬は個別墓タイプと集合墓タイプがあります。
樹木葬の個別墓は区画ごとに契約者がいて、一人用、夫婦用、家族用とさまざまです。
樹木葬の集合墓は一つの大きな区画を複数の契約者が共同で使い、シンボルツリーや草花などの植栽の下にひとまとめにして遺骨が埋葬されます。
3.樹木葬は維持費がかからないケースが多い
樹木葬は永代供養が一般的なので、維持費がかからないケースが多いものです。
一方、一般的なお墓は、毎年5,000円から1万5,000円程度の維持費がかかります。
お寺の檀家になっていると、毎年の維持費のほかにお寺の修繕費などまとまった金額を寄付しなければならないこともあります。
一般的なお墓との違いをみれば、樹木葬のほうが安く手に入りそうだということがわかりますね。
家族を納得させるのにもう一押しが欲しいという人のために、次章では樹木葬のメリットをご紹介します。
家族を納得させるための樹木葬のメリット5つ
樹木葬を行うことを家族に納得してもらうために、次の5つについてアピールしましょう。
5つのメリットポイント
- 草むしりもお墓掃除もいらない
- 継承しなくてもいい
- 費用を抑えられる
- お墓参りが楽しい
- エコに貢献できる
以下では樹木葬のメリットについて詳しく説明します。
1.永代供養なら草むしりもお墓掃除もいらない
樹木葬は永代供養であることが多く、永代供養を選ぶのであれば、草むしりやお墓掃除は必要ありません。
面倒なことは全て霊園の管理者側が行ってくれるためです。
永代供養とは、霊園が続く限り、永代に供養をしてもらえるという意味です。
いつお墓参りをしに行っても樹木葬区画は美しくと整えられていることでしょう。
また、お盆やお彼岸には合同供養祭が組まれる霊園が多いため、忙しくてお墓参りができないという人も安心です。
お墓が遠く、お墓参りを負担に感じている家族にとっては、安心できるポイントではないでしょうか。
2.維持費がかからず後継者の必要がない
永代供養で納骨以後の維持費がかからない樹木葬を選べば、後継者を残す必要がありません。
永代供養とは、納骨後は費用を支払わなくてもずっと霊園管理者が管理と供養を行ってくれることだからです。
今は家族がお墓を守れると思っていても、数十年後にはどうなっているかわかりません。
少子化が進み、今後、父方と母方のいずれのお墓も守らなければならないという世代が出てくるでしょう。
後の世代に墓守の負担をかけないためにも、今の世代が永代供養を選ぶのは、賢い選択といえるでしょう。
3.一般的なお墓より費用を抑えられる
樹木葬であれば一般的なお墓よりも費用が抑えられるので、浮いたお金で他の費用を補填することができます。
人が一人亡くなると、かかってくるお金はお墓の費用だけではありません。
介護やお葬式にも大きな費用が必要ですし、
相続関係を専門家に任せるのであれば、行政書士や弁護士に支払う費用も発生します。
お墓の費用を安くしておければ、他の負担を減らすことが可能です。
4.四季折々の草花がお墓参りを楽しくさせる
樹木葬の醍醐味は、四季折々の風景がお墓参りを楽しくさせてくれることです。
桜の木の下で眠る樹木葬を選んだのであれば、毎年、桜の季節が本当に楽しみになるでしょう。
春は蝶が舞う姿が見られ、夏は繁る葉に生命の力強さを感じ、秋は紅葉を愛でることができます。
「お墓参りに行こう」という言葉が、家族みんなの気分を楽しくさせるなんて、素敵ではありませんか。
5.エコロジー活動に貢献できる
樹木葬を選べば、自然とエコロジー活動に貢献できることになります。
樹木葬はそもそも、墓地醸成のために豊かな森が伐採されることを懸念した僧侶が、森を守るために選んだお墓の形です。
墓石を建立すれば、そのぶん土地はコンクリートで固められることになりますが、
樹木葬なら土をそのまま維持できるうえ、樹木や草花を植えることで自然を増やすことにもなります。
樹木葬を選ぶことが、エコへの意思表明となるのであれば、こんな素晴らしいことはない。
そう考える人は多いのではないでしょうか。
家族を説得したいなら、上の5点について強調し、樹木葬を選ぶことの利点をアピールしましょう。
まとめ
この記事では、樹木葬を選ぶ際の注意点、一般的なお墓と比べたときの特徴、
そして家族が樹木葬に賛同してくれるようなメリットについてお伝えしました。
自分も家族も納得できるような材料は揃ったでしょうか。
理想は、樹木葬を願っている本人が、家族を連れて樹木葬霊園へ見学に行くことです。
サイトや広告では見えなかったことが見えてきて、家族と話し合える環境が整うことでしょう。
春や秋など季節のよいときを狙って、ぜひ行楽気分で霊園見学に出かけてみてください。
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監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
樹木葬墓地というと、「大自然に還れるイメージ」「墓石を使うより安い」と注目されていますが、必ずしもそうとは限りません。土に還ることを前提とせず、コンクリートで四方が固められた納骨室の中に、骨壺ごと納めるタイプも多くあります。逆にそれを売りにしているところもあるので、どちらが良いとはいえませんが、納骨の方法は確認しておくべきでしょう。
また、一人分で比較すれば「墓石を使うより安い」としても、夫婦で一緒に使用、家族で使用と複数人で使用することを前提に購入すると、かえって割高になることも多いようです。 緑化パーキングのような簡素なつくりの樹木葬墓地もありますので、実際に足を運び、管理方法や納骨方法、費用等を比較検討して選ぶようにしましょう。