芝生墓地は一面に芝生が広がっている!メリット・デメリットと人気の理由を紹介
芝生墓地とは?徹底解説
- 芝生墓地は開放的で、価格も安く掃除が楽
- メリットはコスト、手間が少なく、明るい雰囲気
- デメリットは管理費、デザイン制限、受け入れ難さ
- タマリュウ、樹木葬、ガーデニング霊園も似て特色あり
墓地の購入を検討している人なら、芝生墓地という言葉をたびたび目にすることと思われます。
芝生墓地と聞いて、どんなイメージを持つでしょうか。外国映画に出てきそうな、一面が芝生の墓地を思い浮かべる人が大半でしょう。
芝生墓地は、そのイメージ通り芝生が一面に広がっている霊園です。
この記事では、芝生墓地の特徴や他の墓地との違い、芝生墓地を選ぶメリットやデメリットをお伝えします。
最後には、芝生墓地と同様に美しい景観が楽しめる墓地の種類を紹介するので
自分の希望に叶う墓地を選ぶことができるようになりますよ。
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この記事の目次
芝生墓地とは霊園全体が芝生でおおわれている墓地
芝生墓地とは、霊園全体が芝生でおおわれている墓地を指します。
外国風の見晴らしの良さが魅力で、最近は日本でも都市部を中心にみられるようになってきました。
芝生墓地の特徴を詳しく説明します。
墓石はプレート型あるいは洋型がほとんど
芝生墓地に設けられる墓石は、プレート型か洋型の2種類がほとんどです。
プレート型とは、平たい石版を地下にあるカロート(納骨部分)にのせるタイプのお墓を指します。
洋型とは、背が低く横に長い洋風の墓石を建立するタイプのお墓を指します。
区画の区切りとなる外柵がない
芝生墓地には、区画の仕切りとなる外柵を設けません。
寺院墓地などは、墓石または木製の外柵を設け、区画が区切られているのが一般的です。
しかし、芝生墓地には外柵のほか、灯籠など、他の飾り物も設けられません。
よって、一面の芝生の中に、プレートや洋風の墓石がずらりと並ぶ形になります。
霊園内の景観が開けている
芝生墓地はプレートや背の低い洋型墓石が中心で、かつ外柵もないため、景観が開けています。
その見晴らしの良さに魅力を感じて購入する人も多いでしょう。
背の高い建築物がないことで、陽の光が墓地の隅々まで行き届くので
お墓参りに来ているのに、まるで庭苑を散歩しているような気分を満喫できます。
以上のように、すっきりした印象で見晴らしの良い芝生墓地は、近年注目されつつあります。
しかし、人気の理由はそれだけではありません。
次章で詳しく説明します。
芝生墓地が人気を集めている理由
芝生墓地が人気を集めている理由には、次の3つがあります。
- 価格が魅力的
- 景観が魅力的
- スタイルが魅力的
それぞれ詳しく説明します。
一般的な墓地よりお墓を建てるときの総額が安め
芝生墓地は、一般的な墓地よりもお墓を建てるときにかかる費用が安めです。
なぜなら、使用する墓石の量が圧倒的に少ないため、墓石にかかる費用が抑えられるからです。
また、区画の大きさが一般的な墓地より狭い傾向にあり、永代使用料の面でも価格を抑えることができます。
お墓の価格の高さに疑問を持つ現代人が、安価な芝生墓地に魅了されています。
一般的な墓地より景観が美しい
芝生墓地は一般的な墓地よりも景観が美しく、明るくキレイな印象を与えるのも、人気の理由の一つです。
一般的な墓地は、背の高いお墓が多く外柵が設けられているため、どうしても視界が遮られ
暗い印象が否めません。
それに比べ、芝生墓地は一面に芝生が広がり、また墓石の規格が統一されているので
美しく、整った印象があります。
視界を遮るものが少ないので、見晴らしがよく、また周りが明るく見えます。
一般的な墓地よりスタイリッシュでおしゃれ
プレートの四角い形や、洋型墓地のすっきりとしたデザインは、現代人の心を惹きつけます。
従来の日本型墓石よりもスタイリッシュでおしゃれな印象なので、注目が集まるのです。
「今までの、先祖代々のお墓とはまるっきり違うお墓を購入したい」と考える人の心に沿っているといえるでしょう。
以上のように、一般的な墓地とは一線を画したさまざまな魅力から、芝生墓地には熱い視線が注がれています。
それでは、芝生墓地の具体的なメリットはどのようなものなのでしょうか。
それぞれ詳しく解説します。
芝生墓地にお墓を建てるメリット
芝生墓地のメリットは、以下の4つです。
芝生墓地のメリット
- 価格が安い
- お墓掃除の必要がない
- 毎年の年間管理料が発生しない永代供養墓も多い
- お墓参りで明るい気分になれる
価格が安い
芝生墓地の魅力の一つが、価格の安さです。
一般的なお墓よりも区画が小さく、使う石の量も少ない傾向があるため、価格が抑えられるのです。
一般的なお墓の相場は150万円から250万円程度ですが、
芝生墓地は100万円から150万円ほどで手に入れられます。
お墓掃除の必要がない
芝生墓地では、プレートや墓石の周りに占有空間がないかわりに、手入れすべき草木がありません。
芝生の手入れは素人には無理なので、管理会社に一任する形になります。
つまり、お墓掃除の必要がないということです。
毎年の年間管理料が発生しない永代供養墓も多い
芝生墓地は、毎年の年間管理料が発生しない永代供養墓も多いのが特徴です。
永代供養墓とは、いったん契約料を支払えば、墓地の管理や供養を霊園側が行ってくれるお墓を指します。
芝生墓地の場合、はじめの数十年は個別のお墓で供養を行い、
契約期間が終了したらプレートを外して遺骨を取り出し、霊園内の供養塔などに合祀する形となります。
お墓参りで明るい気分になれる
芝生墓地なら見晴らしが抜群で景観も美しいため、お墓参りで明るい気分になれます。
背の高い和形墓地が多く、外柵で区画が仕切られている従来の墓地へ行くと、
しめやかな気持ちでお参りできる一方で、暗い気分になりがちです。
芝生墓地なら、これまでお墓参りに暗いイメージを持っていた人も、積極的にお参りへ出かける気持ちになれるでしょう。
芝生墓地にお墓を建てるデメリット
芝生墓地のデメリットは、以下の4つです。
芝生墓地のデメリット
- 年間管理料が高め
- デザインに制限がある
- 線香を禁止されているところがある
- 年配者に受け入れられないこともある
墓地の整備に使用される年間管理料が高め
芝生の整備をしなければならないぶん、年間管理料が高めになります。
一般的な民間霊園の年間管理料の相場は、5000円から1万5000円程度ですが
とくに芝生墓地の場合、1万5000円を超えるケースもあるでしょう。
建てられる墓石のデザインに制限がある
芝生墓地は、景観を美しく整えるため、使える墓石のデザインに制限を設けているところがほとんどです。
希望している墓石のデザインがある場合は、注意が必要です。
とくにプレート式の場合、自由が利くのは彫刻部分だけという霊園も珍しくありません。
線香の使用を禁止されているところもある
芝生墓地の場合、土台となる墓石部分が少なかったり、また全くなかったりするため、
火災防止の観点から線香のお供えを禁止されている霊園が多々あります。
その場合、献花だけを行うことが多いようです。
「線香を立てないと、お墓参りという気がしない」という人には、向かないかもしれません。
墓地の形態が年配者に受け入れられないこともある
芝生墓地は比較的新しい形態の墓地なので、年配者に受け入れられないこともあります。
欧米的な外観をしているので、
親族に年配の人が多く、「日本的なお墓のほうが良い」という意見が多いときには、慎重にならなければなりません。
芝生墓地には以上のようなメリットとデメリットがあるため、よく検討しましょう。
デメリットが気になり、「芝生墓地に似たような墓地はないものか?」と思い始めた人のために次章では、芝生墓地と同じように景観の美しさが魅力の墓地についてご案内します。
芝生墓地と似た特徴のある墓地
芝生墓地と似た特徴のある墓地には、以下のようなものがあります。
- タマリュウ墓地
- 樹木葬墓地
- ガーデニング霊園
それぞれ、芝生墓地との違いを解説します。
芝生墓地とタマリュウ墓地の違い
芝生墓地と同じように、一面の緑と見晴らしの良さに定評のある墓地が、タマリュウ墓地です。タマリュウとは、細長い形状の葉が放射状に繁る多年草で、芝生よりも深い緑色をしています。
芝生墓地とタマリュウ墓地の違いは3つです。
- 芝生は冬季に変色するがタマリュウは鮮やか
芝生は、冬季に茶色がかってしまうのが特徴ですが、タマリュウは常緑なので、一年中鮮やかな緑を楽しめます。
- 芝生よりもタマリュウのほうが安価
芝生よりもタマリュウのほうが安価なので、区画の永代使用料も抑えられます。
- 芝生よりもタマリュウのほうが手入れは簡単
タマリュウが生えているところには、他の雑草が生えづらくなります。よって、芝生より手入れが簡単です。
年間管理料も、芝生ベースより若干抑えられます。
芝生墓地と樹木葬墓地の違い
墓石の代わりに樹木を墓標として植えるのが、樹木葬です。
芝生墓地と樹木葬墓地には、以下のような違いがあります。
- 樹木葬墓地にはさまざまな樹木が植えられている
霊園一面に芝生が広がる芝生墓地と違い、樹木葬墓地にはさまざまな樹木が植えられているため、景観がにぎやかです。
- 芝生墓地は個人墓が多いが樹木葬は集合墓もある
芝生墓地は個人または家族単位で使うお墓がほとんどですが、樹木葬の場合は集合墓もあります。
一本の大樹の周りに、たくさんの遺骨が眠るタイプです。
- 芝生墓地よりも樹木葬のほうが価格帯は広い
樹木葬墓地には、安価な集合墓もあるため、芝生墓地より価格帯が広くなります。
樹木葬の集合墓は、30万円から80万円程度が相場です。
樹木葬の個人墓は100万円から150万円程度が相場で、芝生墓地と同等と考えていいでしょう。
芝生墓地とガーデニング霊園の違い
ヨーロッパの庭苑を彷彿させる、花木がふんだんに植えられた華やかな墓地が、ガーデニング霊園です。芝生墓地とガーデニング霊園には、以下のような違いがあります。
- 芝生墓地よりもガーデニング霊園のほうが専有面積が広め
ガーデニング霊園における各区画の面積は、芝生墓地のようにコンパクトなわけではありません。
多くは一般的なお墓と同程度の専有面積です。
- 芝生墓地よりもガーデニング霊園のほうが墓石の選択幅が広い
芝生墓地は、プレートのみ、霊園側が企画したデザインのみといった、墓石のデザインに縛りがあるのが一般的ですがガーデニング霊園の多くは、墓石のデザインにこれといった縛りはありません。
なかには景観を保つため洋型墓石のみとしている霊園もありますが、
それでもデザインに関してはたくさんの選択肢の中から選べます。
- 芝生墓地よりもガーデニング霊園のほうが価格帯が高め
芝生墓地よりもガーデニング霊園のほうが区画面積が広く、使う石の量も多くなるため、価格帯は高めです。
以上のように、芝生墓地と特徴のよく似た墓地とも比較検討してみましょう。
選択の幅が広がれば、理想のお墓と出合える可能性も高まりますよ。
まとめ
この記事では、芝生墓地の特徴やメリット・デメリット、芝生墓地とよく似た特徴のある他の墓地についてお伝えしました。
自分の希望に沿った墓地を、見つけられそうでしょうか。
数々の選択肢の中から、景観や価格、立地条件などで優先順位をつけてみましょう。
自分と家族にぴったりの墓地を、きっと見つけられるようになります。
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
芝生墓地は、それぞれの区画を区切る外柵がなく、墓石の高さも制限されているため、開放的で広々としたイメージがあります。墓石の費用が抑えられるなどのメリットもありますが、芝生墓地ならではの問題も当然あります。そのひとつが「備品の盗難」です。
外柵がないと住宅でいうと塀がないわけですから、心情的に他人のエリアに入りやすくなるのでしょうか。芝生墓地では、ステンレス製の花瓶など備品の盗難が一般の墓地より多いと言われています。盗難防止のため、墓石の一部に固定器具をつけるなど工夫を凝らしているところもありますが、それでも完全に防げるわけではありません。
また。芝生墓地は足場が不安定だというデメリットもあります。新たに開発される墓地は、区画の手前まで舗装されていることも多いのですが、芝生墓地は芝生エリアに入ったら基本的に舗装はされていません。雨や霜の覆い時期は、足元が汚れる覚悟も必要です。