自宅墓「おくぼ」で大切な人に祈る、室内で日常的によりそう供養方法
供養方法が多様化している現代では、規模の大きな葬儀を控えて家族葬で執り行ったり、手元供養で故人を偲んだりする人も少なくありません。そんな時代に合う手元供養商品を、墓石販売を行う山野石材株式会社が開発し、2021年8月8日に販売開始しました。明治40年に創業し、100年以上の実績を持つ同社の取り組みを、インタビューを交えつつ紹介いたします。
山野石材株式会社
墓石部 中野 誉久さん
自宅墓「おくぼ」の担当者。現代のお墓の在り方や、ご家族の気持ちにじっくりと向き合い、おくぼの開発を遂行。
自宅墓「おくぼ」とは
「手元供養」という言葉は聞いたことがあっても、「自宅墓」という言葉を聞いたことがある人は、まだそう多くないと思います。自宅墓とは、室内で遺骨を安置して供養する方法であり、「宅墓」と呼ばれることもあります。通常の仏壇と同じように位牌や本尊を安置したり、故人との思い出の品を飾ったりと、供養方法はさまざまです。
また、自宅墓は一般的なお墓の代わりとしての役割も果たしています。日本では法律上、墓地以外の場所に遺骨を埋葬することはできないため、あくまで「手元供養」という位置づけになりますが、「お墓はいらないけど、何か供養をしたい」と考える人に注目されています。
自宅墓「おくぼ」のセット内容
- ステンドグラス写真立て
- ミニ墓石
- 台座
- 丸プレート(2枚)
- 2寸壺
上記一式がセットになっています。きらきらと輝くステンドグラス写真立てはすべてハンドメイドの一点物で、商品によって大きさが異なります。御影石製のミニ墓石と丸プレートは、黒とピンクの2色から選択可能で、厳かな雰囲気にもやさしい雰囲気にもなります。
B5サイズの小さな自宅墓「おくぼ」は、その名の通り「おうちに置けるお墓」であり、大きな仏壇を置くスペースがないという人にぴったり。自宅で故人に向かって手を合わせられることから、諸事情でお墓参りになかなか行けない人からも人気です。
おくぼ開発者:写真では伝わりにくいですが、実際の「おくぼ」はコンパクトな形状でありながら、高級感や重量感があります。長寿命化が進むこれからの時代、室内でいつでも供養できる自宅墓は珍しいものではなくなってくるかもしれません。そんな時代に、故人がステンドグラスの優しい光に包まれているように感じられる「おくぼ」はおすすめです。
手元供養とは
故人の遺骨や遺灰の一部を身近なところに保管する供養方法です。例えば、デザイン性の高い骨壷や、遺骨を収納できるフォトフレームや携帯できるアクセサリー、キーホルダーなど、さまざまな商品があります。
手元供養への注目が年々高まっている背景には、
- 「今後、お墓を継いでいく承継者に不安がある」
- 「経済的な理由からお墓や仏壇を持ちたくない」
- 「遠方にいて、お墓参りはこまめにできないけど、手元供養であれば毎日手を合わせられる」
など、供養方法に対するさまざまな要望が増えていることがあります。
自宅墓「おくぼ」が開発された背景
さまざまな手元供養の商品が販売されているなかで、開発元である山野石材株式会社の担当者である中野様に、自宅墓「おくぼ」に込めたこだわりについて伺いました。
中野様:さまざまなメーカーが手元供養の商品を出していますが、日頃から供養に関わっている私たち石材店だからこそ、できることがあると考えました。世に出回っている手元供養の大半は、ご遺骨を粉状に粉砕して、省スペースで供養をするものです。しかし、自宅墓「おくぼ」は粉骨をしません。「粉骨せずに分骨して、手元供養をしたい」という方のご要望に沿う商品です。
分骨の場合、将来的な遺骨の先行きが心配になるケースがでてきてしまいますが、その問題を解決すべく、自宅墓「おくぼ」にはオプションで永代供養サポートプランをつけ、しっかりとした供養をお約束しています。
中野様:石材店としてお墓づくりに携わるなかで、「お墓を建てたいけれど、お金や後継ぎへの不安があって建てられない」と、相談を受けたことがありました。火葬された遺骨が、自宅で骨壺のまま安置されているケースも多いと聞きます。そのような方のために、自宅できちんと供養しつつも、安価で購入できる「自宅墓」を開発したいと考えました。
自宅墓「おくぼ」の特徴
自宅墓「おくぼ」の魅力は、主に下記の3つです。
- おしゃれなデザインラインナップ
- 手頃で明瞭な価格
- 永代供養をセットで申込み可能
それぞれの特徴について、詳しくご紹介します。
おしゃれなデザインラインナップ
中野様:おっしゃる通り、ステンドグラスの写真立てが最大のポイントです。「毎日見つめたり、話しかけたりしたくなるような、きれいな写真立てがいいな」と思い、ステンドグラス作家さんにデザインをお願いしました。ステンドグラスはひとつひとつ表情が異なる手づくりの一点ものであり、同じものは2つとして存在しません。世界にひとつだけの手元供養は、自宅墓「おくぼ」ならではの魅力だと思います。
また、御影石の墓石に関しては、家に来客があってもパッと見でお墓とわからないように、また長く使っていただけるように、シンプルなデザインにしました。
中野様:25種類のデザインのうち、「宝石箱4」と「リーフ」が特に評判が良いですね。ミニ墓石の石種は、定番の黒色が人気です。
手頃で明瞭な価格
山野石材株式会社が販売する自宅墓「おくぼ」は、一式80,000円(税込・送料込 )です。一般的に150~350万円かかるお墓の建立と比較すると、大変安価な価格設定です。自宅墓「おくぼ」は明朗会計で、追加出費を気にする必要もありません。
永代供養をセットで申込み可能
永代供養を考えている方向けには、自宅墓「おくぼ」と樹木葬墓地での永代供養(合葬)をセットにしたサポートプラン 148,000円(税込・送料込 )もあります。遺骨は大自然に囲まれた阿蘇くじゅう国立公園内の樹木葬墓地にて供養されます。管理費なども一切必要ありません。
- 「分骨した残りのご遺骨の扱いに悩んでいる」
- 「墓じまいで一部の遺骨だけを自宅墓にしたい」
- 「いずれはお寺で供養したい」
と考えている人におすすめのセットです。
中野様:実際に、遺骨の先行きを心配していらっしゃるお客様から「永代供養セットをつけられるので、先々のことまで考えられる」「子どもがいない自分でも、このプランがあれば安心できる」などのお言葉をいただいたことがありました。
自宅墓「おくぼ」開発秘話インタビュー
中野様:やはり「ステンドグラスの写真立てが素敵」という声をたくさんいただいています。「どんな部屋にも合いそう」「ホームページを見た瞬間にビビッときた」というお客様もいらっしゃいます。
中野様:以前からECに興味はありましたが、自信を持てる商品設計ができておらず、二の足を踏んでいました。しかし今回、デザインと永代供養サポートという、独自性がある商品・自宅墓おくぼが完成したことで、踏み切ることができました。
中野様:少子高齢化問題や家庭の在り方・生き方の多様化が進むことによって、今後もさらにお墓を建てる人は少なくなっていくと思っています。しかし、私ども山野石材株式会社は、お墓・墓石の会社というよりも、「お客様が望んでいる供養を手助けする会社」として、供養に関する総合的な悩みの解決を目指しています。今後、お墓の建立に関する相談は減ったとしても、墓じまいや改葬、お墓のリフォーム、樹木葬や永代供養など、さまざまな選択肢を提案しながら、成長を続けていきたいと考えています。
私個人の考えとしては、供養の多様化はむしろ良いことであり、各家庭に適した供養があると思います。私自身は、供養の選択肢の拡大をライフワークとしており、皆さんがお金や継承者の有無で悩む必要がないように、今後も自宅墓・永代供養・樹木葬・お墓といった商品開発のラインナップを増やしていきたいと思っています。
中野様:最近多い、自治体の合葬墓や、委託の海洋散骨を選ぶ方もいますが、こういった供養は一度決断をしてしまうとやり直しがきかず、後には戻れません。メリット・デメリットを十分理解をしたうえで、最適な供養方法を選ぶ必要があります。自宅墓「おくぼ」についても、十分に知っていただいたうえで、「大切な人を身近に感じていたい」「いつも一緒にいたい」と考える方に利用していただきたいですね。
中野様:今後、自宅墓「おくぼ」はバリエーションを増やし、ステンドグラスに続いて、伝統工芸品である「博多織」を使用した写真立てをリリース予定です。
皆さんにとって、お墓のことや供養のことは、わからないことだらけだと思います。どのような質問でも、お気軽に問い合わせいただけたらと思います!
自宅墓「おくぼ」販売会社の概要
会社名 | 山野石材株式会社 |
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代表者名 | 山野浩 |
本社・工場所在地 | 〒812-0055 福岡市東区東浜2丁目6番51号 |
事業内容 |
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公式サイト | https://www.yamanostone.co.jp/uchibo/ |
編集後記
ステンドグラスのフォトフレーム状の手元供養は、故人の笑顔がきらきらと輝いているように見えます。山野石材株式会社さんは幅広く事業を展開していて、供養で困ったことがあれば何でも相談できる、心強い存在だと感じました!