浄土真宗本願寺派の本山納骨には3つの方法がある!納骨手順を徹底解説
浄土真宗本願寺派の本山納骨とは?徹底解説
- 浄土真宗本願寺派の納骨には3種類あり、信徒で所属寺院が必要。
- 納骨方法により遺骨返却の可否が異なるため、将来の取り扱いを考慮が必要。
- 本山納骨を考える際は、各方法の特徴と費用を把握し、希望に合った選択を。
浄土真宗本願寺派には、本山に納骨するという風習があります。
しかし、実際に納骨するには、どうしたらいいのか分からず困っている人も多いかと思います。
この記事では、浄土真宗本願寺派の本山へ納骨する方法や、納骨方法の種類、費用などを詳しく解説しています。
最後まで読めば実際に納骨する際に迷うことなくスムーズに行うことができますよ。
まずは、浄土真宗本願寺派の本山について確認していきましょう。
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この記事の目次
浄土真宗本願寺派の総本山は西本願寺(お西さん)
全国のお寺を統轄しているお寺のことを「総本山(そうほんざん)」といいます。
浄土真宗本願寺派の総本山は京都市下京区にある「龍谷山本願寺(りゅうこくざんほんがんじ)」で、通称「西本願寺(にしほんがんじ)」と呼ばれています。
また、西本願寺には「お西さん」という愛称もありますが、浄土真宗本願寺派の信徒(信者)のことを「お西さん」と呼ぶ場合もあります。
では、西本願寺を総本山とする浄土真宗本願寺派は、どのようにして日本で確立されたのでしょうか?
次は、浄土真宗本願寺派の歴史について解説していきます。
浄土真宗本願寺派の歴史
浄土真宗は鎌倉時代の1224年に「親鸞(しんらん)」によって開かれた宗派です。
「念仏を唱えれば、誰でも救われる」という浄土真宗の教えは、当時の日本で広く受け入れられ、信徒の数はたちまち1万人を超える数となりました。
しかし、親鸞の死後、浄土真宗の正統な流れの継承をめぐり、親鸞の血縁関係者の中で争いが起こります。
この争いの中で、親鸞のひ孫にあたる覚如(かくにょ)が、親鸞の遺骨を納めた建物を浄土真宗の総本山にするために「本願寺」という名前をつけてお寺にしました。
本願寺が誕生してから約330年後、豊臣秀吉によって引退させられていた、本願寺の12代目継承者を務めた「教如(きょうにょ)」に対し、徳川家康が新たにお寺を寄付したことで、本願寺は二つの流れに分かれることとなります。
この二つの流れが、本願寺派と大谷派という二つの宗派になったのです。
そして現在、本願寺派は浄土真宗の各宗派のなかで、最も信徒が多い宗派となりました。
ここまで、浄土真宗本願寺派の歴史について説明してきました。
次は、西本願寺の概要と、親鸞の墓所である大谷本廟(おおたにほんびょう)について見ていきましょう。
西本願寺の歴史と親鸞が眠る大谷本廟の概要
ここからは、西本願寺の歴史と、親鸞の遺骨が納められている「大谷本廟(おおたにほんびょう)」について解説していきます。
現在、大谷本廟は西本願寺から少し離れた場所にありますが、西本願寺の所有となっています。
まずは、西本願寺がどのように建てられたのかを確認していきましょう。
西本願寺の建立背景と歴史
西本願寺は大谷本廟を発祥とするお寺です。
大谷本廟とは親鸞の娘によって建立された、親鸞の遺骨を納めた建物です。
のちに親鸞のひ孫により、大谷本廟は本願寺というお寺となりました。
その後、本願寺は他宗派からの攻撃や、織田信長との争いなどにより、お寺の場所を京都から大阪に移します。
そして、豊臣秀吉の寄付を受けて本願寺は再び京都へと移され、現在の場所にお寺を構えることとなりました。
なお、この後に本願寺は二つの流れに分かれます。
その結果、豊臣秀吉の寄付を受けて建てられた本願寺派の総本山を「西本願寺」、徳川家康の寄付を受けて新たに建てられた大谷派の総本山を「東本願寺」と呼ぶようになったのです。
大谷本廟の概要
大谷本廟は西本願寺から少し離れた京都市東山区にある、親鸞の遺骨が納められている場所です。
もともとは同じ京都市東山区内にある、現在の「知恩院(ちおんいん)」という観光スポットとしても有名なお寺のあたりに建てられていて、「大谷影堂(おおたにえいどう)」という名前でした。
しかし、江戸幕府の政策によって1603年に現在の場所に移され、その後、各建物が次々と建てられていき、現在に至ります。
親鸞の遺骨のそばに納骨したいという思いから、大谷本廟は全国の浄土真宗本願寺派の信徒たちが納骨する場所となり、日々たくさんの人々が参拝に訪れています。
では、実際に大谷本廟に納骨したい場合、最も重要となる「納骨できる人の条件」を紹介します。
浄土真宗本願寺派の大谷本廟に納骨できる人の条件は2つ
大谷本廟へ納骨するには、2つの条件を満たしている必要があります。
- 浄土真宗本願寺派の信徒であること
- 所属寺院があること
所属寺院とは、先祖代々のお墓がある寺院や、葬式や法事を毎回お願いしている特定の寺院のことを指します。
一般的に「菩提寺(ぼだいじ)」と呼ばれるお寺のことです。
納骨できる人の条件を満たしている人が納骨する時には、具体的にどうしたらいいのでしょうか?
次は、大谷本廟に納骨する方法について、費用や必要書類なども含めて、詳しく解説していきます。
浄土真宗本願寺派の大谷本廟に納骨する方法
浄土真宗本願寺派には、親鸞の墓所である「大谷本廟(おおたにほんびょう)」に納骨するという風習があります。
浄土真宗本願寺派では、喉仏の骨をはじめとする、遺骨の一部を納める「分骨(ぶんこつ)」が一般的ですが、遺骨のすべてを納める「全骨(ぜんこつ)」も可能です。
大谷本廟への納骨方法には、分骨か全骨かの選択だけでなく、納骨場所によっても納骨の方法が変わってきます。
まずは、大谷本廟の納骨方法にはどのような種類があるのかを紹介していきます。
大谷本廟への納骨方法は3種類
大谷本廟への納骨方法は、3種類あります。
- 「祖壇納骨(そだんのうこつ)」
- 「無量寿堂納骨(むりょうじゅどうのうこつ)」
- 「墓地納骨(ぼちのうこつ)」
ここからは、大谷本廟への3種類の納骨方法を、順番に説明していきます。
親鸞の遺骨が納められている祖壇へ納骨する「祖檀納骨」
「祖壇納骨(そだんのうこつ)」では、親鸞の遺骨が納められている祖壇という場所に、遺骨を納めます。
納骨の日時などの事前予約はできないので、納骨したい日に直接大谷本廟へ行き、納骨の申し込みを行います。
なお、祖壇納骨の場合は、複数の遺骨とともに納骨されるため、遺骨の返却はできませんので注意が必要です。
受付日時 | 納めることができる遺骨 | 納骨費用 | 遺骨の返却 | |
---|---|---|---|---|
祖壇納骨 | 毎日8時30分~15時30分 | ・分骨(遺骨の一部) ・全骨(遺骨のすべて) | 分骨…3万円以上 全骨…5万円以上 | 不可 |
では、実際に祖壇納骨をする場合に、必要となる書類を見ていきましょう。
祖壇納骨の際に必要な書類
祖壇納骨で必要となる書類を一覧にしました。
分骨の場合 | 全骨の場合 | |
---|---|---|
祖壇納骨 必要書類 | 納骨届(所属寺住職の署名と捺印があるもの) | 納骨届(所属寺住職の署名と捺印があるもの) 火葬許可書 |
分骨と全骨のどちらの場合でも必要となる納骨届には「所属寺院証明欄」という項目があるので、必ず事前に所属寺住職の署名と捺印をもらっておきましょう。
納骨届は、大谷本廟のホームページからダウンロードすることができますよ。
また、全骨の場合は納骨届の他に、火葬の際に発行される「火葬許可証」を提出しなければいけません。
全骨で納骨する際には、火葬許可書も忘れずに持参しましょう。
【6つの手順】祖壇納骨の流れ
祖壇納骨の流れを6つの手順にしました。
- 1.大谷本廟の本廟会館1階で受付をする
- 2.本廟会館2階受付へ行き、本廟会館1階で発行された案内用紙と遺骨を提出する
- 3.僧侶がお経を読む「お勤め」に参列する(所要時間15~20分)
- 4.遺骨を受け取り、明著堂(めいちょどう)へ行く
- 5.明著堂前で僧侶に遺骨を渡す
- 6.遺骨を納めたあと、明著堂前で合掌と礼拝をする
次は、無量寿堂という納骨所へ遺骨を納める方法を解説していきます。
納骨所の無量寿堂へ納骨する「無量寿堂納骨」
「無量寿堂納骨(むりょうじゅどうのうこつ)」では、大谷本廟の境内にある納骨所「第一無量寿堂」または「第二無量寿堂」へ遺骨を納めます。
納骨所には各家専用の区画が並んでおり、その区画内にそれぞれ納骨するため、遺骨の返却(出骨)も可能です。
祖壇納骨と同じく、無量寿堂納骨も納骨の日時などの事前予約はできませんので、納骨したい日に直接大谷本廟へ行き、納骨の申し込みを行いましょう。
ただし、無量寿堂納骨を行うためには、事前に納骨区画を契約する必要があります。
納骨区画の契約費用は、選ぶ区画によって80~600万円以上と、大きく異なります。
なお、所属しているお寺が納骨区画を有していて、そこに納骨する場合であれば区画の契約は不要です。
受付日時 | 納めることができる遺骨 | 納骨区画の契約費用 | 遺骨の返却(出骨) | |
---|---|---|---|---|
無量寿堂納骨 | 毎日8時30分~15時30分 | ・分骨(遺骨の一部) ・全骨(遺骨のすべて) | 80~600万円以上 | 可 |
では、無量寿堂納骨をする場合に、必要となる書類を確認していきましょう。
無量寿堂納骨の際に必要な書類
無量寿堂納骨の際に必要となる書類を一覧にしました。
分骨の場合 | 全骨の場合 | |
---|---|---|
無量寿堂納骨 必要書類 | 納骨届(所属寺住職の署名と捺印があるもの) 火葬許可書(個人で納骨区画を契約している場合のみ必要) | 納骨届(所属寺住職の署名と捺印があるもの) 火葬許可書 |
個人で納骨区画を契約している場合は、あらかじめ大谷本廟から納骨届を取り寄せて、所属寺住職の署名と捺印をもらっておきましょう。
また、所属しているお寺が納骨区画を契約している場合は、所属のお寺から納骨届をもらいます。
なお、個人で納骨区画を契約している場合は、分骨であっても納骨届の他に火葬許可書も必要となります。
【4つの手順】無量寿堂納骨の流れ
無量寿堂納骨の流れを4つの手順にしました。
- 1.大谷本廟総合受付へ行き、納骨届などの書類を提出する
- 2.無量寿堂受付に行き、大谷本廟総合受付で渡された青色の「ご案内用紙」を提出する
- 3.指定された納骨所に行き、仏壇に焼香をする「香炉(こうろ)」や花などを置き、お経を読んでもらう準備をする
- 4.僧侶がお経を読み納骨をするので、僧侶とともに「南無阿弥陀仏(なもあみだぶつ)」と念仏を唱える
次は、大谷墓地へ納骨する方法について説明していきます。
大谷本廟裏手にある大谷墓地へ納骨する「墓地納骨」
「墓地納骨」では、大谷本廟の裏手にある「大谷墓地」に遺骨を納めます。
この墓地納骨は「すでに大谷墓地にお墓がある人」もしくは「大谷墓地に新しくお墓を建てる人」が選ぶことのできる納骨方法です。
墓地納骨といっても、一般的なお墓に納骨する場合と同じなので、基本的には全ての遺骨を納めます。
また、喉仏の骨など、一部の遺骨を祖壇納骨や無量寿堂納骨することも可能です。
受付日時 | 納めることができる遺骨 | 墓地購入費用 | 遺骨の取り出し(出骨) | |
---|---|---|---|---|
墓地納骨 | 毎日8時30分~15時30分 | 全骨 | 150万円以上 | 可 |
それでは、墓地納骨をする場合に必要となる書類を見ていきましょう。
墓地納骨の際に必要な書類は2つ
墓地納骨に必要な書類は、納骨届と火葬許可書の2つです。
納骨届は墓地納骨専用の用紙があり、墓地の名義人にのみ郵送をしてもらうことができます。
墓地納骨をする際には、あらかじめ納骨届を取り寄せておきましょう。
【4つの手順】墓地納骨の流れ
墓地納骨の流れを4つの手順にしました。
- 1.大谷本廟総合受付へ行き、納骨届と火葬許可書などの書類を提出する
- 2.無量寿堂6階受付に行き、大谷本廟総合受付で渡された青色の「ご案内用紙」を提出する
- 3.お墓へ行き、花を供えるなどの、僧侶にお経を読んでもらうための準備をする
- 4.僧侶がお経を読むので、僧侶とともに「南無阿弥陀仏(なもあみだぶつ)」と念仏を唱える
なお、遺骨を納める際には墓石を動かして、お墓の中に納骨します。
事前に、石材店へ墓石を動かす依頼をして、納骨日時を打ち合わせておきましょう。
ここまで、大谷本廟へ遺骨を納める際の、3種類の納骨方法と、納骨の流れなどを説明してきました。
次は、納めた遺骨を取り出す「出骨」の方法を解説していきます。
無量寿堂と大谷墓地に納めた遺骨は出骨ができる
大谷本廟へ「無量寿堂納骨」または「墓地納骨」の場合は、遺骨を取り出す「出骨」が可能です。
例えば、無量寿堂に分骨で納骨した遺骨を、先祖代々のお墓に戻したい場合や、全骨で納骨した遺骨を他のお墓に納めたい場合などに、出骨を行います。
ここからは、出骨をする際に必要となる書類を紹介していきます。
出骨する際に必要な書類は「出骨届」
無量寿堂または大谷墓地から出骨する際には、出骨届が必要となります。
出骨届は、納骨区画の契約者や墓地の名義人であれば、大谷本廟から直接取り寄せることができます。
所属しているお寺が無量寿堂の納骨区画を契約している場合は、所属のお寺から出骨届をもらっておきましょう。
また、出骨後の遺骨を別の場所に納める場合、納める場所によって「収蔵証明書」か「改葬許可証」のいずれかが必要になります。
事前に、「収蔵証明書」か「改葬許可証」のどちらが必要となるのか、遺骨を納める場所の管理者に確認しておきましょう。
なお、改葬許可証が必要な場合は、保健所を介するため、保健所が休みである土・日・祝日は出骨ができませんので注意してください。
【5つの手順】無量寿堂からの出骨の流れ
無量寿堂から出骨をする際の、当日の流れを5つの手順に分けました。
- 1.大谷本廟総合受付へ行き、出骨届などの必要書類を提出する
- 2.大谷本廟総合受付で「収蔵証明書」か「改葬許可証」のどちらが必要かを伝える
- 3.無量寿堂受付へ行き、大谷本廟総合受付で渡された青色の「ご案内用紙」を提出する
- 4.指定された納骨所に行き、仏壇に焼香をする「香炉(こうろ)」や花などを置き、僧侶にお経を読んでもらう準備をする
- 5. 僧侶がお経を読むので、僧侶とともに「南無阿弥陀仏(なもあみだぶつ)」と念仏を唱える
【5つの手順】大谷墓地からの出骨の流れ
大谷墓地から出骨する場合の流れです。
- 1.大谷本廟総合受付へ行き、出骨届などの必要書類を提出する
- 2.大谷本廟総合受付で「収蔵証明書」か「改葬許可証」のどちらが必要かを伝える
- 3. 無量寿堂6階受付に行き、大谷本廟総合受付で渡された青色の「ご案内用紙」を提出する
- 4.お墓へ行き、花を供えるなどの、僧侶にお経を読んでもらうための準備をする
- 5.僧侶がお経を読み出骨をするので、僧侶とともに「南無阿弥陀仏(なもあみだぶつ)」と念仏を唱える
なお、納骨と同様、出骨の際には墓石を動かして、お墓の中の遺骨を取り出します。
あらかじめ石材店へ墓石を動かす依頼をして、納骨日時の打ち合わせをしておきましょう。
大谷本廟で執り行われる法要一覧
ここからは、大谷本廟で執り行われている法要を紹介していきます。
先祖や配偶者などの、故人の遺骨を大谷本廟に納骨している人や、浄土真宗本願寺派の信徒が、参列しておくとよい主な法要をピックアップしました。
なお、法要に参加する際には、数珠を持参しましょう。
浄土真宗本願寺派では「単輪念珠(ひとわねんじゅ)」または「略式数珠(りゃくしきじゅず)」という数珠を使います。
まずは、3月のお彼岸に行われる春季彼岸会(しゅんきひがんえ)から見ていきましょう。
春季彼岸会(しゅんきひがんえ)
3月に行われる春季彼岸会は、仏さまの教えに耳をかたむけ、自分が浄土真宗本願寺派の信徒であることを確認するという意味を持つ法要です。
彼岸会期間中は大谷本廟内の明著堂(めいちょどう)という建物の前で、身近な仏教の言葉を花で文字にして、お供えしています。
日 程 | お布施 | |
---|---|---|
春季彼岸会 | 毎年、春分の日を中心に前後3日間 | 金額は定まっておらず、自身の気持ち次第 (相場は3,000~5,000円) |
大谷本廟総追悼法要(おおたにほんびょうそうついとうほうよう)
大谷本廟総追悼法要(おおたにほんびょうそうついとうほうよう)は、浄土真宗本願寺派の信徒だった故人たちの人徳をしのび、また、故人たちの導きによって浄土真宗本願寺派の信徒となったことに感謝をするという内容の法要です。
日 程 | お布施 | |
---|---|---|
大谷本廟総追悼法要 | 4月17日~18日 | 金額は定まっておらず、自身の気持ち次第 (相場は3,000~5,000円) |
大谷本廟 納骨・永代経法要(おおたにほんびょう のうこつ・えいたいきょうほうよう)
納骨・永代経法要(のうこつ・えいたいきょうほうよう)は、大谷本廟へ納骨した人などを対象とした法要で、故人がいる浄土(仏などの住む世界)に思いをはせ、今を生きる自分たちの命のあり方を見つめ直すとともに、仏さまの徳をたたえるという内容です。
大谷本廟の納骨・永代経法要では、故人の「法名(ほうみょう)」(死後または生前に僧侶につけてもらう名前)を紙に記入し、まつってもらうことができます。
日 程 | お布施 | 注意事項 | |
---|---|---|---|
大谷本廟 納骨・永代経法要 | 6月初旬 | 金額は決まっておらず、基本的には5,000~1万円ほど 3万円以上お布施する人もいる | 故人の法名をメモしておくこと |
盂蘭盆会(うらぼんえ)
盂蘭盆会(うらぼんえ)は、故人に思いをはせ、また、故人を縁として人の世のはかなさを深く感じ、今の自分が仏さまに生かされていることを感謝するという法要です。
日 程 | お布施 | |
---|---|---|
盂蘭盆会 | 8月14日~15日 | 金額は定まっておらず、自身の気持ち次第 (相場は3,000~5,000円) |
龍谷会(りゅうこくえ)
龍谷会(りゅうこくえ)は、浄土真宗を開いた親鸞の命日に行う法要で、親鸞の人徳をしのぶとともに、真実の教えに導いてもらったことに感謝するという内容です。
日 程 | お布施 | |
---|---|---|
龍谷会 | 10月15日~16日 | 金額は定まっておらず、自身の気持ち次第 (相場は3,000~5,000円) |
まとめ
ここまで解説してきた内容を、最後にもう一度振り返っていきましょう。
- 浄土真宗本願寺派の総本山は京都市下京区の「龍谷山本願寺(りゅうこくざんほんがんじ)」で、通称「西本願寺」と呼ばれている
- 西本願寺は、親鸞の遺骨を納めた京都市東山区にある「大谷本廟(おおたにほんびょう)」を発祥とするお寺
- 「祖壇納骨(そだんのうこつ)」分骨も全骨も可能だが、複数の遺骨とともに納骨されるため、遺骨の返却はできない
- 「無量寿堂納骨(むりょうじゅどうのうこつ)」は分骨も全骨もできて、遺骨の返却も可能
「墓地納骨(ぼちのうこつ)」は基本的に全骨で、遺骨の返却が可能
浄土真宗本願寺派の総本山である「西本願寺」所有の、親鸞の遺骨が納められた「大谷本廟」に納骨することは、浄土真宗本願寺派のたしなみとされています。
一般的には喉仏の骨を納骨する場合が多いですが、全ての遺骨を納めることもできます。
納骨方法は3種類あるので、納骨する時はどの方法にするか、予算面も含めてじっくりと考えて決めることをオススメします。
また、西本願寺や大谷本廟で行われる法要に参加する場合には、数珠を忘れずに持参しましょう。
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
西本願寺の大谷本廟は、五条通に面している本願寺派の霊廟です。開祖の親鸞は、死の床で、「それがし閉眼せば、賀茂川に入れて魚にあたふべし」と、今でいう散骨をしてほしいとの旨を伝えたと言われています。しかし実際には火葬され、お祀りするためのお堂が建てられました。遺骨の扱いと救いとは関係ないということなのだと思いますが、残された人が亡くなった人のために、また自分たちの心の平穏を求めるために、「遺骨を大切にしたい」と思いで廟所というシンボルを造ったのでしょう。
近年、祖壇納骨の希望者が増えていると聞きます。しかもかつては分骨が主流でしたが、全骨を納骨する希望者が多くなったとか。「開祖の側で遺骨を弔いたい」という純粋な信仰心を持つ人ばかりでないケースが増えているような気もしますが。