改葬とは?費用相場や手順・お墓の引越しにまつわるQ&Aを解説
改葬とは?徹底解説
- 改葬は遺骨を新しいお墓に移すこと。
- 手順には話し合い、新墓地の準備、書類手続きが含まれる。
- 費用は立地や遺骨数により、平均100万円~250万円。
- トラブル防止には事前の協議が必要。代行サービスも利用可能。
改葬とは、簡単に言うと「お墓の引越し」のことです。
改葬が増えている理由として、「子どもに迷惑をかけたくない」「お墓が遠方にあって墓参りに行くのが難しい」「お墓を継ぐ人がいない・・・」といったものが多いです。
この記事では、改葬(お墓の引越し)にかかる費用や手続きの方法・順番、マナーについて紹介します。
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今あるお墓を片付けることに抵抗感がある方もいるかもしれません。
しかし、大切なのはお墓をきちんと片付け、あとの供養に繋げていくことです。
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この記事の目次
改葬とは
改葬(かいそう)とは、今あるお墓の遺骨を取り出し、新しい供養先に改めて納骨することを言います。簡単に言うとお墓の引越しやお墓の移転のことです。墓所として認められている場所へ遺骨を移動することのみを指します。
近年、改葬をする人が増えており「埋葬及び火葬の死体・死胎数並びに改葬数,都道府県-指定都市-中核市(再掲)別」のデータによると、2009年度は72,050件に対し2019年度は124,346件と約5万件増加しています。
改葬は、遺骨を取り出して引越しするだけでなく、改葬許可証の手続きや今あるお墓の墓じまいなどの手順を踏む必要があります。
必要書類の手続きについては、墓埋法という法律で定められているため必ず行わなければなりません。
第5条 埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)の許可を受けなければならない。
墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号) から引用
第8条 市町村長が、第5条の規定により、埋葬、改葬又は火葬の許可を与えるときは、埋葬許可証、改葬許可証又は火葬許可証を交付しなければならない。
次の章では改葬に必要な手続きと手順について紹介します。
改葬(お墓の引越し)の手続きと手順
改葬をスムーズに完了させるためにも、今から紹介する手順を理解することは非常に重要なことです。
そのため、改葬のステップを1つずつ説明します。
- 関係者と話し合い理解・納得を得る
- 新しい納骨先を確保する
- 改葬の書類手続きを行う
- ご遺骨を取り出す
- 新しいお墓に納骨する
では1つずつ詳しく紹介します。
1:関係者と話し合い理解・納得を得る
まず親族や住職と話し合うことを忘れないようにしましょう。
関係者と相談をしないまま、改葬をすると後になってから「勝手に改葬・墓じまいをされた」「私たちは墓じまいをしたくなかった」と問題になることがあります。
お墓は代々継承していたものですから、一人で改葬を決めることは避けましょう。
特に寺院墓地にお墓がある人は、住職への相談なしに進めたりせず、改葬をする理由を伝えてから墓じまいをしましょう。
2:新しい納骨先を確保する
親族との意見が一致したら、次に新しい納骨先を検討します。
新しい納骨先の探し方については、以下の記事を参考にしてみてください。
3:改葬の手続きを行う
改葬(お墓の引越し)をするためには以下の書類を準備する必要があります。
- 改葬許可証…改葬するのに必要な書類。各自治体に問合せ、手に入れることができます。
- 受入許可証…「改葬許可証」を発行するのに必要な書類。新しい納骨先に受け入れ許可してもらえることを証明する書類です。新しい納骨先から手に入れることができます。
- 埋蔵証明書…「改葬許可証」を発行するのに必要な書類。現在の納骨先で、埋蔵されていることを証明する書類です。現在の納骨先から手に入れることができます。
- 改葬承諾書(一部条件に当てはまる人):墓地の使用者と改葬申請者が異なる場合に必要な書類です。各地方自治体から手に入れることができます。
- 改葬許可申請書…「改葬許可証」を発行するのに必要な書類。各地方自治体から手に入れることができます。
改葬の行政手続きでは、お墓が埋葬されている状況によって異なり、役所に足を運んだり必要書類を手に入れる必要があります。また、改葬においての手続きも基本的には「墓じまい」の手続きと同じになります。
改葬の行政手続きについて、より詳しく知りたい人はこちらの記事もご覧ください。
4:ご遺骨を取り出す
納骨先と必要な書類がそろったら、遺骨を取り出します。
遺骨は個人でも取り出すことが可能ですが、大きな石を動かす必要があるため、墓じまい業者に頼むことが一般的です。
保存状態によってカビや水が溜まっている、虫が湧いていることもあります。遺骨の状態次第では、運び方も検討する必要があるため墓じまい業者に相談をすると良いでしょう。
また、このタイミングで「墓じまい」を行う場合は、墓石の撤去工事や閉眼供養が必要となります。
閉眼供養を行う場合、マナーもありますの事前に確認しておくとよいでしょう。
5:新しいお墓に納骨する
新しいお墓に納骨する際は、手続きで発行した改葬許可証を忘れずに持参しましょう。
改葬の手順は地域によって一部差があることがあります。今あるお墓の地域と新しく改葬する先の手順については事前に調べておきましょう。
新しい納骨先をお探しの方
納骨先といっても、その種類はさまざまで、種類ごとの特色は全く異なります。
- 自分に適切な納骨先がわからない。
- 新しい納骨先の探し方がわからない。
- お墓選びで注意するべきポイントがわからない。
など、納骨先選びで不安をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
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改葬にかかる費用相場と内訳
改葬の費用は、お墓の立地や遺骨の数、新しい供養先によって費用が大きく変動します。平均して100万円~250万円の費用相場で行う人が多い傾向があります。
改葬は大きく分けると、以下の3つです。
- 「遺骨のみの引越し」:今あるお墓の墓じまいをを行い新しい墓所に遺骨を納骨する
- 「遺骨と墓石両方の引越し」:今あるお墓と遺骨どちらも別の場所に移動し、遺骨を引越し先に納骨する
- 「分骨」:今あるお墓を残し遺骨の一部だけを別の場所に納骨する
最も一般的なのは、「遺骨のみの引越し」です。そのため、ここでは「遺骨のみの引越し」の費用や内訳をメインに解説していきます。
内訳は以下の通りです。
引越し前 | お墓の撤去・解体費用 | 8万~15万円/㎡ |
---|---|---|
離檀料(寺院墓地の場合) | 5万~20万円 | |
閉眼供養のお布施 | 3万~10万円 | |
手続きに必要な費用 | 3,000円ほど | |
移動 | 遺骨の移動費用(ゆうパックにて) | 1,000円ほど |
引越し後 | 新しいお墓にかかる費用 | 5万~150万円 |
開眼供養のお布施 | 3万~5万円 |
それでは、各費用項目について詳しく説明していきます。
お墓の撤去費用の相場は8万~15万円/㎡
今あるお墓を撤去・解体、墓所を更地にするための費用です。費用の相場は8~15万円/㎡が目安です。
墓所の立地や規模によって費用は大きく異なります。半日で終わるような作業が3日かかってしまうこともあるでしょう。そのようケースがあれば、費用はプラスでかかってしまいます。
離檀料の相場は5万~20万円
離檀料とは、檀家をやめる場合にお寺にこれまでの感謝の気持ちを込めて包む費用です。よって寺院墓地にお墓を構えている人が対象になります。
離檀料の相場は普段の法要などで渡すお布施の2~3倍と言われており、5~20万円が妥当でしょう。
閉眼供養におけるお布施の相場は3万円~10万円
一般的にお布施の相場は、3万円~10万円程と言われています。
閉眼供養(魂抜き)は、お墓の処分や移動、遺骨の取り出しに際して行われる儀式のことです。お布施は、閉眼供養をしてくれた住職に感謝の気持ちを込めて包む費用のため、金額に明確な決まりはありません。
地域によっても相場に違いがあるため、悩んだ場合は知り合いやお寺の住職に相談しても良いでしょう。
墓じまいの行政手続きに必要な費用
改葬に必要な書類にも費用がかかってきます。必要書類には以下のものがあります。
- 改葬許可申請書
- 受入証明書
- 埋葬許可証
- 改葬承諾書(一部条件に当てはまる人)
- 改葬許可証
各書類は、地方自治体のホームページや霊園から申請することができます。無料で発行できるところもあれば、1000円弱の費用がかかるところもあります。
書類は、お墓1つにつき1枚ではなく、遺骨1柱につき1枚必要となるため、遺骨が複数ある場合は費用がかさむ事も覚えておきましょう。
遺骨の移動費用
遺骨のみであれば、費用は1000円ほどで移動できます。
日本郵便の「ゆうパック」でのみ送骨することが出来ます。また、荷物の追跡サービスもあるため安心して遺骨を送ることが出来ます。
移転先のお墓に必要な費用
お墓の引越しは、今ある墓石の撤去だけしたらよいわけではありません。遺骨の移転先を考える必要があります。
移転先のお墓は、墓石を必要とするお墓、墓石を必要としない「納骨堂」「樹木葬」などのお墓タイプ、複数人が一緒に入る「合葬墓」といったタイプのお墓などさまざまです。お墓の種類によって、費用はかなり変化します。
開眼供養に必要な費用
開眼供養とは、新しい納骨先に魂を入れるための儀式です。
こちらも「閉眼供養」同様、僧侶を招いてお経をあげてもらいます。
費用は3万円~5万円といったところでしょう。金額が決まっているため事前に登録しておきましょう。
墓じまいのことで悩まれている方
今のお墓を撤去するのにかかる費用や手続きに関する疑問は、プロに相談するのがおすすめです。
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改葬時によくあるトラブル
改葬で起きやすいトラブルを親族・寺院・石材店に分けて紹介します。
親族とのトラブル
親族間で多いトラブルは大きく2つあります。
- 改葬・墓じまいをするかしないかのトラブル
- 新しい供養方法のトラブル
例えば、「お墓の撤去や移動にかかる費用を誰が負担するのか」であったり「先祖の魂が宿っている神聖なお墓を撤去したくない」などの意見がまとまらずトラブルになるケースがあります。
トラブルをなるべく起こさず改葬を行うには、事前に親族で話し合い全員が納得できる部分で今後どうするべきかを決めておきましょう。
寺院とのトラブル
寺院とトラブルになる多くは離檀です。離檀とは、これまでお世話になった寺院からお墓を撤去して檀家を離れることを言います。
離檀をするタイミングで、これまでお世話になったお礼の意味も含めて寺院に離檀料5万~20万円程度包むのが一般的とされています。
この離檀料を支払うタイミングで、寺院から高額な請求をされてトラブルに発展する場合があります。
寺院は、檀家からの費用をお寺の修繕費や衣服代に使用しています。檀家が少なくなるということは、そこにかけられる費用が少なくなるということでもあります。
トラブルを避けるためにも、離檀する場合はその旨だけではなく、これまでの感謝の気持ちも一緒に伝えましょう。
石材店とのトラブル
墓じまいでお墓を撤去する場合は、石材店にお墓の撤去・処分を頼む必要があります。
そこで石材店から高額な請求をされてトラブルに発展するケースがあります。
お墓にかかる撤去・処分の費用は、お墓の大きさや立地によって大きく変動します。作業方法によって費用に変動ありますが、相場は1㎡あたり8万~15万円と言われています。
事前に見積もりをもらい、複数の石材店で比較検討をしましょう。
改葬時のトラブルについて詳しく知りたい人は以下の記事をご覧ください。
改葬を行う3つのメリットを解説
改葬と聞くとあまり良くないイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、改葬をすることで先祖をより手厚く供養できたり、お墓のことで親族が繋がることもあります。
メリットやデメリットだけで合理的に考えず、親族の気持ちも汲み取って改葬を検討できると良いですね。
メリット1:自宅からアクセスが良いとお墓参りしやすい
今後何年間も行く場所になるため、アクセスは重要です。
お盆やお彼岸だけではなく、命日や家族にとって大事な日にお墓参りに行ければ、より故人を近く感じられます。
メリット2:今のお墓を無縁墓にしなくてよい
無縁墓とは「お墓を継ぐ人や管理する人がいなくなってしまったお墓」のことを言います。
遠すぎてお墓参りに行けないとお墓の管理ができず、お墓は汚れていってしまいます。 改葬してお墓参りがしやすくなれば、無縁墓になるのを防げます。
メリット3:次の世代が改葬のことで悩まない
遠いお墓をそのままにしておけば、いずれ代替わりをして子世代がお墓について悩むことになるでしょう。
お墓が近くにあれば自分も次世代も安心でき、先祖も手厚く供養できます。
改葬は、お墓を無縁にしてしまわないための有効な方法として注目されています。
改葬を行う3つのデメリットを解説
お墓の引越しには、デメリットもあります。主なデメリットは以下の3点です。
デメリット1:親族を説得するのが難しい可能性がある
先祖代々のお墓を移すことに、抵抗を感じる親族もいるでしょう。
改葬のデメリットは、主に金銭的なことや周囲の人を説得させることが大変ということに尽きます。
人間関係のトラブルに陥ると、後を引く問題になってしまいます。なるべく親族全員が納得できるように考えると良いでしょう。
デメリット2:改葬にかなりの費用がかかる可能性がある
一般的なお墓を買うなら150万円ほどが相場です。近年、納骨堂や永代供養といった方法も増えています。
加えて、お墓の撤去は1㎡につき10万~15万円ほどの費用がかかります。また、機械が入れない立地のお墓は、人力でお墓の撤去をする必要があるため費用が高くなることがあります。
デメリット3:離檀料を支払わなければならない可能性がある
菩提寺には、今までお世話になったお礼として20万円程度のお布施をするのが一般的です。
しかし、檀家を離れてほしくないお寺から、膨大な離檀料を請求される例もまれにあります。
改葬費用を抑える2つの供養先
改葬の費用で大きな差がでるのが「新しい納骨先の費用」です。 できるだけ引越しの費用を抑えたい人は「費用を抑えられる納骨先」を検討することが一番です。
費用が抑えられる納骨先とは、永代供養墓・樹木葬などです。一般墓と比べ費用は、半分から10分の1程度まで抑えることができます。
管理を一括で任せられる永代供養墓
永代供養墓は、「家族のかわりに霊園管理者が供養してくれるお墓」のことです。
永代供養墓は、購入後に年間の管理料を支払はなくて良い場合が多いです。お墓の後継ぎやお参りが遠くてなかなか行けなくても、管理者がお墓を管理してくれるため安心です。
永代供養墓には、2つのタイプがあり、それぞれ相場が違います。
- 契約期間の数十年は個別のお墓で供養され、後に他の遺骨と一緒に供養されるタイプ(100万円程度)
- 初めから他の遺骨と一緒に供養されるタイプ(30万円程度)
前者は、「個別墓つき永代供養墓」といった名称で販売されています。
また、契約期間は33年とするところが多いです。亡くなってから33年目というのは、人が完全に仏となる節目であると考えられているからです。
一方、初めから他の遺骨と一緒に供養されるタイプは、 「合祀墓」「合葬墓」「合同墓」といった名称で販売されています。
他の人の遺骨と混じってしまうため、あとから遺骨を取り出せないことに注意です。
費用も安く新しいタイプの供養である樹木葬
新しいタイプの供養法として、樹木葬があります。 樹木葬の相場は50万円ほどです。
樹木葬は、樹木の根本の部分に遺骨を供養するパターンが多く、目印である樹木に向かって手を合わせます。
近年では、家族ではなく「1~2人用」で希望をする人も多くいます。
お墓の引越しを検討している方
お墓の引越し先、その種類はさまざまで、種類ごとの特色は全く異なります。
- 自分に適切な納骨先がわからない。
- 新しい納骨先の探し方がわからない。
- お墓選びで注意するべきポイントがわからない。
など、引越し先選びで不安をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
当サイトには全国7,000件以上の墓地・霊園情報が掲載されています。最近人気がでている「納骨堂」や「樹木葬」の掲載も豊富です。
費用やアクセス、口コミの紹介もしていますので、きっとあなたの希望に沿った新しい納骨先を見つけることができるでしょう。
改葬や墓じまい代行サービスの利用
改葬代行サービスは、「改葬にまつわるさまざまな手続きを、ご家族に代わって行うサービス」をいいます。
ここでは改葬代行の選び方を3つ紹介します。
①手順をどこまでやってくれるのか確認をする
ポイント1つ目は、「手順をどこまでやってくれるのか」の確認をしましょう。
お墓の引越し代行サービスを取り扱う業者は、それぞれの会社で「どこまでやるか」に違いが見られます。
たとえば、以下のような3つの異なる代行業者があります。
- 申請書類をすべて用意して、墓石の撤去から墓石の移設、ご遺骨の搬送、保管まですべて代行する
- 受入証明などはお客様にやってもらい、ご遺骨の移送だけを行う
- 各種申請書類はすべて用意する。ただし、納骨は行わない。墓石の撤去やご遺骨の取り出しは行えるが、これはオプション料金である
また上記に加えて、新しい墓地を探すのを手伝ってくれたり、法要を執り行ってくれたりするところもあります。
また、「さまざまなサービスを取り扱っているので、お客様のご要望に応じて必要なステップだけを代行する」としているところもあります。
「お墓の引越し代行サービス」といっても、業者ごとで違いが見られるので、このあたりはしっかりと確認しておかなければなりません。
②立ち合いが必要なのかを確認する
ポイント2つ目は、「立ち合いが必要か否か」を確認しましょう。
お墓の引越し代行サービスでは、「お客様の立ち合いを求めない」ところと、「原則として立ち合いが必要」としているところがあります。この部分も確認をしておきましょう。
「お墓を閉じる」ことを考えれば立ちあうのが理想的ですが、「そもそも非常に遠い所にいるので、立ち会うことが難しい。それが理由でお墓の引越しを考えた」という人は、業者にその旨を伝えるようにしてください。
③書類の用意もしてくれるのか確認をする
ポイント3つ目は、「書類の用意もしてくれるのか」を確認しましょう。
「どこまでやってくれるかには違いがある」としましたが、書類を用意してくれるかどうかも業者によって違いがみられます。
書類は、元あるお墓の所在地に実際訪れなければいけないこともあります。そのため「極限まで手間を軽減すること」を目的とするのであれば、書類一式も用意してくれるお墓の引越し代行サービスを選ぶべきでしょう。
土葬をした遺骨の改葬
近年開発された墓地は「焼骨の遺骨を埋蔵」することを条件に許可を得ていますので、土葬の改葬に際して火葬が必要になります。
この場合の火葬のことを俗に「再火葬」と呼ばれています。
長年土葬されていた遺骨は、湿気やカビが付着していることも多いです。そのため、遺骨の洗浄(洗骨)・火葬をして、納骨することが一般的です。
遺骨は、10年~15年程度で土に還ると言われています。
そのため、掘り出した遺骨が完全に土に還っていれば、土を骨壺に入れて移動させることは「改葬」にはあたりません。
そのため、改葬に関する手続きを行う必要もありません。
火葬をお願いする場合は、余裕を持って行動することをおすすめします。
土葬について詳しく知りたい人は、「火葬だけではない!日本でも行われている土葬の実態」の記事をご覧ください。
まとめ
この記事では、改葬の流れや手続きの内容についてお伝えしました。
ここまでの内容をまとめて紹介します。
改葬:今あるお墓の遺骨を取り出し、新しい供養先に移動させること
改葬にかかる費用:平均100万~250万円
改葬の流れ
①関係者と話し合い理解・納得を得る
②新しい供養先を確保する
③改葬の手続きを行う
④ご遺骨を取り出す
⑤新しいお墓に納骨する
改葬のトラブル:親族や寺院、石材店とトラブルになる可能性があるため事前に話し合う必要がある
改葬を行うメリット
メリット1 自宅からアクセスが良いとお墓参りしやすい
メリット2 今のお墓を無縁墓にしなくてよい
メリット3 次の世代が改葬のことで悩まない
改葬のデメリット
デメリット1 親族を説得するのが難しい可能性がある
デメリット2 改葬にかなりの費用がかかる可能性がある
デメリット3 離檀料を支払わなければならない可能性がある
改葬に必要なのは、何より周囲からの快諾であることがおわかりいただけたかと思います。 費用的なことでいえば、一般的なお墓を新しく買うならかなりの額にのぼりますが、工夫次第で節約できます。
遠くにお墓がある人は、無縁墓になる前に改葬を行うことが、今の世代の自分の務めと考えましょう。
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
「お墓の引越し」とは、正確には「遺骨を取り出して別の場所に移動する作業」までの一連の流れを指しますので、遺骨の引越しといったほうが適当かもしれません。これを墓地埋葬等に関する法律(墓埋法)では、改葬といいます。ひとつのお墓に数人分の遺骨が納骨されている場合は、改葬件数は、その遺骨の分だけすべてカウントされます。
(なお分骨は、ひとりの遺骨の一部を分けるという考え方になるので、法的には改葬とは異なる位置づけになります。)
近年、「遠方のお墓を守っていくことが難しい」「お墓を継ぐ人がいない」等の理由で、改葬を考える人が増えています。新規墓所の選定や、親戚や寺院との話し合い等、クリアしなければいけない課題が多いため、決して楽な作業ではありませんが、先祖や供養について改めて考える良い機会にもなるでしょう。弔いの文化をどのように次世代へつないでいくか、これを機に考えてみてはいかがでしょうか。
墓じまいを検討されている方
- 墓じまいはどこに相談するのかわからない
- 複雑な事務手続きをやりたくない
- 墓じまいにいくら必要なのか知りたい
親族や知人などに墓じまいを経験した人がおらず、不安に感じる人もいるかと思います。
また、今あるお墓を片付けることに抵抗感がある方もいるかもしれません。
しかし、大切なのはお墓をきちんと片付け、あとの供養に繋げていくことです。
ライフドットでは、墓じまいの複雑な事務手続きの代行、新しい墓地・霊園への引越しの提案までサポートします。
墓じまいで悩まれている方は、まず一度ライフドットにお問い合わせください。