真言宗のお墓の特徴とは?お墓参りの作法や納骨費用も解説!
真言宗のお墓とは?徹底解説
- 真言宗の墓には特定の形や文字がなく、梵字や特定の真言がよく刻まれる
- お墓参りでの作法は金剛合掌と3~10本の線香を捧げること
- 納骨は既存墓で約8.5~14万、新規は約67.5~215万が相場
- 真言宗の墓は民間・公営霊園に建てられ、選択にはメリット・デメリットがある
最近はおしゃれなデザインのお墓が増えてきていますが、宗派によってお墓のデザインに決まりはあるのか、気になったことはありませんか?
作法がよく分からないまま、お墓参りをしていませんか?
お墓について、お墓参りについて、今さら人には聞けない疑問もあると思います。
この記事では、真言宗のお墓と、お墓参りの作法について、詳しく解説しています。
最後まで読めば、真言宗のお墓の特徴が分かるようになり、真言宗のお墓を見分けることもできるようになります。
また、お墓参りの時にどうしたらいいか戸惑うこともなくなり、真言宗の正しい作法でお参りできるようになりますよ。
それではさっそく、真言宗のお墓の特徴から見ていきましょう。
あなたにあったお墓を見てみる
お墓に関する4つの質問に答えるだけで、あなたにあったお墓を調べられます。
4つの質問で見つかる!
Q. お墓は代々継いでいきたいですか?
希望エリアのお墓の購入費用を調べる
ライフドットでは全国8,700件以上の霊園・墓地情報を掲載しています。
地域別の費用相場や、詳しいお墓の費用を確認することができます。
エリアから探す
この記事の目次
真言宗のお墓の特徴
真言宗のお墓にはどのような特徴があるのか、お墓の形や文字について順番に解説していきます。
まずは、お墓の形について見ていきましょう。
真言宗ではお墓の形に決まりはない
真言宗では、お墓の形に決まりはありません。実際に墓地などでは、縦長の石を一番上に乗せた和型墓石が多く見られます。
和型墓石は、一般的な日本のお墓の形です。しかし最近では、横長の石を置いた洋型墓石や、オリジナルでデザインした墓石も増えてきました。
お墓をどのような形にするかは自由なので、新しくお墓を建てる時には末永く愛される形を選びましょう。
納める遺骨の人数によって変わるお墓の種類
お墓は、納める遺骨の人数によって種類が変わります。ここでは、一般的に用いられているお墓の種類を簡単に紹介します。
- 家墓…先祖代々の遺骨を納めた、一族のお墓
- 個人墓…一人の遺骨だけを納めるお墓
- 夫婦墓…夫婦二人だけを納めるお墓
お墓の種類が分かったら、次は墓石に刻む文字について見ていきましょう。
真言宗では墓石に刻む文字に決まりはない
真言宗では、墓石に刻む文字に決まりはありません。
一般的には、「〇〇家之墓」や、宗派で使われるお経や、念仏の言葉などが刻まれています。他にも、文字の頭に梵字(ぼんじ)を刻むこともあります。
梵字とはサンスクリット語の文字のことで、日本の仏教でも使われています。
真言宗のお墓では、大日如来をあらわす梵字「ア」を文字の頭に刻むことがあります。
例えば「梵字+〇〇家之墓」というように刻まれます。
また、真言宗では「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」と刻まれることもあります。「南無大師遍照金剛」とは、真言宗で唱えられる一番短いお経です。
大師遍照金剛とは弘法大師空海のことで、南無とは帰依する・信心するといった意味があります。なので「南無大師遍照金剛」とは、「弘法大師空海に帰依(信心)します」という意味になります。
その他注意点として、墓石に刻む文字には略字ではなく旧字体を使うとよい、とされています。
お墓の種類別でみる墓石に刻む文字
先ほど紹介したお墓の種類によって、刻む文字も変わってきます。
ここでは、真言宗のお墓によく使われている文字を、お墓の種類別に挙げていきます。
- 家墓…「〇〇家先祖代々之墓」「梵字+〇〇家先祖代々之墓」「〇〇家之墓」「南無大師遍照金剛」など
- 個人墓…戒名、生前の名前(俗名)
- 夫婦墓…右に夫の戒名、左に妻の戒名を刻むのが一般的
他にも最近では「和」や「絆」などの、好きな言葉を刻んだ墓石も増えてきています。
墓石に刻まれた文字が赤いのは寿陵(じゅりょう)
墓地や霊園などで、墓石に刻まれた文字が赤く塗られているのを見たことはありませんか?これは、生きている人の戒名や名前だという意味なのです。
生きているうちに建てたお墓を「寿陵(じゅりょう)」と言います。
寿陵では、生きている人の戒名や名前を墓石に刻んだら、文字は赤く塗っておくという決まりがあります。
お墓に彫刻する文字について詳しく知りたい人は、「墓石に刻む文字は自由!彫刻する場所や言葉の意味について解説」の記事を参考にしてください。
真言宗を探す
おさらい!真言宗のお墓を見分ける2つのポイント
ではもう一度、真言宗のお墓の特徴をおさらいしましょう。
- 大日如来をあらわす梵字「ア」が刻まれている
一般的に、「梵字+〇〇家之墓」というように、文字の頭に刻まれます。 - 「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」と刻まれている
「南無大師遍照金剛」とは、真言宗で唱えられるお経です。
この2つのポイントを覚えておくと、真言宗のお墓を見分けることができますよ。
次は、真言宗について解説していきます。
真言宗の開祖や本山を知る
真言宗を開いたのはどのような人物なのかを見ていきましょう。
また、総本山という、真言宗のお寺を統轄しているお寺はどこなのかも紹介していきます。
真言宗の開祖は空海
真言宗は、平安時代初期の806年に空海(くうかい)によって開かれました。
空海は「弘法大師(こうぼうだいし)」とも呼ばれています。
「弘法にも筆の誤り」という言葉がありますが、この弘法とは弘法大師、すなわち空海のことです。空海は、書道の名人としても非常に有名な人物です。
なので「その道にすぐれている人でも、時には失敗することがある」という意味の言葉に、弘法大師空海の名前が使われているのです。
真言宗の教えと本尊
真言宗の教えは、生きている間に修行をすれば、今のこの体のままで仏になれるという「即身成仏(そくしんじょうぶつ)」というものです。
基本となる教えを説く根本経典は、「大日経(だいにちきょう)」と「金剛頂経(こんごうちょうきょう)」です。
また、真言宗の、本尊というお寺の中央に置かれる仏像は、大日如来(だいにちにょらい)です。
しかし、真言宗のお寺では阿弥陀如来(あみだにょらい)や薬師如来(やくしにょらい)、観音菩薩(かんのんぼさつ)も本尊としてまつられていることもあります。
なぜなら真言宗では、どの仏さまも大日如来が姿を変えたものだと考えられているからです。他にも、弘法大師(空海)を本尊としているお寺もあります。
真言宗の総本山は高野山金剛峰寺(和歌山県)
全国のお寺を統轄しているお寺を、総本山と呼びます。
真言宗の総本山は、和歌山県にある高野山金剛峰寺(こうやさんこんごうぶじ)です。
高野山金剛峰寺は「高野山」と呼ばれていて、現在でも修行の道場として厚い信仰を集めています。
真言宗を探す
次は、お墓参りにいつ行けばいいのかを見ていきましょう。
お墓参りの時期に決まりはない
お墓参りをする時期に決まりはあるのか、疑問に思うこともあるかと思いますので、簡単に解説していきます。真言宗に限らず、どの宗派でも、お墓参りには特に決められた時期というものはありません。お墓参りには、いつ行っても良いのです。
一般的にはお盆やお彼岸にお墓参りをしますが、それは、この時期には故人の魂と交流できると考えられているからです。
その他、故人の命日や、結婚など人生の節目にお墓参りに行く人も多いでしょう。
お盆とお彼岸の日にち
次は、お盆とお彼岸の具体的な日にちについて、見ていきましょう。
お盆とは7月13日~16日の3日間、または8月13日~16日の3日間を指します。
7月と8月のどちらをお盆の期間とするかは、地域によって異なります。
お彼岸とは、春分の日と秋分の日の、前後3日間を合わせた7日間のことを指します。
お盆とは違い、お彼岸は1年に2回ありますので、忘れないようにしましょう。
次の章からは、実際にお墓参りに行く時に必要となる、真言宗の作法やマナーを見ていきます。
真言宗のお墓にお参りするときの作法とマナー
真言宗のお墓参りの作法と、お墓参りのマナーを解説します。
お墓参りの持ち物や使い方もあわせて紹介していきます。
お墓に行く前にまず挨拶する
お墓がお寺の敷地内にある場合、まずはお寺のご住職に挨拶し、お寺の本尊にもお参りしましょう。本尊へのお参りは、建物の外からでも良いとされています。
また、墓地に管理事務所がある場合、管理事務所に挨拶をしましょう。
この時、お墓参りに必要な柄杓(ひしゃく)や桶を借りておくと良いでしょう。
線香は一人あたり3本~10本ほどあげる
真言宗では、仏壇や葬儀の時は3本の線香をあげるという決まりがありますが、お墓参りの時は一人あたり、3本~10本ほどの線香をあげます。
お墓に線香をあげる時は、一人ずつあげていきましょう。
お墓参りに来た人数が多い場合は、線香立てや、線香を入れる香炉(こうろ)の大きさに合わせて、線香の本数を少なめに調整します。
また、一人でお墓参りに行く時には、10本以上をあげるようにします。
真言宗で使われる数珠は振分念珠
数珠のことを真言宗では「念珠(ねんじゅ)」と言います。
真言宗で使われる数珠は「振分念珠(ふりわけねんじゅ)」です。
他の宗派でも振分念珠が使われているのですが、宗派によって少し形が違います。
購入する時は真言宗用の振分念珠を選びましょう。
また、ら、念珠全体を手の中に包むようにし、軽くすります。
真言宗の合掌方法
真言宗には両手を合わせる時、金剛合掌(こんごうがっしょう)という独特の方法があります。
金剛合掌は、右手の指を上にして、互い違いに組み合わせるという合掌方法です。
この方法は別名、帰命合掌(きみょうがっしょう)とも呼ばれています。
ただし、金剛合掌の時には念珠は使いません。
お墓参りの手順6ステップ
今まで解説してきた真言宗のお墓参りの作法をふまえて、お参りの手順をまとめました。
お墓参りに行く前に確認しておくと、スムーズにお参りすることができますよ。
- 【手順1】住職や管理事務所に挨拶をする
- 【手順2】お墓に挨拶をする
- 【手順3】お墓の掃除をする
- 【手順4】お供え物をする
- 【手順5】お参りをする
- 【手順6】後片づけをする
1. 住職や管理事務所に挨拶をする
お寺の住職や本尊、管理事務所がある場合は、お墓に行く前に挨拶をしましょう。
2. お墓に挨拶をする
墓前で金剛合掌をして、故人や先祖に挨拶をしましょう。
3. お墓の掃除をする
お墓の周りの落ち葉や雑草を取り除き、墓石の汚れなどをきれいに落とします。
苔などがこびりついている場合は、歯ブラシやタワシでこするときれいになります。
仕上げには乾いたタオルなどを使い、墓石に水気が残らないように拭き清めましょう。
4. お供え物をする
お墓に花を飾り、お菓子や飲み物などをお供えします。
お菓子や飲み物は直接墓石に置くのではなく、2つに折った半紙の上にお供えしましょう。
5. お参りをする
一人ずつ、順番にお参りをして線香をあげます。
お参りの時は、しゃがむなどして低い位置から、金剛合掌をします。
次に、念珠(数珠)を手に掛けて、拝みます。
6. 後片づけをする
お供え物は置いたままにせず、持ち帰ります。
地域によっては、お供え物をその場で食べるという習慣もあります。
ゴミが出た場合は、必ず持ち帰りましょう。
お墓参りのときの持ち物
お墓参りで使うものをリストにしました。
使い方もあわせて紹介しているので、お墓参りに行くときの参考にしてください。
お供え物の花 | 花立ての数に合わせて用意しましょう |
---|---|
植木ハサミ | 花立てに合わせて、花の茎の部分を切り揃えます |
お供え物のお菓子や果物など | 故人の好物など、自由にお供えしてください。帰る時に、その場で食べるか持ち帰りましょう。 |
半紙 | お供え物は直接石に置かず、二つ折りにした半紙の上に置きましょう |
線香 | 真言宗では10本以上とされています |
ロウソク | ロウソクで線香に火をつけるのが正式な作法です |
ライターまたはマッチ | ロウソクに火をつけます |
数珠 | 真言宗では振分念珠(ふりわけねんじゅ)が使われています |
ほうき | お墓周りの枯葉などを掃除します |
シャベル | お墓周りの草を抜く際にあると便利です |
タワシ | 墓石に付いた苔や、拭いても取れない汚れを落とします |
雑巾 | 墓石に付いた汚れを落とします |
タオル | 掃除し終わった墓石を、水気が残らないよう拭き清めます |
バケツ | タワシや雑巾をゆすぎます |
ゴミ袋 | 枯れた花や抜いた草など、ゴミはきちんと始末しましょう |
真言宗のお墓に納骨する際の費用
納骨する時に、具体的にどのくらいの費用がかかるのか、相場を見ていきましょう。
今あるお墓に納骨する場合と、新しくお墓を建てて納骨する場合の、それぞれの場合で必要となる費用を挙げていきます。
今あるお墓に納骨する費用の相場は8万5,000~14万円
すでにお墓があり、納骨するだけという場合の相場は合計8万5,000~14万円です。
費用の内訳を見ていきましょう。
お寺へのお布施 | 3万~5万円(お車代は除く) |
---|---|
墓石などへの戒名の掘り入れ | 4万~5万円 |
遺骨を納める工事 | 1万5,000~3万円 |
お寺へのお布施
納骨の際には、納骨法要(のうこつほうよう)という儀式を行います。
納骨法要では、住職にお経をあげてもらうので、お布施として3万~5万円を包みます。
また、納骨法要と四十九日を同時に行う場合には、その分お布施も上乗せします。
お布施の金額はお寺や地域によって違うので、地域の人に聞くか、分からなければお寺の人に直接聞いても良いでしょう。その他、お墓がお寺と離れた場所にある場合は、お車代としてお布施とは別に5,000~1万円をお渡しします。
墓石などへの戒名の掘り入れ
墓石に戒名などを刻んでいない場合、石材店に依頼をします。
墓石や墓誌(ぼし)への、戒名の掘り入れの相場は4万~5万円です。
遺骨を納める工事
石材店に納骨作業を依頼すると、墓石を動かして遺骨を納める作業の他に、必要に応じて防水工事なども施してもらえます
遺骨を納める工事の相場は1万5,000~3万円です。
新しくお墓を建てる費用の相場は67万5,000~215万円程度
次に、新しくお墓を立てて納骨する場合の費用を見ていきましょう。
相場は合計67万5,000~215万円程度と、選ぶ墓石の種類などで費用も大きく変わってきます。では、費用の内訳を紹介します。
墓石を建てる費用 | 60万~200万円(土地と外柵を除く) |
---|---|
お寺への開眼法要のお布施 | 3万~5万円(お車代は除く) |
お寺への納骨法要のお布施 | 3万~5万円(お車代は除く) |
遺骨を納める工事 | 1万5,000~3万円 |
墓石を建てる費用
墓石を建てる費用とは、土地と外柵を除く、墓石と装飾品、工事費を合わせた費用です。
和型墓石だと70万~200万円、洋型墓石だと60万~180万円が相場だと言われています。
開眼法要のお布施
新しいお墓が完成したら、必ず開眼法要(かいがんほうようorかいげんほうよう)という儀式を行います。
開眼法要で、新しいお墓の前で住職にお経をあげてもらい、お墓に仏さまの魂を迎え入れて、はじめてそのお墓は礼拝する対象となるのです。真言宗の開眼法要のお布施の相場は、3万~5万円です。
納骨法要のお布施…3万~5万円
また、納骨の際には納骨法要という儀式を行います。
納骨法要の時にも、住職にお経をあげてもらいますので、お布施として3万~5万円を包みます。
開眼法要と納骨法要のどちらの場合でも、お寺とお墓が離れた場所にある場合は、お車代として5,000~1万円をお渡しします。
お車代をお渡しする時は、お布施とは別の袋を用意しましょう。
また、お布施の金額は地域やお寺によって多少の違いがあります。
お布施をどのくらい包めばいいのか分からない時は、地域の人に聞くか、直接お寺の人に聞いても構いません。
遺骨を納める工事
お墓の中に遺骨を納める工事を石材店に依頼した場合、1万5,000~3万円の費用がかかります。遺骨を納める工事では、墓石を動かして遺骨を納め、必要であれば防水のための処置などを行います。
真言宗を探す
筆者ピックアップ!真言宗のお寺
ここで筆者オススメの真言宗のお寺を3つご紹介します。
お寺の見どころも挙げているので、参拝する時にはぜひ参考にしてみてください。
高野山 金剛峰寺(こうやさん こんごうぶじ)和歌山県
真言宗の総本山としてもご紹介した、高野山金剛峰寺です。
高野山とは山の名前ではなく、8つの山に囲まれた盆地全体を高野山と呼びます。
高野山の聖地のひとつ、檀上伽藍(だんじょうがらん)には金堂(こんどう)というお堂があります。
金堂内には極彩色の仏像が並んでおり、他にも、真理や悟りを視覚的に描いた曼荼羅(まんだら)を見ることもできます。
仏像や曼荼羅は近くで見ることはできないので、細かいところまで見たい人は、双眼鏡を持っていくことをオススメします。
また、高野山には宿坊(しゅくぼう)という、一般の参拝客も宿泊できる寺院が約50ヶ所あります。
宿坊では精進料理や写経、真言宗の朝のお勤めである朝勤行(あさごんぎょう)、瞑想などの体験ができます。
智積院(ちしゃくいん)京都市東山区
真言宗智山派のお寺です。京都し東山にあり、参拝だけでなく仏教の教えを学ぶ催しも行っています。
長谷寺(はせでら)奈良県
真言宗豊山派のお寺です。季節の花々を楽しむことができたり、毎月その時期の法要・祭りが行われたりします。
従来のお寺のイメージとは違い、新しい取り組みも取り入れているお寺です。
旧嵯峨御所 大本山大覚寺(きゅうさがごしょ だいほんざんだいかくじ)京都市右京区
嵯峨御所とも呼ばれる大覚寺は、平安時代初期に嵯峨天皇の離宮として作られ、その後お寺に改められました。
大覚寺は皇室に深くゆかりのあるお寺で、景色がとても美しく、時代劇などのロケ地としてもよく使われています。
大沢池は国の文化財として名勝にもなっており、池に舟を浮かべて中秋の名月を楽しむ「観月の夕べ」という、なんとも風流な行事が毎年行われています。
八幡山(はちまんさん) 教王護国寺(きょうおうごこくじ)・東寺(とうじ) 京都市南区
世界遺産にも認定された教王護国寺・東寺は、平安京への遷都の際に建立され、その後、真言宗の根本道場とされているお寺です。
名称が教王護国寺と東寺と2つありますが、一般的には東寺と呼ばれて親しまれています。
東寺の五重塔は、新幹線からも見ることができるほど高く、夜になるとライトアップされて、より一層荘厳な雰囲気を放ちます。
春と秋には、五重塔と桜や紅葉がライトアップされるイベントがあり、期間中は夜でも東寺の敷地内に入ることができますよ。
真言宗を探す
民間霊園や公営霊園でもお墓は建てられる
真言宗のお墓は、真言宗のお寺が管理している墓地の他に、民間霊園や公営霊園でも建てることができます。
まず、墓地にはどのようなタイプがあるのか見ていきましょう。
墓地のタイプは大きく3つに分けられる
墓地は、大きく3つのタイプに分けることができます。
3つのタイプの違いは、どこが管理しているかという点です。
墓地のタイプ
- 寺院墓地…お寺が管理している墓地
- 民間霊園…公益法人や宗教法人が管理している墓地
- 公営霊園…地方自治体が管理している墓地
寺院墓地では多くの場合、墓地を管理しているお寺と同じ宗派のお墓しか建てられないなど、お墓を建てられる宗派が限られています。
しかし、宗派を限定していない寺院墓地では、どの宗派でもお墓を建てることができます。
ここからは、民間霊園と公営霊園について、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説していきます。
民間霊園の特徴
民間霊園とは、財団法人や社会法人などの公益法人、または宗教法人が管理・運営している墓地のことをいいます。
民間霊園には、駐車場や遊歩道などの設備が整っている公園型の墓地がよく見られます。
民間霊園のメリット
民間霊園のメリット
- 墓地の区画にあきがあれば、いつでも購入することができる
民間霊園は新しく作られることが多いので、公営霊園と比べると競争率が低いです。
また、通年で募集をしている場合がほとんどなので、区画があいていればいつでも購入できます - 区画の広さが選べる
建てたい墓石の数や大きさなどで、必要となる区画の広さも変わってくるでしょう。
民間霊園では区画の広さが選べることが多いので、希望する区画を予算に合わせて選べます。 - お墓の形(デザイン)に制限がない
民間霊園では多くの場合、お墓のデザインに制限がありません。
オリジナルデザインのお墓や、洋型墓石を自由に建てることができます。
民間霊園のデメリット
民間霊園のデメリット
- 使用料・管理料が高い
公営霊園と比べると、民間霊園は使用料・管理料が高いです。 - 石材店が指定されていることが多い
民間霊園では、決められた石材店しか利用できないことが多いです。
墓石を建てる時に、数社の石材店から見積りを取って比較する、というようなことができません。 - 宗派が限定される場合がある
多くの民間霊園ではどの宗教・宗派でも利用できますが、宗教法人が運営する霊園などでは宗派が限定される場合もあるので、確認が必要です
公営霊園の特徴
公営霊園とは、都道府県や市町村など自治体が管理・運営している墓地のことをいいます。
公営霊園では、広々とした公園型の墓地が多くみられ、場所によっては広大な敷地を有しているところもあります。
公営霊園のメリット
公営霊園のメリット
- 使用料や管理料が安い
民間霊園と比べると、使用料や管理料が安いです。 - 石材店を自由に選べる
民間霊園と違って石材店の指定がないので、好きな石材店を自由に選べることができます。 - 宗派の制限がない
公営霊園は公的機関なので宗教に関与しないため、宗教や宗派の制限がなく、誰でも利用できます。
公営霊園のデメリット
公営霊園のデメリット
- 競争率が高い
使用料や管理料が安価で人気が高いため、地域によっては競争率が高く購入しづらいこともあります。 - 申し込みには条件がある
墓地購入の申し込み資格がある場合が多く、「その自治体に居住している人」などの条件をクリアしなければ申し込みができないところもあります。 - 募集時期が決まっている
募集期間が1年に1回などと決まっているので、期間を逃してしまうと、すぐに購入することができません。 - 区画の広さや墓石の大きさに制限がある
区画の広さが一律で決められている場合や、墓石の大きさにも制限がある場合があります。建てたいお墓が、公営霊園の制限内かどうかを確認してから購入しましょう。
まとめ
最後にもう一度、真言宗のお墓について今まで見てきた内容を振り返ってみましょう。
- 真言宗では、お墓の形や文字に決まりはない
- 真言宗のお墓には、大日如来をあらわす梵字や「南無大師遍照金剛」が刻まれる
- 真言宗を開いたのは空海(別名 弘法大師)
- 真言宗の総本山は高野山金剛峰寺
- 真言宗では振分念珠を使う
- お墓参りでは一人あたり3~10本の線香をあげる
- 今あるお墓に納骨する費用の相場は合計8万5,000~14万円
- 新しくお墓を建てて納骨する費用の相場は合計67万5,000~215万円
- 真言宗のお墓は、民間霊園や公営霊園でも建てられる
真言宗のお墓の形や文字に決まりはありませんが、墓石に刻む文字には梵字やお経が選ばれている、という特徴があります。
お墓を建てる時に、真言宗のお墓に刻まれる文字と意味を知っておけば、墓石に刻む文字の選択肢も広がるので、より満足いくお墓にすることができると思います。
また、お墓参りの時には金剛合掌をするなど、真言宗の作法で心をこめてお参りしましょう。
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
仏教にはさまざまな宗派がありますが真言宗は「密教」の教えを基本とします。密教とは文字のとおり「秘密」という意味で言語化することが難しい教えのことを表します。密教に対して「顕教」という言葉がありますが、これは経典のように文字に書かれた教えのことを指します。密教では教えを曼荼羅という形で視覚的に表現したり、手に印を結び、口に真言を唱え、心に仏の姿を思い浮かべるという三密の実践が行われます。密教では護摩の儀式が行われるのも特徴です。寺院の中央に火をつけた護摩壇が設置され炎の中で祈願・供養する儀式です。火中に供物を投げ入れながら諸仏を供養し、煩悩や邪気を払います。