お墓を建てる期間は2~3か月 その内容を詳しくお教えます
お墓の建てると期間とは?徹底解説
- お墓建立は契約後2~3ヶ月が基本。墓地選びや打ち合わせ含めるともっと時間が必要。
- 展示品や在庫品なら約1ヶ月で建立可能。ただし、形や石材は選べない。
- お墓建立の流れは、墓地・石材店選び、見積もり、契約、工事、完成待ち、法要準備。
- 早くお墓を建てたいなら、展示品購入や国産石材が効果的。ただし国産は高いことも。
お墓をいざ建てるとなった時、石材店はどのようにしてお墓を作っているのでしょうか?
完成までの期間、予定の日までにお墓を作ってもらうためにどのような動きをとればいいのでしょうか?
この記事ではお墓が完成するまでの石材店の仕事の流れを時系列で追いながら、慌てることなく納得のお墓を建てるポイントをご紹介いたします。
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この記事の目次
お墓を建てるには契約から2ヵ月~3ヵ月かかる
お墓を建てる期間は契約から2ヶ月〜3ヶ月みておいた方がいいでしょう。
しかもこれはあくまでも「契約からの期間」なので、墓地探し、あるいは石材店との打ち合わせなどを考えるとさらに期間を要することになります。
お墓を建てるにあたって1周忌法要や3回忌法要など期日を設けている場合は、余裕を持った日程で墓地を探し、お墓を建てていきましょう。
展示品の買い取りだと1ヶ月程度で建つこともある
もしも石材店に展示してある墓石や在庫品でいいのであれば早くて1ヶ月程度でお墓を建てることはできるでしょう。
すでに墓石の形に加工されているために、彫刻工事をして現場での据え付けをすれば完成させられるからです。
もちろん展示品の買い取りなので、希望の形に加工することもできなければ好みの石材を選ぶこともできません。
また、お墓の据え付け工事は石塔の据え付けと外柵の据え付けとがあります。
もしも外柵材の制作に日数を要するのであれば、やはり2ヶ月以上の日数をみておいた方がよいかもしれません。
受注生産だと2ヶ月〜3ヶ月かかる
受注生産の場合は、お墓を建てるのに2ヶ月〜3ヶ月の期間を要します。
施主の希望のデザインを希望の石材で作るために石材店はイチからCGや図面を起こしてお墓を形にしていきます。
デザインや形が決まると契約を交わし、そこから石材を入手して加工工事へと取りかかるので、どうしてもこれくらいの日数はかかってしまうのです。
お墓を建てるまでの流れ 施主の視点から
石材店と契約してからお墓が完成するまで、最低でも2ヶ月から3ヶ月はかかります。
しかし施主の側に立ってみると、契約に至るまでにも墓地を探し、石材店と建てる墓石を決めなければなりません。
墓地を探している段階で、すでにお墓づくりは始まっていると言えるでしょう。
この墓地選びや石材店との打ち合わせにどれくらいの期間を要するかは人それぞれなので明確なことは言えませんが、お墓が建つまでにはどのような流れで進んでいくのかを施主目線で追っていきましょう。
1.どのようなお墓を建てたいかイメージする
まずはどのようなお墓を建てたいのかをイメージしましょう。
お墓について知らないこともたくさんあるでしょうから、インターネットで検索してもよいですし、一度墓地に足を運んでみてもよいでしょう。
2.墓地を決める(期間はケースによる)
お墓を建てるためには墓地を決めなければなりません。
この墓地の決定が大変で、その場所が終の住処になるわけですから慎重に選ぶ必要があります。
墓地を決める時のポイントには次のようなものがあります。
- 「その場の雰囲気や環境が気に入るか」
現地に立ってみた時の雰囲気は気に入りましたか?
景観や周囲の環境など身体が感じた直感を大切にしましょう。 - 「家からのアクセスはしやすいか」
自宅から墓地までは行きやすいですか?
実際にお墓参りをしてみる時のことをシミュレーションしてみましょう。 - 「自分たちの予算にあっているか」
予算を大幅に超えるような契約になっていませんか?
お墓は一生に一度の決して安くない買い物です。金額には慎重になりましょう
- 「希望の予算で納まりそうでしょうか?」
お墓は手を合わせる大事な場所ですから安ければいいというものでもありませんが、無理のない予算計画を立てておきましょう。
- 「自分たちの宗教のお墓が建てられるか」
墓地によっては宗教の制限があるかもしれません。事前に確認しておきましょう。
公営霊園は取得に時間がかかることもある(年に1度の抽選)
気に入った墓地に空きがあればすぐに購入できるのですが、公営霊園に関しては人気が高く、すべての墓地が埋まっているとうのはよくあることです。
ただし返還された墓地はきれいに整地化されたのちにまた再貸付を行うので、どの自治体でもこれを待っている人は一定数います。
公営霊園は人気が高いため、1つの区画に複数の申込がある場合は抽選で利用者を決めます。
石材店に勤務する筆者ですが、公営霊園の当選を目指して、5年以上連続で申し込んでは落選している人を何人も知っています。
3.石材店選び
墓地が決まりますと次に石材店を決めます。
墓地によって、石材店が指定されているケースとそうでない場合があるので、その違いを確認しておきましょう。
石材店が「指定されている」
主に民営霊園や寺院霊園で見られるケースです。
この場合、施工工事を依頼する石材店が決められています(ほとんどの場合、墓地の契約書の中にその旨が記載されています)。
複数の石材店との相見積もりができないので、充分に気をつけましょう。
石材店が「指定されていない」
公営霊園や地域の共同墓地、一部の寺院墓地などでは、石材店の指定はありません。
その場合は複数の石材店との相見積もりをおすすめします。
石材店と墓地に同行し、周囲の環境や近隣のお墓との調和も含めた上で、自分たちの希望を伝えましょう。
4.石材店との商談から契約(約1ヶ月)
石材店が見積もりの時に出すものは、見積書、CGなどの完成予想図、石材のサンプルなどです。
どの石材店がよいか。見極めのポイントには次のようなものがあります。
- 分かりやすい見積書か
- 価格の違いを明確に説明してくれるか
- 追加請求されるものはないか
- 工事の内容をきちんと説明してくれるか
- 信頼できそうな人柄か
価格は安いにこしたことはありませんが、むしろ安さよりも価格の根拠をきちんと説明してもらえる石材店の方が信頼できるでしょう。
また、契約時には契約金額の内の一部金を先に支払います(3割や5割が一般的です)。
現金の用意もしておきましょう。
5.彫刻文字の確認(約2週間)
打ち合わせの中でも特に大切なものに、墓石に彫刻する文字の確認があります。
正面に彫刻する文字、故人様の戒名、家紋等を石材店に伝えると、原寸大の原稿を作成します。
特に、家紋が分からないという人が多くいるので、親戚などに聞いて、確認しておきましょう。
6.工事は石材店におまかせ(約2ヶ月)
工事そのものは石材店に任せておくので、施主はなにもしなくても構いません。
工事は次のような流れで行われます。
- 地鎮祭(する地域としない地域があります)
- 基礎工事
- 外柵据付工事
- 石碑などの据付工事
職人が入る工事そのものは3回〜4回くらいが一般的です。
ただし墓石工事の場合は、基礎や据付した石材がきちんと固まって固定されるまでの日数を待たなければなりません。
そのため基礎工事から完成までは1ヶ月近くは見ておいた方がいいでしょう。
7.完成〜開眼法要
無事に墓石が完成したら、開眼法要まで竿石に白いさらしを巻いておきます。
開眼法要で寺院に供養してもらうことで「石」は「お墓」になります。
開眼法要の準備として、次のようなものが挙げられます。
- 法要に日程の確認(寺院と石材店と打ち合わせ)
- お布施の準備
- 供花やお供え物の準備
- 法要後の食事の手配
- 参列者への引き物の手配
お墓を建てるまでの流れ 石材店からの視点
お墓つくりは、施主と石材店の共同作業です。
施主の希望と、石材店の専門性が合わさってはじめていい墓ができるものだと筆者は確信しています。
しかし、施主が出会うのは石材店の営業マンのみではないでしょうか。
その裏には何十という職人の仕事があってお墓ができ上がります。
お墓を建てるまでの流れを石材店の視点から見ていきましょう。
1.採石(期間はそのケースによる)
採石業者は、岩山から切り出した石をある程度小さく割って、加工業者に石を卸します。
- 採掘
日本全国、世界各国で石材は採掘されています。
岩石を採掘する山を原石山といい、採石場のことを業界では「丁場」と呼びます。
山から石を切り出すには、ダイナマイトやジェットバーナーを用います。
- 大割・小割
切り出された石は、丁場から運び出すために乱尺に割っていきます。
ただ割ればいいのではなく、裂け目や流れやキズなど石目をきちんと見極めながら、セリヤと呼ばれるくさびのようものを打ち込みます。
そして、墓石の図面寸法に合わせてさらに小割していきます。
力任せに割るどころか、とても慎重に繊細な作業として行われるのです。
2.加工(約1ヶ月)
加工業者は、契約された図面をもとに墓石を仕上げていきます。
石材を調達し、加工が完成するまでには一般的に約1ヶ月を要します。
- 切削(切断)
小割にされた岩石は、墓石の寸法にあわせて切削されます。
花崗岩や閃緑岩などの墓石に用いられる石材はとても強固なため、ダイヤモンドカッターブレードで切削します。
これは切削機の刃の中にダイヤモンドが混ぜられているもので、鉱物の中で一番の硬度を誇るダイヤモンドでなければ花崗岩を切断できないのです。
- 研磨
研磨とは、墓石の表面を磨く行程です。
グラインダーという機械が用いられますが、粗いものから順に細かい番手の砥石で磨いていきます。
何度も何度も磨き上げて表面の水平レベルを実現させます。
- 加工
施主が希望するデザインにあわせて加工をしていきます。
面取り、台座、花立てなど、細かい部材ひとつとってもさまざまな加工があります。
また洋風のデザイン墓だとオンリーワンのお墓ですから、デザイナーと職人が綿密な打ち合わせをしながら加工をしていきます。
- 彫刻
墓石の形が整うと文字や家紋などの彫刻を行います。
昔はノミで文字を彫刻していましたが、いまではサンドブラストと呼ばれる砂などの研磨剤を石材に吹き付けて彫刻します。
- 検品・運搬
製品化された墓石は最後にきちんと検品します。
キズやシミ、磨き忘れ、寸法の狂いがないかをきちんと確認して問題がなければ各石材店に出荷されます。
3.現場工事(約1ヶ月)
加工された石材が入荷しますと石材店による現場工事です。
- 基礎工事
墓地での作業は、まず基礎工事から始まります。
更地の上に重量のある石材を乗せていくわけですから、きちんと基礎工事をしてお墓が沈まないようにしなければなりません。
地固めして、鉄筋コンクリートで基礎を作ります。
基礎がきちんと固まるまで、数日間はそのままにしておきます。
4.外柵・石棺の据付工事
基礎工事後、数日間空けてきちんと基礎が固まったあとは据え付け工事にとりかかります。
根石(巻石)で四方を囲み、それと同じ高さのカロートを設置します。
カロートは、遺骨を守り、墓石を支えるとても大切な役割を果たす部材です。
しっかりと固定し、水平を保ちます。
5.石碑の据え付け工事・完成
石碑やその他の付属品を据え付けし、最後に玉砂利を敷き詰めます。
これで墓石の完成です。
開眼供養までは竿石に白いさらしを巻いておきます。
6.開眼法要
開眼法要では納骨を行いますが、そのためには石を動かさなければならないので、石材店も立ち会って手伝います。
お墓を建てる期間に関する注意点
お墓を建てる期間が大幅に遅れることはあまりありませんが、次に挙げるものに関しては注意しておきましょう。
お墓を完成させたい期日がある場合
お墓を完成させたい期日がある場合は必ず事前に石材店に伝えておきましょう。
あわててお墓を建てて後悔しないためにも契約から完成までに3か月は日数を要するということをあらかじめ頭の中に入れておくことをおすすめします。
余裕を持って期間を設定することで落ち着いてお墓つくりに向き合えます。
どうしても期日に間に合わない時は、その旨を寺院などに相談して妥協してもらうか、他の石材店に相談してみましょう。
墓石の加工レベルで期間が変わる
よほどのことでなければ加工レベルで納期が変わるということはありません。
しかし、宝篋印塔や五輪塔のように加工に時間を要する石塔もあります。
一般的なお墓でも蓮花加工や銀杏面加工など、こだわりの加工を依頼する場合には期間がどれくらいかかるか石材店に確認しましょう。
外国石材の場合は1月~3月は要注意
もしも使用する石材が外国石材の場合、加工はすべて中国の工場で行います。
そして中国の春節(正月)は2月なのですが、この前後、つまり1月から3月にお墓を完成させたいと思っている人は気をつけましょう。
この春節前後は外国石材の供給が不安定になり、石材業界はいつも頭を悩ませています。
休みを多めに取ったり、故郷に帰省した職人が正月開けに工場に帰ってこないなどは毎年のことだと中国や日本の複数の石材関係者が語っています。
この期間にお墓の建立を考えている人は、問題がないかなど予め石材店に相談しておきましょう。
お墓を建てる期間を短くするポイント
お墓を建てる期間を通常より短くするには、次の2つの方法が考えられます。
展示品や在庫品を購入する
お墓を建てる期間を短くしたいのであれば展示品を購入しましょう。
もうすでに墓石はでき上がっているので文字彫刻をして、外柵材さえ用意できればすぐに墓地での据付工事が可能です。
文字彫刻、外柵材の準備などが問題なく整えば1か月程度で完成するでしょう。
ただし、完成品を買うために形や石材の指定ができないので気をつけましょう。
国内の石材で国内の職人に加工してもらう
外国の石材を使用する場合、石材を調達しなければなりませんし、加工も中国で行われます。
完成品は税関を通って数日かけて日本に運ばれてきます。
ですから、期間を短縮させたいのであれば、国内の石材を国内の職人に加工してもらいましょう。
ただし、国内産は海外産よりも割高になるので、きちんと石材店に確認しましょう。
まとめ
いかがでしたか? では最後にこの記事のポイントを箇条書きでまとめます。
この記事のまとめ
- お墓を建てるには契約から2ヵ月~3ヵ月かかる
- 展示品や在庫品でいいのであれば、1か月近くで完成させることもできる
- お墓は、墓地を決めて、石材店と墓石工事の契約交わしてから建立に取り掛かる
- お墓が建つまでの施主の流れは、「墓地選び」「石材店を決める」「見積もり・契約」「完成を待つ」「法要」
- お墓が建つまでの石材店の流れは、「採石」「大割」「小割」「切削」「研磨」「加工」「彫刻」「検品・運搬」「基礎工事」「外柵据付」「石碑据付」という流れで加工や工事が行われる。
- 寺院による開眼法要を行ってはじめて墓石はお墓になる
- お墓のデザインや加工の内容によっては期間が異なることもある
- 中国の春節があることから、1月から3月は特に注意する
- 慌てて後悔しないよう、余裕を持った日程でお墓づくりに臨むべき
- お墓を建てる期間を短くしたいのであれば、在庫品を買ったり、国産品の墓石を建てるなどの方法がある
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
お墓を建てる工程は、基礎工事、外柵工事、墓石設置工事等がありますが、それぞれ日数を要するうえ、コンクリート養生で日を開ける必要があるため、工事だけでも1か月ほどみておく必要があります。
「なんとか四十九日法要までには建てたい」等、十分な日数を確保できない状態で依頼する人もいますが、そうなると突貫工事になり、どこかで手を抜いてしまいがち。「実は、表面から見えない基礎工事の部分が一番大切。基礎工事を丁寧に行っているかどうかで、お墓の寿命も変わってきます」と石材店は言います。
お墓を建てるのは、人生で1度あるかないかの大きなイベントです。この先何十年も守り続けていくものですから、突貫工事はおすすめしません。数か月は余裕をもって依頼したいものです。