ペットと一緒に入れる樹木葬を紹介!自宅で供養できるのか法的に解説

ペットのリードと花。樹木葬でペットを埋葬

ペットと一緒の樹木葬を徹底解説

  • 家族ペット共に眠る樹木葬には3タイプあり
  • 樹木葬選びは宗派確認、埋葬方法、家族相談、費用把握が大切
  • ペット樹木葬は自然回帰が魅力も遺骨取出し不可が欠点
  • 自宅庭のペット樹木葬は合法、キット利用か自作可能

愛するペットの死はとても悲しく、できれば人間と同じようにしっかりお墓を整えてあげたいですよね。
冷たい墓石の下に入るよりも、樹木葬にして動物らしく自然に還してあげたいと思う人もいることでしょう。

ペットを樹木葬にする方法や費用、メリットとデメリット、ペットと一緒に眠れる樹木葬の情報についてご紹介します。

素敵な樹木葬が見つかれば、きっとペットにも喜んでもらえるでしょう。

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この記事の目次

  1. ペットと一緒に入れる樹木葬のお墓
  2. ペットと一緒に入れる樹木葬を選ぶときの注意点
  3. ペット専用の樹木葬のお墓とは?
  4. ペット樹木葬のメリットとデメリット
  5. 自宅の庭でできるペットの樹木葬
  6. ペットの樹木葬まとめ
  7. 監修者コメント

ペットと一緒に入れる樹木葬のお墓

ペットと一緒に眠れる樹木葬霊園は、人だけを納骨するお墓を利用するときと同じような手続きが必要です。
ペットを納骨するときは、とくに書類を用意する必要はありません。
しかし、人の遺骨を納骨するときには、火葬後に渡された火葬・埋葬許可証が必要になります。

ご自宅近くにペットと一緒に入れる樹木葬をチェック

すべての樹木葬でペットと一緒の埋葬ができる訳ではありません。
ペット共葬可能な樹木葬区画があるか、地域のお墓情報をライフドットがご紹介いたします。

樹木葬とは墓石のかわりに樹木を墓標とするお墓のこと

樹木葬とは、墓石ではなく樹木を墓標とするお墓のことです。
通常のお墓であれば、「○○家之お墓」などと彫られた石塔を墓標とし、参拝の対象にしますが、

樹木葬では、木を参拝のシンボルとします。
ペットが入ることのできる樹木葬についてお伝えする前に、まずは樹木葬の具体的な特徴についてご紹介します。 

墓石代がかからないので比較的安価

樹木葬は、墓標として木を植えるだけなので、墓石を建てる一般的なお墓よりも比較的安価です。
人間のお墓の場合、一般的な継承墓であれば、200万円から250万円ほどが相場ですが
樹木葬の相場は、50万円から70万円程度です。

法的に認められたお墓の一種である

樹木葬は、墓石のかわりに樹木を墓標としているだけなので、お墓であることに変わりはありません。
「自然に還れる」といえば、散骨も思い浮かびますが、散骨はお墓を作らない手段であることが、樹木葬とは違います。

散骨は法的規制が整っていないため、いつどこにどんな方法で遺灰を撒くかは、各自のマナーにゆだねられています。
一方、樹木葬のお墓は、墓地として法的に認可が下りている場所でないと作れません。

ペットと一緒に入れる樹木葬を選ぶときの注意点

ペットと眠れる樹木葬を選ぶときの注意点は、以下の通りです。

  • 宗旨宗派を確認する
  • 埋葬方法の詳細を確認する
  • 遺骨が取り出せなくなるため家族に相談する
  • 全体の費用をよく確認する

宗旨宗派を確認する

ペットと眠れる樹木葬の多くは宗教不問ですが、まれに霊園を管理しているお寺の檀家にならなければならないケースがあります。
宗教不問か、そうでなければ信仰している宗派の寺院が管理している霊園を選びましょう。

埋葬方法の詳細を確認する

埋葬方法には大きく分けて個別型と合祀型がありますが、霊園によって詳細が変わってくるため、確認が必要です。
例えば、10数年は個別で供養をし、契約期間後は合祀される場合があります。

また、人間は個別型に眠れても、ペットは同じ霊園内のペット供養塔に合祀される場合があります。
さらには、遺骨をじかに埋葬するのではなく、骨壺のままで埋葬する霊園もあります。

自分の希望に沿った埋葬方法が取られるかをしっかり確認しましょう。

遺骨が取り出せなくなるため家族に相談する

ペットと一緒に樹木葬で眠ることを選んだなら、多くの場合は納骨後したら遺骨を個別に取り出せなくなります。
自分のペットについてはそのことが了承できているかもしれません。

しかし、自分の遺骨が取り出せなくなることを、残されるであろう家族は了承するでしょうか。
「新しく作ったお墓にお母さんの遺骨も移したいのに、樹木葬だからできない」
などと、後で子世代が困ることのないよう、契約前に家族に相談しましょう。

全体の費用をよく確認する

費用内訳の項でも触れましたが、ペットと眠れる樹木葬には、考えられる費用項目が複数あります。
金額が提示されたら、それは全体の料金なのかを必ず確認しましょう。

また、納骨するごとに費用がかかることが多いため、埋葬される人の人数、ペットの数を霊園管理者に伝え、
全体の見積もりを出してもらうのが大事です。

以上のように、ペット樹木葬を利用する際には、霊園側や家族とのコミュニケーションが大事です。

ここまで読んで、
「樹木葬もいいと思うけれど、本当は、ペットとずっと一緒にいたいんだけどな……」
と、思った人はいませんか。

そんな人のために、最終章では自宅の庭でできるペットの樹木葬についてお伝えします。

ペット専用の樹木葬のお墓とは?

ペット樹木葬は、人間の樹木葬と同じように、樹木を墓標としたペットのお墓です。
自然に囲まれて眠る姿が、より動物としてのペットにふさわしいと感じられるからか、

最近ではペットの樹木葬墓地も増えつつあります。
また、ペットと一緒に眠れる樹木葬も、注目を浴びています。

ペットブームが到来してから10数年が過ぎ、ペットが寿命を迎えるころとなってきた現代では、
ますますペット樹木葬の需要が増えてくると考えられています。

ペット樹木葬の埋葬方法や費用、手続きはどのように進むのかについて解説します。 

ペット樹木葬の埋葬方法

ペット樹木葬の埋葬方法は、種類によって違います。
種類は大きく分けて次の2タイプです。

  • 個別型
  • 合祀型

それぞれ説明します。

個別型のペット樹木葬の埋葬方法

個別にスペースを設けて、名前の書かれたプレートなどのそばに納骨し、個別にお参りができるようにします。
スペースごとに一本の木が植えられるケースと、霊園の一角に植えられた一本の大樹をシンボルツリーとするケースがあります。 

合祀型のペット樹木葬の埋葬方法

個別のスペースはなく、一本の大樹をシンボルツリーとして、その周りに複数の遺骨が納骨されます。
ペットの名前は、埋葬者一覧用の大きなプレートに刻まれます。 

ペット樹木葬の費用相場

個別型と合祀型では、やはり費用相場が違います。
飼い主と一緒に眠れるかどうかでも大幅に違ってきますので、表でご紹介します。 

【ペット樹木葬の費用相場】

埋葬方法

一緒に眠れるか

費用相場

個別型

ペットのみ

10万円~30万円

飼い主も一緒に眠れる

60万円~80万円

合祀型

ペットのみ

1万円

飼い主も一緒に眠れる

30万円~50万円

合祀型の場合、飼い主もペットも同じ供養塔に納骨されるところは少なく、同じ霊園内の違う供養塔へ合祀されることが多いでしょう。

「人間とペットの遺骨を一緒にすることに抵抗がある」という人もいるためです。

ペット樹木葬の費用の内訳

ペット樹木葬にかかる費用の内訳は、次の通りです。

  • 永代使用料
  • 納骨料
  • 年間管理料
  • プレート代

内訳は霊園によって違い、全てを一括して金額掲示している場合もあります。

ペットに関わらず、樹木葬の費用について詳しく知りたい方は「樹木葬の費用はいくら?値段の内訳や相場より安い価格で購入するコツ」の記事をご覧ください。

永代使用料

その墓地を利用するための基本料金で、いちばんボリュームがあります。
使用料は一度払えばあとは支払う必要がありません。

納骨料

ペットあるいは人間の遺骨を一体持ち込むごとに、納骨料がかかることがあります。
樹木葬は1体用か複数用か、納骨料は1体いくらかを事前に確認しましょう。

年間管理料

個別型は年間管理料が発生することがあります。
合祀型にはほぼかかりません。

プレート代

別途、名前を刻むプレート料金がかかることがあります。

ペット樹木葬の手続き

ペット樹木葬の手続きは、霊園のタイプによって違ってきます。

  • ペット霊園が併設されたペット火葬場
  • ペット専門の樹木葬霊園
  • ペットと一緒に眠れる樹木葬霊園

それぞれ説明します。

ペット霊園が併設されたペット火葬場

ペット火葬場にペット霊園も併設されている場合は、火葬時に同時に手続きできてスムーズです。
火葬料金、埋葬料金を案内してもらった後、見積もりをもらって納得できればその場で料金を支払います。

ペット専門の樹木葬霊園

ペットのみを埋葬する樹木葬霊園の場合は、埋葬方法やシステムを確認した後、見積もりに納得できれば料金を支払います。
後日、ペットの遺骨を持参してもよいですし、合祀型の場合は、契約日に即日納骨できることもあります。
飼い主のほうで用意しなければならない書類などはありません。

ペット樹木葬のメリットとデメリット

ペット樹木葬には、メリットもあればデメリットもあります。順に説明しましょう。

ペット樹木葬のメリット

ペット樹木葬のメリットは、なんといっても動物本来の姿である「自然への回帰」が実現できることです。
ペットのお墓を作ってあげたいけれど、人間のように墓石を建てて供養することには
抵抗があるという人の感覚にも、スッとなじみます。

また、「自分も、亡くなったら自然に還っていきたい」と考える人にとっては、ペットと眠れる樹木葬は最高の選択肢です。

ペット樹木葬のデメリット

ペット樹木葬のデメリットは、あとから遺骨を個別に取り出せないことです。
個別型はじかに遺骨を土中へ納めることが多く、また合祀型は他の遺骨と一緒に納骨されます。

「引っ越しするから、お参りしやすい霊園にペットの遺骨を移動したい」と考えても、それは叶いません。
ペット樹木葬を検討するときは、自分が引っ越しをする可能性についても思いを巡らせてみましょう。

メリットがデメリットをはるかに上回ると感じるなら、ペット樹木葬はおすすめです。

自宅の庭でできるペットの樹木葬

ペットの遺骨は、自宅の庭に埋葬することもできます。
ペットは、法律上は特別な取り扱いがなされることはなく、「もの」として扱われるので
人間の納骨に必要な埋葬許可証など、公的書類や手続きがいらないのです。

賃貸ではなく購入してある自宅の庭で供養するぶんには、何の問題もありません。
市販の樹木葬ツールを使う場合と、自力で行う場合とに分けてご紹介しましょう。

ペット樹木葬のキットを使う場合

ペットを自宅の庭で樹木葬するためのキットが開発されています。
「Bios Urm for Pet」という商品です。

ペットの遺灰を土に還るケースに入れ、その上に種と肥料をセットし、土中に埋め込みます。
種が発芽し、樹木として成長すれば、それは「遺灰から育った木」として、ペット供養のシンボルツリーになることでしょう。

参考:https://item.rakuten.co.jp/dearpet/f00sy01/

「Bios Urm」は、人間版も開発されています。
土中に埋めるタイプではなく、観葉植物のように家の中で育てられるため、自宅で遺骨を供養する手元供養向けに使えます。

参考:https://urnabios.com/urn/

なお、「Bios Urm for Pet」に人の遺灰を込め、自宅の庭に埋め込むのはやめましょう。
墓地として許可を得ていない場所に人の遺骨を埋葬するのは、法律で禁じられています。

自分でペットの樹木葬をする場合

専用キットを買わなくとも、ペットの遺骨を自宅の庭で樹木葬にすることは可能です。
庭の土中に遺骨を埋葬し、その周辺に種を撒いたり、苗を植えたりしてシンボルツリーを育てましょう。
ペットの名前を書いたプレートを埋め込むのも素敵です。

注意点は、遺骨のすぐ上に種を撒かないことです。
遺骨が根の成長を妨げることがあります。

また、ガーデニング初心者にはあまりオススメできません。
シンボルツリーが成長しなかったり、すぐに枯れたりすると、心に大きなダメージを負うためです。

樹木を育てることが不安なら、遺骨を埋めた場所のまわりに野花の種を撒くなど
世話をしなくとも比較的育ちやすい花を、複数同時に育ててみてはいかがでしょうか。

以上のように、ペットのお墓をどうするかについては法的規制がないため、遺骨は自宅の庭で弔えます。

ペットの樹木葬まとめ

ペットの樹木葬について、基本的な内容や費用、メリットやデメリットをお伝えしました。
ペットと一緒に眠りたいという人、ペットとずっと一緒にいたいという人も、
願いはかなうのだということがお分かりいただけたと思います。

ペットは本当に多くのものを私たちの心に残してくれます。
そのことに感謝し、いつまでも温かな想い出を胸に残すためにも、満足できるペットのお墓を手に入れましょう。

また、樹木葬に限らない「ペットのお墓」についてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。


監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

動物の死体は、ペットとして飼われていたか、そうでないかによって根拠法が変わっています。ペットでない場合は、廃棄物に該当し処分されることになりますが、ペットの場合は「廃棄物にあたらない」とし、勝手に遺棄することはできません。

かつては自宅の庭などに埋めていたものですが、近年は小動物でも火葬率が高まっています。日本は人間の火葬率がほぼ100%に近い火葬大国ですから、火葬することが弔いであり、遺体が次第に朽ちていく土葬に抵抗がある人が増えたのだと思います。

ペットの墓は、専用墓地もありますが、法律に基づいて造成されているわけではありませんので、「廃業の連絡があって、遺骨の行方がわからなくなった」というトラブルも過去にはありました。人間の樹木葬墓地なら、法で守られていますので、突然つぶれるということはありませんが、ペットも可という条件になると、まだそう多くないのが現状です。