佛名山 常福寺

佛名山常福寺は、1216年に親鸞聖人の高弟である入信房によって常陸国で創建された後、1656年に江戸浅草に移転し、その後の大正12年関東大震災を経て昭和3年に現在の足立区に移転しました。この歴史の流れは、寺院の深い信仰と伝統の証です。特に、江戸時代から続く浅草の説教所の歴史や、関東大震災と戦災による再建の経緯は、訪れる人々に対して、常福寺が長い歴史を通じて培われた精神性を感じさせます。現在の本堂は1965年に新築され、長い年月を経てもなお地域に開かれたお寺として、多くの信徒や訪問者に親しまれています。

四季折々の花々と緑豊かな境内

常福寺の境内は、四季折々の花々や緑に囲まれた美しい環境が魅力の一つです。特に春には、参道を彩るソメイヨシノやしだれ桜が見事に咲き誇り、訪れる人々に心の安らぎを与えます。10年ほど前に行われた書院の建て替えにより、バリアフリー化も進み、誰もが快適に境内を散策できるようになりました。この緑豊かな環境は、日常の喧騒から離れて静寂と美を求める人々にとって、特別な場所となっています。

アクセスの便利さと地域とのつながり

常福寺へのアクセスは、東武スカイツリーラインの竹ノ塚駅から徒歩約15分、または日暮里舎人ライナーの見沼代親水公園駅から東武バスを利用して聖一之橋で下車し徒歩10分と、非常に便利です。このアクセスの良さは、地域の人々や遠方から訪れる人々が気軽に訪れやすい環境を提供しています。さらに、年中行事の開催や、書院のバリアフリー化による家族葬の受け入れなど、地域社会に開かれたお寺としての役割を果たしており、多くの人々にとって心の拠り所となっています。

常福寺の年中行事とコミュニティーへの貢献

常福寺では、元旦の修正会、4月の永代経法要、11月の報恩講など、年間を通じて多彩な宗教行事が開催されます。これらの行事は、地域の人々や寺院を訪れる信徒にとって大切な信仰の機会を提供し、共同体としての絆を深める重要な役割を果たしています。また、春の永代経や秋の報恩講は、親鸞聖人の教えと真宗大谷派の信仰を深める貴重な機会であり、常福寺の精神性と歴史的背景を今に伝える重要な行事となっています。

新築された本堂と客殿と増設された新規墓所

2010年3月には、宗祖親鸞聖人七五〇回御遠忌を記念して、本堂の屋根瓦の葺き替え工事や耐震補強工事が完了し、客殿庫裡の建て替えも行われました。新しい客殿はバリアフリー化されており、家族葬をはじめとする葬儀がお寺内で行えるよう設備が整えられています。また、新規墓所の増設により、空き墓所の申し込みも受け付けており、地域のニーズに応える形で寺院の機能が強化されました。これらの施設の充実は、常福寺が現代の社会においても変わらぬ信仰の場として、また地域社会への貢献を続けていく意志を象徴しています。