實性寺

實性寺は1489年に創建された浄土宗の寺院で、暁月山林松院とも称されます。創建者は芝・増上寺第五世の天譽了聞上人で、開基には北条氏の岩槻城斉田左ヱ門尉頼康公が名を連ねています。江戸時代には、二代将軍秀忠公や三代将軍家光公が訪れ、徳川家より寺領を拝領し、朱塗りの門と三つ葉葵の御紋の使用が許されるなど、豊かな歴史と由緒を持つ寺院です。現在では第二十九世現住職により守られ、平安時代末期作の明治の大火を免れた阿弥陀如来座像が本尊として信者を迎えています。

火災を逃れた貴重な文化財

實性寺には、明治初頭の大火から免れた多数の貴重な墓が残されています。その中には、油問屋滝沢冨右衛門や、西南戦争で戦死した小林亀太郎、木挽き職人から算学の第一人者へと上り詰めた金杉清三郎、儒学者牧野隆幸など、様々な分野で活躍した人物の墓が含まれています。これらの墓は實性寺の長い歴史の中で守り抜かれた文化遺産であり、訪れる人々に多大な影響を与えています。

子育水子地蔵菩薩による特別な供養

實性寺は、水子の供養に特化した施設を有しています。本堂左側正面におまつりされている子育水子地蔵菩薩は、流産や早世した子どもたちの尊い命を供養し、悲しみを抱える親への手を差し伸べる役割を担っています。この地蔵菩薩を通じて、小さな命を失った家族が癒しを見出し、子どもたちが健やかに育つよう願いを込めることができます。

茶道教室を通じた文化活動

實性寺では、表千家流の茶道教室が開かれています。「本物を伝えたい」という思いのもと、茶道を通じて仏道修行の一環とし、寺院の役割や僧侶の使命を常に意識することの重要性を教えています。この茶道教室は、茶道に興味がある方はもちろん、日本の伝統文化や精神性を深く理解したい方にもお勧めできるプログラムです。

年中行事を通じた地域との繋がり

實性寺では、一年を通じて様々な行事が執り行われています。これらの行事は、修正会、涅槃会、春季彼岸会回向、花まつり、お施餓鬼会など、仏教の重要な教えや節目を祝うものです。特に、七夕や盂蘭盆会などは、地域社会との絆を深める大切な機会となっており、寺院の門戸を広く開き、地域住民や信者との交流を深めています。

ペット霊園としての役割

實性寺は、ペットの永代供養を受け付けている数少ない寺院の一つです。個別に石塔を建てての供養や共用の納骨室による埋葬が可能であり、ペットと家族の絆を大切にしたい方にとって心強い存在です。また、ペット霊園を通じて、動物たちへの深い敬意と愛情を形にすることができます。