お墓参りに行くベストな時間を解説!時期と目的別の紹介
墓参りの時間とは?徹底解説
- お墓参りは時間固定せず、状況に合わせて行う。
- お盆やお彼岸には伝統的な参りの時間がある。
- 持ち物や服装、掃除の流れを確認し、お墓参りに備える。
- お墓参りは昼間が一般的で、夜や早朝は避ける。
「お墓参りはどんな用事より優先させるべきだから、午前中に行くべきだ」というしきたりを、耳にしたことがあるでしょうか。
そんなことをいわれても、お墓が遠方にあればどうしてもお墓参りは午後になってしまいますよね。
親族が揃うのを待っていたら夕方になってしまった、ということもありがちです。
そんなときは当日お墓参りに行かず、次の日の朝に行かなければならないのでしょうか?
この記事では、以上のような疑問を持つ人のために、お墓参りにふさわしい時間帯について徹底解説します。
最後にはお墓参りの持ち物や服装、流れも紹介しますので、マナーに沿ったお墓参りができるようになりますよ。
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お墓参りはいつでも可能!しかし気をつけるべき時間帯はある
お墓参りをしてはいけない時間帯はありません。
ただ、霊園の形態によっては、気をつけるべき時間帯があります。
また、一緒にお墓参りをする相手によっては、時間帯を考えなければならない場合もあります。
気をつけるべき3つのケースについて説明します。
管理人のいる霊園や納骨堂は開園時間内に出向く
霊園のなかには、管理人を配置して、開園時間以外は門を閉めてしまうところがあります。
防犯上、夜間や早朝は閉館してしまう納骨堂も少なくありません。
管理人のいる霊園や納骨堂へお参りする場合は、開園時間をきちんと調べ、時間内に出向きましょう。
照明の少ない霊園に夜行くのは危険
昔ながらの霊園はとくに、夜のお墓参りを想定していないため、照明を設置していないところが多いものです。
石階段や砂利道など、ただでさえ足もとに気をつけなければならない霊園に、夜出向くのは危険です。
「懐中電灯を持っていけばよい」と思われるかもしれません。
しかし、寺院裏手の墓地などを夜更けに歩いていると、寺院から懐中電灯がチラチラ見えて、寺院の家族を何とも不安な気持ちにさせてしまいます。
照明が整備されていない霊園に、陽が落ちてから出かけるのは避けましょう。
ついで参りは年配者に良い印象を与えない
何かの用事のついでにお墓参りをする「ついで参り」は、昔からタブーとされてきたため、年配者にはいい印象を与えません。
例えば、父親のお見舞いに実家へ立ち寄った「ついで」にお墓参りをするなどです。
お墓参りを何より優先させるべき事項と捉え、午前中に行くべきだとする人は、まだ一定数います。
最近ではお墓が遠方にあることが多いといった事情から、若い世代のなかには、午後にお墓参りをすることに抵抗をあらわす人はあまりいません。ただ、一緒にお墓参りをする親族のなかに、しきたりを重んじる年配者がいるときには、意見を尊重しましょう。
みんなが集まる時間などの事情から午前中に行くのは無理でも、他の用事を優先してお墓参りを後ろ倒しにすることは避けるべきです。
お墓参りはいつ行っても結構だけれど、配慮すべき事情もあることがおわかりいただけたと思います。
では、時期によってお墓参りにベストな時間帯は違うのでしょうか。次章で詳しく解説します。
お墓参りにベストな時間帯は時期によって違う
お墓参りをしてはいけない時間帯はありませんが、ベストな時間帯というのはあり、それは時期によって違います。
多くの人がお墓参りを行うであろう、次の3つの場合に絞って解説します。
お盆のお墓参りは「お迎え」と「見送り」で時間帯が違う
お盆のお墓参りは、「お迎え」と「見送り」でベストな時間帯が違います。
お迎えとは、多くの地域で8月13日となるお盆の最初の日に、先祖を家の仏壇へ連れ帰るために、お墓まで迎えに行くことです。
見送りとは、多くの地域で8月16日となるお盆の最終日に、先祖を家からお墓までお見送りをすることです。
お盆のお迎えは午後3時から5時あたりまでに行く
お迎えのお墓参りは早い方がよいといわれています。「早く帰ってきてほしい」という願いからです。
ただし、先祖は玄関先で焚く迎え火やお墓参りの提灯の明かりを頼りに家へ帰るといわれているため、あまりに日の高いうちからはお墓参りをしません。
午後3時から5時あたりまでをめどにお墓参りをする人が多いでしょう。
先祖が帰ってくるまで、盆棚を作ったり、ごちそうの準備をしたりして待ちます。
お盆の見送りは午後5時から7時あたりまでに行く
見送りのお墓参りは遅い方がよいといわれています。「少しでも長く引き留めたい」という思いからです。
午後5時から7時あたりまでをめどに、家の前で送り火を焚いてから、提灯や懐中電灯を掲げてお墓参りをします。 その後、灯籠を川へ流す「精霊流し」を行う地方もあります。
一日しかいられない場合は自分の都合でお墓参りをしてよい
実家が遠方にある、一日しか里帰りができないなどの都合上、お迎えや見送りのタイミングにお墓参りができない人もいるでしょう。
その場合は、8月13日から16日までの間であれば、どの日でも、どんな時間帯でも、都合に合わせてお墓参りをして構いません。
実家にはすでに誰もいないなどの事情で、しきたりにのっとったお盆を営めない場合は、中日の15日にお墓参りを行うことでお盆とする人が多いようです。
お彼岸のお墓参りはあまり時間を気にしなくてよい
お彼岸のお墓参りは、それほど時間帯を気にする必要はありません。
ただ、秋彼岸の頃は、だんだん日が短くなってくるため、時間帯には十分注意しましょう。
夏と同じ感覚でいると、「午後7時ごろまでは日があるだろう」と思い込み、準備が遅くなってしまいます。
曇りや雨の日は足元が見えづらくなるため、特に注意が必要です。
遅くとも午後5時ごろまでにはお墓まいりを済ませたほうがいいでしょう。
お正月のお墓参りは神社への初詣と日を分ける
お正月のお墓参りは、神社への初詣と日付けを分けるのをおすすめします。
しかし、どうしても日を分けられないときは、神社への初詣の後に、お墓参りを行います。
なぜかといえば、神社の神様は死のけがれを嫌うといわれているためです。
お正月でなくとも、お墓参りをした後に神社へお参りに行くのはタブーとされています。
他の時期、例えば故人の命日などに合わせたお墓参りの際は、時間帯を気にする必要はありません。
霊園の開園時間に気をつけて、できれば日の落ちないうちにお墓参りをしましょう。
お墓参りのタイミングについては「お墓参りにはいつ行くの?疑問を解消する葬祭マナー」を参考にして下さい。
お墓参りに行く日取りと時間帯が決まったら、次は持ち物や服装について準備する必要があります。
次章では、持ち物や服装、流れなど、お墓参りのマナーについて解説します。
お墓参りのマナー
お墓参りには、時間帯の他にもマナーがあります。
持ち物、服装、流れについて確認し、準備を万端にしておきましょう。
お墓参りの持ち物
お墓参りの持ち物は、以下の通りです。
持ち物 | 目的など |
---|---|
線香、ろうそく、マッチやライター | 線香をお供えするときに必要となるお参り用品 |
数珠 | 仏式であればお参りのために持参する |
供花(一対) | お墓の花立にお花をお供えする |
供物 | 故人の好物や季節の果物を供物台にお供えする |
コップや湯呑 | 水をお供えするためのもの 水鉢があれば不要 |
お茶の葉を入れた急須 | 霊園に着いたら急須に水を入れ、水出しのお茶を作る しきたりがないときは不要 |
提灯 | お盆などには地域や家のしきたりに合わせて持参する |
ほうき、ちりとり | お墓周りの落ち葉やゴミを拾うための掃除用品 |
雑巾 | 墓石を水洗いした後に拭きあげる |
スポンジ | 墓石の水洗い時に使う |
歯ブラシ | 香炉や花立の細かい部分を磨く |
軍手 | 雑草抜きなどに使用する |
ゴム手袋 | 水作業に使用する |
ひしゃく・手桶、あるいはペットボトル | 水掃除に使う ひしゃくや手桶は霊園に備え付けの場合もある ペットボトルは墓石に水をかけやすく便利 |
ごみ袋 | 敷地内のゴミを持ち帰る |
線香やろうそく、花などは、霊園近くの売店に売られていることがありますから、忘れたときにも安心です。
なお、納骨堂へお墓参りをするときは、掃除用品を持参する必要はありません。
また、花立や供物台がない納骨堂の場合は、供花や供物も必要ありません。
納骨堂のなかには、線香を焚くことが禁じられているところもあるため、確認してから持参しましょう。
お墓参りの服装
お墓参りの服装のポイントは、以下の通りです。
- 派手な色柄は避ける
お墓参りのために喪服を着る必要はありませんが、派手な色柄の服は極力避けましょう。
黒、紺、グレーなど地味な色、あるいはパステルカラーなどにとどめ、原色や蛍光カラーは控えます。 - 寺院墓地では殺生を思わせる毛皮などを避ける
仏教では殺生を嫌うため、ファーコートやアニマル柄の服、靴、バッグは避けましょう。 - 肌を露出しすぎない
暑い時期でも、タンクトップやホットパンツなど、肌を露出しすぎる格好は避けましょう。
霊園は緑が多く、虫に刺されやすい場所でもあります。カーディガンなどを羽織り、肌を守ります。 - 歩きやすい靴を選ぶ
石畳や石階段、砂利道など、霊園内は歩きやすい環境とはいえないため、歩きやすい靴を選びましょう。
スニーカーやヒールの低いローファーなどがおすすめです。
お墓参りの流れ
お墓参りの流れは、以下の通りです。
- お墓掃除をする
- お供えをする
- お参りをする
- 片づける
順を追って説明します。
- お墓掃除をする
お墓に向かって一礼した後、お墓掃除を始めます。
掃き掃除で枯葉やゴミを払ったら、墓石をスポンジで水洗いし、花立や線香立てなど取り外しできる部品も、水とブラシで洗います。
最後に墓石を雑巾で拭きあげて終了です。 - お供えをする
供花、供物、水、お茶をお供えします。
供花を一束ずつ花立に入れ、供物を供物台に置き、水鉢またはコップなどに水を満たします。
お茶をお供えするしきたりがあれば、急須から水茶を湯呑に注ぎ、供物台の上にお供えします。 - お参りをする
ろうそくに火をつけて燭台に立て、線香に火をつけます。
血縁の近い順番に線香を線香立に供え、数珠を持って合掌します。 - 片づける
供物は、野良猫やカラスに漁られる可能性があるため、持ち帰るのがマナーです。
供物を持ってきた袋などにまとめ、持ち帰りましょう。
お墓参りは、以上のような持ち物や服装、流れに気をつければ、マナーを守った行動ができます。
まとめ
この記事では、お墓参りにふさわしい時間帯や、お墓参りのマナーについて解説しました。
お墓参りに最適な、決まりきった時間帯があるわけではなく、事情や時期に合わせて考えるべきということがおわかりいただけたと思います。
「お墓参りをいつにしよう」「供物をどんなものにしよう」「どんな服を着ていこう」と考えるのは少し面倒で、準備は手間のかかることです。
でも、そんなふうに真剣に考え、真心を尽くしてお墓参りをすることこそが、先祖の供養につながっています。
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
昔は墓地といえば肝試しの定番としてよく利用されていましたが、今は足元が悪く、ケガをしやすいという理由で、行われることが少なくなりました。こういった村落墓地(みなし墓地)については、開門、閉門時間がありませんが、やはり日のある時間帯に行くのが慣例です。戦後造成された墓地については、公営墓地、寺院墓地、民間墓地ともに、たいてい開門時間と閉門時間が決まっています。お墓参りはその時間内に行くようにしましょう。