ペット仏具の種類や購入方法を紹介!
辛いペットとのお別れを終えて、火葬場から遺骨を持ちかえったら、どんな供養をしたいと考えていますか。
早急にお墓を整える、遺骨を庭に埋める、という考えの人もいれば、できれば自宅でずっと供養をしていきたいという人もいることでしょう。
しかし、例えばリビングの一角に骨壺をただ置いたままでは、何とも寂しい印象になってしまいます。
ペットを供養するための仏具を揃えたいところです。
- ペットを自宅で供養してもいいの?
- ペットを弔う仏具って、専用のものがあるの?
- 人間の仏壇にペットの骨壺を置いてもいいの?
- ペット仏具を揃えるといくらになる?
この記事では、以上のような疑問を持つ人のために、ペット仏具の種類や価格、実際の供養方法についてお伝えします。ひととおり読めば、自分とペットらしい供養方法の選択ができるようになりますよ。
ペットの遺骨は自宅で供養してよい
ペットの遺骨は、自宅で供養してよいのです。
この章では、ペットの遺骨を自宅で供養することの妥当性と、供養時のタブーやマナーについて解説します。
現代では、ペットに限らず人間の遺骨であっても、自宅で供養することは「手元供養」と呼ばれ、ごく一般的になりつつあります。
しかし、ペットといえば庭に土葬するのが当たり前と思っている世代からは、
「ペットの骨を家に置くなんて、何だか不気味」と言われてしまうことがあります。
このことから、できればペットを自宅でずっと供養していきたいと思っている人のなかには、 「果たしてそれでよいのだろうか」と悩む人もいることでしょう。
まずは、どのくらいの人が自宅で供養しているのか、どんなふうに供養しているのかを知りましょう。
専門業者のアンケートでは、自宅で供養している人は1割
ペット火葬業者が2014年に行ったアンケート調査があります。
調査結果では、「ペットが亡くなったとき、遺骨はどうしたいか、また、どうしたか」という質問に 家で保管」と答えた人は、全体の1割にのぼりました。
「自宅の庭などに埋葬」は5割強で、「霊園などに納骨」は2割強、「散骨」という回答もちらほらありました。
ペットを自宅で供養することは、さまざまな選択肢の中の一つであり、決して珍しいことではないのです。
人とペットの仏壇は一緒にしないのが一般的
選択肢の一つとして当たり前になってきたペットの手元供養ですが、 それでも供養の仕方によっては、まだまだタブーとされがちなこともあります。
それは、人間と同じ仏壇に、ペットを祀ることです。
ペットも家族の一員だったということに理解ある菩提寺であれば、快くOKしてくれることでしょう。
しかし、「犬や猫などの畜生は、人間とは分けて供養するべき」という考え方の僧侶もまた多いのが現状です。
ペットのために仏具を設けてあげられる、経済的かつ空間的余裕があれば、人間とペットは別に供養するのが一般的です。
ペットならではの愛らしい仏具を揃えることができるという意味でも、別々の供養がおすすめです。
以上、ペットの遺骨を自宅で供養することの妥当性と、供養するときのタブーについて解説しました。
次章では、ペット仏具の種類を紹介します。
ペット仏具の種類
ペット仏具にはたくさんの種類がありますが、すべて揃える必要はありません。
自分にとって必要と思えるものを選びましょう。
ペット用の骨壺とのバランスを整えるため、全てミニサイズになっています。
- 花立て
ペット仏具用の花立ては、ほとんどが背の低い一輪挿しです。 - ろうそく立て
ペット用はとても小さなろうそく立てなので、ミニろうそくとセットで買うのがいいでしょう。 - おりん
とくに仏式に近い形で供養したい場合には、小さいサイズのおりんを購入します。
デザイン性に優れたおりんはリビングに映え、供養の主役になりえます。 - 線香立てか香炉
仏式に近い形で供養したい場合には、小さな線香立てか香炉を購入します。
線香は、細めのものを購入するか、人間用のものを折って使います。 - 水入れ
おちょこサイズの水入れが売られています。生前と同じように、水を毎日お供えしたい人のために。 - ごはん入れ
水入れとセットで売られている場合が多いです。生前好きだったご飯をお供えしたい人のために。 - 仏壇
ペット用の仏壇は、人間用の立派な仏壇をミニサイズにしたものから、シンプルなひな壇型まで、形はさまざまです。
人間と同じように供養してあげたいと思えば、ミニサイズの仏壇を選ぶのがよいでしょう。
「祈りのためのスペースを強調したいだけ」という考えであれば、シンプルなひな壇タイプがいいでしょう。 - 位牌
ペット用の位牌に「○○(ペットの名前)乃霊位」などと彫ってもらえます。
人間の位牌のような漆塗りの位牌もありますが、クリスタル製など明るいイメージの位牌が人気です。 - 骨壺
「火葬場から提供された骨壺のままでは寂しい」「もっとかわいい骨壺がほしい」という人は、ミニ骨壺を購入しましょう。 - 遺影
ペット用の仏壇に映えるような、小さいサイズの遺影用フォトフレームがあります。
以上、ペット仏具の種類について紹介しました。
次に気になるのは、「どこで売っているのか?」ということですよね。
次章では、ペット仏具をどうやって揃えるのかについてご案内します。
ペット仏具を揃える方法は4通り
ペット仏具を揃える方法は、次に紹介する4通りがあります。
それぞれ詳しく解説しましょう。
インターネットの通販を利用する
ペット仏具は、インターネットの通販で揃えることができます。
ネットで賢く買う方法は、次の2つです。
ペット仏具専門サイトを利用する
ペット用の仏具を専門に扱っているサイトであれば、ペットに特化した可愛らしいデザインの仏具が手に入ります。実際に商品を手に取って見るわけではないため、サイズ表記に注目し、バランスを考慮しながら選びましょう。
手元供養品を扱うサイトを利用する
人用、ペット用といった区別をせず、自宅で供養するための仏具が売られているのが、手元供養品を扱うサイトです。
さまざまなデザイン、サイズの商品があります。
「ペット専用の仏具はデザインが可愛らしすぎる」「少し大きめの仏具が欲しい」というときにピッタリです。
ただし、サイズが多様なため、ペット仏具専用サイトで買い物をするよりも、さらにサイズ表記に敏感になる必要があります。
最寄りの仏具店に行く
ペット仏具は、仏具店に専用コーナーが設けられている場合があります。
サイズを確認しながら買えて便利ですが、並べる商品の数が限られるため、選択の幅はネット通販よりも狭まります。
生前のものや家にあるものをそのまま使ってもいい
「水入れ」や「ごはん入れ」は、生前のものをそのまま使いたいという人もいるでしょう。
もちろん、生前のものをそのまま使って構いません。
家にあるおちょこを水入れやごはん入れにすることだってできます。
アロマを焚くのが趣味の人なら、線香立てを利用できるでしょう。
また、気に入ったフォトフレームがあったなら、遺影用の写真立てをわざわざ買う必要はありません。
自分で手作りしてもいい
陶芸が得意な人は、水入れやご飯入れ、骨壺を自作してみてはいかがでしょう。
世界でたった一つの、愛するあの子だけの仏具をつくることができます。
以上、ペット仏具を手に入れる方法について紹介しました。
仏具だからといって、全て専用の物を揃える必要はなく、オリジナルな工夫ができることがおわかりいただけたかと思います。
気になるのは、どのくらいの予算をみておいたらよいかということですよね。
次章では、ペット仏具の相場についてお伝えします。
ペット仏具の相場
ペット仏具は、一般的な人間用の大きな仏具よりもリーズナブルです。
しかし、いろいろと揃えると、けっこうな値段になりますから、予算立ては大切です。
ペット仏具の相場についてご案内します。
すべて揃えると5万円から8万円ほど
ペット仏具を一式揃えると、5万円から8万円ほどになります。
具体的には以下の通りです。
項目 | 相場(円) |
---|---|
線香立て、花立て、おりん3点セット | 5千 |
線香立て | 2千 |
水入れ、ご飯入れ2点セット | 3千 |
遺影用写真立て | 3千~1万 |
ミニ骨壺 | 1万~3万 |
仏壇 | 1万~5万 |
位牌 | 5千~1万 |
もっとも値段に幅があるのが仏壇です。
シンプルなひな壇タイプは1万円前後からありますが、形や素材にこだわった箱型の仏壇は5万円ほどにもなります。
また、仏具はデザイン性や素材によって価格に幅があります。
価格だけで決めずに、本当に自分の気に入ったデザインを探してみましょう。
基本3点セットで5千円、5点セットで8千円程度
「すべてを揃える必要はない」「あまり予算をかけられない」という考えの人は、供養をするのに基本的なものだけを揃えるのはいかがでしょう。
多くの通販サイトでは、「線香立て・花立て・おりん」の3点セットか、 3点にプラスして水入れと供物皿、またはろうそく立てなどの5点セットが売られています。
3点セットの相場は5千円、5点セットの相場は8千円ほどです。
以上、ペット仏具の相場についてご案内しました。
全てを揃える必要はないと思えば、 さまざまな仏具の組み合わせで、いろんなオリジナルの供養ができそうですよね。
次章では、オリジナルな供養の仕方について、具体例をお伝えします。
オリジナルな供養の仕方
ペット仏具は、商品の選び方や組み合わせによって自分らしくアレンジすることができます。
「ペットらしい、自分らしい供養をするために、オリジナルな弔い方を見つけたい」
そう願う人のために、オリジナルの供養例をお伝えします。
分骨用のミニ骨壺とネームプレートの遺影でミニマムな供養
必要な空間は5センチ角ほどの、ミニマムな供養方法があります。
ミニ骨壺のなかでもとくに小さいのが、分骨用の骨壺です。直径2センチほどのカプセル型の骨壺に少量の遺骨を込め、残った遺骨は庭に埋めるか、海などへ散骨します。
遺影はフォトフレームではなく、3センチ角ほどのネームプレートに入れて飾ります。
骨壺と並べてプレートを飾れば、ミニマムな祈りの空間ができあがります。
大きな遺影と美しい花瓶でインテリア風
愛するペットの写真を大きなパネルにし、そのそばに美しい花瓶を配置すれば、純粋にインテリアとして居住空間になじみます。
祈りを捧げるスペースは、骨壺やおりんなどがあると、インテリア上どうしても目立ってしまいます。
そこで遺骨をお墓に埋葬し、遺影と花だけを飾るようにすれば、供養のための空間だと気づくお客様はいないでしょう。
ぬいぐるみの中に遺骨を込めてかわいがる
遺骨を込めることのできるぬいぐるみがあります。
既製品もありますが、生前のペットの姿に似せてオリジナルのぬいぐるみを作ってくれるお店があり、 その中に遺骨を込めれば、いわばそれはペットの分身です。
ぬいぐるみをかわいがることが、そのまま供養になります。
以上のように、オリジナルな供養法はたくさんあります。
自分なりの、そしてペットらしい弔い方を考えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
以上、ペット仏具の種類や価格、供養方法について解説しました。
人間と同じように供養するなら、おりんや位牌、線香立てなど揃えるべきものはありますが 基本的に弔い方は自由であるということが伝えられたなら幸いです。
オリジナルなアレンジを加えれば、きっと祈りの空間に愛着が沸くことでしょう。
お気に入りの供養スペースは、きっとあなたの悲しみを和らげてくれるのに役立ちますよ。
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
ペットは家族の一員、だからこそ丁寧に弔っていきたい、と思うのが飼い主の心情です。しかし「お経もあげて欲しいし、わが家のお墓にも入れてあげたい」と思っても、すんなり実現できることもあれば、不可能なケースもあります。
人間の世界の弔いを、そのままペットに当てはめることに違和感を感じている人は、少なくありません。家のお墓に納めたいと思っても、規約や寺院の考えによっては不可ということもあります。ペットを飼うときは、最期はどうするのか、というところまで考えなければいけない時代なのかもしれません。