お清めの塩の意味と使い方、やり方
葬儀に参列すると、会葬礼状と一緒にお清めの塩を渡されることがあります。
火葬場から帰ったとき、あるいは、一般会葬者が自宅に戻ったときに、死の穢れを家に持ちこないためのお清めとして、塩を体にかけたり、踏んだりする慣習があります。
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そのなかでも「お墓」は、一生に一度あるかないかの買い物ですね。
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お清めの塩の使い方、やり方
お清めの塩は、家に帰ってすぐ、自宅の門に入る前、マンションなどの集合住宅なら玄関に入る前に行います。
玄関内でしてしまうと穢れを家の中に呼び込んでしまうので、玄関をまたぐ前にします。
お清めの塩を、胸→背中→足元の順番に振りかけます。
一掴みくらいの少量の塩をかけて、その後、手で払うようにします。
自分で振りかけても構いませんが、家族がいる場合には家族に振りかけてもらいます。
家に家族がいる場合
家に家族がいる場合は、自宅の玄関に入る前に、家族の人に外に出てきてもらって、胸と背中、足元に塩をかけてもらいましょう。
ひとり暮らしの場合
ひとり暮らしなどで家に誰もいない場合は、自分で肩越しに背中に塩をかけます。
参列後にすぐに帰宅しない場合
葬儀に参列後、帰宅しないでそのまま職場などへ向かう場合は、葬儀会場を出た際に、足元にお清めの塩をまいて踏む、という方法もあります。
お清めの塩の意味
お清めの塩は、穢れである死を清めて、死の穢れを家に持ち込まないようにという意味合いで行われます。
死を穢れとして、塩で清めるというのは、実は神道の作法です。
神道では、死は穢れとされるので、必ずこのお清めの塩を行います。
なお、お清めの塩で祓うのは故人の霊ではありません。
人の死に際して寄り付いてきた邪気を祓うという意味があります。
そのため、決して故人を冒涜しているわけではありません。
ただ、死を穢れとは捉えない宗教や宗派、個人の考えがあるため、必ず行わなければならないものではありません。
仏教では、基本的に死を穢れとは考ておらず、浄土真宗などは、葬儀後に清めの塩を使うことに強く異を唱えています。
ただし、日本の習俗だからと容認する宗派もあります。
実際、日本では、葬儀以外の場でも、力士が土俵に塩をまいたり、嫌な客が帰った後に「塩をまけ」と言うなど、清めるために死を使うケースは多くあります。
葬儀後に清めの塩を使うかどうかは、結局のところ、自分で判断することになりますが、仏教上のしきたりではないことは、頭に入れておきましょう。
もし葬儀から帰宅してお清めの塩をしたいという人は、事前に玄関先に塩を置いておいてもよいでしょう。
お清めの塩がないこともある
会葬礼状に、お清めの塩が入っていないことも増えています。
塩によるお清めの行為は、死を不浄のものと考える神道の風習です。
仏式の葬儀でお清めの塩が渡されるのは、神道と仏教が混同して生まれた風習です。
仏教では、死を穢れと捉えないので、お清めの塩は必要ないと考えて、廃止する地域も増えています。
特に、浄土真宗系の葬儀ではその風習を取りやめています。
お清めの塩はの儀式は、宗教によって判断がわかれます。
そのため、必ず行わなければいけないということはありません。
慣習的に行っていることがほとんどなので、気になるようなら清めの塩が用意されていなくてもやる、気にならないならしない、という自身の気持ちで判断すればよいでしょう。
通夜振る舞いなどの食事もお清めの意味がある
お清めは、塩だけではなく、食事もお清めの一つで、通夜のあとに行う通夜振る舞いもお清めです。
また、通夜振る舞いの席で振る舞われるお酒もお清めです。
お酒には、邪気を払うチカラがあるとされています。
通夜に参列するときの身だしなみに迷ったら、下記の記事を参考にしてください。
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終活といっても、生前整理、葬儀、お墓の検討などさまざまです。
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監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
塩は健康を維持するためのミネラル源であり、欠乏すると腎機能が低下し、血中のバランスが崩れることのなります。また保存食をつくったり、殺菌をするために人間にとって必要なものでしょう。そのため塩には特別な力があると、日本だけではなく世界各地で信じられています。 日本では古事記に「清め」について記載されています。イザナミに会いに黄泉の国へいったイザナギが、変わり果てた妻の姿に驚いてこちらの世界に帰ってきたときに、黄泉の国のケガレを落とすために海で禊(みそぎ)を行ったことが清めの儀式にあたります。禊を行ったことで、右目、左目、鼻おそれぞれから新しい神を生み出したというエピソードは、心身のバランスを取り戻す行為をたとえたのかもしれません。