四十九日の香典相場は5千円~3万円!マナーや表書きについて紹介
人が亡くなった時、葬儀のときには不祝儀を包むことになります。
ただ、お金を包むのは葬儀の日だけではありません。その後に行われる追悼行事のときにもお金を包む機会が出てくる場合があります。
こんな方におすすめ
- 四十九日の香典の金額相場は?
- 四十九日の不祝儀袋(香典袋)は何を選べばよい?
- 四十九日の香典を渡すときのマナーはある?
上記の悩みも踏まえて、この記事では、仏教の追悼行事である「四十九日法要」のときに包む香典について取り上げます。
※なおこの記事では、「四十九日法要」ということで、特記しない限りは仏教の話のみとします。ただ「追悼行事」は、キリスト教や神式でも見られるものです。そのため、この記事でもごく簡単にではありますが、キリスト教や神式において節目となる追悼行事のことも軽く触れていきます。
四十九日法要は、故人の冥福を祈り、また遺された人たちが故人を偲び語り合うためのとても大切な儀式です。失礼のない振る舞い方ができるように、四十九日法要の香典の出し方について学んでいきましょう。
この記事の目次
四十九日の法要とは
「四十九日法要」とは、仏式の葬送儀礼のうちのひとつです。
仏教においては、原則として「亡くなった人は49日間をかけて旅をし、7日間ごとに裁きを受ける。そして49日目に来世における転生先が決まる」と考えられています。遺された人間は故人の来世の行先が良きものであるように祈り、故人の代わりに善き行いをします。(追善供養)
また、現在では「故人のことを思い、親しい人で語り合うための機会」として四十九日法要が設けられているという面もあります。なお在来仏教である浄土真宗の場合は、「亡くなった人はすぐに成仏する」という考えをするため、四十九日法要の目的はこの「思い出話をすること」だけに集約されます。
四十九日法要では遺族に声を掛けられた人が集まり、焼香や食事を行います。
四十九日法要の詳しい流れやマナーについて知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
四十九日の香典の費用相場は5千円~3万円程度
四十九日法要には「香典」を持っていくのが一般的です。
四十九日法要では多くの場合食事が振る舞われ、かつ引き出物を渡されます。葬送儀礼においては喪家(施主側)の負担がどうしても大きくなること、相互扶助の精神から、喪家(施主側)が香典辞退の意向を示さない限りは、香典をお渡しすることがマナーとなっています。
このときに持っていく香典の金額は、故人との関係性の深さによって異なりますが、5千円~3万円程度が一般的です。
なおここでいう「関係の深さ」というのは、「故人との仲の良さ」も考慮に入れるべきではありますが、特に重要視されるのは「故人との血縁関係の近さ」の方です。
また、会食を伴う場合はその分の金額も考慮に入れます(現在は新型コロナウイルスの影響で会食をカットするケースもあります。)
親族への香典の相場は1万~3万円
親族への香典の相場は、1万円~3万円程度です。ただし、関係が近かったり、香典を出す人の年齢が高い場合は、もっと包むこともあります。
故人との関係 | 20代 | 30代 | 40代~ |
---|---|---|---|
親 | 1万円~5万円 | 2万円~5万円 | 5万円~10万円 |
兄弟姉妹 | 1万円~3万円 | 1万円~3万円 | 1万円~5万円 |
祖父母 | 5千円~1万円 | 5千円~3万円 | 5千円~3万円 |
叔父・叔母 | 5千円~1万円 | 5千円~2万円 | 1万円~3万円 |
総じて言えることですが、「自分との関係が近しい(父母など)ほど、年齢による香典の差額が大きく、自分との関係が遠い(いとこあるいはそれ以上に遠い親戚、また知人など)ほど年齢による香典の差額は小さくなる」と考えておいてください。
また結婚している場合、配偶者の家についても「自分の家」と同じものとして扱います。このため、実父と義父では、同じ金額を包むことになります。
友人や知人への香典の相場は5千円~1万円
「血のつながりはないが、四十九日法要に呼ばれた」という場合は、5千円~1万円程度を包んでいきましょう。
会食がある場合は費用が異なる
大原則ですが、「会食がある場合は金額がアップすること」を覚えておいてください。会食がある場合とない場合では、金額が5千円~1万円程度変わってくることを踏まえておきましょう。
四十九日法要で出される食事の相場は5千円~1万円、仕出し弁当でも3千円くらいはかかります。
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香典金額について解説したところで、次は不祝儀袋(香典袋)についてご紹介します。
四十九日法要のときの不祝儀袋の選び方・水引の結び方/色
四十九日法要のときに持っていく「香典」ですが、これには以下のような守るべきマナーがあります。
- 不祝儀袋の選び方
- 水引の形
- 水引の色
- 水引の本数
一つずつ解説していきます。
不祝儀袋の選び方
四十九日法要のとき不祝儀袋と、通夜や葬儀・告別式で使われる不祝儀袋の種類は同じです。
仏教の場合はハスの花のついたものが使えます。ハスの花はお釈迦様を表すもの(お釈迦様がすわっていらした花でもあり、またお釈迦様が歩いた足跡のところにはハスの花が咲いたからともいわれている)と言われています。
またキリスト教の場合は、シンボルである十字架や百合の花の絵柄が印刷されたものを使うことができます。
他の宗教ではこのような絵柄がついた不祝儀袋を選ぶことはできません。無地のものを選びましょう。
水引は一般的に「結び切り」
水引の結び方は、一般的に「結び切り」とします。
結び切りもあわじ結びも、「もう二度と起きてほしくはないこと」「再度起きてはいけないこと」を表す冠婚葬祭行事において用いられる結び方です。また、あわじ結びは特に「硬く心を結び付ける」「一度結んでしまえば外すことは難しい」という意味合いを強く持つものです。
この「結び切り」は、冠婚葬祭の「結婚式」のときでも用いられる水引の形ですから、比較的よく目にすることになるでしょう。
なぜなら弔事用の水引の場合は結び切り以外の水引はないからです。
またキリスト教においては、基本的に水引を用いることはありません。
香典袋の水引の色は3種類
四十九日法要に使われる香典袋の水引は、黒白・藍銀(青白)・双銀(銀色一色)が基本です。また、不祝儀袋の世界では「銀」と「白」はしばしば混同されるため、「白白」の水引がつけられる場合もあります。
もっとも一般的なのは、黒白及び藍銀(青白)の組み合わせでしょうか。
これは日本全国、どこの地域でも使われている組み合わせであり、中身の金額、どんな弔事か(例:葬式、四十九日法要、年忌法要など)、も問わずに使うことのできる水引です。
不祝儀袋としてはもっとも一般的な水引の色であるため、コンビニエンスストアやスーパーでも気軽に買うことができます。
双銀は、特に「中の金額が高いもの」に限られるとされています。5万円以上が相場とされていますから、40代以降の人で、近しい(親など)の関係性の人の四十九日法要には、この双銀を選んでもよいでしょう。ただし、「5万円以上ならば必ず双銀で」というルールはないので迷った場合は黒白で構いません。
関西地方は黄白も用いられる
関西地方の場合は、黄色と白の水引が使われることが多いとされています。「黒白」の組み合わせは全国で見られるものですが、京都地方ではあまりこれは使いません。京都では黄白が一般的です。
また石川県などでも、「通夜や葬儀・告別式のときは黒白の水引で、それ以降の法要・法事のときには黄色と白のものを持っていく」としている場合もあるようです。
ただしこのような「水引の色の違い」は、絶対的なものではありません。
また、同じ地域であっても、ひとつの四十九日法要で違う色の水引がかけられた不祝儀袋が寄せられることはよくあります。地域差はあるものの、これも絶対的な決まりとまではいえないのです。全国から親戚が集まるのであればなおさらです。
覚えておきたいのは、「選ぶべき色」よりも、「選んではいけない色」の方です。紅白の水引や、あきらかに慶事用の水引を選ばない限りは、双銀でも黒白でも藍銀でも黄白でもあまり問題になることはないでしょう。
香典袋の水引は5本を基本とする
四十九日法要の不祝儀袋の水引の本数は、5本が基本となります。
それ以外の本数に関しては諸説あります。
5本よりも7本の方が格が上であり、7本よりも10本の方がさらに格上である
慶事のときは奇数あるいは10本が基本であり、弔事には4本や6本などの偶数本で作る
水引の本数は明確に決められていて、1万円~3万円は7本あるいは10本。10万円以上で10本の水引が使える
このような意見は、どれが正しくてどれが正しくないと断言するのは難しいものです。
「弔事は偶数本」と言われていますが、老舗の水引業者などからは否定的な意見が出ています。
そのため、あくまでも傾向として捉えつつ、迷ったときは上記の基準を前提としつつ選んでいくとよいでしょう。また、水引の本数に限らず不祝儀袋のあり方は地域によって異なるため、わからない場合は周囲の人に聞くことをおすすめします。
四十九日法要の場合は、通夜や葬儀・告別式とは異なり、不祝儀袋を用意するための時間も確保できますから、人に聞いたり調べたりする時間は十分に確保できるはずです。
次に、不祝儀の表書きについても解説していきます。
不祝儀(香典)の表書きは「御佛前」が一般的
四十九日法要の不祝儀袋の表書きで、もっとも一般的なものは「御佛前(御仏前)」です。この言い方は、一般的な在来仏教のときに使われる言い回しです。
また、「御香料」「御花料」「御香奠」の言い方をする場合もあります。
なお、「御香料」「御花料」はほかの宗教においても使うことのできる言い回しです。
ただ、四十九日法要に呼ばれるほど親しい人の場合は相手の宗教・宗派を把握していることが前提となるため、「相手の宗教がわからないので、とりあえずこの言い回しをする」などのようなケースはないでしょう。
※「満中陰志」「志」「粗供養」などの言い方は、「四十九日法要が終わった後に、『喪家・施主側から』渡される香典返しのときの表書きなので、混同しないようにしてください。
キリスト教の場合
キリスト教の場合は、「御花料」とするのがもっとも一般的です。この言い方は、カトリックでもプロテスタントでも使うことができます。
また、カトリックでは特に「御ミサ料」、プロテスタントでは「忌慰料」の言い回しをとることがあります。
神道の場合
神式の場合は、「御玉串料」「御神前料」「御神饌料」などの言い回しを選びます。また、「御霊前」でも構いません。
神式の場合の不祝儀袋は、仏式のものに準じます。ただし、ハスの花の入ったものは利用しません。
また、神式の場合、四十九日法要にあたるものは「五十日祭」とされます。
間違った表書きをとることは大変失礼にあたります。
特にこの追悼儀式は、通夜や葬儀・告別式とは異なり、準備する期間もありますから、そそうのないようにしたいものです。
【宗教別、追悼儀式の不祝儀の早見表】
不祝儀袋 | 表書き | |
---|---|---|
仏教 | ハスの花の入ったもの、あるいは黒白・双銀・藍銀などの水引がつけられたもの | 御仏前 |
神式 | 黒白・双銀・藍銀などの水引がつけられたもの、ハスの花や百合、十字架の入ったものは不可 | 御玉串料・御神前料・御神饌料・御霊前など |
キリスト教 | 十字架か百合の入ったもの、あるいは無地の白封筒が望ましい | 御ミサ料(カトリック)・忌慰料(プロテスタント) |
※「御花料」「御香料」はどの宗教・どの宗派でも利用可能
不祝儀(香典)の名前の書き方について
不祝儀(香典)袋に書く名前は、
- 個人名(四十九日法要は、特に親戚が多く集まるのでフルネームで記載する)
- 夫婦の名前(夫の名前だけを記す場合もあるが、妻の名前を添えることもある)
が基本です。
連名で書く場合は、
- 目上の人間の名前を中央部分に書き、向かって左側に目下の人間の名前を書く
- 序列がない場合は五十音順で書く
の2つを守るようにします。
なお連名で書くのは3人までなので、それ以上になった場合は「〇〇一同」と記します。
名前を記す場所は、表書きのちょうど真下です。
四十九日の香典マナー・注意点4つをご紹介
ここからは、四十九日法要の香典(不祝儀)を入れるときのマナーについてご紹介します。
4と9を連想させる金額は避ける
四十九日法要の香典は、通夜や葬式・告別式のときと同様、4や9のつく金額をいれることは避けます。(例:4千円、4万円、9千円、9万円)。
これらは「死(4)」や「苦(9)」に繋がるとされているからです。キリスト教などの海外から入ってきた文化に対しても同じマナーが適用されるのかどうかについてはあまり言及されることはありませんが、避けた方が無難でしょう。
「夫婦2人で出るので、1人2万円だとすると4万円になる」「大学時代の友人の四十九日法要に、部長であった自分が代表で呼ばれた。1人ずつから集めると、9千円になってしまう」などの場合は、1千円あるいは1万円を足して1万円あるいは5万円とし、キリのよい数字にまとめるのが基本です。
なお、2万円に関しては昔は「割り切れる数字であるため、故人とそのご家族との縁が切れる」として避ける傾向もありました。しかし現在では2万円に関しては、4千円や9千円(4万円や9万円)ほどタブー視されることはなくなっています。どうしても気になる場合は、5千円札2枚と1万円札1枚などにするとよいでしょう。
お札の向きは肖像画が下
お札の入れ方については、
- 肖像画が下
- 裏向きに入れる
とされることが多いようです。
これは、「すぐに数字を確認できるので、喪家(施主側)が管理をしやすい」「肖像画(顔)を下に向けることで、悲しみに顔を伏せている状態を表せる」という理由があるとされています。
ただ同時に、「顔のある方を表側にして入れる」という説もあります。
このあたりに関しては、実際の葬送儀礼の場面でもそれほど気にされることはありません。あまり神経質になる必要はないでしょう。
ただし、「複数枚のお札が入っているのに、裏表が入り乱れている」「肖像画が下になっているものもあれば、上になっているものもある」という状態は失礼であるとされています。このため、複数枚のお札を入れる場合は向きや上下を統一しましょう。
なお、「通夜や葬儀・告別式のときでは、新札は基本的には避けるべきだ」とされています。これは「死を予想していた」ととらえられるからです。
しかし四十九日法要の場合は、準備するための期間があったわけですから、新札であっても構わないとされています。
不祝儀袋の閉じ方・包み方
不祝儀袋の閉じ方は以下通りです。
お金を白い長方形の用紙の上に置く
まずは縦辺から折りたたむ
横辺の下部を先に折りたたむ
その上から、横辺の上部を折りたたむ
なお慶事では逆に上側→下側の順番で折りたたみます。
これは、「慶事のときは幸せが下からこぼれおちないように、弔事のときは悲しみで深く俯いている様を表すように」という意味が込められていると言われています。
なお、弔事と慶事ではいろいろなことが逆の手順で行われるため、「慶事の反対の畳み方が、弔事の畳み方である」と考えておいても問題ないでしょう
文字は濃墨で書く
通夜や葬儀・告別式で持っていく不祝儀は、薄墨で表書きを書くことになります。
これは、
悲しみのあまり、墨をする力もありません
悲しみの涙が墨に落ち、薄くなってしまいました
突然の訃報に急いで駆けつけてきたため、しっかりと墨をすることができませんでした
の意味があるといわれています。
しかし四十九日法要の場合、少なくとも3番目の例は当てはまりません。そのため、一般的には濃墨で書かれることが多いといえます。
ただし、1番目と2番目の「悲しみのあまり墨をする力がない、涙が落ちて薄くなった」は否定できないということもあり、四十九日法要でも薄墨で書く風習の地域もないわけではありません。
文字の濃淡はそれほど気にしすぎる必要はないでしょう。どうしても悩む場合は、周りの人に確認することをおすすめします。
香典の正しい渡し方
ここからは、当日の香典の渡し方について説明していきます。
四十九日法要で手渡しする場合は言葉を添える
比較的大きな四十九日法要の場合は、受付が設けられている場合があります。
そのときには以下のようにして渡します。
受付の前で、ふくさから取り出す
香典は、袱紗(ふくさ)に包んで持っていきます。袱紗は、藍色などの寒色あるいは紫色を選びます(紫色は慶弔兼用)。
また、相手が読みやすいようにして手渡しします。頭を軽く下げてお渡しします
無言でも良いですし、「お招きいただきまして恐縮です」と添えても構いません。受付がない場合でも、基本的には渡し方は同じです。ただこの場合はご家族に直接お渡しすることになるため、「仏壇にお供えください」などのように添えてお渡しすることができます。
また、四十九日法要の規模やご家族・故人との関係性にもよりますが、僧侶が到着する前に自分で直接仏壇に香典をお供えし、先に線香をあげることもあります。
ただ、基本的には「香典はまずは受付の人かご家族にあいさつをしながら渡すもので、仏壇の前の座布団などを勧められたら状況に応じて判断するもの」と考えてください。
郵送で渡す場合は手紙を添える
四十九日法要などの弔事は何事にも優先されるものではありますが、下記のような事情がある場合は、参加を断るのも仕方のないことでしょう。
- 本人や家族の体調不良
- 仕事の都合で海外にいて、どうしてもその日に参加することができない
- 職場が医療機関であり、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で移動の自粛が求められている
などの特段の事情がある場合は、参加を断るのも仕方のないことでしょう。
この場合は、郵送で四十九日法要の香典をお送りすることになります。
選ぶのは現金書留封筒です。
香典袋のマナーなどは、直接手渡しする場合に準じます。また、郵送でお送りする場合は手紙を添えるようにしてください。
手紙には、書き添える内容は以下になります。
- 四十九日法要に招いてくれたことのお礼
- どうしても参加できないことのお詫びと理由
- 香典を送らせていただく旨
- 故人の冥福を祈っていること
なお、普通郵便で現金を送るのは法律違反になるので、必ず現金書留封筒を利用してください。
また、香典袋にも必ず住所氏名を書き添えます。
四十九日法要に香典が必要か不要かに迷ったら
ここまでは「四十九日法要の香典の送り方」について述べてきましたが、現在は四十九日法要のあり方も(葬式ほどではないにしろ)多様化しつつあります。
また、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響によって、四十九日法要自体を行うか行わないか、規模の見直しも行われています。
このため、「四十九日法要において、香典は必要かどうか」という根源的な問題にぶつかる人もいるでしょう。
最後にこの点を解説していきます。
四十九日法要の香典は原則として必要
四十九日法要の香典は、原則として必要です。一般的な四十九日法要の場合、以下のような例外でなければ、親族でも友人・知人でも香典を包みます。
- 故人が両親であり、兄弟姉妹で喪主を務め、かかった費用を折半する
- 学生である
- ご家族から香典を辞退された(※後述します)
注意したいのは、「家族葬で見送った場合であり、かつ家族葬においては香典辞退の意向を示されていた場合であっても、四十九日法要では原則として香典をお渡しすべき」という点です。
通夜~葬儀・告別式と、四十九日法要は、まったく別の集まりです。
ご家族から「四十九日の香典辞退」の意向が示されない限りは持参します。
辞退の旨を伝えられた場合は不要
四十九日法要でも、葬式同様、香典を辞退するご家族もいます。
参列者を呼ぶ範囲が少人数にとどまったり、また「周りの人の負担を軽減したい」などのような要望を持っていたり故人がそのような意思を表明していた場合は、四十九日法要でも香典辞退をするご家族もいます。
四十九日法要に限らず、葬送儀礼においては、喪家(施主)と故人の意向が優先されます。四十九日法要の案内などに、「香典は辞退する旨」が書かれていた場合は、四十九日法要でも香典を持っていく必要はありません。
なお、このようなスタンスを取る場合は、喪家(施主)側はわかりやすいように案内しなければなりません。
「Aさんからは受け取ってBさんからは受け取らなかった」などの事態が起こるとトラブルの原因になってしまう可能性があるので、喪家(施主)側から香典を辞退された場合は、無理に渡すことは控えましょう。
迷ったのならば持っていき、状況に応じて対応する
香典を出すべきか出さざるべきかに迷った場合は、「とりあえず持っていき、その場で状況に応じて対応する」というやり方を取りましょう。
たとえば、以下のようなケースが考えられます。
- 「香典辞退」とは明確に言われてはいないが、僧侶も呼ばず会食もなし、手を合わせるだけで解散のようだ。また、ご家族から「お気遣いなく」などのようにいわれている
- 親族間では四十九日法要のときに香典を持っていかないことが慣習化されているが、「香典辞退」の案内はない
- 香典辞退だといわれているが、自分の親が強硬に「絶対に持っていけ」と言っているし、ほかの親族も持っていこうかどうかで迷っているようだ
四十九日法要に限った話ではありませんが、葬送儀礼には地域差やご家族の考え方などが大きく影響を与えます。
「わからない」「判断がつかない」という場合は、どちらでも対応できるようにしておくのが無難です。
まとめ
四十九日法要の香典について解説いたしました。
以下、簡単にまとめます。
- 四十九日の香典金額
- 親族の立場の場合、1万円~3万円が目安
- 血のつながりが濃ければ濃いほど、また参列者側の年齢が高ければ高いほど香典の額は上がる傾向
- 友人や知人の場合は、5千円~1万円が相場
- 「故人、あるいは喪主(施主)と親しいからこそ四十九日法要に招かれた」という認識を忘れず、低すぎる金額を包まないように注意
- 会食がある場合は5千円~1万円程度をプラス
- 四十九日の香典袋の水引の色・結び方・本数
- 色:黒白、藍銀(青白)・双銀、地域によっては黄白
- 結び方:結び切り
- 本数:5本を基本とし、金額が上がるごとに7本・10本と使い分ける傾向あり
- 偶数本にすることもある
- 四十九日の香典袋の表書き
- 仏教ならば「御仏前(御佛前)」
- 神式ならば「御玉串料」など
- キリスト教ならば「御花料」にするのが無難(プロテスタント、カトリック、どちらでも使えるため)
- 宗教を選ばない書き方としては「御花料」「御香料」
- 名前の書き方は、「表書きの下にフルネーム」が基本
- 四十九日法要のお金の入れ方渡し方
- 「4」や「9」は、「死」「苦」を連想させるので避ける
- お金は、肖像画を下にして肖像画が見えないようにして入れる傾向あり ただし、「お札を複数入れる場合」は、向きや裏表を統一
- 文字は濃墨で書くのが一般的
- 香典の渡し方
- ふくさに包む
- 相手から文字が読みやすいように向きを変える
- 郵送でも送る場合は言葉を添えて現金書留で送る
- 四十九日法要の香典、不要か必要かで迷ったら
- 四十九日法要と家族葬は異なるものなので、「家族葬のときに香典を辞退されていたから、四十九日法要でも辞退されるだろう」と考えるのは危険
- 基本的には、四十九日法要には香典が必要です。ご家族から「香典辞退」の旨が明確に出されていたときのみ不要
- 迷った場合はとりあえず持っていき、状況によって判断
「初七日法要」が、葬儀・告別式の日(火葬の後)に行われるようになり、また二七日~六七日法要までが省略されるようになった現在、四十九日法要は「実質上、故人が旅立ってから初めて(別日に)行われる法事・法要」となっています。
大切な葬送儀礼ですから、マナーを守って参列したいものですね。